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マグダリア王国編
ホログラム。
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「クロニクル」が王令により、封鎖をされ2週間が経った。
以前の爆発により、「メディテリア」での手当を受けている者もまだ多数いる。
しかし、傷痕はなかったかのように検問所もすぐに修繕が成されて以前よりも強固なシステムの導入が行われていた。
更に魔術キャンセラーを検問所よりも1キロ先の壁から駆使し、人体スキャンが可能な装置を取り入れていた。
ここには、ランドルと、メイデルが残り他の者は自国へと戻ったのだった。
アリストラドの情報と、エミールの情報をインプットし、最小限の出入りのみの体制を貫いていた。
ジェンダリン=ボマード博士は、意識を取り戻し、事の次第を伝え閉じ込められた球体の話や、聞いていた化学の話などをメイデルが詳しく伝えると腕を組みながら考えを巡らせていた。
「この腕輪のように、魔術と科学に互いに反応する術式とプログラムを
組み込む事で防御が完璧になるのではないだろうか?
・・・しかも、ブルームスコーピオンの狙いが、世界の破壊だとすると大きな巨大破壊兵器を作り、終焉を望んでいる節があるのだとすると
その攻撃に備えた防衛の盾が必要じゃ。」
「そうですね・・。町一つ軽く吹っ飛ばす動力源の物を作り出す事が可能な科学者達を多数集結してるとなると・・。
時間的にもひっ迫してる。我々も間に合うか分かりません。」
メイデルは落ち込んだ様子で、ジェンダリンを見つめる。
ジェンダリンは瞳を輝かせて笑う。
「殿下、ここは何処ですか?」
「は?・・ここは学術都市。「クロニクル」ですが・・。」
メイデルはポカンと口を開けたまま答えた。
「ここには、未来の博士や、教授レベルの頭脳が揃っております。
声を掛けて、これからの防衛に備える技や化学の結晶を生み出すことが出来ますよ。」
「そ・・そうですが・・。その為の手段が・・。」
「手段や設計図なら、私の頭にもうすでにあります!
文殊の知恵と言いますので、優秀な者達が集まれば知恵を出し合い、更に強固な防衛兵器を
作り出せるやもしれませぬ。
学派や大学の枠を越え、英知を集結させては如何ですか?!」
ランドルは、乗り出してジェラルドの手を握る。
「それしかないですね!!集えばより素晴らしい物が出来るでしょう・・。
科学の知を持つ研究者や、その卵を集めアイデアを出し合いましょう!」
ランドルは、セレーナを案じ不安で眠れない日々を過ごしていた。
何か自分たちに出来ることをしたかった。
「・・そうだな。やってみる価値はありそうだ。至急クロニクルの研究棟の大きい場所を抑え、クロニクル中に王令を伝達して欲しい。」
メイデルは、ランドルと目を合わせ部下に指示を出した。
ランドルも希望を胸に抱き、研究者たちを集めて衣食住を提供する場所を探しに向かった。
「クロニクル」を見渡せる丘を通り、美しい近未来都市を眺めた。
「この街を作り上げた科学者達なら・・。きっと、アリストラドを倒す科学も作り出せる。」
ポツリと呟く。
最後に見たセレーナの潤んだ笑みが焼き付いて離れなかった。
大好きな彼女を何故、あの時行かせたのだろう・・。
ランドルの脳裏には激しい後悔ばかりが付き纏っていた。
急に目の前に現れた人間が、心配そうに覗き込んだ。
「よお、ランドルー。しけた面してるなぁー。」
「・・・ケイレブ、お前か・・。
もう体は大丈夫なのか?」
肩に包帯を巻いたケイレブが、丘の上で緑色の髪を靡かせて微笑んだ。
「大丈夫だ!!それよりも、だ。
先週の入団テストで入団した者に裏切り者がいないか調べていたが、今回は大丈夫そうだ。
クロニクルの最新の機械を借りて調べたので大丈夫だ!」
「そうか・・。アリストラドが首謀だとすると
かなりの数を魔術師団に潜り込ませる事は可能だろうから・・。
よく知っている者故、防御が難しいがな。」
「そうだな。
疑わしき者はかなりの数で捕えたが、やはり・・その者たちの多数が自害した。
先駆けて用意した、第4師団と、第5師団も順調に育っているぞ。」
「・・そうだ。クリス=アルベルディアも、入団したって本当か?」
くすりと笑ったケイレブは嬉しそうに頷いた。
騎士団を辞め魔術師団入りを希望したクリスは、「クロニクル」から急ぎカルドリアへ戻り、魔術師団の入団テストを受けたのだった。
「流石、セレーナの弟だな。魔力が育てば師団長クラスにもなれそうだぞ。」
ケイレブは嬉しそうに笑んだ。
「セレーナの居所は・・まだ分からぬのか?」
「ああ、アスコットと新たな第3師団の任務として近隣諸国に派遣しているが・・・。手がかりはまだ掴めていない。」
苦しそうな表情でケイレブはランドルに告げた。
「そうか、「クロニクル」で優秀な科学者が集い、アリストラドに対抗する防衛兵器を作る算段になりそうなのだ。
それが出来れば、カルドリアにも送れるそうだ。
新たな希望が育っているのだ。前を向かねばな・・・。」
「ランドル、お前寝てないだろ?大丈夫か・・?
・・・そんなお前を見たらセレーナも心配するぞ。」
あの碧の瞳を思い浮かべると、胸が痛む。
早く腕の中に柔らかい体を抱きしめ、安心したかった。
「ああ、大丈夫だ。
それよりも・・。
アリストラドの正体が分かったのに、泳がせておいて良いのか?」
ケイレブがニヤリと笑う。
「泳がせているのはセレーナの居所を掴む為でもあるからな。
あいつは、今もふつうの生活を送っているよ。」
ケイレブはワザとアリストラドの術に嵌った不利をして魔弾を受け、魔術の痕跡を元に変装して過ごしているアリストラドの住まいの場所へと転移をしたのであった。
ブレスが光り輝いて攻撃を阻止し、狙いの外れた魔弾は腕に当たり細かく散ったのだった。
転移を遂げたその場所は、祖国であるカルドリアにある邸の中であった。
「さぁて・・・。奴はいつ動き出すのやら。」
ケイレブは少年のような蒼い瞳でにやっと笑った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
薄暗い暗闇の中で一人の少女が目覚めた。
真上を見上げると鏡面の天井が広がり、床は冷たく黒い御影石が広がっていた。
「ここは・・・。あれ?私・・。変な球体に入って。」
広い部屋の真ん中には大きなベッドがあり、そこに横たえられていた。
ズキッと頭が痛み。気が反れる。
美しいクリスタルのようなシャンデリアスタンドの側には大きな衝立の先にソファセットが置いてあった。
一歩づつ進んで様子を確かめに行くと、衝立ての傍に人の気配がした。
そっと、覗き込むようにして衝立の穴から中の様子を見る。
大きな像のようなホログラムが2つ・・。
真っ暗な空間に映し出されていた。
「・・・これっ。」
一つは、私・・?
でも少し違う・・・。
栗色の美しい髪に、毛先が内巻きにカールしている・・。
同じようにアレクサンドライトのような碧の瞳を持った症状がピンクのドレスを身に纏い微笑んでいる。
セレーナ・・?
でも、少し違うわ・・誰?!
もう1つのホログラムを見た瞬間目を見開き、驚愕した。
ゴクリと喉を鳴らす。
「な・・なにっ!!これ・・何故っ・・。」
カタカタと体は震え・・指先にまで震えが走る。
色素の薄い栗色の髪をボブに切りそろえ、ヘーゼルナッツの瞳を太陽が明るく照らしていた。
光の加減で輝きは・・・蒼にも、黄金色にも見えた・・アレクサンドライトの瞳。
白衣を着てほほ笑むその人物は、私だった。
「・・・美しいだろ?君は・・。
いつどんな時代に生まれても。」
紅い瞳で、同じようなルビーのワインを傾け嬉しそうにホログラムを見つめる。
急いで踵を返し部屋の出入り口の扉まで走る。
・・・異常だわ!!
この人絶対おかしい・・・。
ここにいちゃ駄目だ。
心に警鐘が鳴らされる。
「開けてよ!!!お願い、だれか、この扉を開けて!!」
ダンダン!!と思い切り扉を叩き、懸命な声で叫ぶ・・。
敵陣の中に自分は居て、誰も来ないことは何となく分かっていた。
だけど・・・。ここには居たくなかった。
囚人の心理・・。
可笑しな人と一緒にいると自分まで可笑しくなる。
ゾッとするような感覚が体中に走ったのだった。
「出れないよ。君はずっと私の傍にいて・・。
今度こそ。」
「嫌っ!!離してよ!
貴方異常だわ・・。何故私に執着するの?!
