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内臓アラームによって目覚めた次の日、その日はとても静かな朝だった。ナミはすでに起きており、朝のストレッチをしていた。俺もいつものようにナビに動作確認の異常がないか確認をおこなった。
窓の外はハーピーやセイレーンが忙しそうに飛び交っていた。宿泊部屋は海側の窓がかなり広く、カーテンがついており、優雅な気分にさせてくれる部屋だった。今まで泊ってきた場所と違って趣が違い、最初は戸惑ったが良いところだなと思った。
「おはよう」
「おはよう」
俺たちは朝の挨拶を交わし、窓の外でノイズキャンセリングし合って何も聞こえない外を眺めていた。
「防音フィールドを一度、切ってみる?」
「いや、やめておこう」
なんとなく、心地よい朝だと思ったのと飛び交うハーピーとセイレーンに何か気づかれても面倒だなと思った。
「ドアがなんかさっきから叩かれてるっぽいけれど、どうする?」
叩いてるドアの向こうにいるのは昨日訴えかけてきたセイレア・ヴィヨンというセイレーンだろうと予測していた。もうちょっとだけ朝の時間をゆっくりするかストレッチ中のナミに一応聞いてみた。
「朝食をとる際にどのみち会うだろうし、開けましょ」
肩をすくめ、俺がドアを開けると涙でぐしょぐしょになっているセイレア・ヴィヨンがいた。泣き声が聞こえないのも、防音フィールドが部屋の内部よりにフィールドを形成している。口をパクパクして何か訴えかけているのだろうが、部屋に招き入れていないので、何を言っているのかなんとなくわかった。
お願いします。助けてください。お願いします。と言っています。
ナビは読唇術を身に着けてた。
読唇術を使わなくても何を言っているのが予想はついていたが、やっぱりそうだったかと思い、部屋の中に入れとジェスチャーする。
「ううっ、ありがとうございます! 助けてくれるんですね! あれ・・・? 声が?」
「いや、まだ助けるとは言ってない」
「ええぇ!」
静かだった朝が、うるさい朝へと変貌した瞬間だと思った。昨日はどうにかしてくれとせがまれて、他を当たってくれと言ったら食い下がっていった。しかし、宿泊所までつけてきていたので、今日なにかあるなと思ったらまさか昨日と変わらずの直談判だとは思わなかった。
「そういえば、どうしてここは音が聞こえるんですか?」
ナミはストレッチを終え、話をしてる俺の横に来るとセイレア・ヴィヨンに答えた。
「ここだけ外から影響受けないようにしてるからよ」
「えっ・・・あ、そうなんですね」
ナミからの眼光・・・いや失明してるから眼圧はないにしろ、雰囲気で押されて深く考えないようにしたのだろう。
「それであなたはどうしたいの?」
「え、えと・・・」
セイレア・ヴィヨンはもじもじしながら、言い淀んでいた。この状況を一刻も早くどうにかしなきゃいけないと思っていて、その発端である俺たちに接触してきたのはいいが答えが見つかっていなかったのだった。彼女がどうしたいのか答えがない、それに俺は特にこの状況を解決したいというのはなかった。
「うーん、今の状況は歌に魔力を乗せて、魔核貰ったりして成り立ってるわよね。それが歌そのものをみんなちゃんと聞いてもらいたいから相手の歌をかき消して静かになって困ってる。あなたは魔核がただもらえなくなって困ってるの? それとも歌を聞いてもらえなくて困ってるの?」
ナミが珍しくやさしく問いかけていた。俺はというとこいつら素質あるのに、歌が残念なのでちゃんと歌えるようになれば面白いのになというくらいな感想しかなかった。
「うう、私は・・・私は歌を聞いてもらいたいです! ちゃんと歌を! それで本当によかったら・・・魔核が欲しいです!」
「そう、わかったわ」
セイレア・ヴィヨンはパァと表情が明るくなり、今までいじいじしていた表情から生き生きしだした。
「じゃあ、レンツお願いね」
「はい、お願いします!」
俺はナミに肩に手を置かれ、セイレア・ヴィヨンからは頭を下げられた。
プロデューサー、がんばってください。
ナビからも励まされた。プロデューサーってなに? それよりもどうして? あれ? え?
