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第3章 炎の娘
第18話 魔女の娘
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午後の陽はやや傾きはじめ、村の石畳にはやわらかな光が落ちていた。
ウサマはその隅で、荷運びを手伝っていた。
森に入るなと言ってきた女性の納屋を借り、エリーと言う魔女が来るのを、ウサマは何日も待っていた。
そして、この村の住民も、みんな金髪だった。
女たちは最初、黒髪のウサマに警戒を見せたものの、器用に壊れた戸棚を直したり、薪割りを買って出る彼の姿に、次第に打ち解け始めていた。
成人の男たちは漁に出ているので、昼間は老人と女と子どもしか見かけない。
「レオンさん、ほんとに旅人? 大工じゃないの?」
「お嫁に来てもらいたいくらいだよ、ねぇえ?」
笑いながらも、女たちの視線はどこか艶っぽかった。
腰の動き、腕の筋、濡れた額――。
黒髪で異国の匂いがする粗雑な男は、彼女たちの昼下がりの好奇心と、ちょっとした妄想の種になっていた。
ウサマは、彼女たちの心の声は聞こえないふりをして、何も言わず静かに笑っていた。
そして、昼過ぎにはいつも、子どもたちがウサマの周りに集まってくる。
誰かが持っていた釣り竿を木剣を見立て、ケルピー討伐ごっことやらに付き合うことになった。これは、オス・ローでの日常とあまり変わらない。
飛びかかってくる男の子を片手で持ち上げ、女の子が投げた布玉を身を翻してよけ、周囲にはいつしか、拍手と歓声が巻き起こっていた。
「お兄ちゃん、すごい! もうこの村は全滅だ!」
「もっとやってー!」
ウサマは片腕に一人ずつ、子どもを抱えて振り回し、足や頭によじ登る子ども達と戯れた。
だがその声聞いて、誰かが遠くからウサマを見ていた。
木立の影。
そこに立っていたのは、一人の少女だった。
黒髪を後ろで編み、森と同じ色の服を着た細身の娘。
その瞳は淡く緑を含んだ青、村では見かけない珍しい色だった。
――その目が、鋭くウサマを見据えていた。
(……黒髪!? 子どもたちが危ない!!)
その声がウサマに届いた瞬間、彼女は小石をひとつ拾った。
迷いはなかった。
ヒュッと風を切る音。
ウサマの右の頬が、鋭く裂けた。
「っ……!」
石が右頬をかすった。血が飛び散る様に、周りにいた子どもたちが声をあげた。
「おにいちゃん!? 血が……!」
「レオン、大丈夫……!?」
「……誰だ、投げたのは??」
ウサマは静かに立ち上がり、傷に手を当てながら周囲を見た。
そして、見つけた。
少し離れた小道の先。
黒髪の少女が、こちらを睨むように立っていた。
「みんな! 離れて! ……そいつ、魔女よ!」
静かだが鋭い声だった。
ウサマは何も言わなかった。ただ、その目を見た。
蒼みがかった翠の瞳。
――信じて疑わない目だ。
誰かを守るために、それ以外のものを敵と見なす目。手には二投目の石が握られている。
だが、子どもたちが駆け寄った。
「エリー姉ちゃん、この人敵じゃないよ! ごっこ遊びだよ!」
「石、なんで投げたの!?」
「……えっ?」
(違うの? え? どういうこと??)
黒髪の少女はたじろいだ。
ウサマは頬の血をぬぐう。痛みよりも、手についた出血が多かった。
「……うん、まあ、この遊びの仲間に入るには、そういう挨拶もアリだな。でも、もしちびたちに当たってたら、笑って済まされなかったぞ」
ウサマは手の血をぬぐいながら、そう言って静かに少女を見た。
少女の顔が真っ青になった。
「……っ、ちが、あたしは……」
少女の声が震えかけたとき、村の年配の女が近づいてきた。
「エリー、あんた、また魔女の娘みたいなことして……。この方ね、何日か前から手伝いをしてくれてるの。悪い人じゃないよ」
その言葉に、黒髪の少女は完全に動きを止めた。
「……ご、ごめんなさい。あたしったら、早とちりして……」
今度は、少女の顔が真っ赤になった。
ウサマは軽く首を振った。
「別にいいよ。当たったのが俺だったし。それに、一応謝ってくれたってことで」
ウサマは肩をすくめ、軽く笑ってみせた。
その言葉には、怒りも皮肉もなかった。ただ、傷の痛みよりも、少女の真剣さと戸惑いを受け止めようとする、静かな優しさがにじんでいた。
「……傷、見せて」
少女が小さな声で言った。
その視線は、頬の傷ではなく、ウサマの目をまっすぐ見ていた。
そして、そっと手を伸ばす。
冷たい指先が、彼の頬に触れた。
その瞬間、ウサマの体が、かすかに反応した。
軽く息を飲んだ自分に、ウサマは内心で戸惑う。
傷口の痛みでもなく、恐怖でもない。
ただ、その手があまりにやさしくて、熱を持っているように感じたからだった。
この子が、エリー――。
(どうしよう……、思ってるより傷が深いかも……)
心の声も聞こえてくる。
目の前の少女は、自分を敵だと思っていたはずなのに、今はまるで、何かを守るような目をしていた。
「ママ……ママの薬なら、ちゃんと治せるから」
言葉が、途中で少し揺れた。
自分が投げた石でできた傷を、なんとか償おうとする気持ちが、その声ににじんでいる。
「……あんたのママって、魔女?」
ウサマは半分冗談のように問いながらも、その返事を待った。
すると、少女は一歩前に出て、ウサマの手を掴んで答えた。
「そうよ。だから一緒に来て!」
その表情には、もうさっきまでの迷いや戸惑いはなかった。
自分の役目を思い出した者の目だった。
・゜゜・*:.。. .。.:*・゜゜・*:.。..。:*・゜゜・*:.
