ブチギレ令嬢の復讐婚~親友と浮気され婚約破棄、その上結婚式場として予定していた場所まで提供してほしいと言われ💔

青の雀

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第3章

78.思い出の旅4

「なんだか聖女様の力が凄すぎて、自分の娘だと思えなくなってしまうよ」

「今までの父は、みんなそうだったと思います。母は、いいところへお嫁に行けるとか、贅沢できるなど言っていましたわ」

「妻もそのクチだ」

「でも、この聖女島は観光だけしか売りがないので、お母様にはピッタリかもしれませんね」

 言いながら、問題の国、ムーランへの扉を開ける。

 そこは、王城の目の前、ジェニファーは、両頬を軽くたたき、気合を入れる。

 門番に手紙の主が来たことを伝えると、門番は慌てて王城の中へと消える。

「聖女様、どうぞこちらへ」

「懐かしいわ。もう白髭の司祭様もお亡くなりになっていますよね?」

「遠路はるばるお越しいただいて、今日も空からでございますか?」

「いいえ、父の商会の仕入れがてら、お手紙を頂いたので、転移魔法で来ましたのよ」

 その時、バタバタと走ってくるような足音が聞こえる。それは、たぶん国王陛下だと思う。

「この方が伝説の聖女様か」

「初めましてですわね?」

「おお、そうであった。わが国では、今から100年ほど前に偽聖女を輩出してしまって、申し訳ございません」

「もう、済んだことですし、リリアーヌ様はあれから、いかがされましたか?」

「近所に住む平民と、ケロっとして結婚し、曾曾孫が成人したあたりでしょうか?」

「さようでございますか?それで、ご用件というのは」

「聖女様とそのご家族様に、ムーラン国に移住していただけないかと思いまして」

「それはできないご相談ですわ。ご存知の通り、聖女様は1000年に一度しか存在しえない。ですが、人間の寿命は100年を切っています。残り900年を聖女様なしでは、人々は暮らしていけません。そこで神の思し召し、つまりメッセージを伝えるために、初代の聖女が転生を繰り返して、存在しているというわけです。前世のわたくしは、シドニー国に王妃として、存在してしまいましたから、今世は、まったく別の国で活躍しなければなりません。ですから、その儀ばかりは、何卒、ご容赦くださいませ」

「しかしながら偽聖女様を輩出したという悪いイメージを払しょくするには、聖女様にこの国を統治していただきたいのです」

「?……つまりは、わたくしに、この国を下さるということでよろしゅうございますの?それは……少し……、確かに前世も、その前の前々世も、王妃としての役目は果たしましたが……」

「ですから、聖女様が気に入った男性と結婚して、その方を王配として迎えれば、問題がないでしょう?」

「え……と、王配候補のお心当たりの方が……?」

「滅相もございません。むしろ、聖女様にはこんな小国の王を押し付けるような格好になり、すまないと思っておる次第でございますから、できればムーラン国を聖女国としていただきたいだけなのです。私と妻の間には、子がおりませぬ。このままでは、この国は没落してしまいます。できれば、ご家族の方ともども、この王家に入っていただきたいのです」

 ということは、父がムーランの国王になるってこと?これはさすがに……。父を見ると真剣に考えこんでいる様子。ひょっとして、やる気ある?

 もしそうならば、ここで一存で断ってはいけないような気もする。

「今ここで、お返事をするわけには行きません。家へ持ち帰り、母やカルダンの国とも相談してみないとは、なんとも言えないというのが現状でございます。領地の領民をどうするかも含めて、考えたいと思います」

「もちろん、お返事はよく考えられてからで、けっこうです。急ぎませんが、なんせ私も年なもので、この老いぼれがいつまで生きているか、わかりませんので、なるべく早くお返事してくださるとありがたいです」

 急な話で、驚いて、しまって、その日、シドニー国へ寄らずにまっすぐ帰宅した。

 その夜、母を交えて、家族会議が開かれる。

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