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馴れ初め
急進展
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「、、。」九条は静かに目を閉じる。
2人の唇がそっと重なる。
唇が離れた後もしばらくの沈黙が続いた。2人の視線は合わない。
「そろそろ寝よ、明日の会社だし」
唐突に一ノ瀬が言う。
無言で九条はいつものシングルベッドに入る。
一ノ瀬が断りもなく隣に入ってきたが、九条は何も言わずに背中を向けて眠りについた。
翌朝目を覚ますと隣に一ノ瀬はいなかった。既に着替えを済ませており、リビングでスマホをいじっていた。九条が起きているのを見ると一ノ瀬は
「先会社行っとくわ、昨日はありがとね」と言って家を出た。
「なんだよ、昨日はって、泊めてあげたことに言ってんのか?それとも、、あークソ」
イラつきながら洗面台で乱暴に顔を洗う。「ん?」
まだ眠くて開ききっていない眼を擦り鏡に映る自分の姿をじっと見た。
「ッッッなんだよ、、これぇ」
九条の首元は赤い点がひとつ。キスマークだった。
「寝てる間につけられたか、、、どうしよこれ」
「おはようございます、あれ?どうしたんですか?いつも暑いからって第一ボタンは開けてるのに。」
同僚に声をかけられ、咄嗟に答える。
「今日は、、気分ですよ気分」 九条はテキトウなことを言ってその場を離れた。
部長「あ、九条くん、昨日大変だったらしいね、一ノ瀬くんから聞いたよ。空調なんだけど、暑さで部品が溶けて壊れてたみたい。大丈夫だった?」
「そうですか、大丈夫です」
昨日のことを思い出して言葉が出にくかった。
~数週間後
九条は一ノ瀬のことを避けてしまっていた。
今日も一ノ瀬の周りには女子社員がベタベタと付きまとっている。九条の心には不快感が募る。
「九条くん、倉庫から備品取ってきてくれない?」
「あ、はい」
ひんやりとした空気が九条の頬を撫でる。
1人しかいない環境で薄々気付いていた自分の気持ちを口に出して否定してみる。
「嫉妬とかじゃないし、好きじゃない」
九条は認めたくなかった。そもそも一ノ瀬は酔っていたし、そういうノリかもしれない。一ノ瀬が自分を好きだなんて信じられないし、、そもそも相手は男だ!と、思う。
取るべき備品を見上げると同時に倉庫の扉が開く。
「おま、なんで」
「いや、届かないと思って」
「そうか💢、どうもありがと」
そう言って立ち去ろうとした瞬間、一ノ瀬に腕を掴まれた。「ごめん、この前のこと怒ってる?」
「別に」つい冷淡な態度をとってしまう。
「じゃあ今日一緒に飲もうよ。明日休みだし」
(ここで断ると意識してるみたいになる)
「、、、うん」
突然の嵐のような展開に九条は身を任せることしか出来ずにトントン拍子に事が運んだ。
そこから先はいつものように仕事をこなした。一ノ瀬は直帰で先に帰っていたため、8時に一ノ瀬の家に集合することになった。
ピンポーン 変に緊張してインターホンを押す。
「いらっしゃい、お茶入れといたよ」
会社での真面目な雰囲気とは変わって、緩い感じのイケメンなお兄さんが出てきた。ダボダボの部屋着は広々と首周り(鎖骨)を露出していた。一ノ瀬の部屋は九条のボロアパートと比較にならないほど広く、豪勢だった。
「お前、金持ちなのか?」
「実家が裕福なだけだよ」
友達として至極当たり前な会話に九条は落ち着きを取り戻した。
2人で会社での人間関係や、政治の話をして夜も更けていった。缶ビールもお互い数本開けている。
「この前はごめん。無理矢理だったよね」
遂に避けていた話題に触れることになってしまった。「いや、大丈夫」これをきっかけに九条の視線はまた乱れ始め、今度は腹筋のみならず、鎖骨にも視線が移る。呼吸が乱れ、気づくと一ノ瀬の体に手を伸ばしていた。「九条、名前で呼んでもいい?」
一ノ瀬から声をかけられて理性を取り戻す。
「ごめん、もう帰る」そういって立ち上がるとまた腕を掴まれた。「まって、泊まって行きなよ。この荷物、着替えでしょ?」泊まることなど予定していなかったはずなのに、無意識のうちに持ってきてしまっていた。「とりあえず、風呂入ってくる」
