11 / 97
第1章 最凶の女王が生まれた日
第11話 女王様の華麗なるお散歩④
中央都市ファニスの裏通り、傭兵達や荒くれ者達の集まる酒場がある。『止まり木』というシンプルな店名の隠れ家チックな店舗だ。
戦いに出た荒くれ者達が、一休みする場と言う意味ではやや可愛らしい店名だろうか。そんな酒場を営む店主は、アーロンと言う40代の体格に優れた強面の男性だ。
きれいに整えられた口髭が特徴で、荒っぽそうでありながら品の良さも感じられた。彼は以前傭兵をやっていた過去があり、怪我で引退したとはいえ、酔っ払いに絡まれた程度では全く動じない。
しかしそんな屈強な男性でも、隣国を2日で属国にした女王が相手では、全く頭が上がらない。
「勘弁して下さいよ陛下、せめて先に連絡をくれませんかね」
強面のアーロンが、困ったような表情を浮かべながら対応する。せめて事前に連絡をもらえれば、貸し切りに出来るからと。
「あら? 私がいつ何処に居ても、自由ではなくて?」
「それはそうなんですがね。また馬鹿が出ないとも限らねえんで」
イリアが利用するようになってから、変わらず来店している常連客は、全員がイリアの正体に気付いている。
武闘派である傭兵達にとっては、イリアは人気の高い女王だ。彼らは自分達のリーダーに野暮な真似はしない。
ただ稀に女王様に会える場として、人気のスポットにはなっているが。そんな店であるからには、殆どおかしな事にはならない。
ただ何も知らずに来た新参の傭兵ならば、勘違いをしてまた馬鹿をやる可能性がそれなりにある。
大勢の荒くれ者達が、美しい美女2人に誰も声を掛けていない状況に、察しの良い者なら誰でも気付く。
しかし空気を読めない愚か者は、いつの世も必ず一定数はいるわけで。
「よぉ、ねえちゃん達。俺と一緒に、ってテメェ何しやがる!」
若い傭兵が、酒に酔った赤らんだ顔で、イリア達に近づこうとした。当然周囲の常連客達が止めに入る。
「うるせぇクソガキがぁ! 姐さんに気安く話しかけてんじゃねぇ!」
「な、何だよお前ら! やる気か!?」
空気が読めない新参の愚か者が、止めに入った常連達と殴り合いの喧嘩を始める。
新参者の傭兵からすればやや理不尽ではあったが、むしろこの程度で済んだ事に感謝せねばならない。
カウンターに座るイリアへもう少し近づいていれば、背後に控えているリーシェに男性の象徴を粉砕されていただろう。こうして多少痛い目を見る方が遥かにマシだ。
イリアに絶対的忠誠を誓っているリーシェは、アルベール以外の男がイリアに近づく事を認めていない。
どこでも居る様なただの一介の傭兵では、侍女による一撃で撃退されるのがオチだ。
「はぁ、こうなっちまうんですよ」
アーロンは早速始まった喧嘩を見て、ため息をつきながら指差す。
「あら? 良いじゃない、元気があって」
「そういう問題じゃあねぇんですがね」
魔の森でのサバイバル生活が長かったイリアには、これぐらいの荒っぽい空気の方が居心地は良い。
王城で玉座に座り支配者をやっている事を嫌ってはいないが、あまり清潔すぎる空間には、どうにも違和感があるのだ。
殺伐とした世界に慣れすぎた弊害と言えるだろう。とは言え、己の目的の為には功績が必要だ。
人々を支配し領土を拡大、世界の覇者として君臨し続けねばならない。アルベールと同じ領域、神に至る為にはまだまだ成果が足りない。
もっと強大な存在にならねば、邪神と同等の存在にはなれないのだから。その為ならイリアは、たとえ悪行であろうとも躊躇うつもりはない。
「ところで少し、聞きたい事があるのよ」
「……今回はどういう話で?」
殺伐とした男達の喧嘩と怒号を受け流し、イリアとアーロンは会話を続ける。
「最近増えているネズミの話よ」
アーロンは怪我で傭兵を引退したものの、後方支援までは辞めていない。主に情報戦における活動を続けていた。つまりは情報屋こそが、彼の本当の仕事だ。
止まり木という店名には2つの意味がある。1つは戦い疲れた者達の休息の場、もう1つは大事な情報を持った伝書鳩が止まる木だ。
今は魔族と休戦しているが、本来アニス王国は激戦区。対魔族の最前線で情報を扱う事が、アーロン本来の役割だった。
彼はフリーの情報屋として、国内外の様々な情報を取り扱っている。当然国内の怪しい動きについても、彼の情報網に引っ掛かる。
「陛下なら全て把握されているんじゃ?」
自分に聞かなくても、わかっているのでしょうとアーロンは思う。だが、聞きたいのはそういう話じゃないとイリアは否定する。
