ポンコツ聖女と呼ばないで

青の雀

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10.挙式

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 やがて結婚式の日を迎えます。結局、あの日の仕立て屋で、ジェニファーはビックリするぐらいの量のドレスを作る羽目になってしまい、もったいないのでは、と心配する。

 ハロイドは、3国がお金を出し合うのだから、それに結婚したら、また3国の間を巡礼しなければならないから、ドレス代ぐらい安いものだと言う。

 ウエディングドレスはさすがに1着だけだったけど、カクテルドレス、イヴニングドレス、3国だから、300着以上のドレスを選ぶ羽目に。デザインブックと生地を選ぶだけで、もう寝込むぐらいヘトヘトになってしまう。

 その後の仮縫いだけで、1か月かかり、その間、朝のお祈りだけしかできなかったほどで、ハロイド様との愛の交歓も、疲れ果ててしまって、ロクにできない。

 ハロイド様もジェニファーも欲求不満の権化となるところで、ようやく仮縫いが終わり、これで思う存分できると思ったら、今度は2度目の仮縫いをするという。

 冗談じゃないわよ!ったく勘弁してよ!

 国家がお金を出しているので、少しでもおかしなところがあれば、それぞれの国家の威信にかかわるところだか、なんだか知らないけど、コチトラは、早く愛し合いたいのよ。

 でも2度目の仮縫いは、1度目ほど大げさではなく、もうほとんどカタチとしてなっている者に、最終的な調整が加わるだけだったので、それほどカラダに負担はかからず、早めに切り上げて、ゆっくり夕食をとり、それから二人一緒にお風呂に入り、そこでイチャイチャして、ベッドに行ってから、また、ムフフをして、キスマークをお互いのカラダにつけること以外は、何でもできるので、それだけで満足で、幸せだった。

 ジェニファーは、表向きはハロイドと結婚したようなものだが、実際のところは3国から囲われているようなもの。

 月々のお手当てをハロイドが一括して受け取り管理している。

 別にいいけど、年寄りの国王陛下に順番に抱かれるよりは、ハロイド一人の方がありがたい。

 何よりまた、王家の機嫌を損ねて、追い出される心配がない。

 だから、これから作ってもらったドレスを毎日着て、それぞれの国の御機嫌取りをしに行かなくてはならないらしい。

 いいわよ。それぐらい。だって、これからは一人ではないもの。いつもハロイドが側にいてくれる安心感があるもの。

 結婚式を無事終え、自治区の夫婦の寝室に入った時には、もう倒れ込むようにベッドにダイブした。

 もう、今日だけは、発情しないで、そのままゆっくり寝かせてほしいと思っていたら、ハロイドも同じ気持ちでいることがわかる。

 そらそうよね。連日だもの。

 でも、今日、慌ててやろうと言ってくれなくて、ありがとう。

 ハロイドのこういうところが好きなの。

 無理せず、自然体で。

 これから二人の時間をたくさん作っていけばいい。

 もう、どこにもいかない予定だから。
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