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13.ジレンマ
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それからまもなくアクエリアスとハロルドの挙式が執り行われた。
そして正式に王女の配偶者となったハロルドには、ユリウスの元で王配としてのOJT教育が始まった。
もうヘミングウエイという後継者もいることから、ヘミングウエイが立位するまでのつなぎとしての王の役割を担うことになったわけだが、ユリウスはそれまで「儂が頑張る」と言って、きかない。
ラスベガスの魔道具店は、当然のことながら閉店に追い込まれてしまう。
まさか王女殿下ご夫妻が経営されていた店だと知らずに購入していたお客様は、残念がるよりも、恐れ多いと感じ、最後の日には、花束を抱え、たくさんのお客様が来店してくださった。
「いつか言っていらした動く階段を楽しみにしています」
「ええ。まずは王城に試作品を作り、うまくいけば、各ステーションに配置するつもりでいるわ。お年寄りでも楽に階段の昇降ができるようにするつもりでいるのよ」
本当はエレベーターも作りたいけど、それは少し面倒なことになりかねないのでエスカレーターで辛抱している。
「アクエリアス様、万歳!ハロルド様、万歳!」
「ラスベガスを忘れないでくださいね」
「いつでも遊びにいらしてください」
お客様と手を振りながら別れを惜しんだ。
店舗付き住宅をどうしようかと思って、悩んでいる。なんせこの建物は金貨1枚で買い、新婚時代を過ごした思い出の象徴。中の魔道具はすべて亜空間の中に入れているが、建物をラスベガスに置いていくか、王都に持って行くか、まだ思案している。
結局、建物はラスベガスに置いて置くことにした。なぜならここを拠点として、いつでも行き来ができるから、一人になりたいとき、海が見たいときなど、この建物を拠点として、いつでも来られる。
子供たちがそこそこ大きくなれば、この建物を秘密基地として遊ぶこともできるから、お城と行き来できるように魔方陣を残しておく。
乳母も正式に任命され、アクエリアスは授乳を卒業して、次の出産準備に入ることになった。
女って、つくづく哀れな生き物だと思うわ。特に貴族令嬢以上になれば、夫に愛想を振りまいて抱かれて、子供を産む為だけの存在になる。
子供が生まれたら、また次の子供を産む為の道具になるだけ、王女として社交界に君臨しても、女王になったとしても、結局は次の世継ぎを産む為の「お腹」でしかない。
子供を産む道具としての役割が終われば、子育てをするわけでもなく夫の性欲処理に成り下がるだけ。でないと、夫がもし外で子供を作るようなことにでもなれば、自分の子供の将来にかかわることになりかねない。
だからいつまでも綺麗に化粧をして、体型を維持し、閨の魅力が高まるような努力をし続けなければならない。夫に抱かれ続けるために。
それにしてもヒロインはどこへ行ってしまったのか?ヒロインの行く末がわからないうちは、安心できない。
-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
その頃のヒロインことフローラルは、すっかりニート生活に慣れ親しんで、こんな怠惰で素晴らしい人生はないと謳歌している。
15歳の時、身長150センチ体重42キロだったのが、今や18歳になり、身長は変わらないものの体重は71キロを超えてしまっている。
すっかりドラム缶体型になっているのだが、それもそのはず、毎日食っちゃ寝を繰り返しているだけだから、ロクに運動もしていない。育ち盛りの時に、ごろごろしていたから、横には伸びても縦には伸びなかったのか?
あれほど恋焦がれていたハロルドのことも、今ではすっかり諦めていて、というか、逢えないからどんな男性だったかもよく覚えていない。
ただヒロインの相手役としては申し分がないぐらい綺麗な顔立ちをしていたことは確か。
フローラルは、乙女ゲームのヒロインとして転生したことを自覚しだしたのは、今から4年前のこと。
前世では短大を卒業して、適当に就活した会社に勤務していた平凡なOLだった。入社してすぐに同期入社の男性と恋に堕ちたが、その男性はただのセフレが欲しかっただけで、小柄な体型に胸だけはデカかったフローラルの前世のカラダを弄んだ。
前世、なんて名前だったか、今では思い出せない。恋人からは、あらゆるところを開発された記憶しかない。
それがある日、会社で別の女性社員といるのを偶然目撃し、唖然となった。恋人だと思っていた同期は、他にも私以外の同期や後輩の女子社員に手を出していたことがわかる。
二股なんて生易しいものではなかったのだ。
そのことが会社にバレ、修羅場になり、彼氏は左遷された。
定期的に抱かれていたカラダは男が欲しくて仕方がなかったが、彼氏はもういない。そのストレスを軽減するために食べては吐くを繰り返した挙句、拒食症に陥ってしまったのだ。
でも拒食症になったからと言って、会社は手加減してくれない。仕事は山のようになり、残業しなければ、こなせなくなった。
そんな時に出会ったのが「王女と男爵令嬢」という乙女ゲームで、男爵令嬢として生まれたヒロインが、実は王家の嫡女で、赤ん坊の時、庶子として生まれた側室?の赤ん坊と取り違えられたとか言うお話だった。
ヒロインは学園に入ると、庶子の王女と顔がよく似ていると噂になり、たちまち王女としてもてはやされていく。真相を調べた王家がヒロインの出自を調べ、間違いなく王女だと認める。
ヒロインは、王女として正式に迎え入れられ、庶子の元王女は、偽王女として断罪される。
そして偽王女の婚約者だったハロルドも、真の王女の前にひれ伏し、偽王女との婚約を破棄し、ヒロインと結婚するという話で乙女ゲームは終了する。はずだったのに……。なぜ3年間も牢に閉じ込められているのか、もう理解ができなくなっている。
このフローラルとして転生できたと知った時は、喜びすぎて、階段から転げ落ちてしまうほどだったけど、今から思えばそれがいけなかったのではないかという気がする。
その時に打ちどころが悪くて、バカになったのかもしれない。ヒロインとして認められる学園の入学試験は最悪だった。
前世の記憶なんて、特に勉強が嫌いだったから、短大もAO(自己推薦型入試、主に作文と面接だけで合格)で入学したぐらい。だから前世の勉強なんて、役に立たなかったし、それでも偽の母に頼んで参考書を買ってもらったけど、見事にチンプンカンプンだった。
せっかく入学してもハロルドからは無視され、王城へ行くも、お父さんからも「ちびデブス」呼ばわりされ、相手にもされなかった。
感動的な父娘の対面を期待していたフローラルからしてみれば、かなりのショックで、その挙句に牢屋暮らしが待っていたけど、これが意外に良かったのよね。
働かなくても、3食ご飯がもらえる。フカフカではないけど、ベッドもある。
憧れのニート生活が楽して簡単に、手に入るとは思ってもみなかったこと。
考えてみれば、前世とプロセスは違うけど、似たような人生を歩んでいるのかもしれない。前世は、拒食症、今世は過食症。
ああ。この生活から脱却しなければ、と思う自分もいれば、イヤイヤせっかく手に入れたニート生活を簡単に諦めて堪るか、という自分もいる。
そんな時、アクエリアス王女がハロルドと結婚式を挙げたという知らせというか、噂が牢番の口から飛び出してきたのだ。
なに!?ヒロインを差し置いて、偽王女が王女面してんじゃねえよ!乙女ゲームの設定を思い出し、怒りに震えるフローラルの姿に牢番も恐れおののく。
そして正式に王女の配偶者となったハロルドには、ユリウスの元で王配としてのOJT教育が始まった。
もうヘミングウエイという後継者もいることから、ヘミングウエイが立位するまでのつなぎとしての王の役割を担うことになったわけだが、ユリウスはそれまで「儂が頑張る」と言って、きかない。
ラスベガスの魔道具店は、当然のことながら閉店に追い込まれてしまう。
まさか王女殿下ご夫妻が経営されていた店だと知らずに購入していたお客様は、残念がるよりも、恐れ多いと感じ、最後の日には、花束を抱え、たくさんのお客様が来店してくださった。
「いつか言っていらした動く階段を楽しみにしています」
「ええ。まずは王城に試作品を作り、うまくいけば、各ステーションに配置するつもりでいるわ。お年寄りでも楽に階段の昇降ができるようにするつもりでいるのよ」
本当はエレベーターも作りたいけど、それは少し面倒なことになりかねないのでエスカレーターで辛抱している。
「アクエリアス様、万歳!ハロルド様、万歳!」
「ラスベガスを忘れないでくださいね」
「いつでも遊びにいらしてください」
お客様と手を振りながら別れを惜しんだ。
店舗付き住宅をどうしようかと思って、悩んでいる。なんせこの建物は金貨1枚で買い、新婚時代を過ごした思い出の象徴。中の魔道具はすべて亜空間の中に入れているが、建物をラスベガスに置いていくか、王都に持って行くか、まだ思案している。
結局、建物はラスベガスに置いて置くことにした。なぜならここを拠点として、いつでも行き来ができるから、一人になりたいとき、海が見たいときなど、この建物を拠点として、いつでも来られる。
子供たちがそこそこ大きくなれば、この建物を秘密基地として遊ぶこともできるから、お城と行き来できるように魔方陣を残しておく。
乳母も正式に任命され、アクエリアスは授乳を卒業して、次の出産準備に入ることになった。
女って、つくづく哀れな生き物だと思うわ。特に貴族令嬢以上になれば、夫に愛想を振りまいて抱かれて、子供を産む為だけの存在になる。
子供が生まれたら、また次の子供を産む為の道具になるだけ、王女として社交界に君臨しても、女王になったとしても、結局は次の世継ぎを産む為の「お腹」でしかない。
子供を産む道具としての役割が終われば、子育てをするわけでもなく夫の性欲処理に成り下がるだけ。でないと、夫がもし外で子供を作るようなことにでもなれば、自分の子供の将来にかかわることになりかねない。
だからいつまでも綺麗に化粧をして、体型を維持し、閨の魅力が高まるような努力をし続けなければならない。夫に抱かれ続けるために。
それにしてもヒロインはどこへ行ってしまったのか?ヒロインの行く末がわからないうちは、安心できない。
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その頃のヒロインことフローラルは、すっかりニート生活に慣れ親しんで、こんな怠惰で素晴らしい人生はないと謳歌している。
15歳の時、身長150センチ体重42キロだったのが、今や18歳になり、身長は変わらないものの体重は71キロを超えてしまっている。
すっかりドラム缶体型になっているのだが、それもそのはず、毎日食っちゃ寝を繰り返しているだけだから、ロクに運動もしていない。育ち盛りの時に、ごろごろしていたから、横には伸びても縦には伸びなかったのか?
