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6巻
6-3
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――翌日、タイミングよくあったイズ行きの馬車に乗り、また何日かかけてイズの港町へと辿り着いた。
そしてイズからサザン島へ、出港である。
「久しぶりに子供たちと会えて良かったです。皆、元気そうでしたし……」
「よかったね! シルシュっ!」
舟券を買っている間、この間までイズで暮らしていたシルシュは、教会の子供たちに会いに行っていた。
ワシも少しだけ顔を出したが、久々の再会に皆、喜んでいたようである。
「サザン島って、ここから結構近いんですね」
「二時間ほどで着くようだな」
晴れ渡る空と海風に恵まれ、船はぐんぐん進んでいく。
ミリィがはしゃいで甲板を駆け回り、その様子をクロードたちが見守っていた。
おい、また船酔いして吐くんじゃないぞ。
「あ! 見えてきたよ! あれじゃない?」
しばらくすると、遠くの方に陸が見えてきた。
ミリィの指す方向に皆が目を向ける。
あれがサザン島か。
島に近づいていくと、透き通った海の中を魚が泳いでいるのが見える。
まだ朝だが、海岸の砂浜では遊んでいる人がちらほらいた。
「わぁ、皆楽しそう! 早く遊びに行きたいなぁー!」
「……まぁいいが、一応依頼の件もあるのだ。はしゃぎすぎるなよ」
「わかってるって♪ 水着、楽しみにしててね、ゼフっ! にひひっ!」
元気よく笑うミリィ。
光に反射しキラキラと輝くその顔は、海風に揺れる向日葵のようであった。
◆ ◆ ◆
時を同じくして、ゼフたちが着いた場所から丁度裏側に当たる島の沿岸で、一艘の小舟が漂っていた。
そこは、人の立ち寄らぬ切り立った岩に囲まれた入り江。
ボロボロの小舟の上には、事切れた男が倒れている。
――一際強い波が押し寄せた直後、炎がそれらを包み込み、海の上だというにもかかわらず舟ごと男の死体を焼き尽くした。
その様子を、崖の上から二人の男が見下ろしていた……
2
サザン島はいわゆる常夏の島というやつで、金持ちや冒険者が余暇を過ごすためにやってくるリゾートアイランドだ。
珍しい動植物も生息し、海と森、美しい自然が魅力的で、行楽のシーズンには各地から人が集まってくる。
だが、島内には小さなダンジョンスポットが点在し、放っておくと魔物が増えてしまい観光に支障が出る。
故に、島の管理者が冒険者を雇い、魔物をシーズン前に駆除しているのだ。
今回ワシらが受けた依頼の駆除対象となっているスティビートルは、人の捨てたゴミを食べて身に蓄える習性があり、稀に捨てる前の物を狙い観光客を襲うこともある。
経験値的にも金銭的にも旨みのない魔物だが、その代わり駆除に来ている冒険者はこの島で自由に遊んでいいことになっているので、請け負う者は多い。
討伐難易度も低いことから、サザン島での魔物討伐依頼は人気が高いのだ。
「わぁ~っ♪ きれいな海っ!」
船から飛び降りたミリィが、両手を広げてくるくる回りながら桟橋を駆けていく。
おい、はしゃぎすぎだ。落ちるんじゃないぞ。
ワシらもミリィに続いて島に渡り、乗客全員が降りると船はまたイズへと帰ってしまった。
遠くなっていく船をしばらく見送った後、ミリィが浜辺の方へと向き直る。
「それじゃ! 今から泳ぎに行きましょーっ!」
「そうですね。まだ日も高いですし」
「クロちゃんてば、浮き輪まで持ってウキウキじゃないのよ~」
「こ、これは海に落ちても大丈夫なように……って押さないでくださいよレディアさん!」
レディアがクロードの抱えている縞模様の浮き輪を肘でつつくと、バランスを崩したクロードがシルシュの尻尾に掴まる。
「ひゃあっ!?」
「あわわわわっ!?」
いきなり尻尾を掴まれたシルシュは、手元にあったミリィの髪を掴み、よろけたミリィはレディアの胸を掴む。
「ちょ……ミリィちゃ……あんっ!」
いきなりの強襲に流石のレディアも反応できず、そのまま四人とも海へどぼんと落ちてしまった。
その様子をセルベリエと二人で、桟橋から呆れ顔で眺める。
まったく、何をしているんだか。
「ぷはぁっ!」
海面から顔を出したミリィが手に持っていたのは、レディアの上着。
レディアは普段、丈の短いシャツを一枚だけ着ている。
動きやすさ重視とのことだが、非常に露出度の高い服で、しかも下着はつけていない。
その服がミリィの手にあるということは、今のレディアは……
「も~ミリィちゃんてばぁ~」
次にレディアが顔を出し、さらに他の皆も海面に上がってきた。
浜辺に近いからか、そこまでの深さはないようで、背の高いレディアは足がつくようだ。
後ろを向いてはいるが、海面から上半身裸になったレディアの背中が見えている。
「れ、レディアさん服が……」
「ん、何~?」
クロードの声に振り返るレディア。
ワシの目に飛び込んできたのは、やはり露出度の高い水着を着たレディアであった。
見えなかっただけで、一応着ていたのか。
レディアはワシの考えに気づいたらしく、にやりと笑う。
「あっはは~。ゼフっちもしかして、期待してた?」
「む……」
両腕を腰に当て、ワシをからかうように笑っているが……この水着、ある意味裸より恥ずかしくないか?