「貴方の意見が聞きたいのよ、アーロン?」
「…………ありゃあモーランの人間でしょう。肉の食べ方が、モーラン特有の食べ方でした」
アーロンは朝から昼にかけて、街に出て情報収集をする。そして夕方からはこうして、止まり木の営業をしている。
明るい間は街や仲間から情報を仕入れ、夕方から深夜にかけては酒場に舞い込む情報を得る。
そんな生活の中で、怪しい人間を見掛けた時は必ず詳しく観察するのがアーロンの癖だ。ただ単なる不審者か、そうでは無い何者なのか。
はたまた他国の諜報員か。傭兵生活で培った勘と目を頼りに、アーロンはこれまで様々な情報を集めてきた。
そして今回の件についても、アーロンの知識と勘が最近街で見かけた怪しい男は、モーラン共和国の諜報員ではないかと疑っている。
「そう……やはりモーランですか」
「陛下、ありゃあもしかして」
「ええ。間違いなくあの件と関係があるのでしょうね」
今年の収穫期が不作だった為に、モーラン共和国は食糧危機に陥っていた。国内では小麦の価格が跳ね上がり、貧しい者は十分な量の食事が確保出来ない。
それが原因で病に倒れる事もあれば、日々の仕事が普段通り出来ずに余計収穫が減るなんて事も珍しくない。
負のスパイラルに国民が陥っていると言うのに、評議会の動きは鈍く自分達の保身に走るばかり。
厳しい環境に置かれたモーラン共和国で暮らす国民達の不満は爆発し、あちこちで小さな暴動が起きている。
そんな状況の国と隣接するアニス王国の南側で、農作物の大規模な盗難が発生しているのだ。
最初は盗賊の類が疑われた。しかし証拠は一切見つからず、被害だけが増えて行く。では大規模な盗賊団かと思いきや、それらしい存在は一切見つからない。
だがもし、それが軍隊の様な魔法と行軍のプロが犯人であるなら。幾ら盗賊団を探しても見付からない事に説明がつく。
何より騎士団の目すらくぐり抜けられるだけの技術があるなら、わざわざ盗賊団になど入る必要がない。もっと稼げる仕事なんていくらでもあるのだから。
「ネズミの行動範囲と住処は分かるかしら?」
「今用意しますよ。映像も必要ですかい?」
アーロンは自前で用意した映像を記録する魔導具で、問題の男の姿を記録していた。それなりに高価な魔導具だが、アーロンの稼ぎなら購入は容易い。
「用意が良いわね。仕事の出来る人は好きよ」
この手の魔導具は、同系統の魔導具に映像を転送出来るのが売りだ。アーロンはリーシェの持つ魔導具へ映像を転送した。
これでイリアが必要としている材料は揃った。あとはネズミと直接会いに行くだけだ。イリアはリーシェに命じて、アーロンに今回の報酬が入った革袋を渡した。
「ちょっ!? こんなに貰えませんよ!?」
「安心なさい。貴方が収入を偽っても罪に問われないわ」
既に席を立ったイリアは、背中を向けて入り口へと向かう。ヒラヒラとアーロンへ手を振りながら、イリアはリーシェを連れて歩いて行く。
「だから、そう言う問題じゃねぇんですよ!」
イリアとリーシェが酒場を出て行くと、たっぷりと金貨が入った革袋に常連達の視線が集まる。その視線の意味は言うまでもない。
今日はお前の奢りだよな? という視線が、全てのテーブルからアーロンに向かって突き刺さる。大きな溜息を吐きながら、アーロンは奢りだとやけくそ気味に宣言した。
戦いに出た荒くれ者達が、一休みする場と言う意味ではやや可愛らしい店名だろうか。そんな酒場を営む店主は、アーロンと言う40代の体格に優れた強面の男性だ。
きれいに整えられた口髭が特徴で、荒っぽそうでありながら品の良さも感じられた。彼は以前傭兵をやっていた過去があり、怪我で引退したとはいえ、酔っ払いに絡まれた程度では全く動じない。
しかしそんな屈強な男性でも、隣国を2日で属国にした女王が相手では、全く頭が上がらない。
「勘弁して下さいよ陛下、せめて先に連絡をくれませんかね」
強面のアーロンが、困ったような表情を浮かべながら対応する。せめて事前に連絡をもらえれば、貸し切りに出来るからと。
「あら? 私がいつ何処に居ても、自由ではなくて?」
「それはそうなんですがね。また馬鹿が出ないとも限らねえんで」
イリアが利用するようになってから、変わらず来店している常連客は、全員がイリアの正体に気付いている。
武闘派である傭兵達にとっては、イリアは人気の高い女王だ。彼らは自分達のリーダーに野暮な真似はしない。