ノアとカイ小話
【第3話】君、祈ってないの?
旅の三日目の夜。
薄明かりの空の下、野営地には風の音と焚き火の囁きだけが漂っていた。
ノアは寝る前にそっと立ち上がり、小さな布の包みを取り出す。
それは、祈りの石。聖地の出立前に、サライがお守りにと渡してくれたものだった。
火から少し離れた場所で、ノアは膝をつくと、静かに目を閉じた。
「……君、祈ってるの?」
背後から声がかかって、ノアは肩を揺らす。
振り返ると、カイが焚き火に膝を抱えたまま、こちらを見ていた。
「……うん。毎晩、寝る前に少しだけ」
ノアは立ち上がって戻りながら、問い返した。
「……君は、祈らないの?」
カイは少し考えるように視線を落とし、火の揺らぎをじっと見つめた。
「……子どもの頃はしてた。神学校も通ったし、聖典も読んだ。形式としての祈りは覚えてるよ。でも――」
そこで言葉を切って、カイは苦笑した。
「僕が祈っても、誰が僕を見てるのか、よく分からなかったんだ。『ホープの息子』に向けた祈りにしか、聞こえなかったから」
ノアはその言葉に、しばらく黙っていた。
そして、少しだけ目を伏せながら言う。
「……エブラ信仰でも、祈りは教えとしてあるけど、僕も、本当に意味がわかるようになったのは……両親が旅に出てからかな」
「意味?」
「今ここにいない人と、心をつなぐための言葉じゃないかな。これは僕の持論だけど」
カイはその言葉を、焚き火の音とともに胸に落としていく。
そして、ぽつりとこぼした。
「……そういう祈りなら、僕もしてるかもしれない」
「それでいいんだと思うよ。名前を呼ばなくても、手を組まなくても」
「うん。……じゃあ、今度からは君の隣で、何となく祈ってみる」
ノアは少し目を丸くして、それから微笑んだ。
「……強制はしないけど、歓迎するよ」
二人の間に、しばらく静かな夜が流れた。
祈りの形は違っても、誰かを想う気持ちだけは、きっと同じだった。
ウサマはその隅で、荷運びを手伝っていた。
森に入るなと言ってきた女性の納屋を借り、エリーと言う魔女が来るのを、ウサマは何日も待っていた。
そして、この村の住民も、みんな金髪だった。
女たちは最初、黒髪のウサマに警戒を見せたものの、器用に壊れた戸棚を直したり、薪割りを買って出る彼の姿に、次第に打ち解け始めていた。
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「レオンさん、ほんとに旅人? 大工じゃないの?」
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笑いながらも、女たちの視線はどこか艶っぽかった。
腰の動き、腕の筋、濡れた額――。
黒髪で異国の匂いがする粗雑な男は、彼女たちの昼下がりの好奇心と、ちょっとした妄想の種になっていた。
ウサマは、彼女たちの心の声は聞こえないふりをして、何も言わず静かに笑っていた。
そして、昼過ぎにはいつも、子どもたちがウサマの周りに集まってくる。
誰かが持っていた釣り竿を木剣を見立て、ケルピー討伐ごっことやらに付き合うことになった。これは、オス・ローでの日常とあまり変わらない。
飛びかかってくる男の子を片手で持ち上げ、女の子が投げた布玉を身を翻してよけ、周囲にはいつしか、拍手と歓声が巻き起こっていた。
「お兄ちゃん、すごい! もうこの村は全滅だ!」
「もっとやってー!」
ウサマは片腕に一人ずつ、子どもを抱えて振り回し、足や頭によじ登る子ども達と戯れた。
だがその声聞いて、誰かが遠くからウサマを見ていた。
木立の影。
そこに立っていたのは、一人の少女だった。
黒髪を後ろで編み、森と同じ色の服を着た細身の娘。
その瞳は淡く緑を含んだ青、村では見かけない珍しい色だった。
――その目が、鋭くウサマを見据えていた。
(……黒髪!? 子どもたちが危ない!!)
