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その日も巨大生物が襲ってくるものの、食料にしか見えなく適当に捌き、焼肉を楽しんでいた。都市ベルゼブブには近づいているものの、あと数日はかかりそうだなと俺は思った。
正直、進んでる時間よりも捌いて食べてる時間の方が長い。特に急ぎの目的もあるわけではないので、あまり急ぐ必要もないため、ダラダラとするのも悪くはなかった。
「おーい!おーい!」
舗装されている道路の方から、巨大な走行車両のようなものから降りてきた男性がこちらに手をふりながら走ってきていた。
「あんたらここで何やってるんだ?」
「あんたは?」
「ああ、私は旅人で都市ベルゼブブへ向かってるバーべというものだ。あんたらがここで何してるのか気になってな」
「捌いて食べてるだけだが・・・」
「魔核をとるだけじゃなく?」
「気になるのなら、あなたも食べてみたら? おいしいわよ」
ナミがバーべにサイキックで浮かせて、焼いた肉を渡した。たじろいながらも焼いた骨付き肉を受け取り、口に含むと、目をかっと見開いて一心不乱に食した。相当腹が減っていたのだろうと俺は思い、新たに肉を焼いてナミのサイキックで焼いた肉を浮かせて渡して、満腹にさせた。
「うまっ・・・かった! ありがとう!」
「ああ、よかったな」
肉は正直、食べきれない量で移動するたびにそのあたりに穴を掘り、処理していた。放置しておくと腐臭がするのとさらに巨大生物が時間差でやってくることがあった。
「ところで知りたいのだけど、いいかしら?」
「うまいものくれた恩がある、なんでも聞いてくれ」
「どうして、この巨大生物たちはあの道路付近には近寄らないのかしら?」
確かに、俺も気になっていたがナビに聞いても不明としか返ってこなかった。実際にこの魔界はわからないことが多い。
「さぁ? 私にもわからん。ところでどうしてこんな所で狩りをしてるんだ?」
「俺たちは都市ベルゼブブを目指しているのだが、この巨大生物に襲われてな、倒しながら進んでいるんだが、食料がつきかけてこいつらを食えないかなと試しに食べてみたら、問題なかったから食べながら進んでいる」
「まさか、徒歩で・・・?」
「そうよ」
「そうだ」
バーべは目をぱちくりさせた。そして、それがどんな無謀なことかを教えてくれた。野営した場合、夜に狙われるリスク、一体だけならまだしも数体連携して襲ってくる巨大生物が跋扈していること、狩り続けたとしても魔核が増えていき荷物になり、動きが遅くなってリスクが日に日に増えていく事などを説かれた。
だが、俺とナミならこの程度の巨大生物なら特に苦も無く倒せるのと夜だろうと二十四時間戦い続けることも可能だ。ナビによる自動戦闘モードもあるし、エネルギーとなる巨大生物もあるので、無限に活動可能だ。ナミは寝たりするだろうが、危険が迫ったとしても条件反射サイキックでどうにかしてしまうだろう。特に敵意や殺意を察知するだろう。何も問題はない。
「美味しい物も食べさせてもらったし、都市まで私の車で送っていこう」
話の後半を聞いてなかった。
「あら、ありがとう!やったわね、レンツ」
「あ、ああ」
俺たちは荷物をまとめてバーべの車に乗り込んだ。外から見ると巨大走行車両に見えたが、中は大分くつろぎやすい空間になっていた。
「まあ、そのあたりに適当に座っていてくれ、数時間もしない内に都市には着くから」
解析完了。巨大生物からこの走行車両は感知しにくい造りになっています。巨大生物からしてみると小石のように見えるため、食料として見なされていないと推測されます。
なるほど、そういうことだったのかとわかり、車内を見渡す。内部にいれば外に漏れ出さないような仕組みになっているため、外から見ても解析ができなかったわけだ。
そういえば、バーべのことをあまり気にしてなかったが何族なんだろうか?
