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第2章
第98話 神話生物との邂逅
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アドベンチャー号が現世に帰還する少し前の事、清志達は第1デッキで真嶋と対峙していた。
突然船体を襲った揺れが収まったと同時に、歪な笑い声を上げていた真嶋の体に突然現れた触手が巻き付く。
そのまま室内中央にある開口部から、真嶋は船外へと連れ出された。慌てて清志達が船外へと出ると、霧の中に巨大な影が出現している。
天を衝くかと思う程に大きな影が、少しずつ船体へと近付いて来た。そして霧の中から現れた巨体、鯨を思わせるフォルムを持ったレヴィアタンがその姿を現した。
「は、ははは。アイナ見ろよアレ」
「冗談でしょ……こんな生き物が実在するなんて」
「推定30メートルとなっていたけど、もっとデカいだろ」
シーネストが調査記録として残していたデータには、30メートル程度の全長と記録されていた。
しかし目の前に居る巨体はそれ以上に見える。海上に突き出ている分だけでも30メートル近い。
尻尾までを考慮するなら、40から50メートルと思われる。見た目だけなら巨大な鯨だが、背中や腹部からはタコの様な触腕が複数生えている。
さらにその触腕からも細い触手が複数生えている。名状しがたい見た目をした神話生物は、器用に顔を動かして甲板に現れた清志達を見ている。
伝説上の生物と邂逅を果たし驚愕している清志達を尻目に、触腕に囚われた真嶋は歓喜の声を上げていた。
「いひっ……ひひははは! これで全ては私のモノだ!!」
「……」
「もう誰も、私の邪魔はさせない! ひひひひひ!」
真嶋が手元に持っていたタブレットを操作すると、レヴィアタンの反応が変わった。どこか精気と知性を感じさせていた瞳から、光が失われて行く。
そのままレヴィアタンは真嶋の体を口内へと導き、真嶋はレヴィアタンの体内へと消えて行った。
呆気に取られている清志達に向かって、レヴィアタンの目が向けられる。
それまで全く向けられていなかった明確な殺意を感じた清志達は、慌ててその場から飛びのいた。
幅が4メートルは有りそうな触腕が船体へと叩きつけられ、金属が拉げる音と共に船体が破壊された。
突然の攻撃に驚いたシャーロットと愛花が驚きの声を上げる。
「ちょっ!? 急に何ですの!?」
「あんなの当たったら死んじゃうよ!」
「皆、大丈夫か!?」
巻き上がる粉塵に視界を奪われながらも、清志は全員の安否を問う。
全員が魔術師として十分な戦歴を持っているとは言え、攻撃の速度はかなり早かった。
万が一という事は有り得る。幸いにも全員が無事であり負傷者はいない。同行を頼んでいる霊達は実体を持たない為に当然無事である。
死者を祓う事は出来ても、物理的に殺す事は出来ない。全員無事であったとは言え、これからどうするかが問題だ。
清志達は平和的な解決を望んでおり、レヴィアタンを殺すつもりはない。歴史的な発見でもある訳で、神話生物を相手に下手な手出しは出来ない。
「澪ちゃん、会話は出来そうか?」
「ううん、駄目みたい。さっきの男の人の声がしてるって言ってるよ」
「男? まさか真嶋か!?」
協力を申し出てくれた霊達の代表である立花澪は、既にL細胞を植え付けられた被験者の魂に働きかけていた。
数少ない怨霊化しなかった一部の魂が、レヴィアタンとの交信を試みたが結果はハズレ。
いやこの場合はある意味では当たりと言えるのだろうか。
清志にその方法は分からなかったが、レヴィアタンの行動に真嶋の意思が働きかけているらしい。
もし体内に入ったまま死ぬ事無く、何らかの指示を出せているとしたら。神話生物を操る方法を得ていたとするならば、真嶋をどうにかする必要がある。
ここで神話生物を殺してしまうよりも、その方が絶対に良いのは間違いない。真嶋1人の為に、罪のない生物を殺そうという判断を下す清志ではない。
「ねぇ清志、どうするの?」
「中で真嶋が何かをしているみたいなんだ」
「中って、食べられたんじゃないの!?」
レヴィアタンは伝説上の生き物だ、普通の鯨には無い内部構造をしている可能性はある。
これだけ大きな体であれば、胃に到達するまでのどこかに居座れる可能性はあった。
もし真嶋の狙いが最初からこの為であったのなら、その辺りはちゃんと考えている筈だ。
神話生物を内部から使役する、それは荒唐無稽に思えるが実際に出来るなら大いなる力となるだろう。
誰も邪魔を出来ないという発言からして、その可能性は十分に有り得る。レヴィアタンの攻撃を回避しながら、清志達は話し合いを続けた。
「ふーん、だったら真嶋を連れ出せばいいって訳ね」
「連れ出すって、おいアイナ!?」
「ちょっと行って来るわね!」
吐き出させると言った方法をすっ飛ばし、まさかの発想で動くアイナ。巨大な触腕に飛び移ると、一気に巨体を駆け上がり大きな口を目指す。
ダイバーが鯨に飲みこまれた話はあるけれど、自分から体内を目指した人間など居ない。
そんな前代未聞の行動に出たアイナは、大きく開けられたレヴィアタンの口に飛び込んだ。
