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25話 なるほどです。ここが良いのですね?
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「トイレの女神だぁ?」
「はい、ご覧の通りどこからどう見ても。私は…いえ、私こそトイレの女神です」
恥らいなく堂々と仁王立ちするトイレットペーパーを顔面に巻いたミカの姿に壱やカラスはおろか、目玉の神も若干引いていた。艶やかな黒髪とペーパーがミカの繰り出す謎のポーズに合わせて、ひらりふわりと舞い踊っている。
「…いやぁ?こいつぅ、人間じゃあ…」
「なに言ってるんだい、どっからどうみてもトイレの神様なんだよ…。ねぇ、壱?」
「そ…そうだなどっからどうみてもトイレの神様だな…うん…」
疑い倒す目玉を遮り、一か八かカラスと壱はこの茶番の波に乗った。大時化の荒れ狂う波だがこの際、仕方のないことである。高ければ高い波のほうが乗りこなせれば気持ちのいいものなのだから…。
「すいません、息がし辛いんで口元だけでも紙を外しますね~」
「あ、コラッ!ミカさん!」
「あぁ…やっぱりこいつぅ」
「やっぱりなんだい!?なにがおかしいんだい?ボクだってお前だって、呼吸の一つくらいしても変じゃないだよ?それをトイレの神様だけおかしいと言おうなんて片腹痛いんじゃないかいっ!?」
カラスの早口でまくし立てるフォローはあまりに完璧だった。目を泳がせながら汗をかいてなければ…。当然のように目玉の神の疑いは晴れ渡るどころか曇天模様である。
そんな目玉の元へトコトコとミカは歩み寄り、ゆっくりと手を差し出した。
「はじめまして目玉の神様。私に何か御用があるとのことですが…どういった用件でしょうか?」
「んん~お前がぁ、人間かどうかぁ【見】に来たんだよぉ」
地の底から聞こえるような唸り声を上げ、その大きな目玉をグイイッとミカの顔へ近づける。神に対する畏敬や恐怖心などないのか、差し出した手を引っ込める事無くトイレットペーパーから露出した口元が優しく笑いかける。
「どうぞ、ご覧ください。代わりに私もあなたを見させていただきますので…」
「ずいぶんとぉ、威勢がいいなぁ…」
「私は清く正しく元気良くをモットーに過ごしておりますので、誰に対しても恥じる生き方はしていませんです」
「今の格好は恥じるべきだよ…」とカラスは心で思ったが口には出さず、ぐっと堪えていた。
「それより友好を深める為に握手を…って、おや?手がございませんね?どこかで落としましたか?」
ダラリと垂れた着物の袖を無造作に触ったり、開いたり中身を確認するミカは「これはこれは実に興味深いですねぇ」と一人ごちだ。
「あ、でも感触はありますね」
「あぁんっ!」
「おやや?」
「おっ?」
「なんなんだい、今の妙に甲高い声は?」
「ふむ、ここですかね?」
「ああぁっあっ!」
袖に手を突っ込んでまさぐった結果、弱点を見つけたらしいミカの口元は嫌らしく笑った。目玉の神は表情こそ不明だが、瞳孔はカッポリと開いており挙動不審に悶えている。
「急にぃ、変なとこをぉ触るなぁ!」
「つまり急でなければよいと解釈してもよろしいですね?」
目玉は天井すれすれはで浮き上がり、その場から逃げ出そうとするが着物の裾はミカにガッチリ捕まっている。
「な…なにを言ってぇ」
「では、今度はこちらを失礼しますね」
袖どころか胸元をはだけさせ、白く細い腕を突っ込みタコのようにねめ動かす。この女は見た目に反して性格が悪く、救いようのない加虐性の持ち主なのである。
ミカの好奇心とSっ気はとどまる事を知らなかった。
「だはっああぁぁんっ!!!!」
「なるほどです。あなたはココが好きなのですねぇ?」
「ねぇ、壱…」
「…なんだカラスよ?」
「ボクらは一体なにを見せられているんだよ?」
「悪夢ってやつじゃないか…」
―――しばらく室内にはソプラノの歌声が響き渡っていた。