あそこまで堂々とされると、ワシのほうが恥ずかしくなってくるではないか。
「ゼフもセルベリエも、早く来なよーっ!」
そんなワシに手招きをするミリィも、上着を脱いで水着姿になっていた。
ひらひらのたくさんついた可愛らしく子供っぽい水着は、色んな意味でよく似合っている。
よく見ればクロードもシルシュも、濡れた服の下に水着が透けて見える。
最初から泳ぐつもりだったのだろう。
「もう……ミリィさんはいきなり過ぎますよ! 泳ぐ時はまずは準備運動をしてからですね……」
「まぁまぁクロードさん、いいじゃないですか。私たちも泳ぎましょう……よいしょっと」
シルシュがずぶ濡れになった服を脱いで、桟橋の上に丁寧にたたむ。
あの重そうな服を着て、泳ぎながら脱ぐとは随分と器用だな。
シルシュの水着は青色で露出度が低めのものだが、それでも出るところは出ているので見ごたえは充分にある。
「わかりました。そうですね。ゼフ君、すみませんが引き上げてもらえますか」
「あぁ」
クロードを桟橋に引き上げると、いそいそと服を脱ぎ始めた。
中に着ていたのは白いシンプルなビキニだが、それが一層クロードの適度に引き締まった身体を引き立たせている。
生真面目に準備運動をしているクロードはワシと目が合うと、少し恥ずかしそうに視線を逸らした。
「その……ど、どうですか……?」
「よく似合っているぞ」
「……ありがとうございます」
クロードは真っ赤な顔で、消え入りそうな声でぽつりと呟いた。
結構大胆な水着だし、恥ずかしいのだろう。
「クロードーっ! はやくーっ!」
「すぐ行きます……では」
ミリィに呼ばれ、浮き輪を抱えて飛び込むクロード。
四人とも、思い思いに楽しんでいるようだ。
「……皆、楽しそうだな」
気づけばセルベリエが、そんな四人を羨ましそうに見ていた。
交ざりたいものの、恥ずかしくて踏み出せない、といったところか。
……仕方ない、ワシが一肌脱いでやろう。
「セルベリエ、ワシらも行くか」
「へっ? 何を言っ……」
戸惑うセルベリエの腕を取り、そのまま海へとダイブする。
海水の冷たく心地よい感覚。海底の砂へ足をつけると、丁度ワシの全身が隠れる深さだ。
それほど深くはないな。そう思いながら海底を蹴り、水面から顔を出そうとすると、いきなり身体を海の中に引きずり込まれた。
「ごぼっ!?」
下を見ると、ワシの腰に抱きついたまま海底にうずくまっているセルベリエ。
セルベリエは服の下に水着を着ていないようで、セルベリエの胸の突起の感触が、そのまま服を通して伝わってくる。
……まさか、羨ましそうに見ていたのは、泳げなかったからなのか?