ただ稀に女王様に会える場として、人気のスポットにはなっているが。そんな店であるからには、殆どおかしな事にはならない。
ただ何も知らずに来た新参の傭兵ならば、勘違いをしてまた馬鹿をやる可能性がそれなりにある。
大勢の荒くれ者達が、美しい美女2人に誰も声を掛けていない状況に、察しの良い者なら誰でも気付く。
しかし空気を読めない愚か者は、いつの世も必ず一定数はいるわけで。
「よぉ、ねえちゃん達。俺と一緒に、ってテメェ何しやがる!」
若い傭兵が、酒に酔った赤らんだ顔で、イリア達に近づこうとした。当然周囲の常連客達が止めに入る。
「うるせぇクソガキがぁ! 姐さんに気安く話しかけてんじゃねぇ!」
「な、何だよお前ら! やる気か!?」
空気が読めない新参の愚か者が、止めに入った常連達と殴り合いの喧嘩を始める。
新参者の傭兵からすればやや理不尽ではあったが、むしろこの程度で済んだ事に感謝せねばならない。
カウンターに座るイリアへもう少し近づいていれば、背後に控えているリーシェに男性の象徴を粉砕されていただろう。こうして多少痛い目を見る方が遥かにマシだ。
イリアに絶対的忠誠を誓っているリーシェは、アルベール以外の男がイリアに近づく事を認めていない。
どこでも居る様なただの一介の傭兵では、侍女による一撃で撃退されるのがオチだ。
「はぁ、こうなっちまうんですよ」
アーロンは早速始まった喧嘩を見て、ため息をつきながら指差す。
「あら? 良いじゃない、元気があって」
「そういう問題じゃあねぇんですがね」
魔の森でのサバイバル生活が長かったイリアには、これぐらいの荒っぽい空気の方が居心地は良い。
王城で玉座に座り支配者をやっている事を嫌ってはいないが、あまり清潔すぎる空間には、どうにも違和感があるのだ。
殺伐とした世界に慣れすぎた弊害と言えるだろう。とは言え、己の目的の為には功績が必要だ。
人々を支配し領土を拡大、世界の覇者として君臨し続けねばならない。アルベールと同じ領域、神に至る為にはまだまだ成果が足りない。
もっと強大な存在にならねば、邪神と同等の存在にはなれないのだから。その為ならイリアは、たとえ悪行であろうとも躊躇うつもりはない。
「ところで少し、聞きたい事があるのよ」
「……今回はどういう話で?」
殺伐とした男達の喧嘩と怒号を受け流し、イリアとアーロンは会話を続ける。
「最近増えているネズミの話よ」
アーロンは怪我で傭兵を引退したものの、後方支援までは辞めていない。主に情報戦における活動を続けていた。つまりは情報屋こそが、彼の本当の仕事だ。
止まり木という店名には2つの意味がある。1つは戦い疲れた者達の休息の場、もう1つは大事な情報を持った伝書鳩が止まる木だ。
今は魔族と休戦しているが、本来アニス王国は激戦区。対魔族の最前線で情報を扱う事が、アーロン本来の役割だった。
彼はフリーの情報屋として、国内外の様々な情報を取り扱っている。当然国内の怪しい動きについても、彼の情報網に引っ掛かる。
「陛下なら全て把握されているんじゃ?」
自分に聞かなくても、わかっているのでしょうとアーロンは思う。だが、聞きたいのはそういう話じゃないとイリアは否定する。
「貴方の意見が聞きたいのよ、アーロン?」
「…………ありゃあモーランの人間でしょう。肉の食べ方が、モーラン特有の食べ方でした」
アーロンは朝から昼にかけて、街に出て情報収集をする。そして夕方からはこうして、止まり木の営業をしている。
明るい間は街や仲間から情報を仕入れ、夕方から深夜にかけては酒場に舞い込む情報を得る。
そんな生活の中で、怪しい人間を見掛けた時は必ず詳しく観察するのがアーロンの癖だ。ただ単なる不審者か、そうでは無い何者なのか。
はたまた他国の諜報員か。傭兵生活で培った勘と目を頼りに、アーロンはこれまで様々な情報を集めてきた。
そして今回の件についても、アーロンの知識と勘が最近街で見かけた怪しい男は、モーラン共和国の諜報員ではないかと疑っている。
「そう……やはりモーランですか」
「陛下、ありゃあもしかして」
「ええ。間違いなくあの件と関係があるのでしょうね」
今年の収穫期が不作だった為に、モーラン共和国は食糧危機に陥っていた。国内では小麦の価格が跳ね上がり、貧しい者は十分な量の食事が確保出来ない。
それが原因で病に倒れる事もあれば、日々の仕事が普段通り出来ずに余計収穫が減るなんて事も珍しくない。
負のスパイラルに国民が陥っていると言うのに、評議会の動きは鈍く自分達の保身に走るばかり。
