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しおりを挟む大都市ルシファーは、俺が思っていた以上に文明が進んでいると感じた。今まで巡ってきた都市とは違い、前の世界であったような高層ビルが存在していた。また、電磁フィールドのようなバリアが大都市全体を覆うように張られていた。
ウェルダンテステーシと大都市ルシファーの近郊で別れをすました。近くによりすぎると大都市の防衛機構から自動迎撃されるため、これ以上は申請しないといけないと言われた。俺たちは面倒ごとを避けるため、都市近郊から歩いて大都市ルシファーへ向かうことになった。ウェルダンテステーシは前にも話した通り、怠惰の森近くの村へ生き、そこで生活するように伝えていたので、旅立っていった。
「ねぇ、レンツ・・・感電したりしないわよね?」
防雷耐性のため、問題ありません。
「ナビが問題ないってさ」
「そう、よかった」
ナミはサイキックでコンテナボックスを浮かせながら、俺はナミを先導する形で大都市ルシファーの門へと向かっていった。車の行き来する道路ではなく、横の歩道っぽいような場所を歩いている。コンテナボックスが車と同じくらい大きいので、目立っていた。
程なくし、門の前まで来るとコンテナボックスについて聞かれ、中身を見せてくれと言われたので見せて、特に問題がないので通された。名前を聞かれたりしたが、特段角無しについては何も問われず、無事に中に入ることができた。
「まずはこのコンテナボックスを置ける宿泊所を見つけてから、探索しましょ」
「そうだな・・・電子案内板があるぞ」
俺は前の世界で見たような案内板を発見した。近寄ってみるとタッチパネル式になっており、今までの都市とは外も中も違うのかと関心して、タッチして宿泊所を探そうとした。
「ん? あれ?」
タッチしても反応しなかった。
「ねぇ、もしかして魔力を出しながら操作するんじゃない?」
「なるほど、そういうことか」
俺は人差し指に魔力の放出をし、タッチパネルを操作してみたら、思ったように反応してくれた。
「ここは魔力を放出することでその恩恵を得られる都市、ってことね」
「そうみたいだな」
案内板から宿泊所がある場所がわかり、コンテナボックスを置けるかどうかもわかったため、目当ての宿泊所に向かった。問題なくチェックインすることができ、車の調達をおこなう事にした。
「この都市なら前よりもいい車を見つけられそうな気がする」
「そうよね、そこらで走ってる車を見るといいのありそうな雰囲気あるわよね。ところで車が売ってる場所ってどこにあるの?」
「ここから一番大きな店だとかなりの距離があるな・・・都市内に交通機関があるからそれに乗っていく感じになるな、ほらあそこに地下に列車が走ってるらしい」
「列車? レールの上を走る車だったかしら、あれって防衛ラインを何年も維持するには楽な補給経路だけどレール潰されると途端に防衛ライン維持できなくて積むわよね」
「都市同士でも列車で行き来可能な平和さがあるのにしていないのは不思議だけどな」
俺たちは地下鉄乗り場に行き、特に魔力の支払いなどもせずに列車に乗り込んだ。乗っている乗客からはギョっとされ、その意味に気づかず発車した。
列車そのものから急激に魔力を吸収される感覚があるが、そもそも魔力保有量に底がない感覚だったのであまり気にならなかった。ナミの方は卵型の武具を指でつんつんしていた。
「これって乗客一人一人から魔力を強制的に吸い出してるのね」
「そうみたいだな」
周りにいる人たちが驚いたのは、おそらく魔力を強制的に吸われるため、見た目的に魔力の放出量から大丈夫なのか? と思われていたのだろう。
数十分後、目的の最寄り駅につき、俺たちは降車して地上へと出た。目当ての車の店や前の世界で見たことがあるような道具を売ってる店などがあった。
「私、ちょっと服見てくるわ。レンツは?」
「俺は車を見てくる。一時間後にここで待ち合わせにするか?」
「うーん、二時間後にしない?」
「わかった、じゃあ二時間後で」
俺とナミはそれぞれ見たいものを見るため一時的に解散し、二時間後に合流することになった。
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