婚約破棄から溺愛婚~ハイスペ上司と秘密のルームシェア

青の雀

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12.結婚式

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 それから結婚式までは、早いのなんのって。まぁ会場を抑えた時から、覚悟はできていたけど、女子の新体操になったわ。

 ひなのは男子のダイナミックな演技が見たかったけど、ホテルの天井は低いから選手が怪我したらダメだってことになって、新体操のリボンならステージにマットレスを敷くと、何とかできるみたいな話だったわ。

 その代わり、タカラヅカは呼んでもらえることになり、レビューを見せてくださるということで、話がついた。

 人気歌手のステージとコラボという形で、ひなのにとっては、一生忘れられない結婚式になりそうで嬉しい。

 お色直しのドレスは、ひなのがヅカファンということもあり、タカラヅカ風のドレスに決まる。ついでに背中に大きな羽を着けてもらえるらしいので、今から楽しみにしている。

 歌手もタカラヅカもアスリートもマジシャンも、百万年企画もみんながウインウインの関係になる素晴らしい結婚披露宴というイベントは、民間人?芸能人ではない素人夫婦としては、初めてのテレビ中継されることになったのだ。

 明彦観てくれるかな?ひなのは、明彦と別れてから、こんなにも幸せになったことを見せびらかしてやりたい。

 それは修平にとっても、二度とあのサユリとかいうCMタレントにちょっかいを出されないようにするための最大級の牽制でもある。

 司会は、安住さんがいいな。

 結婚式がテレビ中継されると決まってからは、売れない歌手が、ギャラがタダでもいいから出させてほしいという売り込みが相次ぐ。

 楽屋は用意できないよ。とやんわり断っているのにも関わらず、その日、帝国ホテルで部屋をとりますとまで、言ってくる。

 売れない歌手だけではない。売れない俳優やけっこう名の通った劇団までもがノーギャラでいいからと売り込みをかけてくる。

 アスリートの団体からも、新体操だけが参加するのはズルイ。と言いがかりをつけてこられる。

 マットレスを敷くなら体操も男女ともいけるのではないか、とこれまた売り込みがある。でもね。永遠に結婚式が行われるのではないから、ひとつの試みとしての結婚式だから、とお断りしても、とめどなく来るので、もう「受け付けは終了いたしました。」ということにしたら、ピタリと来なくなり、ホッとする。

 中には、スポンサーを名乗り出てくる企業まであり、恐縮してしまう。

視聴者が見たいのは、結婚式のあくまでも「余興」の部分だけだというのに。



-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-



 それから、瞬く間に結婚式の日が来てしまう。

 最初は余裕で準備していたにもかかわらず、昨夜は緊張してねられなかったというのに、隣で、修平がグースカいびきをかいて寝ている姿を見て、やっぱり結婚早まったかと思ってしまう。

 朝から、フルーツしか食べられない、緊張で喉が通らない。

 昨日は、結婚式のリハーサルまでしたというのに、本番とリハーサルはこんなにも違うものかと、ガチガチに緊張している。

 明治神宮の控室でお化粧して、着物を着つけてくれる。美容師さんが、日本髪の高島田の鬘をかぶせてくれると、孫悟空にでもなった気分、頭が痛い。鬘が硬いから、無理に頭の中に押し込まれ、入れられている感じが半端ない。

 そう。披露宴のカメラリハーサルはしたけど、結婚式のリハーサルはないから。

 三々九度さえ、済めば、あとは大急ぎで、帝国ホテルに直行して、本振袖に着替える。

 帝国ホテルの結婚披露宴が行われるバンケット会場は、昨日から貸し切り状態になっている。アスリートやトップスターを見たくて、一般のお客様が出入りできないように、ホテル側が配慮してくれているのが嬉しいような申し訳ないような気がする。

 この結婚式は、業界人のみならず、全国の式場関係者が注目している。新しい結婚式の試みだから。

 最近の結婚と言えば、入籍だけで、まともに指揮を挙げる人がいない。せいぜい写真を撮るぐらいが関の山。だから、こんな豪華な余興をする結婚式に注目しているということ。

 これが成功すれば、これからの結婚式のスタイルを左右するとまで言われているのだから。
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