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22. 作戦決行です!
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作戦決行の日、私達は馬車で王宮に向かった。
作戦通り、私はアーシャ様に見つからないような場所にいる。
「レシアとかいう女はどこにいますの? わたくし、あの方に用がありますの」
そんな声が近くから聞こえてきて驚いた。
どうやら、近くのドアから入ってきたらしく、目の前にいた。
「レシア様は襲撃に遭われまして……」
「行方不明、でしたわね」
私は見つからないようにドアから外に出て走って逃げた。
ドレスのせいでゆっくりにしか走れなかったけど……。
それから少しして会場に戻ると、お父様が国王陛下と向かい合って何かを話していた。
「……アーシャ・レノクスの指示だったことが判明いたしました」
「アーシャ嬢、それは本当かな?」
国王陛下がそう問いかける。
実はアーシャ様、毎回パーティーを荒らしているから陛下から嫌われている。
「そんなことしておりませんわま。大体、わたくしにアレオス家を襲う利点なんてありませんの。馬鹿げた話ですわ」
アーシャ様がそう説明する間に彼女の後ろに近付く。もちろん、侍女のサラさんも一緒にいる。
「ということは、私に暴力を振るう利点はあったんですね?」
「な、どうして……」
「生きているの、ですか?」
作戦に乗ってくれるとは思っていなかった私は慌てて言葉を繋ぐ。
でも、これでアーシャ様は自分が襲撃させたことを認めることになった。
「私が行方不明というのは嘘ですから、生きていて、この場にいてもおかしくはないですよね?」
「わたくしは貴女が行方不明と聞いて心配しておりましたのに。それなのに、突然現れてわたくしを犯罪者扱いだなんてひどいですわ!」
やっぱり簡単にはいかないみたい……。
「エルワード様と親交のある私を暴力で排除しようとしておいて、心配していたなんて言わないでください。従者の方の制止を振り切ってまで私を襲わせるなんて、相当恨んでいるはずですのに。
アーシャ様はわがままなんですね」
最後に馬鹿にするように付け加える。
プライドの高いアーシャ様なら何かしら反論してくるはずだから。
「な、なぜそれを知っていますの⁉︎ あっ……」
「という事です、陛下」
予想外のアーシャ様の言葉だった。まさかここでボロを出すとは思わなかった。
「皆様、この度は娘のレシアが行方不明になったとの嘘の情報を流してしまい申し訳ありませんでした。この場をお借りしてお詫びします。
レシアを彼女から守るためだったことをご理解いただけると幸いです」
いつの間にか周りに集まっていた人達に頭を下げるお父様。
周りの人達からの不満は……
「公爵令嬢がやることじゃありわせんわ!」
「ご息女がご無事で何よりです」
「レシア様を襲った責任を取って二度と社交界に来ないでください」
……私達に向けられることはなかった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
次回、いよいよアーシャ様の処遇が決まります!
作戦通り、私はアーシャ様に見つからないような場所にいる。
「レシアとかいう女はどこにいますの? わたくし、あの方に用がありますの」
そんな声が近くから聞こえてきて驚いた。
どうやら、近くのドアから入ってきたらしく、目の前にいた。
「レシア様は襲撃に遭われまして……」
「行方不明、でしたわね」
私は見つからないようにドアから外に出て走って逃げた。
ドレスのせいでゆっくりにしか走れなかったけど……。
それから少しして会場に戻ると、お父様が国王陛下と向かい合って何かを話していた。
「……アーシャ・レノクスの指示だったことが判明いたしました」
「アーシャ嬢、それは本当かな?」
国王陛下がそう問いかける。
実はアーシャ様、毎回パーティーを荒らしているから陛下から嫌われている。
「そんなことしておりませんわま。大体、わたくしにアレオス家を襲う利点なんてありませんの。馬鹿げた話ですわ」
アーシャ様がそう説明する間に彼女の後ろに近付く。もちろん、侍女のサラさんも一緒にいる。
「ということは、私に暴力を振るう利点はあったんですね?」
「な、どうして……」
「生きているの、ですか?」
作戦に乗ってくれるとは思っていなかった私は慌てて言葉を繋ぐ。
でも、これでアーシャ様は自分が襲撃させたことを認めることになった。
「私が行方不明というのは嘘ですから、生きていて、この場にいてもおかしくはないですよね?」
「わたくしは貴女が行方不明と聞いて心配しておりましたのに。それなのに、突然現れてわたくしを犯罪者扱いだなんてひどいですわ!」
やっぱり簡単にはいかないみたい……。
「エルワード様と親交のある私を暴力で排除しようとしておいて、心配していたなんて言わないでください。従者の方の制止を振り切ってまで私を襲わせるなんて、相当恨んでいるはずですのに。
アーシャ様はわがままなんですね」
最後に馬鹿にするように付け加える。
プライドの高いアーシャ様なら何かしら反論してくるはずだから。
「な、なぜそれを知っていますの⁉︎ あっ……」
「という事です、陛下」
予想外のアーシャ様の言葉だった。まさかここでボロを出すとは思わなかった。
「皆様、この度は娘のレシアが行方不明になったとの嘘の情報を流してしまい申し訳ありませんでした。この場をお借りしてお詫びします。
レシアを彼女から守るためだったことをご理解いただけると幸いです」
いつの間にか周りに集まっていた人達に頭を下げるお父様。
周りの人達からの不満は……
「公爵令嬢がやることじゃありわせんわ!」
「ご息女がご無事で何よりです」
「レシア様を襲った責任を取って二度と社交界に来ないでください」
……私達に向けられることはなかった。
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次回、いよいよアーシャ様の処遇が決まります!
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