厳しい環境に置かれたモーラン共和国で暮らす国民達の不満は爆発し、あちこちで小さな暴動が起きている。
そんな状況の国と隣接するアニス王国の南側で、農作物の大規模な盗難が発生しているのだ。
最初は盗賊の類が疑われた。しかし証拠は一切見つからず、被害だけが増えて行く。では大規模な盗賊団かと思いきや、それらしい存在は一切見つからない。
だがもし、それが軍隊の様な魔法と行軍のプロが犯人であるなら。幾ら盗賊団を探しても見付からない事に説明がつく。
何より騎士団の目すらくぐり抜けられるだけの技術があるなら、わざわざ盗賊団になど入る必要がない。もっと稼げる仕事なんていくらでもあるのだから。
「ネズミの行動範囲と住処は分かるかしら?」
「今用意しますよ。映像も必要ですかい?」
アーロンは自前で用意した映像を記録する魔導具で、問題の男の姿を記録していた。それなりに高価な魔導具だが、アーロンの稼ぎなら購入は容易い。
「用意が良いわね。仕事の出来る人は好きよ」
この手の魔導具は、同系統の魔導具に映像を転送出来るのが売りだ。アーロンはリーシェの持つ魔導具へ映像を転送した。
これでイリアが必要としている材料は揃った。あとはネズミと直接会いに行くだけだ。イリアはリーシェに命じて、アーロンに今回の報酬が入った革袋を渡した。
「ちょっ!? こんなに貰えませんよ!?」
「安心なさい。貴方が収入を偽っても罪に問われないわ」
既に席を立ったイリアは、背中を向けて入り口へと向かう。ヒラヒラとアーロンへ手を振りながら、イリアはリーシェを連れて歩いて行く。
「だから、そう言う問題じゃねぇんですよ!」
イリアとリーシェが酒場を出て行くと、たっぷりと金貨が入った革袋に常連達の視線が集まる。その視線の意味は言うまでもない。
今日はお前の奢りだよな? という視線が、全てのテーブルからアーロンに向かって突き刺さる。大きな溜息を吐きながら、アーロンは奢りだとやけくそ気味に宣言した。
あなたにおすすめの小説
必要とされなくても、私はここにいます
あう
恋愛
辺境公爵カーネル・クリスのもとへ嫁ぐことになったフィレ・バーナード。
けれど彼女は、理想の妻になろうとも、誰かの上に立とうともしなかった。
口出ししない。
判断を奪わない。
必要以上に関わらない。
ただ静かに、そこにいるだけ。
そんな彼女の在り方は、少しずつ屋敷の空気を変えていく。
張りつめていた人々の距離はやわらぎ、日々の営みは穏やかに整いはじめる。
何かを勝ち取る物語ではない。
誰かを打ち負かす物語でもない。
それでも確かに、彼女がいることで守られていくものがある。
これは、
声高に愛を叫ばなくても伝わる想いと、
何も奪わないからこそ育っていく信頼を描く、
静かでやさしい結婚生活の物語。
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
隠された第四皇女
山田ランチ
恋愛
ギルベアト帝国。
帝国では忌み嫌われる魔女達が集う娼館で働くウィノラは、魔女の中でも稀有な癒やしの力を持っていた。ある時、皇宮から内密に呼び出しがかかり、赴いた先に居たのは三度目の出産で今にも命尽きそうな第二側妃のリナだった。しかし癒やしの力を使って助けたリナからは何故か拒絶されてしまう。逃げるように皇宮を出る途中、ライナーという貴族男性に助けてもらう。それから3年後、とある命令を受けてウィノラは再び皇宮に赴く事になる。
皇帝の命令で魔女を捕らえる動きが活発になっていく中、エミル王国との戦争が勃発。そしてウィノラが娼館に隠された秘密が明らかとなっていく。
ヒュー娼館の人々
ウィノラ(娼館で育った第四皇女)
アデリータ(女将、ウィノラの育ての親)
マイノ(アデリータの弟で護衛長)
ディアンヌ、ロラ(娼婦)
デルマ、イリーゼ(高級娼婦)
皇宮の人々
ライナー・フックス(公爵家嫡男)
バラード・クラウゼ(伯爵、ライナーの友人、デルマの恋人)
ルシャード・ツーファール(ギルベアト皇帝)
ガリオン・ツーファール(第一皇子、アイテル軍団の第一師団団長)
リーヴィス・ツーファール(第三皇子、騎士団所属)
オーティス・ツーファール(第四皇子、幻の皇女の弟)
エデル・ツーファール(第五皇子、幻の皇女の弟)
セリア・エミル(第二皇女、現エミル王国王妃)
ローデリカ・ツーファール(第三皇女、ガリオンの妹、死亡)
幻の皇女(第四皇女、死産?)
