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「演習ですか?」
「そうだ、演習だ。この近くに巨大生物が出る場所とかあるか?」
俺は一通り教え、オーガたちもそれを復讐し、隊の連携などを日常的におこなうようになっていた。少数人数の隊でのハンドサインや隊と隊の連絡する際の光による連絡などもだ。
だが、実際に戦闘時に落ち着いてやれるかというのは演習を重ねたりし、身に着くものだ。
「ここの都市の近くだと、ドラゴンであるレアモンデステーシ殿がいるから近寄ってこないですね」
この都市に堀や巨大な防衛壁がない理由がわかった。そうか、ドラゴンがいるから近寄ってこない、という事だったのか・・・。
「そうなってくると・・・ナミ、手伝ってくれないか?」
俺はナミに協力を求めた、ナミは昔、一度だけサイキックでやってくれた技があったのを思い出したからだ。
「いいわよ、どこか広い場所と大量の瓦礫があればいけるわ。ブレスも多分似たような感じで再現できると思うわ」
都市の外れに廃墟がある区画があり、そこで演習することになった。ナミは大量の瓦礫をサイキックでドラゴンの形にし、頭の部分にナミが乗っていた。
俺はオーガたちに事前に教えたことを演習で実践してもらうため、遠くから見る事にした。マガツやオーガたちは演習の前に情報を事前に渡され、実際の戦闘時で起きる事を想定し、作戦を練った上で各隊に連携を行い演習に挑んでもらった。
作戦そのものの確認は俺が行い、それに対して、勝算があると判断し、決行を言い渡した。
ナミは危なくなったら撤退してくれと頼み、演習は始まった。事前にナミにサイキックでの連続使用可能時間を確認したが、卵型の武具のおかげで魔力ストックが切れない限り問題ないと言われた。
「ストックって使用した場合、どのくらいで無くなるんだ? ここは魔力が多いから卵型の武具が周りから吸収するからほぼ無くならないわね。感触的には、瓦礫のドラゴンもどきでドラゴンと遊び続けても全く疲れないわね」
「な、なるほど・・・」
「うーん」
「どうした?」
「一体だけじゃなくて数体同時にいけそう」
「そ、そうか」
大気中に魔力の有無があるのも気になったが、オーガの個体から漏れ出す魔力なのか? いや、今はそんな事を気にする必要はないか、と思った。
演習が始まり、ナミが動かす瓦礫のドラゴンもどきにオーガたちが作戦通り動き、攻撃をしかけてくる。ナミはどの作戦で来るのか伝えられていないが、同じ兵士として幾度となく戦場で生き延びてきたので作戦がどのようなものか察知するだろう。
おそらくドラゴンも知能が高いらしいので、生半可な作戦だと対処されてしまう可能性があると考え、オーガたちにはジャイアントキリング重視の作戦を教え込んだ。彼らが持つ武器は大剣、斧、こん棒といったものだった。どれも力で相手に攻撃を与えるものだったので、それに盾を用意させた。
鎮圧用でよく使用される盾だがブレスに対しての防御柵になるのと攻撃してるオーガを守る役目があると攻撃継続時間を増やすことができる。ドラゴンへの攻撃も攻撃時に魔力による強化によってダメージを与えられる事がわかったのでアタッカーとディフェンダーとわけた。
「では作戦開始!」
演習が始まり、ナミのドラゴンもどきが索敵しながら移動する。ナミはオーガの位置を把握しているが、ドラゴンの視界に入っていない限り、攻撃行動をしない、また攻撃されない限りしないという条件だった。これは実際のドラゴンと同じようにしてもらった。
オーガたちはドラゴンの視覚に入らないように常に死角に移動し、建物をうまく利用して隠れながら包囲網を形成した。そして、一斉に攻撃をするのではなく、時間差を利用した投擲をおこないけん制をしていった。屈強な鱗で覆われているドラゴンといえど、魔力によって肉体強化された投擲はうっとおしいだろう。
実際にナミのドラゴンもどきは削れていた。すぐさま、ナミのドラゴンもどきはしっぽで地面をえぐりながらぶんぶんと振り回し、削れた地面がとんでもない速さでオーガたちを襲った。
