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第2章
67.二人目の聖女様3
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今度の旅空は、さすがにちょっとした団体なので、船を飛ばしていくことにした。
「しかし、聖女様を騙るなど何者でしょうかね?」
「さあ?本当に二人目なのかもしれないし、神様の手違いでもあったのかしらね」
先ほどのゲートを閉じていなかったので、簡単にムーラン国まで行くことができたのだ。
教会らしき建物を上空から探す。埒が明かないので、探索魔法を繰り出して探すと、すんなり見つかった。教会の近くの空き地に船を着陸させ、そのまま空中クローゼットの中にしまい込む。
教皇様は、ちょうど聖職者用のローブを着ていらっしゃったので、先に教皇様が教会の中へ入っていかれる。
その後をクリストファー殿下、ジェニファーと順に入っていく。
「少しお尋ねしたき義がございまして、私はアルカイダ国国教会の教皇でヨハネ3世と申すものでございます」
「しばらく、お待ちくださいませ」
修道士と思しき男性が慌てて、奥へ入っていく。
間もなく、立派な白いおひげを蓄えたご老人が来られる。司祭様のようだ。
「はて、ご用向きとは?」
「実は、こちらにいらっしゃるのはジェニファー聖女様でして、この度、ムーラン国の隣シドニー国の王太子殿下とご結婚が決まりまして、近隣国へ、ご挨拶を兼ねて参った次第でございます」
「なんと!それは、おめでとうございます。大国の聖女様がこんな鄙びた教会にまで足を運んでいただき恐悦至極の喜びでございます」
「噂によりますと、ムーラン国にも聖女様が出現されたと伺います。ぜひ、聖女様同士ご親交を深めたいと仰せでございますので、ぜひともお引き合わせの方、よろしくお願いします」
「滅相もない。我が国に聖女様など、いらっしゃいませんが……何か、お間違えなどではないでしょうか?それに、聖女様は、ご存知の通り、1000年に一度しか出現されません。ジェニファー様が聖女様であらせられるのであれば、唯一無二の存在がジェニファー様のほかにいらっしゃるわけがございません」
そうよね。その認識よね。
「初めまして、私は隣国シドニー国の王太子でクリストファー・フォン・シドニーと申します。実は、我が国の学園にムーラン国出身の少女が聖女様の名乗りを上げたものでして……」
「な、なんと、仰せで?そのものの名前はわかりますか?」
「はい。市井で暮らしていたリリアーヌと申す少女です。私の婚約者であるジェニファー聖女様は、二人も聖女が発現するからには、何か意味があるのでは?と申し、不吉な前兆ではないかと推論を立て、心配しております」
「なるほど。不吉の前兆でございますか?それは一理あるかと存じますが、そのリリアーヌという娘に会わせていただきたいです。ムーラン教会では、そのような娘を聖女様と認めておりません。ですから国王陛下に進言し、その少女の身柄を引き渡していただけませんでしょうか?」
「はい。これから国王様のところへ参る所存ですが、ご一緒されますか?」
「ぜひとも、お願いします」
教会の馬車駐めから船を出し、乗り込んでいると、白髭の司祭様までもが、その船に乗船されることになったのだ。
「陸の上を船で走るとは、珍妙ですな」
ジェニファーは、ニッコリ微笑み、
「お城の場所を教えていただきたいので、船首の方へ移動していただけますか?」
まさか、空から行くとは、思っていなかった司祭様は、空へ上がった途端、ビックリして腰を抜かされ、お城で、治癒魔法をかけて差し上げると、恐縮されまくって、おかしいほどでしたわ。
国王陛下への謁見の申し込みは、司祭様がしていただいて、本来なら教会は謁見の申し込みなしで、国王と会えるのだけど、ジェニファーたちがついてきているので、わざわざ謁見の申し込みをしてくださったというわけ。
「しかし、聖女様を騙るなど何者でしょうかね?」
「さあ?本当に二人目なのかもしれないし、神様の手違いでもあったのかしらね」
先ほどのゲートを閉じていなかったので、簡単にムーラン国まで行くことができたのだ。
教会らしき建物を上空から探す。埒が明かないので、探索魔法を繰り出して探すと、すんなり見つかった。教会の近くの空き地に船を着陸させ、そのまま空中クローゼットの中にしまい込む。
教皇様は、ちょうど聖職者用のローブを着ていらっしゃったので、先に教皇様が教会の中へ入っていかれる。
その後をクリストファー殿下、ジェニファーと順に入っていく。
「少しお尋ねしたき義がございまして、私はアルカイダ国国教会の教皇でヨハネ3世と申すものでございます」
「しばらく、お待ちくださいませ」
修道士と思しき男性が慌てて、奥へ入っていく。
間もなく、立派な白いおひげを蓄えたご老人が来られる。司祭様のようだ。
「はて、ご用向きとは?」
「実は、こちらにいらっしゃるのはジェニファー聖女様でして、この度、ムーラン国の隣シドニー国の王太子殿下とご結婚が決まりまして、近隣国へ、ご挨拶を兼ねて参った次第でございます」
「なんと!それは、おめでとうございます。大国の聖女様がこんな鄙びた教会にまで足を運んでいただき恐悦至極の喜びでございます」
「噂によりますと、ムーラン国にも聖女様が出現されたと伺います。ぜひ、聖女様同士ご親交を深めたいと仰せでございますので、ぜひともお引き合わせの方、よろしくお願いします」
「滅相もない。我が国に聖女様など、いらっしゃいませんが……何か、お間違えなどではないでしょうか?それに、聖女様は、ご存知の通り、1000年に一度しか出現されません。ジェニファー様が聖女様であらせられるのであれば、唯一無二の存在がジェニファー様のほかにいらっしゃるわけがございません」
そうよね。その認識よね。
「初めまして、私は隣国シドニー国の王太子でクリストファー・フォン・シドニーと申します。実は、我が国の学園にムーラン国出身の少女が聖女様の名乗りを上げたものでして……」
「な、なんと、仰せで?そのものの名前はわかりますか?」
「はい。市井で暮らしていたリリアーヌと申す少女です。私の婚約者であるジェニファー聖女様は、二人も聖女が発現するからには、何か意味があるのでは?と申し、不吉な前兆ではないかと推論を立て、心配しております」
「なるほど。不吉の前兆でございますか?それは一理あるかと存じますが、そのリリアーヌという娘に会わせていただきたいです。ムーラン教会では、そのような娘を聖女様と認めておりません。ですから国王陛下に進言し、その少女の身柄を引き渡していただけませんでしょうか?」
「はい。これから国王様のところへ参る所存ですが、ご一緒されますか?」
「ぜひとも、お願いします」
教会の馬車駐めから船を出し、乗り込んでいると、白髭の司祭様までもが、その船に乗船されることになったのだ。
「陸の上を船で走るとは、珍妙ですな」
ジェニファーは、ニッコリ微笑み、
「お城の場所を教えていただきたいので、船首の方へ移動していただけますか?」
まさか、空から行くとは、思っていなかった司祭様は、空へ上がった途端、ビックリして腰を抜かされ、お城で、治癒魔法をかけて差し上げると、恐縮されまくって、おかしいほどでしたわ。
国王陛下への謁見の申し込みは、司祭様がしていただいて、本来なら教会は謁見の申し込みなしで、国王と会えるのだけど、ジェニファーたちがついてきているので、わざわざ謁見の申し込みをしてくださったというわけ。
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