私が何をしたってのよ。」
後ろから腕を掴まれて身動きが出来ぬように、ぎゅうっと強く抱き着かれたのだった。
足の先から冷たくなる温度にぶるりと震えた。
以前の爆発により、「メディテリア」での手当を受けている者もまだ多数いる。
しかし、傷痕はなかったかのように検問所もすぐに修繕が成されて以前よりも強固なシステムの導入が行われていた。
更に魔術キャンセラーを検問所よりも1キロ先の壁から駆使し、人体スキャンが可能な装置を取り入れていた。
ここには、ランドルと、メイデルが残り他の者は自国へと戻ったのだった。
アリストラドの情報と、エミールの情報をインプットし、最小限の出入りのみの体制を貫いていた。
ジェンダリン=ボマード博士は、意識を取り戻し、事の次第を伝え閉じ込められた球体の話や、聞いていた化学の話などをメイデルが詳しく伝えると腕を組みながら考えを巡らせていた。
「この腕輪のように、魔術と科学に互いに反応する術式とプログラムを
組み込む事で防御が完璧になるのではないだろうか?
・・・しかも、ブルームスコーピオンの狙いが、世界の破壊だとすると大きな巨大破壊兵器を作り、終焉を望んでいる節があるのだとすると
その攻撃に備えた防衛の盾が必要じゃ。」
「そうですね・・。町一つ軽く吹っ飛ばす動力源の物を作り出す事が可能な科学者達を多数集結してるとなると・・。
時間的にもひっ迫してる。我々も間に合うか分かりません。」
メイデルは落ち込んだ様子で、ジェンダリンを見つめる。
ジェンダリンは瞳を輝かせて笑う。
「殿下、ここは何処ですか?」
「は?・・ここは学術都市。「クロニクル」ですが・・。」
メイデルはポカンと口を開けたまま答えた。
「ここには、未来の博士や、教授レベルの頭脳が揃っております。
声を掛けて、これからの防衛に備える技や化学の結晶を生み出すことが出来ますよ。」
「そ・・そうですが・・。その為の手段が・・。」
「手段や設計図なら、私の頭にもうすでにあります!
文殊の知恵と言いますので、優秀な者達が集まれば知恵を出し合い、更に強固な防衛兵器を
作り出せるやもしれませぬ。
学派や大学の枠を越え、英知を集結させては如何ですか?!」
ランドルは、乗り出してジェラルドの手を握る。
「それしかないですね!!集えばより素晴らしい物が出来るでしょう・・。
科学の知を持つ研究者や、その卵を集めアイデアを出し合いましょう!」
ランドルは、セレーナを案じ不安で眠れない日々を過ごしていた。
何か自分たちに出来ることをしたかった。
「・・そうだな。やってみる価値はありそうだ。至急クロニクルの研究棟の大きい場所を抑え、クロニクル中に王令を伝達して欲しい。」
メイデルは、ランドルと目を合わせ部下に指示を出した。
ランドルも希望を胸に抱き、研究者たちを集めて衣食住を提供する場所を探しに向かった。
「クロニクル」を見渡せる丘を通り、美しい近未来都市を眺めた。
「この街を作り上げた科学者達なら・・。きっと、アリストラドを倒す科学も作り出せる。」
ポツリと呟く。
最後に見たセレーナの潤んだ笑みが焼き付いて離れなかった。
大好きな彼女を何故、あの時行かせたのだろう・・。
ランドルの脳裏には激しい後悔ばかりが付き纏っていた。
急に目の前に現れた人間が、心配そうに覗き込んだ。
「よお、ランドルー。しけた面してるなぁー。」
「・・・ケイレブ、お前か・・。
もう体は大丈夫なのか?」
肩に包帯を巻いたケイレブが、丘の上で緑色の髪を靡かせて微笑んだ。
「大丈夫だ!!それよりも、だ。
先週の入団テストで入団した者に裏切り者がいないか調べていたが、今回は大丈夫そうだ。
クロニクルの最新の機械を借りて調べたので大丈夫だ!」
「そうか・・。アリストラドが首謀だとすると
かなりの数を魔術師団に潜り込ませる事は可能だろうから・・。
よく知っている者故、防御が難しいがな。」
「そうだな。
疑わしき者はかなりの数で捕えたが、やはり・・その者たちの多数が自害した。
先駆けて用意した、第4師団と、第5師団も順調に育っているぞ。」
「・・そうだ。クリス=アルベルディアも、入団したって本当か?」
くすりと笑ったケイレブは嬉しそうに頷いた。
騎士団を辞め魔術師団入りを希望したクリスは、「クロニクル」から急ぎカルドリアへ戻り、魔術師団の入団テストを受けたのだった。
「流石、セレーナの弟だな。魔力が育てば師団長クラスにもなれそうだぞ。」
ケイレブは嬉しそうに笑んだ。
「セレーナの居所は・・まだ分からぬのか?」
「ああ、アスコットと新たな第3師団の任務として近隣諸国に派遣しているが・・・。手がかりはまだ掴めていない。」
苦しそうな表情でケイレブはランドルに告げた。
「そうか、「クロニクル」で優秀な科学者が集い、アリストラドに対抗する防衛兵器を作る算段になりそうなのだ。
それが出来れば、カルドリアにも送れるそうだ。
新たな希望が育っているのだ。前を向かねばな・・・。」
「ランドル、お前寝てないだろ?大丈夫か・・?
