低学歴 高脂肪

暗黙 了

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蚊取り線香

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俺は家に帰り猫家族の世話をして、蚊取り線香に火をつけた。ベランダにつるしてある。今は電気の蚊取り線香があるが、俺は渦巻きのがすきだ。なんていうのか、懐かしくて静かであの匂いをかいでると、心が落ち着く。俺のアロマは、蚊取り線香だな、いまどきあまりいないが。ソファーに、寝転んで、一休み。今日の事を、思い出すことすらできないくらい俺はつかれていた。何につかれたのか?仕事?いや、考える事。どうせ飲み屋の出来事、空想の世界。今が現実なんだよな。いつも通りの言い訳で、俺は納得することにした。俺は低学歴で、難しいことは、わからない。もっとわからないのは自分のこと。お母さん猫が俺の腹の上に乗ってきた。ゴロゴロ。俺は頭をなぜてる。柔らかい、温かい、優しい。なんとも言えない気持ち。俺は涙が流れていた。お母さん猫は、涙をぺろりとなめてくれた。俺も、お母さんの子供の一人なんだ。柔らかく優しいお母さん猫を、俺はすごく愛してる。小さい頃の記憶、そして思い出せない記憶、現実か夢かわからない記憶、そして今の俺。はっきり覚えてるのは、梅の里の家で、俺は生活していた事。俺の病院のすぐそばにある。仲間がいてみんなでメシ食べて、俺はそこからレストランの洗い場に働きに行っていた。仕事が楽しくて、みんな良くしてくれた。それから今までの記憶は、鮮明に覚えている。医者にきいてみたが、急ぐ必要なしとのこと。俺はゆっくり思い出そうとしていた。皿洗いから、野菜の皮むきを手伝うようになった。楽しい。俺は料理がすきなんだな。メキメキ上手くなり色んな仕事もやらせてもらった。給料もあがっていった。俺はもっと勉強したくなって、レストランのオーナーの知り合いが、新宿でみせをやっているから、そこで、勉強させてもらえることになった。梅の里の先生や、仲間は心配したが、俺は頑張ると、あとには、ひかなかった。月一の病院には、帰ってくるからと。そして新宿に。俺は店の二階の一部屋をかりることができた。凄い人、賑やかで、いつが夜か朝なのか、わからない街。だれも、なにも、みんな無関係な街が俺には、最高に住みやすかった。ゴミ出ししていても、見たことないどぶネズミがウロチョロしている。その横で、平然とテーブルにすわって話す外国人たち。どこを見ても人人。俺は気が楽で、働いていても、不思議と笑顔になっている。料理、洗い物、買い出し。俺は一日中働いた。金はつかわないから、たまっていった。その店のオーナーが、もう一店舗出すから。俺にそこに行ってほしいと言った。今の店から、歩いて5分くらいに場所だ。俺は、新しい店で、初めから料理を作れることに感謝した。そのときは、必死で、過去なんてどうでもよくなっていた。メニューを考えたり、色々忙しいが、やりがいがあった。新しい店は、スナックみたいな感じで、昼間もランチをやることになっていた。マスター、バイト、俺、あとは。パートのおばちゃんが一人。新しいスタートは、とてもここちよかった。オープンして、だんだん店にもなれた頃ぞくに、客引きと呼ばれる人たちもランチを食べにくるようになった。「客引き」とは言わず「案内人」とよぶらしい。みんな必死で携帯みながら、飯を食べている、夜遅くまで、街に立っている彼らは、違法と言われているが、中には悪質な人もいるだろうが、みんな真剣に働いている。遊ぶ人がいて、案内人が教える。遊園地、大人の、どこで遊ぶか、それは自由。俺は夜の仕込みが終わって、裏口で一服していた、コーヒーがうまい。狭い裏口から、見える道に、たぶんお客さんで、なんだか、俺と気が合いたまに話すひとが、しゃがみ込んでいた。俺は急いで駆け寄り「大丈夫ですか」とこえをかけた。「ヘルニアがあるから、腰がたまにすごく痛くなる」店で休んで下さいと、俺はその人をつれてきた。