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9.自治区
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ハロイドとの婚約は、水面下で隠密裏に進めました。もし、チャールズの耳にでも入れば、邪魔されるかもという危惧があり、ウエディングドレスも聖女服を手直ししているように装いながら、準備する。
ハロイドの両親から、バルセロナ国王毛連絡が入り、バルセロナ国王は、マドリード国とアンドロメダ国に連絡し、3国で協議することになったのだ。
「聖女様を追放したサラシア国のようになりたくなければ、ここは3国の中間点あたりに自治区を作り、そこに聖女様のお住まいを定めてはどうかと思う。異存がなければ、場所の選定に移りたいと思うのだが……?」
「異議はございません。しかし、まことでござろうか?大石、小岩が天から降ってきたというのは?」
「聖女様の地位は、女神さまに次ぐものだからな。可能性は十分に考えられる。」
「他の国では、誤って聖女様を処刑した場合、人間をG虫の姿に変えられ踏み潰されたという話も聞いたことがある。」
「とても一国のいや、3国の軍隊では、到底及ばない。くれぐれも粗相のなきよう、そしてご不興を買わないように気をつけねばなるまい。」
「うむ。我々で、情報を共有しようではないか?」
「それにしてもよくハロイド殿が、聖女様を射止められましたね。」
「実にめでたい。なまじ王家とかかわりがないのがよい。」
「もし夫婦げんかがこじれても、王家は知らぬ存ぜぬを通せますからな。」
「その通り。ハロイドには、人柱になってもらおう。」
「「「がはははは。」」」
自治区の場所は、3国の国境の真ん中に作られることになった。自治区の外へ出ようとすると、必ず3国のどこかにでなければ、外国へは行けない。
聖女様がその自治区にいる限りは、3国に加護が授けられ、3国とも安泰というわけになる。
自治区の名称は、アンダーソン自治区となり、結婚式は自治区で行われるように3国が手配したのだ。
チャールズは地団駄を踏むも、父のアンドロメダ国王から諭され、渋々、自治区に協力するようになる。
3国の合言葉は、「サラシアにならない。」で一致するも、当のジェニファーには、何のことだかわからないでいる。
さすがにハロイドは意味が分かっているが、いくらジェニファーが聞いても、教えてくれない。
妻になる女性に言えないのは、ジェニファーが悲しむことになるかもしれないというハロイドの気遣いで、仲間外れにしているわけではない。
追い出したのは、あくまでサラシアの王太子が決めたことなので、ジェニファーには、何も責任がない。
それでもジェニファーは優しいから、事実を知れば、きっと悲しむだろう。
ジェニファーとハロイドは結婚式を待たずして、閨を共にしているが、そこでも執拗に合言葉を聞いてくることに、ほとほと弱り果てている。
「ねえ、ダーリン教えて。」
ジェニファーはハロイドの首に手を回し、バストの谷間をハロイドに見せつけるように誘惑する。
「甘えても、ダメ。」
「ええ?どうして?」
「夫婦の間で隠し事は良くないわ。そうでしょ?」
「うん。サラシアのことなんだ。君が不愉快な思いをするから黙っているのだよ。」
そういわれると、またセレンティーヌがジェニファーのことを「ポンコツ」呼ばわりしていることだと思い込み、思わず口を噤んで、下を向いてしまう。
「ほらね。昔のことでもイヤなことを思い出すだろ?だから、もうこの話はおしまい。おいで、ジェニファー愛しているよ。」
「ハロイド。嫌なこと全部、わたくしの記憶から追い出してちょうだい。それぐらい激しく抱いて。」
「もちろん。愛している。」
言葉通り、その夜のジェニファーは乱れまくり、本当に忘れてしまいたい記憶を一時的にも快楽と引き換えにしたようだった。
翌朝は、ケロリとした様子で、甲斐甲斐しくハロイドの身の回りの世話を焼く、いい奥さんぶりを発揮している。
「ああ、そうだ。今日、マドリード国から仕立て屋が来るから、好きなドレスを選びなさい。その時までには、帰る予定だが、送れたら、侍女と気に入ったものを選びなさい。」
「ありがとうございます。」
家計の官吏は、すべてハロイドがしてくれている。
ジェニファーの仕事は、聖女様の役目とハロイドの夜のお相手だけ。でも、ハロイドのカラダは予想をはるかに上回るぐらいイイ。
一度抱かれたら、もう他の男性に目が行かなくなるぐらいビッグサイズだったのだ。
硬くて、太くて、力強い所が好き。考えただけで、まだ朝だというのに、顔に熱が集まってきていることがわかる。
イヤだわ。恥ずかしい。
平然を装いながらも、もう濡れて……、ハロイドなしにはもう生きていけないカラダになってしまったことに困惑している。
そこに、おしゃべりチャールズがフレンドリーな微笑みと共に、やってくる。