「なぁ、バーべは何族なんだ?」
バーべは運転しながら、説明してくれた。聞いてほしかったのか、都市につくまでしゃべり続けた。
「牛鬼族だ、この見事なうねりがある角でわからなかったか? まあ、確かに他と比べて色白だが魔力量はそこそこあるつもりだったんだがな、二人には負けるがな! そういえば、二人は何族なんだ? 角無しか? 角無しでその強さってなると、魔人族か? 魔人族といえば普段は見えない角を持ってて戦いの時に角が具現化するって聞いた事があるから、そういうことかぁ」
なんだか、勝手に納得し、話を続けていた。魔人族か、角がない種族もどこかにいるという情報はなかなか興味深い。
「それで私はいろんな都市を回って旅をしているところなんだが、嫁探しの旅でもあったりするんだ。強い雌を探しているんだが、なかなか同じ種族で見つからなくて未だに旅をしているわけなんだよ。この前いった都市だと色魔都市アスモデウス、あれはやばかったな・・・あそこは長く留まる場所じゃねぇと思ったよ」
色魔都市アスモデウスか、最近までいたが留まるにも自分たちの性に合わなかったことを思い出した。
「お、都市が見えてきた」
正面に大きな壁が見え、ここからだとどのくらいの距離があるのかいまいち図り切れない高さの壁だった。
「あの壁は周りの巨大生物から守るためにあって、あの中に入れば安心して過ごす事が出来るわけよ。岩山を繰り抜いて造られた都市ベルゼブブ。ベルゼブブ卿一族の所有地の一つだな、そのまま名前になってるのも一番の稼ぎ場所らしい」
窓から見えるのは壁、ナミが上空に俺を飛ばした時の見た感じだと相当大きい都市だった事を思い出す。
正直、進んでる時間よりも捌いて食べてる時間の方が長い。特に急ぎの目的もあるわけではないので、あまり急ぐ必要もないため、ダラダラとするのも悪くはなかった。
「おーい!おーい!」
舗装されている道路の方から、巨大な走行車両のようなものから降りてきた男性がこちらに手をふりながら走ってきていた。
「あんたらここで何やってるんだ?」
「あんたは?」
「ああ、私は旅人で都市ベルゼブブへ向かってるバーべというものだ。あんたらがここで何してるのか気になってな」
「捌いて食べてるだけだが・・・」
「魔核をとるだけじゃなく?」
「気になるのなら、あなたも食べてみたら? おいしいわよ」
ナミがバーべにサイキックで浮かせて、焼いた肉を渡した。たじろいながらも焼いた骨付き肉を受け取り、口に含むと、目をかっと見開いて一心不乱に食した。相当腹が減っていたのだろうと俺は思い、新たに肉を焼いてナミのサイキックで焼いた肉を浮かせて渡して、満腹にさせた。
「うまっ・・・かった! ありがとう!」
「ああ、よかったな」
肉は正直、食べきれない量で移動するたびにそのあたりに穴を掘り、処理していた。放置しておくと腐臭がするのとさらに巨大生物が時間差でやってくることがあった。
「ところで知りたいのだけど、いいかしら?」
「うまいものくれた恩がある、なんでも聞いてくれ」
「どうして、この巨大生物たちはあの道路付近には近寄らないのかしら?」
確かに、俺も気になっていたがナビに聞いても不明としか返ってこなかった。実際にこの魔界はわからないことが多い。
「さぁ? 私にもわからん。ところでどうしてこんな所で狩りをしてるんだ?」
「俺たちは都市ベルゼブブを目指しているのだが、この巨大生物に襲われてな、倒しながら進んでいるんだが、食料がつきかけてこいつらを食えないかなと試しに食べてみたら、問題なかったから食べながら進んでいる」
「まさか、徒歩で・・・?」
「そうよ」
「そうだ」
バーべは目をぱちくりさせた。そして、それがどんな無謀なことかを教えてくれた。野営した場合、夜に狙われるリスク、一体だけならまだしも数体連携して襲ってくる巨大生物が跋扈していること、狩り続けたとしても魔核が増えていき荷物になり、動きが遅くなってリスクが日に日に増えていく事などを説かれた。
だが、俺とナミならこの程度の巨大生物なら特に苦も無く倒せるのと夜だろうと二十四時間戦い続けることも可能だ。ナビによる自動戦闘モードもあるし、エネルギーとなる巨大生物もあるので、無限に活動可能だ。ナミは寝たりするだろうが、危険が迫ったとしても条件反射サイキックでどうにかしてしまうだろう。特に敵意や殺意を察知するだろう。何も問題はない。
「美味しい物も食べさせてもらったし、都市まで私の車で送っていこう」
話の後半を聞いてなかった。
「あら、ありがとう!やったわね、レンツ」
「あ、ああ」
俺たちは荷物をまとめてバーべの車に乗り込んだ。外から見ると巨大走行車両に見えたが、中は大分くつろぎやすい空間になっていた。
「まあ、そのあたりに適当に座っていてくれ、数時間もしない内に都市には着くから」
解析完了。巨大生物からこの走行車両は感知しにくい造りになっています。巨大生物からしてみると小石のように見えるため、食料として見なされていないと推測されます。
なるほど、そういうことだったのかとわかり、車内を見渡す。内部にいれば外に漏れ出さないような仕組みになっているため、外から見ても解析ができなかったわけだ。
そういえば、バーべのことをあまり気にしてなかったが何族なんだろうか?
「なぁ、バーべは何族なんだ?」
バーべは運転しながら、説明してくれた。聞いてほしかったのか、都市につくまでしゃべり続けた。
「牛鬼族だ、この見事なうねりがある角でわからなかったか? まあ、確かに他と比べて色白だが魔力量はそこそこあるつもりだったんだがな、二人には負けるがな! そういえば、二人は何族なんだ? 角無しか? 角無しでその強さってなると、魔人族か? 魔人族といえば普段は見えない角を持ってて戦いの時に角が具現化するって聞いた事があるから、そういうことかぁ」
なんだか、勝手に納得し、話を続けていた。魔人族か、角がない種族もどこかにいるという情報はなかなか興味深い。
「それで私はいろんな都市を回って旅をしているところなんだが、嫁探しの旅でもあったりするんだ。強い雌を探しているんだが、なかなか同じ種族で見つからなくて未だに旅をしているわけなんだよ。この前いった都市だと色魔都市アスモデウス、あれはやばかったな・・・あそこは長く留まる場所じゃねぇと思ったよ」
色魔都市アスモデウスか、最近までいたが留まるにも自分たちの性に合わなかったことを思い出した。
「お、都市が見えてきた」
正面に大きな壁が見え、ここからだとどのくらいの距離があるのかいまいち図り切れない高さの壁だった。
「あの壁は周りの巨大生物から守るためにあって、あの中に入れば安心して過ごす事が出来るわけよ。岩山を繰り抜いて造られた都市ベルゼブブ。ベルゼブブ卿一族の所有地の一つだな、そのまま名前になってるのも一番の稼ぎ場所らしい」
窓から見えるのは壁、ナミが上空に俺を飛ばした時の見た感じだと相当大きい都市だった事を思い出す。
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