婚約破棄され家を出た傷心令嬢は辺境伯に拾われ溺愛されるそうです 〜今更謝っても、もう遅いですよ?〜

八代奏多

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99. 裁判③

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 裁判を終えて馬車に乗った私はお母様から行きの話の続きを聞いていた。


「処刑が決まった後、事件が動くことは無くて……私が何もできないまま処刑の日を迎えたわ」

「もしかして、助けようとしてたのですか……?」


 違和感を覚え、そう訊いてみる私。


「そうよ。だって、その侯爵令嬢が私を嵌めるのも王家の誰かを手にかけようとするのも理由が無かったもの」

「その後どうなったんですか……?」

「処刑の直前に助けて一緒に国外に逃げたわ。その1週間後に洞窟で捕まってしまったけど、その時には冤罪だったことが分かってて無事に帰ることができたの」

「そんなことがあったのですね……。その侯爵令嬢さんって今はどうしてるのですか?」

「王妃になってるわよ」


 王妃殿下にそんな過去があったなんて思ってもいなかった私は少しの間言葉を失った。


「そんなことがあったなんて知りませんでした……。でも、よく助ける気になれましたね?」

「信頼してたから当然よ」


 その言葉を聞いて安心する私。
 この後すぐに御者さんが家に着いたことを告げてきて、話は一旦終わってしまった。




 翌日、昨日と同じようにお父様は証拠と証人の手配のために朝から屋敷を空けていた。
 お母様は王妃殿下に呼ばれていたみたいで、お父様と一緒に王宮に行っている。

 だから、今日は私1人だけで王宮に向かった。


 王宮に着いて馬車から降りると、御者さんがこう口にした。


「行ってらっしゃいませ」

「行ってきます」


 私は頭を下げる御者さんにそう返してから裁判所がある建物に入った。


 ……それからしばらくして、裁判が始まった。


「証人、前へどうぞ」

「はい」

「フィーナ様が婚約破棄される前、何か怪しい動きを見たことはありますか?」


 証人として呼ばれた王宮の侍女さんに問いかける裁判長さん。
 私の呼び方が様付けなのは、罪人でない限り裁判中であっても地位は尊重される決まりがあるから。

 裁判長さんの問いかけに対して、侍女さんははっきりとこう口にした。


「いいえ」


 裁判長さんの前に置かれている嘘発見装置に変化は起きなかった。


「ありがとうございました。下がっていただいて構いません」

「被告人、貴女は淫魔の雫だとは知らなかったと言っていましたが、それは本当ですか?」

「はい。本当に淫魔の雫だなんて知らなかったんです」


 その瞬間、嘘発見装置が赤く輝いた。


「どうやら貴女は嘘をついているようですね。もう一度、全ての質問をやり直す必要があるでしょう」


 そんなことを口にする裁判長。
 それからは、レイラの嘘が暴かれた。

 時々私が質問を受ける時はあったけど、当然装置が光ることは無かった。


 そして……


「本日はこれにて閉廷します。判決は厳正な審理の下、今週末に言い渡します」


 ……裁判長がそう告げて今日の裁判が終わった。
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