しかし、ディフェンダー役の盾がうまく隊を守っていた。
そして、その攻撃を予期し、正面から接近し、ドラゴンの懐にもぐりこんだ部隊がいくつかあった。手足を積極的に攻撃したのだった。爪など模倣した手足は削られ、ナミはどらごんもどきに地面に対してブレスもどきを吐いた。
それをすでに察知していたディフェンダー役は盾をつまく使い、ブレスもどきを受け流した。
サイキックでのブレスもどきなので、熱などはなく衝撃波に近い形なのだろうとわかった。ブレスもどきを食らっている最中に攻撃の手は緩められず、しっぽで迎撃した部隊も引き続き投擲による攻撃を継続していた。うまく、翼で身を守ってはいた。
だが、分が悪いと感じたナミは、ブレスもどきを吐きながら360度回りながら飛んだ。
その行動は想定済みなので、オーガたちは盾をうまく利用し、ブレスもどきを受け流した。投擲部隊も一時撤退をし、今度は砲丸投げ部隊が空に上がったドラゴンもどきを撃ち落とすフェーズに入った。四方八方から先ほどとは違う鎖がついた鉄球がドラゴンもどきに投げつけられた。
鉄球にはかぎ爪のようなものがついており、引っかかると鎖が垂れ下がった状態になる。本当は地面に固定した状態で投げつけた方が良かったが、ドラゴンもどきの移動経路を最初に予測しての作戦は臨機応変におこないため却下した。
うまい具合に鎖付き鉄球がドラゴンもどきに引っかかっていき、それを外そうとナミはドラゴンもどきをくねらせたり、上昇させようとするが、引っかかった瞬間にオーガたちがその鎖を掴み、地面に杭を打ち込んだりした。
ブレスもどきで打ち込まれた杭もろともどうにかしようと行動が読めるため、それを狙って投擲部隊が頭めがけて集中砲火させた。さすがにこれはうっとうしいので簡単にブレスは撃てなくなる。そうする間に鎖付き鉄球の数が増え、地面に引きずり降ろされ、抵抗するものの地面に縫い付けられる状態になった。
「勝ったな」
俺は勝負あったことを確認し、つぶやいた。
「そうだ、演習だ。この近くに巨大生物が出る場所とかあるか?」
俺は一通り教え、オーガたちもそれを復讐し、隊の連携などを日常的におこなうようになっていた。少数人数の隊でのハンドサインや隊と隊の連絡する際の光による連絡などもだ。
だが、実際に戦闘時に落ち着いてやれるかというのは演習を重ねたりし、身に着くものだ。
「ここの都市の近くだと、ドラゴンであるレアモンデステーシ殿がいるから近寄ってこないですね」
この都市に堀や巨大な防衛壁がない理由がわかった。そうか、ドラゴンがいるから近寄ってこない、という事だったのか・・・。
「そうなってくると・・・ナミ、手伝ってくれないか?」
俺はナミに協力を求めた、ナミは昔、一度だけサイキックでやってくれた技があったのを思い出したからだ。
「いいわよ、どこか広い場所と大量の瓦礫があればいけるわ。ブレスも多分似たような感じで再現できると思うわ」
都市の外れに廃墟がある区画があり、そこで演習することになった。ナミは大量の瓦礫をサイキックでドラゴンの形にし、頭の部分にナミが乗っていた。
俺はオーガたちに事前に教えたことを演習で実践してもらうため、遠くから見る事にした。マガツやオーガたちは演習の前に情報を事前に渡され、実際の戦闘時で起きる事を想定し、作戦を練った上で各隊に連携を行い演習に挑んでもらった。
作戦そのものの確認は俺が行い、それに対して、勝算があると判断し、決行を言い渡した。
ナミは危なくなったら撤退してくれと頼み、演習は始まった。事前にナミにサイキックでの連続使用可能時間を確認したが、卵型の武具のおかげで魔力ストックが切れない限り問題ないと言われた。
「ストックって使用した場合、どのくらいで無くなるんだ? ここは魔力が多いから卵型の武具が周りから吸収するからほぼ無くならないわね。感触的には、瓦礫のドラゴンもどきでドラゴンと遊び続けても全く疲れないわね」
「な、なるほど・・・」
「うーん」
「どうした?」
「一体だけじゃなくて数体同時にいけそう」
