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18話 三本足の神社
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「なんだカラスよ?三本足の神社というのに、何かあるのか?」
「な…なにもないんだよ。…聞いた事くらいはあるけど、ふ…深くは知らない」
露骨に怪しい態度を取るが、深追いしても建設的な話は出来ないと判断し、壱は問いをミカに移した。
「ミカさん…三本足の神社って?」
「点を結んだ線上の地点Xですね。はい」
「いや、全然わかんない」
「でしょうね」
フッと笑うミカ。ポジション取りもあって見上げる形になっており、微笑みも嘲笑に見えてくる。壱は内心…座布団を二、三枚取り上げようかとも思った。
「その…説明してもらえると助かるんだけど…」
「ンッ…ンンッ」
ことさらに喉を鳴らすミカ。
「すいません、喉が渇いてしまい舌のすべりが悪くなってきました。…あと柿は大変おいしゅうございました」
「…わかったよ」
―――壱の用意したお茶と柿を一息で完食すると、ようやくミカは思い口を開いた。
「三本神社とは…私が神隠しの研究をおこなう上で見つけた場所です。神隠しに関しての情報は方々で散見されますが、先ほど話したとおり多くは眉唾物の不確かなものなのです」
「……」
「…なのです」
「いや…はい、続きを…」
ミカはさも講談師が舞台で話すかのように、客席の反応を確かめながら壱とカラスの表情を伺っている。話のテンポが崩れるので止めて欲しいものである。
「その眉唾を排除すると、残されたのは。真相不明…ある日突然、人が消えたという摩訶不思議な口伝。世に言う神隠しがあったのです。私はあくまで仮定としてですが、それを本物の神隠しだと断定し調査を進めました」
「あ…あくまで仮定だろ?お前が言ってた人さらいの可能性だってゼロじゃないんじゃないカーッ?」
「そうですね、カラスさん。あくまで仮定です」
黙っていたカラスの突っ込みに肯定しつつ「ですが」と反論を開始した。
「私が本物のと仮定した情報は三件存在し、その三件の現場のおおよその位置を特定しました」
「なにその調査能力は…」
「人間ってのは時々やべぇ奴が出て来るんだよ。まったくもって恐ろしいんだよ」
「ふふっ…もっと褒めてくれてもいいですよ」
自分の考えを披露できるのが嬉しいのかミカは恍惚の表情を浮かべながら、二人の反応を楽しんでいる。口調は淡々としているが、人間性は好奇心に溢れ子供っぽい印象を覚える。
「すごいよ、ミカさんは…」
「ボクは褒めたくなんかないよ…」
「そしてですね…、その三件の現場を線で結んで見ると浮かんできた場所が…」
「【三本足の神社】ってこと?」
流れから壱が導き出した答えに「そうです」と肯く。難問に正解した生徒も見るような満足気なミカの様子に、壱も思わず表情がほころんだ。
「私が本物と仮定した神隠しは全て三本足の神社と呼ばれる神社の近くで起こっていました。それならばココの神社が神隠しに何か関係があると考えるのが普通ですよね…カラスさん?」
柔和だったミカの漆黒の瞳はいつもより鋭く光っており、小さくなっていたカラスを見つめていた。
「ま、まぁ…推理ショーとしては面白い判断じゃないカーッ。ただのお前の妄想話としてはね」
「おい、カラスよ。なんでそんなに必死なんだ?」
「ひっ…必死なんかじゃないんだよ!おかしな事を言うのはあの女だけにしてくれよ壱」
「…お前、もしかして三本足の神社というのと関係があるのか?」
壱の言葉に一瞬、言葉を失うカラス。
「か…か、関係なんて…」
「ありますよね…ホラ吹きカラスさん?」
ミカの問いにカラスは言葉を詰まらせた。
「な…なにもないんだよ。…聞いた事くらいはあるけど、ふ…深くは知らない」
露骨に怪しい態度を取るが、深追いしても建設的な話は出来ないと判断し、壱は問いをミカに移した。
「ミカさん…三本足の神社って?」
「点を結んだ線上の地点Xですね。はい」
「いや、全然わかんない」
「でしょうね」
フッと笑うミカ。ポジション取りもあって見上げる形になっており、微笑みも嘲笑に見えてくる。壱は内心…座布団を二、三枚取り上げようかとも思った。
「その…説明してもらえると助かるんだけど…」
「ンッ…ンンッ」
ことさらに喉を鳴らすミカ。
「すいません、喉が渇いてしまい舌のすべりが悪くなってきました。…あと柿は大変おいしゅうございました」
「…わかったよ」
―――壱の用意したお茶と柿を一息で完食すると、ようやくミカは思い口を開いた。
「三本神社とは…私が神隠しの研究をおこなう上で見つけた場所です。神隠しに関しての情報は方々で散見されますが、先ほど話したとおり多くは眉唾物の不確かなものなのです」
「……」
「…なのです」
「いや…はい、続きを…」
ミカはさも講談師が舞台で話すかのように、客席の反応を確かめながら壱とカラスの表情を伺っている。話のテンポが崩れるので止めて欲しいものである。
「その眉唾を排除すると、残されたのは。真相不明…ある日突然、人が消えたという摩訶不思議な口伝。世に言う神隠しがあったのです。私はあくまで仮定としてですが、それを本物の神隠しだと断定し調査を進めました」
「あ…あくまで仮定だろ?お前が言ってた人さらいの可能性だってゼロじゃないんじゃないカーッ?」
「そうですね、カラスさん。あくまで仮定です」
黙っていたカラスの突っ込みに肯定しつつ「ですが」と反論を開始した。
「私が本物のと仮定した情報は三件存在し、その三件の現場のおおよその位置を特定しました」
「なにその調査能力は…」
「人間ってのは時々やべぇ奴が出て来るんだよ。まったくもって恐ろしいんだよ」
「ふふっ…もっと褒めてくれてもいいですよ」
自分の考えを披露できるのが嬉しいのかミカは恍惚の表情を浮かべながら、二人の反応を楽しんでいる。口調は淡々としているが、人間性は好奇心に溢れ子供っぽい印象を覚える。
「すごいよ、ミカさんは…」
「ボクは褒めたくなんかないよ…」
「そしてですね…、その三件の現場を線で結んで見ると浮かんできた場所が…」
「【三本足の神社】ってこと?」
流れから壱が導き出した答えに「そうです」と肯く。難問に正解した生徒も見るような満足気なミカの様子に、壱も思わず表情がほころんだ。
「私が本物と仮定した神隠しは全て三本足の神社と呼ばれる神社の近くで起こっていました。それならばココの神社が神隠しに何か関係があると考えるのが普通ですよね…カラスさん?」
柔和だったミカの漆黒の瞳はいつもより鋭く光っており、小さくなっていたカラスを見つめていた。
「ま、まぁ…推理ショーとしては面白い判断じゃないカーッ。ただのお前の妄想話としてはね」
「おい、カラスよ。なんでそんなに必死なんだ?」
「ひっ…必死なんかじゃないんだよ!おかしな事を言うのはあの女だけにしてくれよ壱」
「…お前、もしかして三本足の神社というのと関係があるのか?」
壱の言葉に一瞬、言葉を失うカラス。
「か…か、関係なんて…」
「ありますよね…ホラ吹きカラスさん?」
ミカの問いにカラスは言葉を詰まらせた。
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