美しきトイレの女神様はそれはそれはキレイな汗をかいていらっしゃった。
「はい、ご覧の通りどこからどう見ても。私は…いえ、私こそトイレの女神です」
恥らいなく堂々と仁王立ちするトイレットペーパーを顔面に巻いたミカの姿に壱やカラスはおろか、目玉の神も若干引いていた。艶やかな黒髪とペーパーがミカの繰り出す謎のポーズに合わせて、ひらりふわりと舞い踊っている。
「…いやぁ?こいつぅ、人間じゃあ…」
「なに言ってるんだい、どっからどうみてもトイレの神様なんだよ…。ねぇ、壱?」
「そ…そうだなどっからどうみてもトイレの神様だな…うん…」
疑い倒す目玉を遮り、一か八かカラスと壱はこの茶番の波に乗った。大時化の荒れ狂う波だがこの際、仕方のないことである。高ければ高い波のほうが乗りこなせれば気持ちのいいものなのだから…。
「すいません、息がし辛いんで口元だけでも紙を外しますね~」
「あ、コラッ!ミカさん!」
「あぁ…やっぱりこいつぅ」
「やっぱりなんだい!?なにがおかしいんだい?ボクだってお前だって、呼吸の一つくらいしても変じゃないだよ?それをトイレの神様だけおかしいと言おうなんて片腹痛いんじゃないかいっ!?」
カラスの早口でまくし立てるフォローはあまりに完璧だった。目を泳がせながら汗をかいてなければ…。当然のように目玉の神の疑いは晴れ渡るどころか曇天模様である。
そんな目玉の元へトコトコとミカは歩み寄り、ゆっくりと手を差し出した。
「はじめまして目玉の神様。私に何か御用があるとのことですが…どういった用件でしょうか?」
「んん~お前がぁ、人間かどうかぁ【見】に来たんだよぉ」
地の底から聞こえるような唸り声を上げ、その大きな目玉をグイイッとミカの顔へ近づける。神に対する畏敬や恐怖心などないのか、差し出した手を引っ込める事無くトイレットペーパーから露出した口元が優しく笑いかける。
「どうぞ、ご覧ください。代わりに私もあなたを見させていただきますので…」
「ずいぶんとぉ、威勢がいいなぁ…」
「私は清く正しく元気良くをモットーに過ごしておりますので、誰に対しても恥じる生き方はしていませんです」
「今の格好は恥じるべきだよ…」とカラスは心で思ったが口には出さず、ぐっと堪えていた。
「それより友好を深める為に握手を…って、おや?手がございませんね?どこかで落としましたか?」
ダラリと垂れた着物の袖を無造作に触ったり、開いたり中身を確認するミカは「これはこれは実に興味深いですねぇ」と一人ごちだ。
「あ、でも感触はありますね」
「あぁんっ!」
「おやや?」
「おっ?」
「なんなんだい、今の妙に甲高い声は?」
「ふむ、ここですかね?」
「ああぁっあっ!」
袖に手を突っ込んでまさぐった結果、弱点を見つけたらしいミカの口元は嫌らしく笑った。目玉の神は表情こそ不明だが、瞳孔はカッポリと開いており挙動不審に悶えている。
「急にぃ、変なとこをぉ触るなぁ!」
「つまり急でなければよいと解釈してもよろしいですね?」
目玉は天井すれすれはで浮き上がり、その場から逃げ出そうとするが着物の裾はミカにガッチリ捕まっている。
「な…なにを言ってぇ」
「では、今度はこちらを失礼しますね」
袖どころか胸元をはだけさせ、白く細い腕を突っ込みタコのようにねめ動かす。この女は見た目に反して性格が悪く、救いようのない加虐性の持ち主なのである。
ミカの好奇心とSっ気はとどまる事を知らなかった。
「だはっああぁぁんっ!!!!」
「なるほどです。あなたはココが好きなのですねぇ?」
「ねぇ、壱…」
「…なんだカラスよ?」
「ボクらは一体なにを見せられているんだよ?」
「悪夢ってやつじゃないか…」
―――しばらく室内にはソプラノの歌声が響き渡っていた。
美しきトイレの女神様はそれはそれはキレイな汗をかいていらっしゃった。
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