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21. 作戦会議
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「いよいよ明日ね……」
手紙を書き終え、息をついた私はそんなことを口にした。
相手は公爵令嬢だから、アーシャ様の罪を追及する前日に緊張しないはずがない。
「そうですね。うまくいくといいですね」
「ええ、頑張るわ」
他愛ない会話をリサさんとしている時だった。
「お嬢様、旦那様がお呼びです。会議室までお願いします」
他の侍女さんが私を呼びに来た。
「分かったわ」
ドアの外に返事をして、手紙を片付けてから会議室に向かった。
会議室にはお父様とお兄様、室次長さんに騎士長さんと庭師長さんまでがいた。
遅れてお姉様とお母様も来た。
「待たせてごめんなさい」
「十分早かったぞ。では、明日についての会議を始める」
そして、お父様の言葉で会議が始まった。
「取り調べの結果ですが、彼らはアーシャ様に雇われていたと自白しました。金で雇われただけだったのでしょう、口はかなり軽かったようです」
「そうか。自爆した男の調査結果は?」
「3年前に当家に侵入して爆発物を使用し、その場で始末した男の兄だったそうです。おそらく、そのことで恨みを持っていたのでしょう」
3年前、確かにそんな騒ぎがあった。ちょうど、私の部屋の近くで手投げ弾が爆発したから、その時はかなり驚いたのを覚えてる。
「あの時の男か。言い方は悪いが、うちの護衛に怪我を負わせてくれたお陰でアーシャ嬢の罪が重くなったな」
「はい、そうなりますね。これで報告は以上です」
「調査、ご苦労だった。では、明日についてだ」
今更だけど、お父様はアーシャ様に怒っているみたい。
なんとなく、そんな気がする。
「アーシャ嬢が逆上してレシアに何かをすることは簡単に考えがつく。だが、王宮でのパーティーだから剣の持ち込みは出来ない。私はともかく、レシアの安全をどうするかだ」
「旦那様も奥様もお強いですから、護衛はいりませんね?」
そんなことを言う騎士長さん。
流石に護衛無しは危ないと思うけど……。
「ああ、いらん」
私の心配は無意味だったようで、お父様ははっきりそう言ってしまった。
「では、お嬢様方を重点的に守らせていただきます。素手で強い騎士を2人ずつでよろしいでしょうか?」
「ああ、問題ない」
パーティーなどでは侍女や執事を同伴させることが許されている。
友人とお話しするときに内容を聞かれたくないなどの理由で付きの人を連れてこない人が多いけれど。
「フィーナ、レシア、これで大丈夫か?」
「出来れば距離を置いてもらいたいわ。どんな目で見られるか分からないもの」
そう口にするお姉様。お父様は「しまった」という感じの表情をしていた。
「分かりました。では、万全を期すために侍女に近くで守らせましょう」
「ありがとう」
「レシアもそれでいいか?」
「はい」
この後は領地に関することが話し合われてお開きとなった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
次回こそは断罪します。
予告通りにならなくて申し訳ありません。
手紙を書き終え、息をついた私はそんなことを口にした。
相手は公爵令嬢だから、アーシャ様の罪を追及する前日に緊張しないはずがない。
「そうですね。うまくいくといいですね」
「ええ、頑張るわ」
他愛ない会話をリサさんとしている時だった。
「お嬢様、旦那様がお呼びです。会議室までお願いします」
他の侍女さんが私を呼びに来た。
「分かったわ」
ドアの外に返事をして、手紙を片付けてから会議室に向かった。
会議室にはお父様とお兄様、室次長さんに騎士長さんと庭師長さんまでがいた。
遅れてお姉様とお母様も来た。
「待たせてごめんなさい」
「十分早かったぞ。では、明日についての会議を始める」
そして、お父様の言葉で会議が始まった。
「取り調べの結果ですが、彼らはアーシャ様に雇われていたと自白しました。金で雇われただけだったのでしょう、口はかなり軽かったようです」
「そうか。自爆した男の調査結果は?」
「3年前に当家に侵入して爆発物を使用し、その場で始末した男の兄だったそうです。おそらく、そのことで恨みを持っていたのでしょう」
3年前、確かにそんな騒ぎがあった。ちょうど、私の部屋の近くで手投げ弾が爆発したから、その時はかなり驚いたのを覚えてる。
「あの時の男か。言い方は悪いが、うちの護衛に怪我を負わせてくれたお陰でアーシャ嬢の罪が重くなったな」
「はい、そうなりますね。これで報告は以上です」
「調査、ご苦労だった。では、明日についてだ」
今更だけど、お父様はアーシャ様に怒っているみたい。
なんとなく、そんな気がする。
「アーシャ嬢が逆上してレシアに何かをすることは簡単に考えがつく。だが、王宮でのパーティーだから剣の持ち込みは出来ない。私はともかく、レシアの安全をどうするかだ」
「旦那様も奥様もお強いですから、護衛はいりませんね?」
そんなことを言う騎士長さん。
流石に護衛無しは危ないと思うけど……。
「ああ、いらん」
私の心配は無意味だったようで、お父様ははっきりそう言ってしまった。
「では、お嬢様方を重点的に守らせていただきます。素手で強い騎士を2人ずつでよろしいでしょうか?」
「ああ、問題ない」
パーティーなどでは侍女や執事を同伴させることが許されている。
友人とお話しするときに内容を聞かれたくないなどの理由で付きの人を連れてこない人が多いけれど。
「フィーナ、レシア、これで大丈夫か?」
「出来れば距離を置いてもらいたいわ。どんな目で見られるか分からないもの」
そう口にするお姉様。お父様は「しまった」という感じの表情をしていた。
「分かりました。では、万全を期すために侍女に近くで守らせましょう」
「ありがとう」
「レシアもそれでいいか?」
「はい」
この後は領地に関することが話し合われてお開きとなった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
次回こそは断罪します。
予告通りにならなくて申し訳ありません。
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