12 / 24
12. 動き始めます
しおりを挟む
あの後は何事もなく無事にパーティーは終了し、私達は家路についた。
「お茶をかけても大丈夫だったでしょ?」
「うん。でも、他の人にどう思われてるのかな……」
社交界でみっともない姿を見せてしまうと、それだけで縁談が来なくなったりするらしい。
お父様もお母様も私が好きになった人と結ばれるのを望んでると言っていたけど、あんな恥ずかしいところを見られてしまった今はいい出会いがあると思えない。
そう思うと目頭が熱くなってきた。
「あれくらい気にしなくていいと思うわよ。何があったのかしっかり説明すれば、みんな納得するわよ」
「そうだといいけど……。ねえお母様、アーシャ様を社交界から追い出してもいい? このままじゃ体が持ちそうにないの」
早めに話した方がいいと思ったから、決めていた事を聞いてみた。
「心の間違いじゃなくて? ……いいわ、協力してあげる。でも、公爵家だから簡単にはいかないわよ?」
「分かってるよ。でも、やらないよりもいいと思うから」
「あなた、そういうわけだから。情報収集、任せたわよ」
お母様がお父様に丸投げするのを見て、私は不安を覚えるのだった。
☆ ☆ ☆
翌日のお昼過ぎ、侍女さんが私の部屋に手紙の束を持ってきた。
「お茶会の招待状みたいですよ」
「ありがとう」
早速確認してみると、どれも私の知り合いからのものだった。
アーシャ様からは届いていないみたいで安心した。
早速、私は返事を書き始めた。
しばらく予定はないから、出来る限り参加しようと思う。
そのついでに、協力者を増やそうと思っている。私に出来る事と言えばこれくらいだから。
それから手紙を書き終える頃には、ちょうど空が赤く染まっていた。
「ふぅ……」
「お疲れ様です」
息をつくと、少し前に私の部屋に来ていたサラさんが声をかけてくれた。
「夕食までまだ時間がありますし、マッサージでもいたしましょうか?」
「お願いするわ。あ、軽くでいいわよ」
そう伝えてベッドに横になる私。
程なくしてマッサージが始まりました。
ふわぁ、癒される~
「はい、終わりましたよ」
「ありがとう。お手紙出してくるわね」
「行ってらっしゃいませ」
手紙をルヴィクさんに届けた後だった。
「レシア、ちょうどよかった。暇だから少し私の部屋でお話しない?」
廊下でお姉様に捕まった。暇だったから丁度いいわ。
「うん。私も暇だったから大丈夫だよ」
近くにいた使用人さんにサラさんにお姉様の部屋に行く事を伝えるように頼んでから、部屋に向かった。
「お茶をかけても大丈夫だったでしょ?」
「うん。でも、他の人にどう思われてるのかな……」
社交界でみっともない姿を見せてしまうと、それだけで縁談が来なくなったりするらしい。
お父様もお母様も私が好きになった人と結ばれるのを望んでると言っていたけど、あんな恥ずかしいところを見られてしまった今はいい出会いがあると思えない。
そう思うと目頭が熱くなってきた。
「あれくらい気にしなくていいと思うわよ。何があったのかしっかり説明すれば、みんな納得するわよ」
「そうだといいけど……。ねえお母様、アーシャ様を社交界から追い出してもいい? このままじゃ体が持ちそうにないの」
早めに話した方がいいと思ったから、決めていた事を聞いてみた。
「心の間違いじゃなくて? ……いいわ、協力してあげる。でも、公爵家だから簡単にはいかないわよ?」
「分かってるよ。でも、やらないよりもいいと思うから」
「あなた、そういうわけだから。情報収集、任せたわよ」
お母様がお父様に丸投げするのを見て、私は不安を覚えるのだった。
☆ ☆ ☆
翌日のお昼過ぎ、侍女さんが私の部屋に手紙の束を持ってきた。
「お茶会の招待状みたいですよ」
「ありがとう」
早速確認してみると、どれも私の知り合いからのものだった。
アーシャ様からは届いていないみたいで安心した。
早速、私は返事を書き始めた。
しばらく予定はないから、出来る限り参加しようと思う。
そのついでに、協力者を増やそうと思っている。私に出来る事と言えばこれくらいだから。
それから手紙を書き終える頃には、ちょうど空が赤く染まっていた。
「ふぅ……」
「お疲れ様です」
息をつくと、少し前に私の部屋に来ていたサラさんが声をかけてくれた。
「夕食までまだ時間がありますし、マッサージでもいたしましょうか?」
「お願いするわ。あ、軽くでいいわよ」
そう伝えてベッドに横になる私。
程なくしてマッサージが始まりました。
ふわぁ、癒される~
「はい、終わりましたよ」
「ありがとう。お手紙出してくるわね」
「行ってらっしゃいませ」
手紙をルヴィクさんに届けた後だった。
「レシア、ちょうどよかった。暇だから少し私の部屋でお話しない?」
廊下でお姉様に捕まった。暇だったから丁度いいわ。
「うん。私も暇だったから大丈夫だよ」
近くにいた使用人さんにサラさんにお姉様の部屋に行く事を伝えるように頼んでから、部屋に向かった。
41
あなたにおすすめの小説
王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?
いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、
たまたま付き人と、
「婚約者のことが好きなわけじゃないー
王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」
と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。
私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、
「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」
なんで執着するんてすか??
策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー
基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。
他小説サイトにも投稿しています。
シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした
黒姫
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました。神様によると、婚約者の王太子に断罪されて極北の修道院に幽閉され、30歳を前にして死んでしまう設定は変えられないそうです。さて、それでも幸せになるにはどうしたら良いでしょうか?(2/16 完結。カテゴリーを恋愛に変更しました。)
追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→
AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」
ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。
お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。
しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。
そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。
お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。
婚約破棄に、承知いたしました。と返したら爆笑されました。
パリパリかぷちーの
恋愛
公爵令嬢カルルは、ある夜会で王太子ジェラールから婚約破棄を言い渡される。しかし、カルルは泣くどころか、これまで立て替えていた経費や労働対価の「莫大な請求書」をその場で叩きつけた。
王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる