電車痴漢は犯罪です

卯月ミント

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1.快楽へのノック

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 ここは朝の電車の中。通勤・通学でぎゅうぎゅうに詰まった車内で、押しつぶされそうになりながら、聖美は窓の外を眺めていた。

 ビュンビュン通り過ぎていく街並みを見ながら考えるのは、別れた彼氏のことだ。

(はぁ、最悪だったなぁ……今さらだけど……)

 聖美は、2ヶ月前に別れた彼氏に処女を捧げていた。だが同い年の彼氏は性に飢えていて、聖美の状態などお構いなしに責めてくるタイプだった。
 そのため聖美はイクことはおろか、淫靡な快楽を与えられることすらなかった。

 その経験から、セックスというのは大なり小なりこんなものなのだろう、という悟りを聖美は得ていた。
 つまり、セックスというのはただただ苦痛な行為なのだ、と。

(私、もう一生セックスしないでおこうっと)

 と、物思いにふけっていた聖美を現実に連れ戻す感覚があった。

 お尻を撫でられている。

(えっ……!?)

 痴漢だ! そうは思うものの、もしかしたらただ、不可抗力で当たっているだけかもしれない。
 もう少し様子を見よう。

 そう思っていたら、その手はどんどんエスカレートしていき……そっと、だが確たる意志をもって、聖美のスカートの内側に侵入してきたのだ。

「……っ!」

 これは明らかに痴漢だ! 恐怖に息を呑むが、強張ってしまって助けを呼ぶこともできない。
 聖美の顔色はどんどん青くなっていく。
 手は、ショーツの上から臀部をさすりはじめた。舐めるように、じっとりと、いやらしい手つきで……。

「や、やめ……」

 なんとかか細い声を出す。
 しかし、周りの乗客は聖美のことを気に留める様子もない。
 驚くべきことに、みんながみんな耳にイヤホンを付けてスマホの動画に夢中だったのだ。もちろん、誰も聖美のことなど見向きもしていない。

(うそ。どうしよう……)

 さしたる抵抗もないのをいいことに、痴漢の手は、撫でながら下の方へと移動していく。そして、ついに股間へと指を伸ばした。

「っ」

 思わず足を閉じて抵抗した。そこは一番大事な部分である。彼氏以外、誰にも触られたくはない場所だ。ましてや痴漢にだなんて!

 聖美は必死になって体をよじって逃げようとした。しかし、痴漢は力強い腕で、聖美を後ろから抱きすくめている。

 痴漢は、ぴっちり閉じた割れ目の上を、とん、とん、とゆっくりやさしくノックし始めた。拘束する力からは考えられないくらいの優しい力加減だ。

(え、ちょっ……、なっ、なにしてるの!)

 身をよじって逃げようとする聖美だったが、それを力で押さえつけた痴漢は、とん、とん、とゆっくりとした優しいリズムで割れ目をノックし続けている。まるで、それが聖美の欲望を増幅させる挨拶だとでも言わんばかりに……。

 なんだか、変な気分になってきちゃう。

 聖美は唇を噛んで耐えるが、徐々に息遣いが荒くなっていく。

 とん……とん……

「ん……」

 やがて、聖美の鼻からは甘い息が漏れるまでになっていた。ぴったり閉じていたショーツの中の割れ目は、ふっくりと膨らんできている。

 男の指使いは巧みだった。決して急かさず、ゆっくりと丁寧に刺激を加えて行く。焦らされているようで、心地のよいリズム……。

 もっと、ほしい。

「……げほっ、げほっ」

 胸の中で本音が顔を出し、慌てて咳で誤魔化した。
 このままではまずい。歯を食いしばり必死に堪える。
 だがそんな努力とは裏腹にノックは続き、割れ目が潤んできたような気がした。

(……え? 彼氏でも濡れなかったのに。これ、痴漢だよ?)

 とん……とん……とん……

 痴漢の指のリズムが、戸惑う聖美の割れ目から愛液をにじみ出させていく。同時に聖美は、腰が疼いて思わずよじった。それでも男は指の動きを止めない。ゆったりした一定のリズムで刺激を与え続ける。

「や……、やめ……」

 恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にして小さな声で抗議するも、痴漢はまったく介さずに、指を動かし続ける。
 いつのまにか聖美は内股を擦りつけ、男の手を柔らかく挟みこんでいた。

 それでも男は快楽の扉をノックし続ける。
 とん……とん……とん……割れ目を軽く叩かれることによって生まれる微弱な振動が、脳髄を痺れさせていく。

(だめ、そんなにしたら……)

 手放しきれない理性が、そこに至っては駄目だ、と警告を慣らす。

 彼氏との初めてはうまくいかなかったのに。痴漢にこんなに優しくされて、導かれるだなんて。そんなの、いや……!

 けれど聖美の秘所は熱く火照り始めている。それに比例するように思考能力も低下していき、快感を受け入れつつあった。

(だめ……だめなのにぃ……っ)

 もうすでに秘芽は大きく勃起し、ショーツ越しでもわかるくらいになっている。
 と、そこで唐突に手は引いた。

(――お、終わった?)

 なんだか物足りない……。そんなことを無意識に考えてしまい、頭を振る。
 これ以上こんなことを続けていたら、本当に取り返しのつかないことになっていたはずだ。

 だからこれでよかったんだ……そう自分に言い聞かせるが、まだ身体の中には熱がくすぶっていていた。

 なのに。

 聖美の脇の下後ろから抱え込むように、こんどは胸に向かって手が伸びてきた。



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