あれほど恋焦がれていたハロルドのことも、今ではすっかり諦めていて、というか、逢えないからどんな男性だったかもよく覚えていない。
ただヒロインの相手役としては申し分がないぐらい綺麗な顔立ちをしていたことは確か。
フローラルは、乙女ゲームのヒロインとして転生したことを自覚しだしたのは、今から4年前のこと。
前世では短大を卒業して、適当に就活した会社に勤務していた平凡なOLだった。入社してすぐに同期入社の男性と恋に堕ちたが、その男性はただのセフレが欲しかっただけで、小柄な体型に胸だけはデカかったフローラルの前世のカラダを弄んだ。
前世、なんて名前だったか、今では思い出せない。恋人からは、あらゆるところを開発された記憶しかない。
それがある日、会社で別の女性社員といるのを偶然目撃し、唖然となった。恋人だと思っていた同期は、他にも私以外の同期や後輩の女子社員に手を出していたことがわかる。
二股なんて生易しいものではなかったのだ。
そのことが会社にバレ、修羅場になり、彼氏は左遷された。
定期的に抱かれていたカラダは男が欲しくて仕方がなかったが、彼氏はもういない。そのストレスを軽減するために食べては吐くを繰り返した挙句、拒食症に陥ってしまったのだ。
でも拒食症になったからと言って、会社は手加減してくれない。仕事は山のようになり、残業しなければ、こなせなくなった。
そんな時に出会ったのが「王女と男爵令嬢」という乙女ゲームで、男爵令嬢として生まれたヒロインが、実は王家の嫡女で、赤ん坊の時、庶子として生まれた側室?の赤ん坊と取り違えられたとか言うお話だった。
ヒロインは学園に入ると、庶子の王女と顔がよく似ていると噂になり、たちまち王女としてもてはやされていく。真相を調べた王家がヒロインの出自を調べ、間違いなく王女だと認める。
ヒロインは、王女として正式に迎え入れられ、庶子の元王女は、偽王女として断罪される。
そして偽王女の婚約者だったハロルドも、真の王女の前にひれ伏し、偽王女との婚約を破棄し、ヒロインと結婚するという話で乙女ゲームは終了する。はずだったのに……。なぜ3年間も牢に閉じ込められているのか、もう理解ができなくなっている。
このフローラルとして転生できたと知った時は、喜びすぎて、階段から転げ落ちてしまうほどだったけど、今から思えばそれがいけなかったのではないかという気がする。
その時に打ちどころが悪くて、バカになったのかもしれない。ヒロインとして認められる学園の入学試験は最悪だった。
前世の記憶なんて、特に勉強が嫌いだったから、短大もAO(自己推薦型入試、主に作文と面接だけで合格)で入学したぐらい。だから前世の勉強なんて、役に立たなかったし、それでも偽の母に頼んで参考書を買ってもらったけど、見事にチンプンカンプンだった。
せっかく入学してもハロルドからは無視され、王城へ行くも、お父さんからも「ちびデブス」呼ばわりされ、相手にもされなかった。
感動的な父娘の対面を期待していたフローラルからしてみれば、かなりのショックで、その挙句に牢屋暮らしが待っていたけど、これが意外に良かったのよね。
働かなくても、3食ご飯がもらえる。フカフカではないけど、ベッドもある。
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考えてみれば、前世とプロセスは違うけど、似たような人生を歩んでいるのかもしれない。前世は、拒食症、今世は過食症。
ああ。この生活から脱却しなければ、と思う自分もいれば、イヤイヤせっかく手に入れたニート生活を簡単に諦めて堪るか、という自分もいる。
そんな時、アクエリアス王女がハロルドと結婚式を挙げたという知らせというか、噂が牢番の口から飛び出してきたのだ。
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