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25. 暴走したようです
「罪人の刑は確定しましたが、確認すべき事項が出来ました。
シルフィーナ嬢。聖女候補であるリリア嬢を虐めたというのは事実ですか?
喚く罪人は追い出したので、落ち着いて答えてください」
どうやら、裁判はまだ終わりではないようです。
例え罪人の発言であっても、真偽の確認は行われます。
一度確定した刑罰であっても、1週間は証拠が新たに出てきても大丈夫なように猶予期間も設けられています。
だから、裁判自体に決着はついていません。
「いいえ、エドガーの虚言ですわ。証拠なら、影の方が持っていると思いますわ」
問いかけてきたのは国王陛下。私は失礼の無いように兜を脱いでから返事をしました。
もう必要ありませんし、躊躇うことはありませんでした。
「ありがとう。
アルファ、ベータよ。彼女が虐めをしていないと証言は出来るか?」
「「はい」」
「シルフィーナ嬢の証言に偽りは無いようです。
続いて、残る罪人2人の裁判を執り行う」
残る罪人2人。
エドガーと一緒になって私に攻撃してきたアベル・サザントとアルバトス・アーホードです。
この2人とも顔を合わせたくない私は、扉が開けられるよりも早く兜を被りました。
「罪人をこちらへ」
陛下の声に少し遅れて、開けられた扉から2人が入ってきます。
そして、被告人が立つ証言台の前にら立ち止まりました。
さっきのエドガーとは違い、2人とも妙に落ち着いています。
拘束はしっかりされているようですが、あまりの不気味さに寒気がしてきました。
「罪状を読み上げよ」
「罪人アベル・サザント及びアルバトス・アーホードはシルフィーナ・アストライア様に暴行を行い怪我をさせた上、エドガーによる絞殺を幇助した。
間違いは無いか?」
淡々と罪状が読み上げられます。
そして、アルバトスがこんなことを口にしました。
「俺はシルフィーナ様に虐められているリリア様を守るために手を上げただけだ! 正当防衛の何が問題なんですか!?」
「つまり、シルフィーナ様に危害を加えたことは認めるということですね」
「違う! 俺は悪くない! 全てあの女が悪いんだ!」
そう喚くアルバトスの人差し指が私に向けられます。
そして……。
予兆もなく、攻撃魔法が飛んできました。魔法を暴走させてしまったようです。
これくらいの魔法、防ぐのは造作もありませんから、私のいる位置よりも前の方に防御魔法を出して防ぎました。
ちなみにですが、被告人が立つ場所は意図して魔法を発動できないようになっています。でも、暴走したら話は別です。
「大人しくしろ!」
すぐさま騎士が剣を振り翳し、柄の部分で一瞬にしてアルバトスの意識を刈り取りました。
法廷内での攻撃行為。狙われたのが私でなければそれほど重い罪にはならなかったはずですが……。
「アルバトス・アーホードは国家反逆の罪で極刑に処す。証拠は皆が見ていた通りだ」
……この場で証拠を作り出してしまったため、手順を飛ばして先に刑罰が言い渡されました。
そして、完全に気を失っているアルバトスは法廷の外へと引き摺り出されました。
シルフィーナ嬢。聖女候補であるリリア嬢を虐めたというのは事実ですか?
喚く罪人は追い出したので、落ち着いて答えてください」
どうやら、裁判はまだ終わりではないようです。
例え罪人の発言であっても、真偽の確認は行われます。
一度確定した刑罰であっても、1週間は証拠が新たに出てきても大丈夫なように猶予期間も設けられています。
だから、裁判自体に決着はついていません。
「いいえ、エドガーの虚言ですわ。証拠なら、影の方が持っていると思いますわ」
問いかけてきたのは国王陛下。私は失礼の無いように兜を脱いでから返事をしました。
もう必要ありませんし、躊躇うことはありませんでした。
「ありがとう。
アルファ、ベータよ。彼女が虐めをしていないと証言は出来るか?」
「「はい」」
「シルフィーナ嬢の証言に偽りは無いようです。
続いて、残る罪人2人の裁判を執り行う」
残る罪人2人。
エドガーと一緒になって私に攻撃してきたアベル・サザントとアルバトス・アーホードです。
この2人とも顔を合わせたくない私は、扉が開けられるよりも早く兜を被りました。
「罪人をこちらへ」
陛下の声に少し遅れて、開けられた扉から2人が入ってきます。
そして、被告人が立つ証言台の前にら立ち止まりました。
さっきのエドガーとは違い、2人とも妙に落ち着いています。
拘束はしっかりされているようですが、あまりの不気味さに寒気がしてきました。
「罪状を読み上げよ」
「罪人アベル・サザント及びアルバトス・アーホードはシルフィーナ・アストライア様に暴行を行い怪我をさせた上、エドガーによる絞殺を幇助した。
間違いは無いか?」
淡々と罪状が読み上げられます。
そして、アルバトスがこんなことを口にしました。
「俺はシルフィーナ様に虐められているリリア様を守るために手を上げただけだ! 正当防衛の何が問題なんですか!?」
「つまり、シルフィーナ様に危害を加えたことは認めるということですね」
「違う! 俺は悪くない! 全てあの女が悪いんだ!」
そう喚くアルバトスの人差し指が私に向けられます。
そして……。
予兆もなく、攻撃魔法が飛んできました。魔法を暴走させてしまったようです。
これくらいの魔法、防ぐのは造作もありませんから、私のいる位置よりも前の方に防御魔法を出して防ぎました。
ちなみにですが、被告人が立つ場所は意図して魔法を発動できないようになっています。でも、暴走したら話は別です。
「大人しくしろ!」
すぐさま騎士が剣を振り翳し、柄の部分で一瞬にしてアルバトスの意識を刈り取りました。
法廷内での攻撃行為。狙われたのが私でなければそれほど重い罪にはならなかったはずですが……。
「アルバトス・アーホードは国家反逆の罪で極刑に処す。証拠は皆が見ていた通りだ」
……この場で証拠を作り出してしまったため、手順を飛ばして先に刑罰が言い渡されました。
そして、完全に気を失っているアルバトスは法廷の外へと引き摺り出されました。
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