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シーグラルド公国編
古代神殿都市「エストラルド」
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私は、ランドルに連れられ、足元が硬質で固まる水晶のような帯の道を直走った。
「あれが・・古代神殿都市「エストラルド」か・・。
神話の世界の話だと思っていたが。想像以上の大きさだな。」
「ええ!!しかも、空に浮き上がる都なんて信じられないわ・・・。
神話の時代から、この湖の底で眠っていたのね。それすらも夢みたいな話なのに。」
私が、神の力と同等の神巫女・・。
本当にそうなのだろうか。
数か月前までは、大学院で研究馬鹿のように日夜研究に没頭していたごくふつうの少女だった。
魔力や科学の共存する世界に来て、世界を左右する力を持つ唯一の力を持った存在となったと言われても、ピンとこない・・。
不安そうな顔で走る私に気付いたランドルが美しい紅い瞳を細めて笑った。
「大丈夫だ。お前には、私も・・。
皆も着いている。
早く、決着を着けて、カルドリアに戻ったら。
・・・結婚しよう。」
また、始まったよ!
みたいな表情を顔に出し、赤い瞳を睨みつける。
「・・ランドル様、走りながらのプロポーズは色気がないんですけど!
そんな適当な物はお断りですよ!!」
「ははははっ、相変わらず手厳しいな。
でも、セレーナらしいな。
これから世界がどうなるかは分からぬし、どんな事実が待っているかは分からない。
だけど、どんな事があってもだ・・。
私がお前を想う気持ちは変わらない!
安心してくれ。」
「そうですか。
私も、・・・多分変わりませんよ。
魔術師団はもう崩壊してるようなもんです。
もし無事に戻れたら、結婚よりも、まずは立て直しが先ですよー。・・副総長!!」
「・・・ああ。遠いな・・俺たちの結婚。」
ぽつりとボヤくランドルに、私は笑顔が零れた。
本当にショックを受けてそうで声を出して笑ってしまう。
少し足の速さが減速しそうになったランドルの手を引っ張った。
「行きましょう!!
どちらにしろ、未来の選択はもうすぐそこです。
どんな結末になるかは分かりませんが、私がここに来た意味がもうすぐ分かる筈です!
アヴァは・・きっと教えてくれる。
そんな気がします!!」
笑顔で顔を見合わせ、あと少しの距離を二人で疾走する。
「すごい・・・。これが城門・・。
まるで先の時代のお城みたいだわ・・。」
大きな城門は、木板のような薄い作りではなく見たこともない素材を使っていた。
「入口のような鍵穴も、割れ目もない・・。これは一枚の石なのか?」
真っ黒なノブや、取ってすらない黒曜石のような壁が眼前に大きく聳え立っていた。
私は、持ってきたクレアルス神話の原書を開く。
「・・・エストラルドの入り口にアレキサンドライトの瞳を翳せ・・。
でも、何処に?
あっ、これ・・。エストラルドの紋章の前で神の名を唱えよ・・。」
神の名・・?
分からない!!