神話生物の中に潜んでいる真嶋を確保する為、アイナは巨大生物の体内を進み始めた。
突然船体を襲った揺れが収まったと同時に、歪な笑い声を上げていた真嶋の体に突然現れた触手が巻き付く。
そのまま室内中央にある開口部から、真嶋は船外へと連れ出された。慌てて清志達が船外へと出ると、霧の中に巨大な影が出現している。
天を衝くかと思う程に大きな影が、少しずつ船体へと近付いて来た。そして霧の中から現れた巨体、鯨を思わせるフォルムを持ったレヴィアタンがその姿を現した。
「は、ははは。アイナ見ろよアレ」
「冗談でしょ……こんな生き物が実在するなんて」
「推定30メートルとなっていたけど、もっとデカいだろ」
シーネストが調査記録として残していたデータには、30メートル程度の全長と記録されていた。
しかし目の前に居る巨体はそれ以上に見える。海上に突き出ている分だけでも30メートル近い。
尻尾までを考慮するなら、40から50メートルと思われる。見た目だけなら巨大な鯨だが、背中や腹部からはタコの様な触腕が複数生えている。
さらにその触腕からも細い触手が複数生えている。名状しがたい見た目をした神話生物は、器用に顔を動かして甲板に現れた清志達を見ている。
伝説上の生物と邂逅を果たし驚愕している清志達を尻目に、触腕に囚われた真嶋は歓喜の声を上げていた。
「いひっ……ひひははは! これで全ては私のモノだ!!」
「……」
「もう誰も、私の邪魔はさせない! ひひひひひ!」
真嶋が手元に持っていたタブレットを操作すると、レヴィアタンの反応が変わった。どこか精気と知性を感じさせていた瞳から、光が失われて行く。
そのままレヴィアタンは真嶋の体を口内へと導き、真嶋はレヴィアタンの体内へと消えて行った。
呆気に取られている清志達に向かって、レヴィアタンの目が向けられる。
それまで全く向けられていなかった明確な殺意を感じた清志達は、慌ててその場から飛びのいた。
幅が4メートルは有りそうな触腕が船体へと叩きつけられ、金属が拉げる音と共に船体が破壊された。
突然の攻撃に驚いたシャーロットと愛花が驚きの声を上げる。
「ちょっ!? 急に何ですの!?」
「あんなの当たったら死んじゃうよ!」
「皆、大丈夫か!?」
巻き上がる粉塵に視界を奪われながらも、清志は全員の安否を問う。
全員が魔術師として十分な戦歴を持っているとは言え、攻撃の速度はかなり早かった。
万が一という事は有り得る。幸いにも全員が無事であり負傷者はいない。同行を頼んでいる霊達は実体を持たない為に当然無事である。
死者を祓う事は出来ても、物理的に殺す事は出来ない。全員無事であったとは言え、これからどうするかが問題だ。
清志達は平和的な解決を望んでおり、レヴィアタンを殺すつもりはない。歴史的な発見でもある訳で、神話生物を相手に下手な手出しは出来ない。
「澪ちゃん、会話は出来そうか?」
「ううん、駄目みたい。さっきの男の人の声がしてるって言ってるよ」
「男? まさか真嶋か!?」
協力を申し出てくれた霊達の代表である立花澪は、既にL細胞を植え付けられた被験者の魂に働きかけていた。
数少ない怨霊化しなかった一部の魂が、レヴィアタンとの交信を試みたが結果はハズレ。
いやこの場合はある意味では当たりと言えるのだろうか。
清志にその方法は分からなかったが、レヴィアタンの行動に真嶋の意思が働きかけているらしい。
もし体内に入ったまま死ぬ事無く、何らかの指示を出せているとしたら。神話生物を操る方法を得ていたとするならば、真嶋をどうにかする必要がある。
ここで神話生物を殺してしまうよりも、その方が絶対に良いのは間違いない。真嶋1人の為に、罪のない生物を殺そうという判断を下す清志ではない。
「ねぇ清志、どうするの?」
「中で真嶋が何かをしているみたいなんだ」
「中って、食べられたんじゃないの!?」
レヴィアタンは伝説上の生き物だ、普通の鯨には無い内部構造をしている可能性はある。
これだけ大きな体であれば、胃に到達するまでのどこかに居座れる可能性はあった。
もし真嶋の狙いが最初からこの為であったのなら、その辺りはちゃんと考えている筈だ。
神話生物を内部から使役する、それは荒唐無稽に思えるが実際に出来るなら大いなる力となるだろう。
誰も邪魔を出来ないという発言からして、その可能性は十分に有り得る。レヴィアタンの攻撃を回避しながら、清志達は話し合いを続けた。
「ふーん、だったら真嶋を連れ出せばいいって訳ね」
「連れ出すって、おいアイナ!?」
「ちょっと行って来るわね!」
吐き出させると言った方法をすっ飛ばし、まさかの発想で動くアイナ。巨大な触腕に飛び移ると、一気に巨体を駆け上がり大きな口を目指す。
ダイバーが鯨に飲みこまれた話はあるけれど、自分から体内を目指した人間など居ない。
そんな前代未聞の行動に出たアイナは、大きく開けられたレヴィアタンの口に飛び込んだ。
神話生物の中に潜んでいる真嶋を確保する為、アイナは巨大生物の体内を進み始めた。
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