《お、おいセルベリエ、放せっ!》
《ゼフっ! 私を見捨てて逃げるつもりか!?》
《馬鹿者! そんなことをするはずないだろうが! すぐ助けを呼んできてやるから、まずはその手を放すのだっ!》
《イヤだっ! ……もう……一人はイヤなんだ……見捨て……ないで……》
ごぼごぼと、セルベリエの口から空気が漏れている。
念話で放すよう説得するが、セルベリエはパニックを起こしているようでどうにも会話にならない。
マズ……ワシまで息が……
苦しさに意識が朦朧としてくる。
もう……ダメだ……
そう思ったところで、手を掴まれてセルベリエごと海面まで引き上げられた。
「何してんの、ゼフっち」
「……はは、助かったよレディア」
ワシにしがみついたまま意識を失ったセルベリエと共に、ワシらはレディアに抱きかかえられ砂浜まで連れていかれた。
セルベリエは、ワシが人工呼吸をするとすぐに水を吐いて意識を回復する。
目覚めたセルベリエは、初めは慌てふためいていたが、しばらくするとワシのもとから逃げ出し、樹の下で両足を抱えてうずくまってしまった。
そして今は、濡れた服を乾かしながら海辺で遊ぶワシらを、恨めしそうに見ている。
……何とも寂しい姿である。
あとで一緒に砂遊びでもしてやるべきか。
「ゼフーっ! ほらっこっちこっちぃ~っ♪」
突然、ミリィがワシの顔に思いきり海水を浴びせてくる。
この……人が油断している隙に……
「……よくもやりおったなーっ!」
「にひひ~♪ つかまえてみなさいよ~っ!」
からかうように逃げるミリィを追いかけ、海の中に掴み倒す。
「ぷはっ♪ あははっ捕まっちゃった~」
「ふふん、ワシから逃れられるものかよ」
海水から顔を上げて満面の笑みを浮かべるミリィは、水滴が太陽の光に反射し、きらきらと輝いていた。
眩しいばかりのその笑顔に、思わずどきりとさせられる。
まだまだ子供っぽいところもあるが……いい顔をするようになったではないか。
◆ ◆ ◆
――夕方まで海で遊んだ後、ワシらは手配していた宿へと向かう。イエラが用意してくれたものだ。
あらかじめ話は通っていて、主人に話しかけると大部屋に案内された。
どうやらここで寝泊まりすることになっているらしい。
「……というかみんな、同じ部屋なのだな」
「仲良くするようにとか言ってたな……あのババア」
「あっはは、まぁいいじゃない♪ ほら、お腹空いたし、ご飯にしよ、ご飯!」
食堂に行くと、すでにワシらの分の夕食が用意されていた。
海の幸がふんだんに使われた料理はとても美味で、これだけでも来た甲斐があったというものだ。
食事を終え、風呂から上がると、皆も疲れていたのかすぐに寝てしまった。
眠りにつき、しばらく経った頃。
苦しい……
息苦しさで目が覚める。
目を開けるが視界は暗闇……というか、ぷにぷにと、顔に柔らかいものが当たっている。
レディアが抱きついてきているのだ。
すごい力で締めつけられている。窒息するではないか。
何とか引きはがして、起き上がる。
「ん~ゼフっちぃ~」
「ったく、寝ぼけているのかよ」
レディアがワシを求めるように、宙を掻く。
やれやれ、隣の布団で眠っていたレディアがワシのところまで転がり込んできたのか。
そういえば、ミリィが眠る前に場所を代わってくれと言っていたな。
ワシを盾にしおって……まったく。
シルシュとセルベリエは布団にくるまり、身体を丸めるように眠っていた。
なんとなく野生の動物っぽいなと思い、苦笑する。
「……そういえばクロードがいないな」
クロードが眠っていた布団はすでに畳まれていた。もう起きているのだろうか。
ワシも目が覚めてしまったし、ちょっと探してみよう。
さっさと着替えて、部屋の外に出る。
「ん……外は結構明るくなっているな」
宿から出ると、海の向こうから朝日が昇り始めていた。
美しい光景に目を奪われていると、砂浜で剣を振るう人影が見える。
あれはクロードか。
「早いな、クロード」
「おはようございます、ゼフ君」
近寄って声をかけたワシに、剣を下ろして向き直るクロード。
朝日がクロードを照らし、額を流れる汗と金色の髪がその光を反射している。
「剣術の稽古をしていたのか。朝っぱらから精が出るな」
「日課になってるんですよ。そうだ。ゼフ君、久しぶりにやりませんか?」
そう言ってクロードは足元に落ちていた木の棒を拾い、ワシに一本投げ渡す。
以前、剣の修業がてら打ち合ったことがあるが、あの時はほぼ互角だった。
お互い、どれだけ腕を上げたか確かめようということか。
「おもしろい。久しぶりに可愛がってやろう」
「ふふ、お手柔らかに……っ!」
毎日レディアと稽古をし、ワシから魔力線の強化を受けていたクロードの剣術はかなりのものになっているだろう。
だが、それはワシも同じ。神剣アインベルを使い始め、剣の腕前は上がったと自負している。
「行くぞ……っ!」
「いつでもどうぞっ!」
互いの木剣が閃く。
剣閃が交わるたび、木屑がボロボロと舞い落ちた。
