23 / 24
23. 追い詰めます!
しおりを挟む
「アーシャ嬢、君が使用人にレシア嬢を暗殺するように指示していたことは分かっている。嘘をついたら罰が重くなるだけだから、正直に話したらどうかね?」
国王陛下の言葉に黙り込んでしまうアーシャ様。
流石のアーシャ様も陛下には逆らおうとしないみたい。
「陛下、失礼ながら証拠は全て揃っております。彼女が何を言おうと、罪は明らかです」
「そうだな。アーシャ嬢、今回の罪はどう償うつもりかね?」
「わ、わたくしは悪くありませんわ!」
陛下の問いにそう答えるアーシャ様。
「……私のエルワード様を奪おうとしたあの女が悪いんですわ!」
「救えないな……。死者は出ていないから、修道院送りがいいだろう。そこで再教育させよう」
「いやですわ! なんでわたくしが修道院送りですの⁉︎」
うるさく喚くアーシャ様に周りの人たちが不機嫌そうな表情を向ける。
「陛下、お伝えし忘れていました。アーシャ様は麻薬の密売にも関わっていたようです」
「ふむ。そうなると私の一存では決めるわけにはいくまい。来週、裁判を開くことにしよう」
こうして、アーシャ様は裁判にかけられることになったのだけど……
「わたくしは何もしていませんのよ⁉︎ 全てはあの女のせいですわ! あの女のせいで……許しませんわ! 許しませんわ……!」
……アーシャ様がそんなことを言いながら私に手を向けてきた。
「死んで償いなさい!」
そんな言葉と共に光の筋が私の頭に向かって放たれた。
「お嬢様!」
「下がって」
魔法での戦いになればサラさんが戦うよりも私が戦った方が勝てるはず。それに、サラさんの魔力では大怪我をしかねないから。
「闇よ」
私は防御魔法を使った。
呪文を唱えなくても魔法自体は使えるけれど、魔力を練っていなかったから唱えるしかなかった。
何故か私のでない魔法で防御が二重になっているけれど……。
ちなみに、学院の授業でアーシャ様と戦ったときは全敗している。アーシャ様の機嫌を損ねないように手を抜いていたから。
だから勝算はある。
「死ねーーッ!」
今度の攻撃はさっきのよりも魔力が込められていた。
その攻撃は私が防ぐ前に、目の前に飛び込んできた影によって防がれた。
「レシア、大丈夫か?」
「え、ええ」
私はエルワード様の介入に戸惑いながらも、アーシャ様に雷の魔法を放った。
「きゃあっ!」
私が放った魔法が直撃したアーシャ様は身体を痙攣させて、そのまま床に倒れた。
当たった相手の身体を麻痺させる護身用の魔法が効いたみたい。
頭を打つ「ゴチン」という音が聞こえたけど、気にしないようにしよう……。
「今だ、拘束しろ!」
王宮の兵士さんに魔法を封じる効果のある手枷を嵌められるアーシャ様。
「無礼者! 離しなさい! 触らないで! エルワード様、助けて!」
「牢に連れて行け!」
この日、アーシャ様は裁判まで王宮の貴人用の牢に入れられることになった。
国王陛下の言葉に黙り込んでしまうアーシャ様。
流石のアーシャ様も陛下には逆らおうとしないみたい。
「陛下、失礼ながら証拠は全て揃っております。彼女が何を言おうと、罪は明らかです」
「そうだな。アーシャ嬢、今回の罪はどう償うつもりかね?」
「わ、わたくしは悪くありませんわ!」
陛下の問いにそう答えるアーシャ様。
「……私のエルワード様を奪おうとしたあの女が悪いんですわ!」
「救えないな……。死者は出ていないから、修道院送りがいいだろう。そこで再教育させよう」
「いやですわ! なんでわたくしが修道院送りですの⁉︎」
うるさく喚くアーシャ様に周りの人たちが不機嫌そうな表情を向ける。
「陛下、お伝えし忘れていました。アーシャ様は麻薬の密売にも関わっていたようです」
「ふむ。そうなると私の一存では決めるわけにはいくまい。来週、裁判を開くことにしよう」
こうして、アーシャ様は裁判にかけられることになったのだけど……
「わたくしは何もしていませんのよ⁉︎ 全てはあの女のせいですわ! あの女のせいで……許しませんわ! 許しませんわ……!」
……アーシャ様がそんなことを言いながら私に手を向けてきた。
「死んで償いなさい!」
そんな言葉と共に光の筋が私の頭に向かって放たれた。
「お嬢様!」
「下がって」
魔法での戦いになればサラさんが戦うよりも私が戦った方が勝てるはず。それに、サラさんの魔力では大怪我をしかねないから。
「闇よ」
私は防御魔法を使った。
呪文を唱えなくても魔法自体は使えるけれど、魔力を練っていなかったから唱えるしかなかった。
何故か私のでない魔法で防御が二重になっているけれど……。
ちなみに、学院の授業でアーシャ様と戦ったときは全敗している。アーシャ様の機嫌を損ねないように手を抜いていたから。
だから勝算はある。
「死ねーーッ!」
今度の攻撃はさっきのよりも魔力が込められていた。
その攻撃は私が防ぐ前に、目の前に飛び込んできた影によって防がれた。
「レシア、大丈夫か?」
「え、ええ」
私はエルワード様の介入に戸惑いながらも、アーシャ様に雷の魔法を放った。
「きゃあっ!」
私が放った魔法が直撃したアーシャ様は身体を痙攣させて、そのまま床に倒れた。
当たった相手の身体を麻痺させる護身用の魔法が効いたみたい。
頭を打つ「ゴチン」という音が聞こえたけど、気にしないようにしよう……。
「今だ、拘束しろ!」
王宮の兵士さんに魔法を封じる効果のある手枷を嵌められるアーシャ様。
「無礼者! 離しなさい! 触らないで! エルワード様、助けて!」
「牢に連れて行け!」
この日、アーシャ様は裁判まで王宮の貴人用の牢に入れられることになった。
41
あなたにおすすめの小説
王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?
いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、
たまたま付き人と、
「婚約者のことが好きなわけじゃないー
王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」
と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。
私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、
「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」
なんで執着するんてすか??
策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー
基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。
他小説サイトにも投稿しています。
シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした
黒姫
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生しました。神様によると、婚約者の王太子に断罪されて極北の修道院に幽閉され、30歳を前にして死んでしまう設定は変えられないそうです。さて、それでも幸せになるにはどうしたら良いでしょうか?(2/16 完結。カテゴリーを恋愛に変更しました。)
追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→
AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」
ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。
お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。
しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。
そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。
お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。
婚約破棄に、承知いたしました。と返したら爆笑されました。
パリパリかぷちーの
恋愛
公爵令嬢カルルは、ある夜会で王太子ジェラールから婚約破棄を言い渡される。しかし、カルルは泣くどころか、これまで立て替えていた経費や労働対価の「莫大な請求書」をその場で叩きつけた。
王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる