悪役令嬢に嵌められてしまったので、破滅に追い込んで平穏に過ごそうと思います!

八代奏多

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14. 大事なお話

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 次の日の夕方、私はベッドの上で侍女さんたち数人に囲まれています。
 今からエステのフルコースが始まろうとしているから。

 フルコースの時は決まって香油を使うから服を下着以外全部脱がされるのよね……。
 タオルをかけるとは言っても、ものすごーく恥ずかしい。

 ちなみに、これ用に運び込まれたベッドでやるからオイルで汚れても大丈夫!

「お嬢様、そろそろ始めますよ~」
「はぁい」

 ベッドの上にうつ伏せになる私。
 それから間もなくマッサージが始まりました。

 癒されるわ……。

 やる前は恥ずかしいけど、やり始めると至福の時間に恥ずかしさはどこかに行ってしまった。

   ☆ ☆ ☆

 翌日、すっかり疲れが取れて元気になったところにエルワード様が訪ねてきた。

「僕のせいでこんなことになってしまった。本当にすまない」
「はい? 私、エルワード様のせいだなんて言った覚えはないんですけど……」

 確かに、社交界デビューの時にエルワード様に話しかけられていなかったら、アーシャ様に酷いことをされなかったかもしれない。
 でも、もっと前から親交はあるから、アーシャ様がそれを知らなかったとは思えない。

 だから、しっかり情報を集めて対策をしなかった私が悪いと思っている。

「……エルワード様が話しかけてこなくてもアーシャ様は私に攻撃したと思いますよ。社交界に出る前からエルワード様と関わりがある女の事を見逃すとは思えませんから」
「せめてレシアを守るべきだったよ。大怪我したと聞いたんだけど……」
「あれくらい大丈夫です。それに、エルワード様に迷惑はかけられませんから」

 婚約者でもないエルワード様が私を守ろうとしていたら、色々な噂が流れて迷惑をかけてしまうかもしれない。
 だから助けを求めることはできない。

「全く大丈夫じゃなかったってハイトから聞いたけど?」

 お兄様ーー! 余計なこと言わないでよ!

「そうですか……」
「ああ。これも聞いた話なんだけど、アーシャ嬢を追い出そうとしてるんだってね。僕も協力するよ」
「いいんですか? レノクス公爵家との関係が悪くなったりしませんか?」
「それはレシアのとこも同じだろ? そもそも、レノクス公爵様が僕にアーシャ嬢をどうにかできないか相談してきたから大丈夫だよ」

 公爵様……父親に匙を投げられたのね、アーシャ様は。

「そうだったのですね。ありがとうございます」
「そんなに気にしないで。もう一つ話があるんだ。こっちが本題なんだけど」
「なんでしょうか?」

 なんとなくだけど、私にとって良くない話な気がするわ。

「父上がレシアを僕の婚約者にしようとしているんだ」
「えっ⁉︎ 冗談よね?」

 あまりの衝撃に、礼儀とか色々吹き飛ばして聞き返してしまった。
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