攻め手に回る機会はワシのほうが多いが、クロードのガードは固く、すぐいなされてしまう。
木剣、盾なしでこの防御力。
本来のスタイルである盾を構えた状態のクロードは、ワシが魔導で身体能力を強化しても攻めきれぬほどだ。
流石、強力な魔物の攻撃を最前線で受け続けていただけのことはある。
何度か打ち合ったところで、互いの木剣がついにへし折れてしまった。
荒い息を吐きながら、クロードは折れた木剣を砂浜に落とす。
「はぁ……はぁ……や、やりますね……ゼフ君……」
「……結局また五分か」
「はは……魔導師のゼフ君に剣で負けたら、魔導師殺しのレオンハルト家の名折れですよ……」
そう言って、砂浜に身体を投げ出すクロード。
いい加減疲れていたワシも、砂浜に横たわった。
朝の冷たい砂が全身の熱を奪っていくようだ。海風が心地よい。
隣では汗びっしょりのクロードが、胸を上下させて息を整えている。
「……こうしていると、昔家族で遊びに行った時のことを思い出します。小さい頃、家族で旅行に出掛けた時、朝起きてこんな風に兄様と剣の稽古をしたんですよ」
「クロード……」
少し寂しそうに目を細めるクロード。
クロードの家は騎士の家系だが、徐々に没落して貧乏生活を強いられたらしい。
だからクロードは、家計の負担を減らすために自ら家を出て、冒険者になったそうだ。
しかし、それで家族との縁が切れるわけではなく、ワシと出会ったばかりのクロードは、兄ケインに金を無心されていた。
そんなクロードを救い、旅に連れ出したわけだが……あの男は今どうしているのだろうな。
クロードも普段は気にする素振りなど見せないが、時折遠くを眺めて寂しそうな顔をしている。何とも思っていないはずはないだろう。
少し心配になり寝そべるクロードの横顔を見ていると、クロードはごろりと転がってワシの方を向き、白い歯を見せ笑った。
「もう、何でゼフ君がそんな顔をしてるんですか」
「……大丈夫かと思ってな」
「ありがとうございます、ボクは大丈夫ですから」
はにかむクロードの髪を浜風が撫ぜ、ふわりと揺れる。
その後、海へと入りクロードと戯れていると、ミリィがこちらに駆けてきた。
ようやく起きたようだな。ねぼすけめ。
「あーっ! 二人ともズルい! 私も交ぜてよーっ!」
「寝坊したミリィが悪い。残念だが、遊んでいる暇はないぞ。今から依頼をこなさねばならないからな」
「むぅ~っ!」
唸るミリィと他の仲間を待たせて、ワシとクロードは狩りの準備を済ませる。
昨日は遊んでしまったが、今日こそはサザン島に大量発生しているスティビートルを狩らねばならない。
遊んでばかりでなく、仕事もこなさなければな。
大して強い魔物ではないが、一般人にとって危険なことに変わりはない。
「ワシとクロード、シルシュ。それから、ミリィとレディア、セルベリエの二手に分かれて狩りをしようと思う」
「いいんじゃない?」
「私は一人で充分なのだがな……」
「まぁまぁセっちん♪ 折角みんなで来たんだからさ~」
不機嫌そうなセルベリエを、レディアが宥める。
確かにスティビートルは大した魔物ではない。
ワシらの中で一番戦闘力が低い通常状態のシルシュでも、楽に倒せる相手だ。
はっきり言って各々で狩りをしたほうが効率的だが、この依頼は、セルベリエがワシらに馴染むためのものだしな。
ワシと一緒では意味が薄れるから別行動にしたものの、ミリィとレディアなら上手くフォローしてくれるだろう。
宿の入り口で別れ、ミリィたちは島の南側、ワシらは北側へと足を向ける。
「それじゃ、また夜にねーっ!」
「あぁ」
元気よく手を振るミリィに応え、三人を見送った。
「私たちも行きましょうか」
シルシュに促され、ワシは頷く。
「そうだな、スティビートルは素早いから気をつけろよ」
「すみません、少し買い物をしたいので、店に寄ってもらってもいいですか? 傷薬が切れちゃって……」
「あぁ、わかった」
「ありがとうございます」
ワシらはクロードの買い物に付き合うべく、中心街へ向かうことにした。
中心街は観光客が多く、出店も沢山ある。まだシーズン本番ではないが、かなりの人が往来を歩いていた。
「ゼフ君とシルシュさんは、この辺りで待っていてもらえますか?」
「うむ、行ってくるといい」
「では終わったら念話しますね」
そう言うと、クロードは店へと駆けて行った。
さて、ワシらは時間ができてしまったな。
「ゼフさん。折角ですし、私たちも店を見て回りませんか?」
「そうだな。どんなものがあるのか興味がある」
「ふふ、そうですね、ゼフさんのお眼鏡に適うものがあればいいですが」
シルシュと共に近くの売店へと足を踏み入れる。
アクセサリー類を売っているようで、色とりどりの宝石やベルト、ネックレスが陳列されていた。シルシュは興味深そうに一つずつ手に取り、じっくりと眺めている。
「やはり女というのは、そういうのが好きなのか?」
「えぇ、クロードさんとお揃いのアクセサリーを買おうと、昨日話していたんです」
「ふむ」
お揃いのアクセサリーか。
出会った頃からだが、この二人は本当に仲がいいな。
騎士と神官。礼を重んじる者同士、通じるものがあるのだろう。
そしてイズからサザン島へ、出港である。
「久しぶりに子供たちと会えて良かったです。皆、元気そうでしたし……」
「よかったね! シルシュっ!」
舟券を買っている間、この間までイズで暮らしていたシルシュは、教会の子供たちに会いに行っていた。
ワシも少しだけ顔を出したが、久々の再会に皆、喜んでいたようである。
「サザン島って、ここから結構近いんですね」
「二時間ほどで着くようだな」
晴れ渡る空と海風に恵まれ、船はぐんぐん進んでいく。
ミリィがはしゃいで甲板を駆け回り、その様子をクロードたちが見守っていた。
おい、また船酔いして吐くんじゃないぞ。
「あ! 見えてきたよ! あれじゃない?」
しばらくすると、遠くの方に陸が見えてきた。
ミリィの指す方向に皆が目を向ける。
あれがサザン島か。
島に近づいていくと、透き通った海の中を魚が泳いでいるのが見える。
まだ朝だが、海岸の砂浜では遊んでいる人がちらほらいた。
「わぁ、皆楽しそう! 早く遊びに行きたいなぁー!」
「……まぁいいが、一応依頼の件もあるのだ。はしゃぎすぎるなよ」
「わかってるって♪ 水着、楽しみにしててね、ゼフっ! にひひっ!」
元気よく笑うミリィ。
光に反射しキラキラと輝くその顔は、海風に揺れる向日葵のようであった。
◆ ◆ ◆
時を同じくして、ゼフたちが着いた場所から丁度裏側に当たる島の沿岸で、一艘の小舟が漂っていた。
そこは、人の立ち寄らぬ切り立った岩に囲まれた入り江。
ボロボロの小舟の上には、事切れた男が倒れている。
――一際強い波が押し寄せた直後、炎がそれらを包み込み、海の上だというにもかかわらず舟ごと男の死体を焼き尽くした。
その様子を、崖の上から二人の男が見下ろしていた……
2
サザン島はいわゆる常夏の島というやつで、金持ちや冒険者が余暇を過ごすためにやってくるリゾートアイランドだ。
珍しい動植物も生息し、海と森、美しい自然が魅力的で、行楽のシーズンには各地から人が集まってくる。
だが、島内には小さなダンジョンスポットが点在し、放っておくと魔物が増えてしまい観光に支障が出る。
故に、島の管理者が冒険者を雇い、魔物をシーズン前に駆除しているのだ。
今回ワシらが受けた依頼の駆除対象となっているスティビートルは、人の捨てたゴミを食べて身に蓄える習性があり、稀に捨てる前の物を狙い観光客を襲うこともある。
経験値的にも金銭的にも旨みのない魔物だが、その代わり駆除に来ている冒険者はこの島で自由に遊んでいいことになっているので、請け負う者は多い。
討伐難易度も低いことから、サザン島での魔物討伐依頼は人気が高いのだ。
「わぁ~っ♪ きれいな海っ!」
船から飛び降りたミリィが、両手を広げてくるくる回りながら桟橋を駆けていく。
おい、はしゃぎすぎだ。落ちるんじゃないぞ。
ワシらもミリィに続いて島に渡り、乗客全員が降りると船はまたイズへと帰ってしまった。
遠くなっていく船をしばらく見送った後、ミリィが浜辺の方へと向き直る。
「それじゃ! 今から泳ぎに行きましょーっ!」
「そうですね。まだ日も高いですし」
「クロちゃんてば、浮き輪まで持ってウキウキじゃないのよ~」
「こ、これは海に落ちても大丈夫なように……って押さないでくださいよレディアさん!」
レディアがクロードの抱えている縞模様の浮き輪を肘でつつくと、バランスを崩したクロードがシルシュの尻尾に掴まる。
「ひゃあっ!?」
「あわわわわっ!?」
いきなり尻尾を掴まれたシルシュは、手元にあったミリィの髪を掴み、よろけたミリィはレディアの胸を掴む。
「ちょ……ミリィちゃ……あんっ!」
いきなりの強襲に流石のレディアも反応できず、そのまま四人とも海へどぼんと落ちてしまった。
その様子をセルベリエと二人で、桟橋から呆れ顔で眺める。
まったく、何をしているんだか。
「ぷはぁっ!」
海面から顔を出したミリィが手に持っていたのは、レディアの上着。
レディアは普段、丈の短いシャツを一枚だけ着ている。
動きやすさ重視とのことだが、非常に露出度の高い服で、しかも下着はつけていない。
その服がミリィの手にあるということは、今のレディアは……
「も~ミリィちゃんてばぁ~」
次にレディアが顔を出し、さらに他の皆も海面に上がってきた。
浜辺に近いからか、そこまでの深さはないようで、背の高いレディアは足がつくようだ。
後ろを向いてはいるが、海面から上半身裸になったレディアの背中が見えている。
「れ、レディアさん服が……」
「ん、何~?」
クロードの声に振り返るレディア。
ワシの目に飛び込んできたのは、やはり露出度の高い水着を着たレディアであった。
見えなかっただけで、一応着ていたのか。
レディアはワシの考えに気づいたらしく、にやりと笑う。
「あっはは~。ゼフっちもしかして、期待してた?」
「む……」
両腕を腰に当て、ワシをからかうように笑っているが……この水着、ある意味裸より恥ずかしくないか?
あそこまで堂々とされると、ワシのほうが恥ずかしくなってくるではないか。
「ゼフもセルベリエも、早く来なよーっ!」
そんなワシに手招きをするミリィも、上着を脱いで水着姿になっていた。
ひらひらのたくさんついた可愛らしく子供っぽい水着は、色んな意味でよく似合っている。
よく見ればクロードもシルシュも、濡れた服の下に水着が透けて見える。
最初から泳ぐつもりだったのだろう。
「もう……ミリィさんはいきなり過ぎますよ! 泳ぐ時はまずは準備運動をしてからですね……」
「まぁまぁクロードさん、いいじゃないですか。私たちも泳ぎましょう……よいしょっと」
シルシュがずぶ濡れになった服を脱いで、桟橋の上に丁寧にたたむ。
あの重そうな服を着て、泳ぎながら脱ぐとは随分と器用だな。
シルシュの水着は青色で露出度が低めのものだが、それでも出るところは出ているので見ごたえは充分にある。
「わかりました。そうですね。ゼフ君、すみませんが引き上げてもらえますか」
「あぁ」
クロードを桟橋に引き上げると、いそいそと服を脱ぎ始めた。
中に着ていたのは白いシンプルなビキニだが、それが一層クロードの適度に引き締まった身体を引き立たせている。
生真面目に準備運動をしているクロードはワシと目が合うと、少し恥ずかしそうに視線を逸らした。
「その……ど、どうですか……?」
「よく似合っているぞ」
「……ありがとうございます」
クロードは真っ赤な顔で、消え入りそうな声でぽつりと呟いた。
結構大胆な水着だし、恥ずかしいのだろう。
「クロードーっ! はやくーっ!」
「すぐ行きます……では」
ミリィに呼ばれ、浮き輪を抱えて飛び込むクロード。
四人とも、思い思いに楽しんでいるようだ。
「……皆、楽しそうだな」
気づけばセルベリエが、そんな四人を羨ましそうに見ていた。
交ざりたいものの、恥ずかしくて踏み出せない、といったところか。
……仕方ない、ワシが一肌脱いでやろう。
「セルベリエ、ワシらも行くか」
「へっ? 何を言っ……」
戸惑うセルベリエの腕を取り、そのまま海へとダイブする。
海水の冷たく心地よい感覚。海底の砂へ足をつけると、丁度ワシの全身が隠れる深さだ。
それほど深くはないな。そう思いながら海底を蹴り、水面から顔を出そうとすると、いきなり身体を海の中に引きずり込まれた。
「ごぼっ!?」
下を見ると、ワシの腰に抱きついたまま海底にうずくまっているセルベリエ。
セルベリエは服の下に水着を着ていないようで、セルベリエの胸の突起の感触が、そのまま服を通して伝わってくる。
……まさか、羨ましそうに見ていたのは、泳げなかったからなのか?
