転生したらストーカーも転生したようなので、魔術師団に入ります。

館花陽月

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マグダリア王国編

約束。(現世・夢)

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僕の研究室での日々は、2日に1回は家に帰りまたラボに泊まり込む。

髭なんか生やそうと思ったら、一週間もあれば生え揃ってしまう。
でも、いつも身だしなみには一定の気は使っていた。

大好きな彼女に会えるラボへ行く時に、僕は少しでも身だしなみを清潔にしている自分を目に映して欲しかった。


アルバイトの日の行きかえりでは、雑誌を読みながら流行りのファッションを頭に入れて、休みの日は短い時間で洋服を買いに行く。

センスのいい靴、襟のついたシャツ・・。

僕の方が年上なのに、茶色の猫っ毛に、クリクリした大きな瞳はどう見ても童顔。

雑誌を見ながら、友人にタイプを聞かれて答えていた彼女の好みの切れ長の瞳で、クールな印象の男性像と僕は全く違っていた。

一人暮らしだけど、アイロンもしっかりかけた。
香水も、大学生になって初めてつけるようになった。

全ては彼女に会って、あの色素の薄い透明な瞳で微笑まれた日から。

先端エネルギーの講義を受けていた僕に、話を聞きたいと講義室の前に訪ねて来た
彼女を一目見たときから・・。

僕は、何処にいても彼女を探してしまう。

同じ研究室を希望した事を知った時は、ガッツポーズをするほど大喜びをしてしまった。

彼女の好きな音楽を知れば僕は帰り道に、ツタ○に寄ってCDを漁って帰る。

少しでも、君と話しがしたくて・・・。
眠気覚ましのコーヒーを入れると、

「先輩の入れたコーヒーは美味しいし、香りも別格なんです。」

と言って笑ってくれた。

その美しい笑顔を自分だけに、向けて欲しくて。

だけど、僕は彼女と離れる決断をすることになる。

自分の目標の為に、海外のラボでの研究を薦められ、それを受けたから。

一人前になって、戻って来ようと決めていた。

自分の気持ちを彼女に伝えようと、手紙を書いて渡した。

だけど、出発の日・・・。
彼女は約束の場所にいつまで経っても来なかった。

日が暮れた研究棟の屋上で沈みゆく太陽を見ながら思った。

これが彼女の気持ちなのだ・・・と。

僕はあの日、空港までの事はほとんど覚えていない。

彼女の好きな音楽しか入っていないipodをずっと聞いていた。

彼女の笑顔を思い出し、切なく窓の外の景色を見ながら涙が零れた。

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