九条は一旦1人になりたかった。シャワーを浴びると身体の火照りが酷くなり、局部の膨らみが治らなくなった。出してしまおうとも思ったが、一ノ瀬の顔が思い浮かび、結局治らずに出てきてしまった。一ノ瀬を前にする。呼吸が落ち着かない。
「僕は好きだよ、響」突然の告白と名前呼びに完全に理性を失い、一ノ瀬の胸に飛び込む。
2人は寝室に移動する。
「一ノ瀬、俺おかしくなった。こんなのおかしい。心臓がうるさいんだけど。」
「へー、あの媚薬本当に効くんだね」
「え?媚薬?飲ませたの?いつ?」
「最初のお茶。一回分の使用量書いてあったけど不安だったから3倍は入れた。」
「最悪」そう言って九条は一ノ瀬に身を任せる。
自分が一ノ瀬のことを好きで堪らないという事実を媚薬のせいにしたのだ。
「一ノ瀬、、、陽向、来て」
口づけを交わす。前回よりも深く。頬の内側が脈打つ。永遠とも思われる長い時間の後、糸を引いて顔を見合わせる。「響、その表情最高っ」
一ノ瀬が優しく囁く「挿れるね」
「………..んッッ///」腹部がゆっくりと押し上げられ、息苦しさを感じ、息がさらに荒れる。恍惚とした表情が一ノ瀬を昂らせる。目はとろけ、涙を浮かべている。
「これ凄ぃ」
「まだ半分だよ」九条はもう限界だった。これ以上自分の中に挿る気がしなかった。
「響、口開けて」
一ノ瀬が人差し指を差し入れる。
九条は舌を指に纏わせ、言葉にならない声を漏らす。一ノ瀬の手が九条の胸を覆う。
「んぁぅ、~~~ーーッッ////」
九条の身体が電撃が走ったかのように跳ね上がる。
「響、今のってもしかして」
「イッてないから!」僅かに残っていた理性が表面を取り繕う。が、
「…続けて」やはり本能では欲していた。
一ノ瀬が腰を動かし始める。胸のシコリをいじり、首に優しく噛み付く。激しさは増していった。
「響、好きだよ」
耳に吐息がかかる。
「ひなたぁ//っんあ~~~ッッッッッッ」
ビクビクと細かい痙攣を繰り返した後、全身が脱力する。
「響、愛してる。」
事後、一ノ瀬がシャワーを浴びている間も、九条のビクッビクッとする痙攣が止むことは無かった。
自分の指を咥え、目には涙を浮かべながらも、満足げな表情を浮かべていた。
2人の唇がそっと重なる。
唇が離れた後もしばらくの沈黙が続いた。2人の視線は合わない。
「そろそろ寝よ、明日の会社だし」
唐突に一ノ瀬が言う。
無言で九条はいつものシングルベッドに入る。
一ノ瀬が断りもなく隣に入ってきたが、九条は何も言わずに背中を向けて眠りについた。
翌朝目を覚ますと隣に一ノ瀬はいなかった。既に着替えを済ませており、リビングでスマホをいじっていた。九条が起きているのを見ると一ノ瀬は
「先会社行っとくわ、昨日はありがとね」と言って家を出た。
「なんだよ、昨日はって、泊めてあげたことに言ってんのか?それとも、、あークソ」
イラつきながら洗面台で乱暴に顔を洗う。「ん?」
まだ眠くて開ききっていない眼を擦り鏡に映る自分の姿をじっと見た。
「ッッッなんだよ、、これぇ」
九条の首元は赤い点がひとつ。キスマークだった。
「寝てる間につけられたか、、、どうしよこれ」
「おはようございます、あれ?どうしたんですか?いつも暑いからって第一ボタンは開けてるのに。」
同僚に声をかけられ、咄嗟に答える。
「今日は、、気分ですよ気分」 九条はテキトウなことを言ってその場を離れた。
部長「あ、九条くん、昨日大変だったらしいね、一ノ瀬くんから聞いたよ。空調なんだけど、暑さで部品が溶けて壊れてたみたい。大丈夫だった?」
「そうですか、大丈夫です」
昨日のことを思い出して言葉が出にくかった。
~数週間後
九条は一ノ瀬のことを避けてしまっていた。
今日も一ノ瀬の周りには女子社員がベタベタと付きまとっている。九条の心には不快感が募る。
「九条くん、倉庫から備品取ってきてくれない?」
「あ、はい」
ひんやりとした空気が九条の頬を撫でる。
1人しかいない環境で薄々気付いていた自分の気持ちを口に出して否定してみる。
「嫉妬とかじゃないし、好きじゃない」
九条は認めたくなかった。そもそも一ノ瀬は酔っていたし、そういうノリかもしれない。一ノ瀬が自分を好きだなんて信じられないし、、そもそも相手は男だ!と、思う。