《お、おいセルベリエ、放せっ!》
《ゼフっ! 私を見捨てて逃げるつもりか!?》
《馬鹿者! そんなことをするはずないだろうが! すぐ助けを呼んできてやるから、まずはその手を放すのだっ!》
《イヤだっ! ……もう……一人はイヤなんだ……見捨て……ないで……》
ごぼごぼと、セルベリエの口から空気が漏れている。
念話で放すよう説得するが、セルベリエはパニックを起こしているようでどうにも会話にならない。
マズ……ワシまで息が……
苦しさに意識が朦朧としてくる。
もう……ダメだ……
そう思ったところで、手を掴まれてセルベリエごと海面まで引き上げられた。
「何してんの、ゼフっち」
「……はは、助かったよレディア」
ワシにしがみついたまま意識を失ったセルベリエと共に、ワシらはレディアに抱きかかえられ砂浜まで連れていかれた。
セルベリエは、ワシが人工呼吸をするとすぐに水を吐いて意識を回復する。
目覚めたセルベリエは、初めは慌てふためいていたが、しばらくするとワシのもとから逃げ出し、樹の下で両足を抱えてうずくまってしまった。
そして今は、濡れた服を乾かしながら海辺で遊ぶワシらを、恨めしそうに見ている。
……何とも寂しい姿である。
あとで一緒に砂遊びでもしてやるべきか。
「ゼフーっ! ほらっこっちこっちぃ~っ♪」
突然、ミリィがワシの顔に思いきり海水を浴びせてくる。
この……人が油断している隙に……
「……よくもやりおったなーっ!」
「にひひ~♪ つかまえてみなさいよ~っ!」
からかうように逃げるミリィを追いかけ、海の中に掴み倒す。
「ぷはっ♪ あははっ捕まっちゃった~」
「ふふん、ワシから逃れられるものかよ」
海水から顔を上げて満面の笑みを浮かべるミリィは、水滴が太陽の光に反射し、きらきらと輝いていた。
眩しいばかりのその笑顔に、思わずどきりとさせられる。
まだまだ子供っぽいところもあるが……いい顔をするようになったではないか。
◆ ◆ ◆
――夕方まで海で遊んだ後、ワシらは手配していた宿へと向かう。イエラが用意してくれたものだ。
あらかじめ話は通っていて、主人に話しかけると大部屋に案内された。
どうやらここで寝泊まりすることになっているらしい。
「……というかみんな、同じ部屋なのだな」
「仲良くするようにとか言ってたな……あのババア」
「あっはは、まぁいいじゃない♪ ほら、お腹空いたし、ご飯にしよ、ご飯!」
食堂に行くと、すでにワシらの分の夕食が用意されていた。
海の幸がふんだんに使われた料理はとても美味で、これだけでも来た甲斐があったというものだ。
食事を終え、風呂から上がると、皆も疲れていたのかすぐに寝てしまった。
眠りにつき、しばらく経った頃。
苦しい……
息苦しさで目が覚める。
目を開けるが視界は暗闇……というか、ぷにぷにと、顔に柔らかいものが当たっている。
レディアが抱きついてきているのだ。
すごい力で締めつけられている。窒息するではないか。
何とか引きはがして、起き上がる。
「ん~ゼフっちぃ~」
「ったく、寝ぼけているのかよ」
レディアがワシを求めるように、宙を掻く。
やれやれ、隣の布団で眠っていたレディアがワシのところまで転がり込んできたのか。
そういえば、ミリィが眠る前に場所を代わってくれと言っていたな。
ワシを盾にしおって……まったく。
シルシュとセルベリエは布団にくるまり、身体を丸めるように眠っていた。
なんとなく野生の動物っぽいなと思い、苦笑する。
「……そういえばクロードがいないな」
クロードが眠っていた布団はすでに畳まれていた。もう起きているのだろうか。
ワシも目が覚めてしまったし、ちょっと探してみよう。
さっさと着替えて、部屋の外に出る。
「ん……外は結構明るくなっているな」
宿から出ると、海の向こうから朝日が昇り始めていた。
美しい光景に目を奪われていると、砂浜で剣を振るう人影が見える。
あれはクロードか。
「早いな、クロード」
「おはようございます、ゼフ君」
近寄って声をかけたワシに、剣を下ろして向き直るクロード。
朝日がクロードを照らし、額を流れる汗と金色の髪がその光を反射している。
「剣術の稽古をしていたのか。朝っぱらから精が出るな」
「日課になってるんですよ。そうだ。ゼフ君、久しぶりにやりませんか?」
そう言ってクロードは足元に落ちていた木の棒を拾い、ワシに一本投げ渡す。
以前、剣の修業がてら打ち合ったことがあるが、あの時はほぼ互角だった。
お互い、どれだけ腕を上げたか確かめようということか。
「おもしろい。久しぶりに可愛がってやろう」
「ふふ、お手柔らかに……っ!」
毎日レディアと稽古をし、ワシから魔力線の強化を受けていたクロードの剣術はかなりのものになっているだろう。
だが、それはワシも同じ。神剣アインベルを使い始め、剣の腕前は上がったと自負している。
「行くぞ……っ!」
「いつでもどうぞっ!」
互いの木剣が閃く。
剣閃が交わるたび、木屑がボロボロと舞い落ちた。
攻め手に回る機会はワシのほうが多いが、クロードのガードは固く、すぐいなされてしまう。
木剣、盾なしでこの防御力。
