私が出会った団塊世代

バクッシー覚悟

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無鉄砲の上司『媚美長巻男』

「強制しないとは言ってない」

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それは,好機というべきか?あらぬ方向から援護射撃が飛んできた。


「お前…辞めたいんだってな?お前に辞められると俺も困るが,本気で辞めたいなら掛け合ってやっても良いぜ?」


自分が退職したい人間を増やしている事など露知らずと言わんばかりに,何処から聞いたのか?ニヤニヤしながら上司が私に近寄った。


「まぁ強制はしないが…他の奴と比べたらお前は本当に頑張っていたし,俺は頑張る奴が好きだからなw」


上機嫌なのか?ペラペラと喋る上司に苦笑しつつも,心の中では「サボってた奴に言われたくない」と睨みそうになるのを必死に抑え。


「大船に乗ったつもりで居ていいぞ!なにせ俺は,上に顔が効くからなw」


まるで自分の手柄と言わんばかりに胸を張る上司。

ただ,忘れては困るのは此奴が原因でそれなりに勤めてきた仕事を辞める羽目になったんだけど(苦笑)

「未練があるなら,辞めなくても…」と思うかもしれないけど,此奴が居座っている限り,負担だけが私に圧し掛かってくる。

それに…仕事を始めた当時の気持ちは,残業やら負担やら上司やらの影響で完全に消滅した。



まさかの上司の提案に乗っかった私だったが,翌日――


「〇×っ!お前は今すぐに辞めろ!これは命令だ!」

「えっ?…媚美長さん,どうしたんですかいきなり?昨日は強制しないって――」


昨日のご機嫌とは異なり,鬼のような形相で私の席まで地均しでやってきた上司が,机に一枚の封筒を叩きつけて叫ぶ。

あまりの変化に疑問符を浮かべていると,私の疑問に答えるように上司が口を開いた。


「煩い!黙れ!お前の辞職に強制しないとは一言も言ってない!」

「えっ…だってあの流れだったら――」

「お前が辞めたい理由…俺なんだってな?そんなに嫌なら辞めちまえ!」


『此処の会社は個人情報筒抜けか!?』と会社の管理に頭を抱えつつ,目の前で今にも暴走しそうな上司に更に頭を抱える。

――ってか,全然気が付いていなかったんですね?



まぁその時は,従業員が見ていた事もあって怪我せずにその場をやり切れたけど,どうやって切り抜けられたか?までは覚えていない。

そんな事もあり,私は無事に会社を辞める事にも成功したのでした。

正直,棚上げ論は解せなかったけど…「縁が切れるなら」と,関わりたくもなかったので目を瞑る事にした。
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