転生したらストーカーも転生したようなので、魔術師団に入ります。

館花陽月

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シーグラルド公国編

化け物として生まれて。

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シーグラント公国。

この国は古代から続く、美しい神話が息づく国。

隣国のカルドリア王国や、マグダリア王国とは一線を画し平和で穏やかな湖と、美しい山々に囲まれた国。

平和な水の都アストリアには、商人が集い市が立ち
山々からの美しい水を引いた水路の都で、都自体が滝に覆われた不思議な都だった。

人々は農村からの作物や、衣類などを売り賑やかに暮らす。

自給自足の暮らしと、水晶や、ダイヤモンドなどの宝石の出土があり、金も採れる事で、資源は豊富にあるこの国は潤っていた。

その国で1人の魔力の恵みを受けた男の子が生まれた。

魔力を持つその男の子は、母親から言われていた言いつけを破り魔力を使ってしまったのだった。

木から落ちた友人の傷を癒そうと、手を翳すとポウ。と柔らかい光が灯り見る見る内に傷が癒えて行く。

その様子を見た、治療を受けた友人と、そこにいた友人は

「バケモノ!!お前は魔力持ちだったんだな!!
この国を転覆させたあいつと同じ、バケモノの血を持っているんだ。」

そう罵り、家へと逃げるように戻って行った。

私は、何のことなのか分からなかった。

「お前とは遊ぶなってお母ちゃんから言われた。」

「こっちに来るな!バケモノ!!」

母と私は、ずっと暮らしてきた町から追い出されて、大きな王都アストリアに住んだ。

この大きな都であれば、自分が力を使わぬ限りバケモノと言われる事はないだろうと思った。

母は、女手一つで必死に働き、私を育ててくれた。
しかし、無理が祟った母は次第に寝込むことが多くなって行った。
大きくなった私は12歳の時に、公主の騎士団の募集があり応募して宮殿へと向かった。

無事、騎士団に配属になった私の前に一人の姫が現れた。

庭園の薔薇を嬉しそうに見つめる美しいアレキサンドライトの瞳。
朝日を浴びて煌く瞳は翡翠のようにも見えた。

茶色の髪を緩く束ね、毛先がクルリと巻いてある髪は柔らかそうに揺れる。

ドクン・・。

胸の中で何かが大きく動くような胸痛が走る。
何処かで会ったような、探していた者に会えたような高まりがあった。

姫は、見惚れ立ち尽くしていた私に気付いたようで笑顔で笑った。

「そんなに見ないで・・、あの・・恥ずかしいから。」

頬をピンクに染めて、横を向いたその姫の表情にゾクリとした物が走った。

欲望のような、執着心が目を覚ます。

この姫を自分のモノにしたい。

バケモノと呼ばれた自分の中にいる、バケモノがそう囁いたのだった。
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