本来のスタイルである盾を構えた状態のクロードは、ワシが魔導で身体能力を強化しても攻めきれぬほどだ。
流石、強力な魔物の攻撃を最前線で受け続けていただけのことはある。
何度か打ち合ったところで、互いの木剣がついにへし折れてしまった。
荒い息を吐きながら、クロードは折れた木剣を砂浜に落とす。
「はぁ……はぁ……や、やりますね……ゼフ君……」
「……結局また五分か」
「はは……魔導師のゼフ君に剣で負けたら、魔導師殺しのレオンハルト家の名折れですよ……」
そう言って、砂浜に身体を投げ出すクロード。
いい加減疲れていたワシも、砂浜に横たわった。
朝の冷たい砂が全身の熱を奪っていくようだ。海風が心地よい。
隣では汗びっしょりのクロードが、胸を上下させて息を整えている。
「……こうしていると、昔家族で遊びに行った時のことを思い出します。小さい頃、家族で旅行に出掛けた時、朝起きてこんな風に兄様と剣の稽古をしたんですよ」
「クロード……」
少し寂しそうに目を細めるクロード。
クロードの家は騎士の家系だが、徐々に没落して貧乏生活を強いられたらしい。
だからクロードは、家計の負担を減らすために自ら家を出て、冒険者になったそうだ。
しかし、それで家族との縁が切れるわけではなく、ワシと出会ったばかりのクロードは、兄ケインに金を無心されていた。
そんなクロードを救い、旅に連れ出したわけだが……あの男は今どうしているのだろうな。
クロードも普段は気にする素振りなど見せないが、時折遠くを眺めて寂しそうな顔をしている。何とも思っていないはずはないだろう。
少し心配になり寝そべるクロードの横顔を見ていると、クロードはごろりと転がってワシの方を向き、白い歯を見せ笑った。
「もう、何でゼフ君がそんな顔をしてるんですか」
「……大丈夫かと思ってな」
「ありがとうございます、ボクは大丈夫ですから」
はにかむクロードの髪を浜風が撫ぜ、ふわりと揺れる。
その後、海へと入りクロードと戯れていると、ミリィがこちらに駆けてきた。
ようやく起きたようだな。ねぼすけめ。
「あーっ! 二人ともズルい! 私も交ぜてよーっ!」
「寝坊したミリィが悪い。残念だが、遊んでいる暇はないぞ。今から依頼をこなさねばならないからな」
「むぅ~っ!」
唸るミリィと他の仲間を待たせて、ワシとクロードは狩りの準備を済ませる。
昨日は遊んでしまったが、今日こそはサザン島に大量発生しているスティビートルを狩らねばならない。
遊んでばかりでなく、仕事もこなさなければな。
大して強い魔物ではないが、一般人にとって危険なことに変わりはない。
「ワシとクロード、シルシュ。それから、ミリィとレディア、セルベリエの二手に分かれて狩りをしようと思う」
「いいんじゃない?」
「私は一人で充分なのだがな……」
「まぁまぁセっちん♪ 折角みんなで来たんだからさ~」
不機嫌そうなセルベリエを、レディアが宥める。
確かにスティビートルは大した魔物ではない。
ワシらの中で一番戦闘力が低い通常状態のシルシュでも、楽に倒せる相手だ。
はっきり言って各々で狩りをしたほうが効率的だが、この依頼は、セルベリエがワシらに馴染むためのものだしな。
ワシと一緒では意味が薄れるから別行動にしたものの、ミリィとレディアなら上手くフォローしてくれるだろう。
宿の入り口で別れ、ミリィたちは島の南側、ワシらは北側へと足を向ける。
「それじゃ、また夜にねーっ!」
「あぁ」
元気よく手を振るミリィに応え、三人を見送った。
「私たちも行きましょうか」
シルシュに促され、ワシは頷く。
「そうだな、スティビートルは素早いから気をつけろよ」
「すみません、少し買い物をしたいので、店に寄ってもらってもいいですか? 傷薬が切れちゃって……」
「あぁ、わかった」
「ありがとうございます」
ワシらはクロードの買い物に付き合うべく、中心街へ向かうことにした。
中心街は観光客が多く、出店も沢山ある。まだシーズン本番ではないが、かなりの人が往来を歩いていた。
「ゼフ君とシルシュさんは、この辺りで待っていてもらえますか?」
「うむ、行ってくるといい」
「では終わったら念話しますね」
そう言うと、クロードは店へと駆けて行った。
さて、ワシらは時間ができてしまったな。
「ゼフさん。折角ですし、私たちも店を見て回りませんか?」
「そうだな。どんなものがあるのか興味がある」
「ふふ、そうですね、ゼフさんのお眼鏡に適うものがあればいいですが」
シルシュと共に近くの売店へと足を踏み入れる。
アクセサリー類を売っているようで、色とりどりの宝石やベルト、ネックレスが陳列されていた。シルシュは興味深そうに一つずつ手に取り、じっくりと眺めている。
「やはり女というのは、そういうのが好きなのか?」
「えぇ、クロードさんとお揃いのアクセサリーを買おうと、昨日話していたんです」
「ふむ」
お揃いのアクセサリーか。
出会った頃からだが、この二人は本当に仲がいいな。
騎士と神官。礼を重んじる者同士、通じるものがあるのだろう。
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