・・・そんなお前を見たらセレーナも心配するぞ。」
あの碧の瞳を思い浮かべると、胸が痛む。
早く腕の中に柔らかい体を抱きしめ、安心したかった。
「ああ、大丈夫だ。
それよりも・・。
アリストラドの正体が分かったのに、泳がせておいて良いのか?」
ケイレブがニヤリと笑う。
「泳がせているのはセレーナの居所を掴む為でもあるからな。
あいつは、今もふつうの生活を送っているよ。」
ケイレブはワザとアリストラドの術に嵌った不利をして魔弾を受け、魔術の痕跡を元に変装して過ごしているアリストラドの住まいの場所へと転移をしたのであった。
ブレスが光り輝いて攻撃を阻止し、狙いの外れた魔弾は腕に当たり細かく散ったのだった。
転移を遂げたその場所は、祖国であるカルドリアにある邸の中であった。
「さぁて・・・。奴はいつ動き出すのやら。」
ケイレブは少年のような蒼い瞳でにやっと笑った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
薄暗い暗闇の中で一人の少女が目覚めた。
真上を見上げると鏡面の天井が広がり、床は冷たく黒い御影石が広がっていた。
「ここは・・・。あれ?私・・。変な球体に入って。」
広い部屋の真ん中には大きなベッドがあり、そこに横たえられていた。
ズキッと頭が痛み。気が反れる。
美しいクリスタルのようなシャンデリアスタンドの側には大きな衝立の先にソファセットが置いてあった。
一歩づつ進んで様子を確かめに行くと、衝立ての傍に人の気配がした。
そっと、覗き込むようにして衝立の穴から中の様子を見る。
大きな像のようなホログラムが2つ・・。
真っ暗な空間に映し出されていた。
「・・・これっ。」
一つは、私・・?
でも少し違う・・・。
栗色の美しい髪に、毛先が内巻きにカールしている・・。
同じようにアレクサンドライトのような碧の瞳を持った症状がピンクのドレスを身に纏い微笑んでいる。
セレーナ・・?
でも、少し違うわ・・誰?!
もう1つのホログラムを見た瞬間目を見開き、驚愕した。
ゴクリと喉を鳴らす。
「な・・なにっ!!これ・・何故っ・・。」
カタカタと体は震え・・指先にまで震えが走る。
色素の薄い栗色の髪をボブに切りそろえ、ヘーゼルナッツの瞳を太陽が明るく照らしていた。
光の加減で輝きは・・・蒼にも、黄金色にも見えた・・アレクサンドライトの瞳。
白衣を着てほほ笑むその人物は、私だった。
「・・・美しいだろ?君は・・。
いつどんな時代に生まれても。」
紅い瞳で、同じようなルビーのワインを傾け嬉しそうにホログラムを見つめる。
急いで踵を返し部屋の出入り口の扉まで走る。
・・・異常だわ!!
この人絶対おかしい・・・。
ここにいちゃ駄目だ。
心に警鐘が鳴らされる。
「開けてよ!!!お願い、だれか、この扉を開けて!!」
ダンダン!!と思い切り扉を叩き、懸命な声で叫ぶ・・。
敵陣の中に自分は居て、誰も来ないことは何となく分かっていた。
だけど・・・。ここには居たくなかった。
囚人の心理・・。
可笑しな人と一緒にいると自分まで可笑しくなる。
ゾッとするような感覚が体中に走ったのだった。
「出れないよ。君はずっと私の傍にいて・・。
今度こそ。」
「嫌っ!!離してよ!
貴方異常だわ・・。何故私に執着するの?!
私が何をしたってのよ。」
後ろから腕を掴まれて身動きが出来ぬように、ぎゅうっと強く抱き着かれたのだった。
足の先から冷たくなる温度にぶるりと震えた。
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