その声がウサマに届いた瞬間、彼女は小石をひとつ拾った。
迷いはなかった。
ヒュッと風を切る音。
ウサマの右の頬が、鋭く裂けた。
「っ……!」
石が右頬をかすった。血が飛び散る様に、周りにいた子どもたちが声をあげた。
「おにいちゃん!? 血が……!」
「レオン、大丈夫……!?」
「……誰だ、投げたのは??」
ウサマは静かに立ち上がり、傷に手を当てながら周囲を見た。
そして、見つけた。
少し離れた小道の先。
黒髪の少女が、こちらを睨むように立っていた。
「みんな! 離れて! ……そいつ、魔女よ!」
静かだが鋭い声だった。
ウサマは何も言わなかった。ただ、その目を見た。
蒼みがかった翠の瞳。
――信じて疑わない目だ。
誰かを守るために、それ以外のものを敵と見なす目。手には二投目の石が握られている。
だが、子どもたちが駆け寄った。
「エリー姉ちゃん、この人敵じゃないよ! ごっこ遊びだよ!」
「石、なんで投げたの!?」
「……えっ?」
(違うの? え? どういうこと??)
黒髪の少女はたじろいだ。
ウサマは頬の血をぬぐう。痛みよりも、手についた出血が多かった。
「……うん、まあ、この遊びの仲間に入るには、そういう挨拶もアリだな。でも、もしちびたちに当たってたら、笑って済まされなかったぞ」
ウサマは手の血をぬぐいながら、そう言って静かに少女を見た。
少女の顔が真っ青になった。
「……っ、ちが、あたしは……」
少女の声が震えかけたとき、村の年配の女が近づいてきた。
「エリー、あんた、また魔女の娘みたいなことして……。この方ね、何日か前から手伝いをしてくれてるの。悪い人じゃないよ」
その言葉に、黒髪の少女は完全に動きを止めた。
「……ご、ごめんなさい。あたしったら、早とちりして……」
今度は、少女の顔が真っ赤になった。
ウサマは軽く首を振った。
「別にいいよ。当たったのが俺だったし。それに、一応謝ってくれたってことで」
ウサマは肩をすくめ、軽く笑ってみせた。
その言葉には、怒りも皮肉もなかった。ただ、傷の痛みよりも、少女の真剣さと戸惑いを受け止めようとする、静かな優しさがにじんでいた。
「……傷、見せて」
少女が小さな声で言った。
その視線は、頬の傷ではなく、ウサマの目をまっすぐ見ていた。
そして、そっと手を伸ばす。
冷たい指先が、彼の頬に触れた。
その瞬間、ウサマの体が、かすかに反応した。
軽く息を飲んだ自分に、ウサマは内心で戸惑う。
傷口の痛みでもなく、恐怖でもない。
ただ、その手があまりにやさしくて、熱を持っているように感じたからだった。
この子が、エリー――。
(どうしよう……、思ってるより傷が深いかも……)
心の声も聞こえてくる。
目の前の少女は、自分を敵だと思っていたはずなのに、今はまるで、何かを守るような目をしていた。
「ママ……ママの薬なら、ちゃんと治せるから」
言葉が、途中で少し揺れた。
自分が投げた石でできた傷を、なんとか償おうとする気持ちが、その声ににじんでいる。
「……あんたのママって、魔女?」
ウサマは半分冗談のように問いながらも、その返事を待った。
すると、少女は一歩前に出て、ウサマの手を掴んで答えた。
「そうよ。だから一緒に来て!」
その表情には、もうさっきまでの迷いや戸惑いはなかった。
自分の役目を思い出した者の目だった。
・゜゜・*:.。. .。.:*・゜゜・*:.。..。:*・゜゜・*:.
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薄明かりの空の下、野営地には風の音と焚き火の囁きだけが漂っていた。
ノアは寝る前にそっと立ち上がり、小さな布の包みを取り出す。
それは、祈りの石。聖地の出立前に、サライがお守りにと渡してくれたものだった。
火から少し離れた場所で、ノアは膝をつくと、静かに目を閉じた。
「……君、祈ってるの?」
背後から声がかかって、ノアは肩を揺らす。
振り返ると、カイが焚き火に膝を抱えたまま、こちらを見ていた。
「……うん。毎晩、寝る前に少しだけ」
ノアは立ち上がって戻りながら、問い返した。
「……君は、祈らないの?」
カイは少し考えるように視線を落とし、火の揺らぎをじっと見つめた。
「……子どもの頃はしてた。神学校も通ったし、聖典も読んだ。形式としての祈りは覚えてるよ。でも――」
そこで言葉を切って、カイは苦笑した。
「僕が祈っても、誰が僕を見てるのか、よく分からなかったんだ。『ホープの息子』に向けた祈りにしか、聞こえなかったから」
ノアはその言葉に、しばらく黙っていた。
そして、少しだけ目を伏せながら言う。
「……エブラ信仰でも、祈りは教えとしてあるけど、僕も、本当に意味がわかるようになったのは……両親が旅に出てからかな」
「意味?」
「今ここにいない人と、心をつなぐための言葉じゃないかな。これは僕の持論だけど」
カイはその言葉を、焚き火の音とともに胸に落としていく。
そして、ぽつりとこぼした。
「……そういう祈りなら、僕もしてるかもしれない」
「それでいいんだと思うよ。名前を呼ばなくても、手を組まなくても」
「うん。……じゃあ、今度からは君の隣で、何となく祈ってみる」
ノアは少し目を丸くして、それから微笑んだ。
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