私は焦って、手元の原書を手当たり次第捲りあげているとボソっとランドルが呟く。
「エンケヌス・オルド・サビエント」
「え?ランドル様・・。神様の名前をご存じなの?」
「ああ、幼き頃読み聞かせてもらったアヴァ神話に出てくるアヴァが神殿で祈りを捧げていた神の名だ。
・・セレーナ、君の口からその名を唱えてみるんだ!」
私は、目の前に大きく広がる石の扉に向き直るとランドルの唱えた名を呼ぶ。
「え・・エンケヌス・オルド・サビエント・・。」
ガターン。
・・・ズズズズ・・。
石が動き出し、私はまたもやその揺れに立ってられず、転びそうになった。
ランドルが差し出した手を掴み、茫然とその光景を見つめる。
すると、黒い石の中の方から・・白色の光がこちらに向かって伸びて来る。
黒い石が一気に虹色のアクリル板のような七色の扉へと姿形を変え始める。
扉の真ん中に、大きな大鷲と王冠、そして羽の生えた島のような建物が象られた虹色の紋章が光り輝きポゥっと・・浮き出る。
私は、ふらふらと導かれるようにその紋章の前に立ち、瞳を見開いた。
紋章と目があった感覚がして、私の胸がドクンと脈打つ。
「セレーナ=アルベルディア・・・。
・・よく来た。そなたをここで待っていた・・。」
知らない女性の声が中から聞こえ、一気に大きな光の洪水が溢れ出す。
パパアアァアァっと光る都市へ続く扉は
ゴゴゴゴ・・。
と大きな音と共に紋章から中心に分かれて左右に開いていく。
「・・・っ、目が開けてられな・・っ・・。」
「セレーナ、大丈夫か・・・。」
光が止み、目を見開いてその光景を見た時、何て言って言葉で現したらいいのか
分からなかった。
「こ・・これが・・。古代都市「エストラルド」・・・。」
ランドルがゴクリと喉を鳴らす。
私も、唖然と光輝く都を見つめて呆然と立ち尽くした。
空があった・・。
しかしそれは本物の空ではなく、人工的に作り出された空・・。
天幕のように薄く波打った空は蒼く輝く。
海の青までが反射し、2つの蒼のコントラスとに目を奪われる。
大きな城塞に囲まれた城と、白亜の塔・・・。
城の近くには重厚感溢れる、絢爛豪華な神殿が座していた。
「海と・・空・・。これは・・。投影なの?」
「海は、波打っている・・。
湖にあった、この都市の中で生態系を保つなんてどんな文明なのだ。
この門扉の石も、燃えぬだろうし、吹き飛ばせぬ素材。
この都市は・・。一体どんな文明を持っているのだ。」
2人でその光景に見入っていると、誰かが近づいてくる気配がした。
私は、一瞬で気を張り、サッと身を捩って振り返った。
美しい銀色の髪にアレキサンドライトの瞳を持つ、白いシンプルなドレスを纏った女性が、現れ静かにこちらを見つめていた。
実態のような物ではない、何か映像の投射のように現実感のない姿に私は驚いた。
ランドルはその女性を見るや、驚いたように見入っている。
「待っていました、セレーナ=アルベルディア、ランドル=クラリシッド。
運命を託すために導かれし者たちよ。
ようこそ、我が愛する都・・古代都市「エストラルド」へ。」
私はその女性の言葉に耳を疑って目を見開いた。
この人が神話のアヴァ・・?
「あれが・・古代神殿都市「エストラルド」か・・。
神話の世界の話だと思っていたが。想像以上の大きさだな。」
「ええ!!しかも、空に浮き上がる都なんて信じられないわ・・・。
神話の時代から、この湖の底で眠っていたのね。それすらも夢みたいな話なのに。」
私が、神の力と同等の神巫女・・。
本当にそうなのだろうか。
数か月前までは、大学院で研究馬鹿のように日夜研究に没頭していたごくふつうの少女だった。
魔力や科学の共存する世界に来て、世界を左右する力を持つ唯一の力を持った存在となったと言われても、ピンとこない・・。
不安そうな顔で走る私に気付いたランドルが美しい紅い瞳を細めて笑った。
「大丈夫だ。お前には、私も・・。
皆も着いている。
早く、決着を着けて、カルドリアに戻ったら。
・・・結婚しよう。」
また、始まったよ!
みたいな表情を顔に出し、赤い瞳を睨みつける。
「・・ランドル様、走りながらのプロポーズは色気がないんですけど!
そんな適当な物はお断りですよ!!」
「ははははっ、相変わらず手厳しいな。
でも、セレーナらしいな。
これから世界がどうなるかは分からぬし、どんな事実が待っているかは分からない。
だけど、どんな事があってもだ・・。
私がお前を想う気持ちは変わらない!
安心してくれ。」
「そうですか。
私も、・・・多分変わりませんよ。
魔術師団はもう崩壊してるようなもんです。
もし無事に戻れたら、結婚よりも、まずは立て直しが先ですよー。・・副総長!!」
「・・・ああ。遠いな・・俺たちの結婚。」
ぽつりとボヤくランドルに、私は笑顔が零れた。
本当にショックを受けてそうで声を出して笑ってしまう。
少し足の速さが減速しそうになったランドルの手を引っ張った。
「行きましょう!!
どちらにしろ、未来の選択はもうすぐそこです。
どんな結末になるかは分かりませんが、私がここに来た意味がもうすぐ分かる筈です!
アヴァは・・きっと教えてくれる。
そんな気がします!!」
笑顔で顔を見合わせ、あと少しの距離を二人で疾走する。
「すごい・・・。これが城門・・。
まるで先の時代のお城みたいだわ・・。」
大きな城門は、木板のような薄い作りではなく見たこともない素材を使っていた。
「入口のような鍵穴も、割れ目もない・・。これは一枚の石なのか?」
真っ黒なノブや、取ってすらない黒曜石のような壁が眼前に大きく聳え立っていた。
私は、持ってきたクレアルス神話の原書を開く。
「・・・エストラルドの入り口にアレキサンドライトの瞳を翳せ・・。
でも、何処に?
あっ、これ・・。エストラルドの紋章の前で神の名を唱えよ・・。」
神の名・・?
分からない!!
私は焦って、手元の原書を手当たり次第捲りあげているとボソっとランドルが呟く。
「エンケヌス・オルド・サビエント」
「え?ランドル様・・。神様の名前をご存じなの?」
「ああ、幼き頃読み聞かせてもらったアヴァ神話に出てくるアヴァが神殿で祈りを捧げていた神の名だ。
・・セレーナ、君の口からその名を唱えてみるんだ!」
私は、目の前に大きく広がる石の扉に向き直るとランドルの唱えた名を呼ぶ。
「え・・エンケヌス・オルド・サビエント・・。」
ガターン。
・・・ズズズズ・・。
石が動き出し、私はまたもやその揺れに立ってられず、転びそうになった。
ランドルが差し出した手を掴み、茫然とその光景を見つめる。
すると、黒い石の中の方から・・白色の光がこちらに向かって伸びて来る。
黒い石が一気に虹色のアクリル板のような七色の扉へと姿形を変え始める。
扉の真ん中に、大きな大鷲と王冠、そして羽の生えた島のような建物が象られた虹色の紋章が光り輝きポゥっと・・浮き出る。
私は、ふらふらと導かれるようにその紋章の前に立ち、瞳を見開いた。
紋章と目があった感覚がして、私の胸がドクンと脈打つ。
「セレーナ=アルベルディア・・・。
・・よく来た。そなたをここで待っていた・・。」
知らない女性の声が中から聞こえ、一気に大きな光の洪水が溢れ出す。
パパアアァアァっと光る都市へ続く扉は
ゴゴゴゴ・・。
と大きな音と共に紋章から中心に分かれて左右に開いていく。
「・・・っ、目が開けてられな・・っ・・。」
「セレーナ、大丈夫か・・・。」
光が止み、目を見開いてその光景を見た時、何て言って言葉で現したらいいのか
分からなかった。
「こ・・これが・・。古代都市「エストラルド」・・・。」
ランドルがゴクリと喉を鳴らす。
私も、唖然と光輝く都を見つめて呆然と立ち尽くした。
空があった・・。
しかしそれは本物の空ではなく、人工的に作り出された空・・。
天幕のように薄く波打った空は蒼く輝く。
海の青までが反射し、2つの蒼のコントラスとに目を奪われる。
大きな城塞に囲まれた城と、白亜の塔・・・。
城の近くには重厚感溢れる、絢爛豪華な神殿が座していた。
「海と・・空・・。これは・・。投影なの?」
「海は、波打っている・・。
湖にあった、この都市の中で生態系を保つなんてどんな文明なのだ。
この門扉の石も、燃えぬだろうし、吹き飛ばせぬ素材。
この都市は・・。一体どんな文明を持っているのだ。」
2人でその光景に見入っていると、誰かが近づいてくる気配がした。
私は、一瞬で気を張り、サッと身を捩って振り返った。
美しい銀色の髪にアレキサンドライトの瞳を持つ、白いシンプルなドレスを纏った女性が、現れ静かにこちらを見つめていた。
実態のような物ではない、何か映像の投射のように現実感のない姿に私は驚いた。
ランドルはその女性を見るや、驚いたように見入っている。
「待っていました、セレーナ=アルベルディア、ランドル=クラリシッド。
運命を託すために導かれし者たちよ。
ようこそ、我が愛する都・・古代都市「エストラルド」へ。」
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