ボクは名探偵?

Mr.M

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六章 夢と現

第25話 目覚め?

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「ジリジリジリジリ」

遠くから耳障りなベルの音が聞こえてきた。
その音は幼い頃にアニメで見た
黒電話を思い出させた。
貝のような名前の主人公の主婦が
受話器を耳に当てて会話をしている場面が
頭に浮かんだ。

大草原で大の字に寝転んで
ボクは目を閉じたままそんなことを考えていた。

「ジリジリジリジリ」

ふたたびベルの音が鳴った。
ボクにはそのベルがどこで鳴っているのか
判断できなかった。

「ジリジリジリジリ」

そしてボクは
その音に急かされるように目を開いた。

・・・。


ボクはハッとして飛び起きた。

心臓が早鐘を打っていた。
じっとりと汗もかいていた。

次の瞬間、
ボクは首筋の痛みに思わず顔を歪めた。
そっと手を触れたが異常はなかった。
それでも首を動かすと
寝違えたような痛みが走った。
そこでボクは周囲の違和感に気付いた。

ここは・・。

ボクの部屋。
酉の宅ではない。
現実のボクの部屋だった。
ボクはベッドから起き上がった。
その時、
枕元に落ちていたネックレスに気付いた。
ネックレスを拾い上げると
チェーンが壊れていた。
首の痛みの原因はコレだろうか。
ボクが小さく首を傾げると
バーガンディーに輝く
アレキサンドライトの石がキラリと光った。

ボクは窓に近づいて水色のカーテンを開けた。
白みがかった空が見えた。

・・アレは夢だったのか。
夢にしてはリアルだった。
それに細部まではっきりと覚えている。
まるで体験したかのように。

ボクは机の上のデジタル時計を見た。

9月21日。
月曜日の朝6時だった。
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