9 / 82
9
しおりを挟む
翌日、マナチと共に目覚めテントから出る。丁度、ムッツー、タッツー、ハルミンもテントから出てきてムッツーと目が合った。何か気まずそうな表情をされたが、こちとら何もない。マナチを見て見ろ寝ぐせついてるし、僕も寝ぐせがついている。
まさか、そっちは三人で何かあったのか?
などと考えたが野暮な事だと思い、椅子に座って朝食として栄養抜群のスティック状のお菓子とココア味のプロテインジュースを召喚した。
「ヨーちゃん、朝からそれ食べるの?」
「エネルギー蓄えておこうと思って、マナチもどう?」
「わ、私はやめておく」
マナチも椅子に座り、水と豆の缶詰を召喚し、もぐもぐと食べだした。
この召喚の便利な所は、ストリーやフォークや箸なども意識すると一緒に出てくる所だ。食べ終えた後はいらないと思えば消えてくれるので、ゴミをそこらへんに捨てずに済んだ。
二人で朝飯を食べているとツバサとジュリが起きだし、テントから出てきた。二人一緒のテントでアーミーナイフについて夜遅くまで調べていたのだろうか、とても眠そうな顔をしていた。
ムッツーたちも僕らと同じように朝食をはじめ、ジュリとツバサもそれに続いた。
昨日のことを思い出し、このよくわからない場所に来る前までまともに女子と話す事もなかったというかボッチだった頃を思い出して、今がモテ期なのかなと思った。無表情クールキャラを目指していたら、気が付いたらただの社交性ゼロの何考えてるのか分からないやつという位置づけになってた。
だが、今はなんかやっていけそうだと思った。
「ねぇ、ヨーちゃん……それ本当においしいの?」
僕は新たにもう一個栄養抜群のスティック状のお菓子を召喚し、マナチに渡した。僕は正直、美味しいとは思えないがもしかしたらマナチは美味しいと感じるかもしれない。
包装を開けて、ひとかじりする時に、僕は思っている事を口にした。
「僕は正直、美味しいとは思わないけれどもしかしたらマナチは美味しいと感じるかもしれない」
「……」
口に含んだ後に、とても微妙な顔をしていた。美味しくなかったようだ。
「すまない?」
「すまないじゃないよ! うええぇ」
マナチは口に残る味を顔と声で表現し、水が入ったペットボトルを出して口の中を洗った。
「残ったこれどうしよ……」
「消えろ、って念じると消えるよ」
「えっ、ほんと? あ、ほんとだ」
僕は、マナチに惚れている。だが、非日常的な状況だからこそ、情緒がそういう風になってしまうってモテたいが為にかったモテる為のハウツー本に書いてあった。僕はその状態になっているとわかっている。でも惚れちゃった。
だが、そんなつもりじゃなかったのに案件になる可能性もある。そうなってくると今のこの状況下でボッチ以上に過酷な状況になる。それだけは避けたいとなると、やはりここはいいお友達でいるしかない。
「食べ終えたら、この瓦礫の山がどんなところか探そう。準備が出来たら荷物を片づけておくように」
ムッツーがみんなにアナウンスした。僕は食べ終えるとテントの中に戻り、着替え、防具を身に着けた。するとテントにマナチが入ってきたので驚いた。丁度、着替え終えたので僕はテントの外に出た。
「先に外で待ってるな」
「うん、ありがとう」
さすがに同じ空間にはいられない。心臓に悪い。
僕はアーミーナイフを取り出し、これに不思議な力があるのかと疑った。特に普通のアーミーナイフだし、不思議な力があるかどうか、わからない。この見知らぬ場所にどうやってきたのかわからないが、アビリティ・スキルに表示されたものを召喚できる。
召喚が出来るが、このアーミーナイフのおかげかどうかはわからない。でも、なんとなくこれを手放してはいけない気がしていた。
程なくするとマナチが着替え終え、テントから出てきた。他のみんなも準備が出来たのか、テントやテーブルなどを消していった。来た時と同じようながらんとした空き地になり、ここにキャンプしていたという痕跡が残ってない状態になった。
ここに戻ってくるかどうかなんてわからないし、何か残しておくというのはなんか危険な感じがした。よくわからないがなんとなく、そう感じたのだ。
「よし、それじゃとりあえずあの光りがある方角に向かって探索していこう」
ムッツーが取り仕切るとみんな彼女についていった。
まさか、そっちは三人で何かあったのか?