取るべき備品を見上げると同時に倉庫の扉が開く。
「おま、なんで」
「いや、届かないと思って」
「そうか💢、どうもありがと」
そう言って立ち去ろうとした瞬間、一ノ瀬に腕を掴まれた。「ごめん、この前のこと怒ってる?」
「別に」つい冷淡な態度をとってしまう。
「じゃあ今日一緒に飲もうよ。明日休みだし」
(ここで断ると意識してるみたいになる)
「、、、うん」
突然の嵐のような展開に九条は身を任せることしか出来ずにトントン拍子に事が運んだ。
そこから先はいつものように仕事をこなした。一ノ瀬は直帰で先に帰っていたため、8時に一ノ瀬の家に集合することになった。
ピンポーン 変に緊張してインターホンを押す。
「いらっしゃい、お茶入れといたよ」
会社での真面目な雰囲気とは変わって、緩い感じのイケメンなお兄さんが出てきた。ダボダボの部屋着は広々と首周り(鎖骨)を露出していた。一ノ瀬の部屋は九条のボロアパートと比較にならないほど広く、豪勢だった。
「お前、金持ちなのか?」
「実家が裕福なだけだよ」
友達として至極当たり前な会話に九条は落ち着きを取り戻した。
2人で会社での人間関係や、政治の話をして夜も更けていった。缶ビールもお互い数本開けている。
「この前はごめん。無理矢理だったよね」
遂に避けていた話題に触れることになってしまった。「いや、大丈夫」これをきっかけに九条の視線はまた乱れ始め、今度は腹筋のみならず、鎖骨にも視線が移る。呼吸が乱れ、気づくと一ノ瀬の体に手を伸ばしていた。「九条、名前で呼んでもいい?」
一ノ瀬から声をかけられて理性を取り戻す。
「ごめん、もう帰る」そういって立ち上がるとまた腕を掴まれた。「まって、泊まって行きなよ。この荷物、着替えでしょ?」泊まることなど予定していなかったはずなのに、無意識のうちに持ってきてしまっていた。「とりあえず、風呂入ってくる」
九条は一旦1人になりたかった。シャワーを浴びると身体の火照りが酷くなり、局部の膨らみが治らなくなった。出してしまおうとも思ったが、一ノ瀬の顔が思い浮かび、結局治らずに出てきてしまった。一ノ瀬を前にする。呼吸が落ち着かない。
「僕は好きだよ、響」突然の告白と名前呼びに完全に理性を失い、一ノ瀬の胸に飛び込む。
2人は寝室に移動する。
「一ノ瀬、俺おかしくなった。こんなのおかしい。心臓がうるさいんだけど。」
「へー、あの媚薬本当に効くんだね」
「え?媚薬?飲ませたの?いつ?」
「最初のお茶。一回分の使用量書いてあったけど不安だったから3倍は入れた。」
「最悪」そう言って九条は一ノ瀬に身を任せる。
自分が一ノ瀬のことを好きで堪らないという事実を媚薬のせいにしたのだ。
「一ノ瀬、、、陽向、来て」
口づけを交わす。前回よりも深く。頬の内側が脈打つ。永遠とも思われる長い時間の後、糸を引いて顔を見合わせる。「響、その表情最高っ」
一ノ瀬が優しく囁く「挿れるね」
「………..んッッ///」腹部がゆっくりと押し上げられ、息苦しさを感じ、息がさらに荒れる。恍惚とした表情が一ノ瀬を昂らせる。目はとろけ、涙を浮かべている。
「これ凄ぃ」
「まだ半分だよ」九条はもう限界だった。これ以上自分の中に挿る気がしなかった。
「響、口開けて」
一ノ瀬が人差し指を差し入れる。
九条は舌を指に纏わせ、言葉にならない声を漏らす。一ノ瀬の手が九条の胸を覆う。
「んぁぅ、~~~ーーッッ////」
九条の身体が電撃が走ったかのように跳ね上がる。
「響、今のってもしかして」
「イッてないから!」僅かに残っていた理性が表面を取り繕う。が、
「…続けて」やはり本能では欲していた。
一ノ瀬が腰を動かし始める。胸のシコリをいじり、首に優しく噛み付く。激しさは増していった。
「響、好きだよ」
耳に吐息がかかる。
「ひなたぁ//っんあ~~~ッッッッッッ」
ビクビクと細かい痙攣を繰り返した後、全身が脱力する。
「響、愛してる。」
事後、一ノ瀬がシャワーを浴びている間も、九条のビクッビクッとする痙攣が止むことは無かった。
自分の指を咥え、目には涙を浮かべながらも、満足げな表情を浮かべていた。
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