アナイス・ツーファール(第五皇女、ライナーの婚約者候補)
ロタリオ(ライナーの従者)
ウィリアム(伯爵家三男、アイテル軍団の第一師団副団長)
レナード・ハーン(子爵令息)
リナ(第二側妃、幻の皇女の母。魔女)
ローザ(リナの侍女、魔女)
※フェッチ
力ある魔女の力が具現化したもの。その形は様々で魔女の性格や能力によって変化する。生き物のように視えていても力が形を成したもの。魔女が死亡、もしくは能力を失った時点で消滅する。
ある程度の力がある者達にしかフェッチは視えず、それ以外では気配や感覚でのみ感じる者もいる。
〖完結〗終着駅のパッセージ
苺 迷音
恋愛
過去、使用人に悪戯をされそうになった事がきっかけとなり、分厚い眼鏡とひっつめた髪を編み帽で覆い、自身の容姿を隠すようになった女性・カレン。
その事情を知りながらも夫ローランは、奇妙で地味な姿の妻を厭い目を逸らし続けた。
婚姻してからわずか三日後の朝。彼は赴任先の北の地へと旅立ちその後、カレンの元へと帰省してきたのは、片手で数えるほどだった。
孤独な結婚生活を送る中。
ある冬の日に、ローランの上官であり北の地を治める領主ハルシオン公爵が、カレン夫妻の邸にやってきた。
始まりは、部下の家族を想う上司としての気遣いだった。
他愛もない会話と、節度を守ったやり取り。ほんの僅かな時間を重ねていく。
そのうちに、お互いに灯り始めた小さな心の想い。
だが二人は、それを決して明かさず語ることはなかった。
それから一年ほどたった冬の夜。
カレンから届いた手紙に、たった一度だけハルシオンは返事を書く。
そこには彼の想いが書かれてあった。
月日は流れ、カレンとローランが婚姻して三年目の冬の日。
カレンはひとつの決意と想いを胸に、北へ向かう汽車に乗った。
※微さまぁか、もしくはざまぁになっていないかもしれないです。
※舞台は近世・産業革命初頭を基にした架空世界だと思っていただけましたら有難いです。
稚拙な作品ではありますがご覧くださいましたら凄く嬉しいです。よろしくお願い致します。
報われなかった姫君に、弔いの白い薔薇の花束を
さくたろう
恋愛
その国の王妃を決める舞踏会に招かれたロザリー・ベルトレードは、自分が当時の王子、そうして現王アルフォンスの婚約者であり、不遇の死を遂げた姫オフィーリアであったという前世を思い出す。
少しずつ蘇るオフィーリアの記憶に翻弄されながらも、17年前から今世まで続く因縁に、ロザリーは絡め取られていく。一方でアルフォンスもロザリーの存在から目が離せなくなり、やがて二人は再び惹かれ合うようになるが――。
20話です。小説家になろう様でも公開中です。
私は愛されていなかった幼妻だとわかっていました
ララ愛
恋愛
ミリアは両親を亡くし侯爵の祖父に育てられたが祖父の紹介で伯爵のクリオに嫁ぐことになった。
ミリアにとって彼は初恋の男性で一目惚れだったがクリオには侯爵に弱みを握られての政略結婚だった。
それを知らないミリアと知っているだろうと冷めた目で見るクリオのすれ違いの結婚生活は誤解と疑惑の
始まりでしかなかった。