冷たい水をさしだして、「少し横になって休んで下さい」「店は七時からだから、まだ時間があるし」この暑さ、息を吸うのも辛そうだった。1時間くらいして、「どうもすいません」と声がした、俺は冷たい、お茶とおしぼりを渡して、「よくなりましたか?」と聞いた。かれは、鎮痛剤をのんで、「助かりました。」「たち仕事きつくないですか?」「俺にはこれしかできないし。」そう、みんな無理して働いているんだ。それから、俺は仲良くなって、よく二人で飯食いながら、話をした。彼は土曜日は、かなり忙しいみたいだ。ランチ食べにきても落ち着かないし、いつもと着ている洋服も違う。俺は気合い、入れてるなといつも思っていた。彼が案内人で立っている場所には、コンビニがあり、俺は氷が足りなくなったらよく買いに行く。「頑張ってるな」とか、暇そうだなとか思いながら挨拶して、通り過ぎる。その日は、七時から満席になり、氷がたりなくなって、俺は急いで買いに行った。彼は接客中?え?違うこんな顔して笑うの見たことない。彼が話してる子の周りに何人かいて、バイバイと手を振って仲間と帰っていった。俺はニヤニヤして、彼の前を通り過ぎた。「なんだよー」と彼は言った。俺は大笑いして「みちゃいましたねー」と言った。「関係ない、お客さんだよ」となにも聞いてないのに、焦ってる。パッと輝いていてまぶしかったな。俺も彼も若かったから、楽しい時間だった。それから何ヶ月かして、警察の取り締まりが強くなって、彼のヘルニアも悪化してきて、彼は田舎に帰ると言ってきた。 俺は彼が新宿を離れるわけが、他にもある気がした。「あの彼女はどうするの?」俺は聞いてみた。「彼女じゃないし、あの子が一方的に俺に好意をよせてるだけだし。」俺はだまってきいていた。彼らしい。以前一緒に飲んでいて彼は酒に弱くすぐ酔う、その時「あの子と俺じゃつりあわないよ、案内人のヘルニア持ち。あの子は一人娘で、お母さんが経営している会社で、働いている。」「学歴だって俺なんかと合わないし。」それって関係あるのかと俺は思った。彼女は、彼を本当に好きなんだってみていてわかる。寒い冬、俺がコンビニにいったら、彼女が一人で彼にホカロン渡して帰っていったのを見た。ワザワザホカロン渡すために新宿にきたんだ。俺は胸が熱くなった。彼はきっと自分から消えていきたかったんだ。彼の不器用な愛情なんだ。色んな形があるけど、彼がきめたなら、田舎に帰って体を治してまた、立ち上がればいい。俺は彼の幸せを願った。また、いつもの毎日仕事、氷を買いに行っても彼はもう立っていない。は?彼女がたってる。なぜ?もういないのに。俺は氷をかって、両手で持ってコンビニからでてきた。泣きそうな顔して立ってる彼女。俺は思わず「彼まってるの」と声かけてしまった。とつさに。彼女は、びつくりして、「はい、ずつとまってます。」と言った。俺は、動揺した。どうしょう。「彼に電話したら」といった。「電話番号おしえてもらえなくて」と彼女は答えた。それなのに、彼女は彼をまってるのか、この場所しか、会えるとこはないんだな。俺は裏切り者になる。「おれ、彼としりあいだから、電話番号しってます。」そういって、彼女に教えた。彼女は、「ありがとうございます。私は彼が大好きなんです。彼は私なんか相手にしてないけど。」上品で、おだやかで、素直で、そんな彼女、のがしたらだめなんだよ。「さあ、どうかな、電話してみたら。」おれは、笑ってお辞儀して店に帰った。彼を裏切ってしまったけど、清々しい。釣り合う、釣り合わないなんて、誰が決めるんだよ。自分が好きならそれでよくないのか?まつ、そのあと彼からお叱りの電話がきたが、なんでも、近々彼女が彼に会いに行くらしい。いま、仕事ができなくて、ヘルニアが悪化して、そんな彼を追いかけてまで、愛してくれる女はいないよな。たまには、裏切り者でもいいのかもしれない。
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