窓の外はハーピーやセイレーンが忙しそうに飛び交っていた。宿泊部屋は海側の窓がかなり広く、カーテンがついており、優雅な気分にさせてくれる部屋だった。今まで泊ってきた場所と違って趣が違い、最初は戸惑ったが良いところだなと思った。
「おはよう」
「おはよう」
俺たちは朝の挨拶を交わし、窓の外でノイズキャンセリングし合って何も聞こえない外を眺めていた。
「防音フィールドを一度、切ってみる?」
「いや、やめておこう」
なんとなく、心地よい朝だと思ったのと飛び交うハーピーとセイレーンに何か気づかれても面倒だなと思った。
「ドアがなんかさっきから叩かれてるっぽいけれど、どうする?」
叩いてるドアの向こうにいるのは昨日訴えかけてきたセイレア・ヴィヨンというセイレーンだろうと予測していた。もうちょっとだけ朝の時間をゆっくりするかストレッチ中のナミに一応聞いてみた。
「朝食をとる際にどのみち会うだろうし、開けましょ」
肩をすくめ、俺がドアを開けると涙でぐしょぐしょになっているセイレア・ヴィヨンがいた。泣き声が聞こえないのも、防音フィールドが部屋の内部よりにフィールドを形成している。口をパクパクして何か訴えかけているのだろうが、部屋に招き入れていないので、何を言っているのかなんとなくわかった。
お願いします。助けてください。お願いします。と言っています。
ナビは読唇術を身に着けてた。
読唇術を使わなくても何を言っているのが予想はついていたが、やっぱりそうだったかと思い、部屋の中に入れとジェスチャーする。
「ううっ、ありがとうございます! 助けてくれるんですね! あれ・・・? 声が?」
「いや、まだ助けるとは言ってない」
「ええぇ!」
静かだった朝が、うるさい朝へと変貌した瞬間だと思った。昨日はどうにかしてくれとせがまれて、他を当たってくれと言ったら食い下がっていった。しかし、宿泊所までつけてきていたので、今日なにかあるなと思ったらまさか昨日と変わらずの直談判だとは思わなかった。
「そういえば、どうしてここは音が聞こえるんですか?」
ナミはストレッチを終え、話をしてる俺の横に来るとセイレア・ヴィヨンに答えた。
「ここだけ外から影響受けないようにしてるからよ」
「えっ・・・あ、そうなんですね」
ナミからの眼光・・・いや失明してるから眼圧はないにしろ、雰囲気で押されて深く考えないようにしたのだろう。
「それであなたはどうしたいの?」
「え、えと・・・」
セイレア・ヴィヨンはもじもじしながら、言い淀んでいた。この状況を一刻も早くどうにかしなきゃいけないと思っていて、その発端である俺たちに接触してきたのはいいが答えが見つかっていなかったのだった。彼女がどうしたいのか答えがない、それに俺は特にこの状況を解決したいというのはなかった。
「うーん、今の状況は歌に魔力を乗せて、魔核貰ったりして成り立ってるわよね。それが歌そのものをみんなちゃんと聞いてもらいたいから相手の歌をかき消して静かになって困ってる。あなたは魔核がただもらえなくなって困ってるの? それとも歌を聞いてもらえなくて困ってるの?」
ナミが珍しくやさしく問いかけていた。俺はというとこいつら素質あるのに、歌が残念なのでちゃんと歌えるようになれば面白いのになというくらいな感想しかなかった。
「うう、私は・・・私は歌を聞いてもらいたいです! ちゃんと歌を! それで本当によかったら・・・魔核が欲しいです!」
「そう、わかったわ」
セイレア・ヴィヨンはパァと表情が明るくなり、今までいじいじしていた表情から生き生きしだした。
「じゃあ、レンツお願いね」
「はい、お願いします!」
俺はナミに肩に手を置かれ、セイレア・ヴィヨンからは頭を下げられた。
プロデューサー、がんばってください。
ナビからも励まされた。プロデューサーってなに? それよりもどうして? あれ? え?
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