「そ、そうか」
大気中に魔力の有無があるのも気になったが、オーガの個体から漏れ出す魔力なのか? いや、今はそんな事を気にする必要はないか、と思った。
演習が始まり、ナミが動かす瓦礫のドラゴンもどきにオーガたちが作戦通り動き、攻撃をしかけてくる。ナミはどの作戦で来るのか伝えられていないが、同じ兵士として幾度となく戦場で生き延びてきたので作戦がどのようなものか察知するだろう。
おそらくドラゴンも知能が高いらしいので、生半可な作戦だと対処されてしまう可能性があると考え、オーガたちにはジャイアントキリング重視の作戦を教え込んだ。彼らが持つ武器は大剣、斧、こん棒といったものだった。どれも力で相手に攻撃を与えるものだったので、それに盾を用意させた。
鎮圧用でよく使用される盾だがブレスに対しての防御柵になるのと攻撃してるオーガを守る役目があると攻撃継続時間を増やすことができる。ドラゴンへの攻撃も攻撃時に魔力による強化によってダメージを与えられる事がわかったのでアタッカーとディフェンダーとわけた。
「では作戦開始!」
演習が始まり、ナミのドラゴンもどきが索敵しながら移動する。ナミはオーガの位置を把握しているが、ドラゴンの視界に入っていない限り、攻撃行動をしない、また攻撃されない限りしないという条件だった。これは実際のドラゴンと同じようにしてもらった。
オーガたちはドラゴンの視覚に入らないように常に死角に移動し、建物をうまく利用して隠れながら包囲網を形成した。そして、一斉に攻撃をするのではなく、時間差を利用した投擲をおこないけん制をしていった。屈強な鱗で覆われているドラゴンといえど、魔力によって肉体強化された投擲はうっとおしいだろう。
実際にナミのドラゴンもどきは削れていた。すぐさま、ナミのドラゴンもどきはしっぽで地面をえぐりながらぶんぶんと振り回し、削れた地面がとんでもない速さでオーガたちを襲った。
しかし、ディフェンダー役の盾がうまく隊を守っていた。
そして、その攻撃を予期し、正面から接近し、ドラゴンの懐にもぐりこんだ部隊がいくつかあった。手足を積極的に攻撃したのだった。爪など模倣した手足は削られ、ナミはどらごんもどきに地面に対してブレスもどきを吐いた。
それをすでに察知していたディフェンダー役は盾をつまく使い、ブレスもどきを受け流した。
サイキックでのブレスもどきなので、熱などはなく衝撃波に近い形なのだろうとわかった。ブレスもどきを食らっている最中に攻撃の手は緩められず、しっぽで迎撃した部隊も引き続き投擲による攻撃を継続していた。うまく、翼で身を守ってはいた。
だが、分が悪いと感じたナミは、ブレスもどきを吐きながら360度回りながら飛んだ。
その行動は想定済みなので、オーガたちは盾をうまく利用し、ブレスもどきを受け流した。投擲部隊も一時撤退をし、今度は砲丸投げ部隊が空に上がったドラゴンもどきを撃ち落とすフェーズに入った。四方八方から先ほどとは違う鎖がついた鉄球がドラゴンもどきに投げつけられた。
鉄球にはかぎ爪のようなものがついており、引っかかると鎖が垂れ下がった状態になる。本当は地面に固定した状態で投げつけた方が良かったが、ドラゴンもどきの移動経路を最初に予測しての作戦は臨機応変におこないため却下した。
うまい具合に鎖付き鉄球がドラゴンもどきに引っかかっていき、それを外そうとナミはドラゴンもどきをくねらせたり、上昇させようとするが、引っかかった瞬間にオーガたちがその鎖を掴み、地面に杭を打ち込んだりした。
ブレスもどきで打ち込まれた杭もろともどうにかしようと行動が読めるため、それを狙って投擲部隊が頭めがけて集中砲火させた。さすがにこれはうっとうしいので簡単にブレスは撃てなくなる。そうする間に鎖付き鉄球の数が増え、地面に引きずり降ろされ、抵抗するものの地面に縫い付けられる状態になった。
「勝ったな」
俺は勝負あったことを確認し、つぶやいた。
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