ジェニファーに何かと絡んできて、もう、間違えても、殿下の奥様にはなりませんよ。とハッキリ言ってやろうかという気になる。
ハロイドの両親から、バルセロナ国王毛連絡が入り、バルセロナ国王は、マドリード国とアンドロメダ国に連絡し、3国で協議することになったのだ。
「聖女様を追放したサラシア国のようになりたくなければ、ここは3国の中間点あたりに自治区を作り、そこに聖女様のお住まいを定めてはどうかと思う。異存がなければ、場所の選定に移りたいと思うのだが……?」
「異議はございません。しかし、まことでござろうか?大石、小岩が天から降ってきたというのは?」
「聖女様の地位は、女神さまに次ぐものだからな。可能性は十分に考えられる。」
「他の国では、誤って聖女様を処刑した場合、人間をG虫の姿に変えられ踏み潰されたという話も聞いたことがある。」
「とても一国のいや、3国の軍隊では、到底及ばない。くれぐれも粗相のなきよう、そしてご不興を買わないように気をつけねばなるまい。」
「うむ。我々で、情報を共有しようではないか?」
「それにしてもよくハロイド殿が、聖女様を射止められましたね。」
「実にめでたい。なまじ王家とかかわりがないのがよい。」
「もし夫婦げんかがこじれても、王家は知らぬ存ぜぬを通せますからな。」
「その通り。ハロイドには、人柱になってもらおう。」
「「「がはははは。」」」
自治区の場所は、3国の国境の真ん中に作られることになった。自治区の外へ出ようとすると、必ず3国のどこかにでなければ、外国へは行けない。
聖女様がその自治区にいる限りは、3国に加護が授けられ、3国とも安泰というわけになる。
自治区の名称は、アンダーソン自治区となり、結婚式は自治区で行われるように3国が手配したのだ。
チャールズは地団駄を踏むも、父のアンドロメダ国王から諭され、渋々、自治区に協力するようになる。
3国の合言葉は、「サラシアにならない。」で一致するも、当のジェニファーには、何のことだかわからないでいる。
さすがにハロイドは意味が分かっているが、いくらジェニファーが聞いても、教えてくれない。
妻になる女性に言えないのは、ジェニファーが悲しむことになるかもしれないというハロイドの気遣いで、仲間外れにしているわけではない。
追い出したのは、あくまでサラシアの王太子が決めたことなので、ジェニファーには、何も責任がない。
それでもジェニファーは優しいから、事実を知れば、きっと悲しむだろう。
ジェニファーとハロイドは結婚式を待たずして、閨を共にしているが、そこでも執拗に合言葉を聞いてくることに、ほとほと弱り果てている。
「ねえ、ダーリン教えて。」
ジェニファーはハロイドの首に手を回し、バストの谷間をハロイドに見せつけるように誘惑する。
「甘えても、ダメ。」
「ええ?どうして?」
「夫婦の間で隠し事は良くないわ。そうでしょ?」
「うん。サラシアのことなんだ。君が不愉快な思いをするから黙っているのだよ。」
そういわれると、またセレンティーヌがジェニファーのことを「ポンコツ」呼ばわりしていることだと思い込み、思わず口を噤んで、下を向いてしまう。
「ほらね。昔のことでもイヤなことを思い出すだろ?だから、もうこの話はおしまい。おいで、ジェニファー愛しているよ。」
「ハロイド。嫌なこと全部、わたくしの記憶から追い出してちょうだい。それぐらい激しく抱いて。」
「もちろん。愛している。」
言葉通り、その夜のジェニファーは乱れまくり、本当に忘れてしまいたい記憶を一時的にも快楽と引き換えにしたようだった。
翌朝は、ケロリとした様子で、甲斐甲斐しくハロイドの身の回りの世話を焼く、いい奥さんぶりを発揮している。
「ああ、そうだ。今日、マドリード国から仕立て屋が来るから、好きなドレスを選びなさい。その時までには、帰る予定だが、送れたら、侍女と気に入ったものを選びなさい。」
「ありがとうございます。」
家計の官吏は、すべてハロイドがしてくれている。
ジェニファーの仕事は、聖女様の役目とハロイドの夜のお相手だけ。でも、ハロイドのカラダは予想をはるかに上回るぐらいイイ。
一度抱かれたら、もう他の男性に目が行かなくなるぐらいビッグサイズだったのだ。
硬くて、太くて、力強い所が好き。考えただけで、まだ朝だというのに、顔に熱が集まってきていることがわかる。
イヤだわ。恥ずかしい。
平然を装いながらも、もう濡れて……、ハロイドなしにはもう生きていけないカラダになってしまったことに困惑している。
そこに、おしゃべりチャールズがフレンドリーな微笑みと共に、やってくる。
ジェニファーに何かと絡んできて、もう、間違えても、殿下の奥様にはなりませんよ。とハッキリ言ってやろうかという気になる。
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