などと考えたが野暮な事だと思い、椅子に座って朝食として栄養抜群のスティック状のお菓子とココア味のプロテインジュースを召喚した。
「ヨーちゃん、朝からそれ食べるの?」
「エネルギー蓄えておこうと思って、マナチもどう?」
「わ、私はやめておく」
マナチも椅子に座り、水と豆の缶詰を召喚し、もぐもぐと食べだした。
この召喚の便利な所は、ストリーやフォークや箸なども意識すると一緒に出てくる所だ。食べ終えた後はいらないと思えば消えてくれるので、ゴミをそこらへんに捨てずに済んだ。
二人で朝飯を食べているとツバサとジュリが起きだし、テントから出てきた。二人一緒のテントでアーミーナイフについて夜遅くまで調べていたのだろうか、とても眠そうな顔をしていた。
ムッツーたちも僕らと同じように朝食をはじめ、ジュリとツバサもそれに続いた。
昨日のことを思い出し、このよくわからない場所に来る前までまともに女子と話す事もなかったというかボッチだった頃を思い出して、今がモテ期なのかなと思った。無表情クールキャラを目指していたら、気が付いたらただの社交性ゼロの何考えてるのか分からないやつという位置づけになってた。
だが、今はなんかやっていけそうだと思った。
「ねぇ、ヨーちゃん……それ本当においしいの?」
僕は新たにもう一個栄養抜群のスティック状のお菓子を召喚し、マナチに渡した。僕は正直、美味しいとは思えないがもしかしたらマナチは美味しいと感じるかもしれない。
包装を開けて、ひとかじりする時に、僕は思っている事を口にした。
「僕は正直、美味しいとは思わないけれどもしかしたらマナチは美味しいと感じるかもしれない」
「……」
口に含んだ後に、とても微妙な顔をしていた。美味しくなかったようだ。
「すまない?」
「すまないじゃないよ! うええぇ」
マナチは口に残る味を顔と声で表現し、水が入ったペットボトルを出して口の中を洗った。
「残ったこれどうしよ……」
「消えろ、って念じると消えるよ」
「えっ、ほんと? あ、ほんとだ」
僕は、マナチに惚れている。だが、非日常的な状況だからこそ、情緒がそういう風になってしまうってモテたいが為にかったモテる為のハウツー本に書いてあった。僕はその状態になっているとわかっている。でも惚れちゃった。
だが、そんなつもりじゃなかったのに案件になる可能性もある。そうなってくると今のこの状況下でボッチ以上に過酷な状況になる。それだけは避けたいとなると、やはりここはいいお友達でいるしかない。
「食べ終えたら、この瓦礫の山がどんなところか探そう。準備が出来たら荷物を片づけておくように」
ムッツーがみんなにアナウンスした。僕は食べ終えるとテントの中に戻り、着替え、防具を身に着けた。するとテントにマナチが入ってきたので驚いた。丁度、着替え終えたので僕はテントの外に出た。
「先に外で待ってるな」
「うん、ありがとう」
さすがに同じ空間にはいられない。心臓に悪い。
僕はアーミーナイフを取り出し、これに不思議な力があるのかと疑った。特に普通のアーミーナイフだし、不思議な力があるかどうか、わからない。この見知らぬ場所にどうやってきたのかわからないが、アビリティ・スキルに表示されたものを召喚できる。
召喚が出来るが、このアーミーナイフのおかげかどうかはわからない。でも、なんとなくこれを手放してはいけない気がしていた。
程なくするとマナチが着替え終え、テントから出てきた。他のみんなも準備が出来たのか、テントやテーブルなどを消していった。来た時と同じようながらんとした空き地になり、ここにキャンプしていたという痕跡が残ってない状態になった。
ここに戻ってくるかどうかなんてわからないし、何か残しておくというのはなんか危険な感じがした。よくわからないがなんとなく、そう感じたのだ。
「よし、それじゃとりあえずあの光りがある方角に向かって探索していこう」
ムッツーが取り仕切るとみんな彼女についていった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる