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馴れ初め
衝突
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「おはよう、響」
目が覚めると爽やかに笑う一ノ瀬がいた。
「ん、どこ」
九条は段々と目が覚めてきて、顔を赤くした。
「僕、先会社いくから、、お邪魔しましたー♪」
1人残された九条は言い訳を自分に言い聞かせる。
(あれは媚薬のせいで仕方がなかった。今も心臓がうるさいのは全て媚薬のせいだ。)
散らかった部屋が昨日の出来事が嘘ではなかったことを物語っている。時計の針は8時を指している。
急いで髪を整え、歯を磨き、制服を着て、顔を洗う。「…..あのやろう、また」
首元に2つキスマがあった。
「すみません」
「九条が遅刻か、どうしたんだ?」
「いや、ちょっとアラームかけ忘れて、、」
遠くから一ノ瀬が得意げに笑いかけてくる。
少しばかりの苛立ちを覚えたが、いつも通りに仕事につく。日差しも夏らしくなってきて、窓から差し込む光が眩しい。この時期になると営業の成績が悪くなってくる。蒸し暑さが不快感を与える。人を相手にする職業はどうしても人間の気分に左右されてしまうのだ。通勤中も汗だくなサラリーマンをよく見かける。汗だく….ってなに考えてんだ。
「響、ちょっと資料取りに行くの手伝ってくんない?」オフィスにいる皆の顔にクエスチョンマークが浮かぶ。
九条は無言で立ち上がり早足で一ノ瀬とオフィスを出た。
「何してんだよ、名前で呼ぶなよ。」
「なんで?」
「俺らになんかあるみたいじゃん」
「別に親しい友達なんだなって思われるだけでしょ」確かにそうだと思う。変に意識してしまっていた九条は顔を赤くする。
「だとしても、職場だし、プライベートの関係は持ち込まない方がいいから、、」
「響ってすぐ顔赤くなるね、可愛いよ」
「っなにいってんだぁ、お前」頭では怒っているはずなのに表情は一瞬緩んでしまう。
このままではダメだと思い、
「ふざけんなよ!やめてくれ、名字で呼ばないと俺はお前と縁を切る」そう強く言い放ってオフィスに戻った。
上司「あれ?一ノ瀬君は?」
九条「彼は資料を1人で運べます。」
Google翻訳のようなぎこちない日本語を使う。
その日、一ノ瀬と同じタイミングをずらして家に帰宅した。
「九条さん、営業報告書の作成お願いできますか?」
ここ数週間、こんな感じのよそよそしい態度が続いている。
遠目で女子社員に囲まれる一ノ瀬を見て改めて(いいなぁ)と思う。胸の中にモヤが立ちこめる。一ノ瀬に苛立ちを覚えたりもした。夜寝る前になると、梅雨のあの出来事は夢だったのではないかと思い出すようになった。(陽向はイケメンだし、その気になればいつでも彼女なんか作れる。自分なんてもしかしてもう何も思われてないかもしれない。そのまま終わるなんて、、)
自分の資料室での言動を思い出すたびに、後悔の念に駆られた。
そんなある夜にもう2度と同じ過ちは冒さない、と誓いを立てて、一ノ瀬との関係の修復を焦る。
しかし、残業時間を遅くまでして、一ノ瀬と2人きりになる機会をうかがうが、九条が残業すると一ノ瀬は早々に帰ってしまう。九条が定時に帰ると一ノ瀬は残業する。あからさまに避けられていた。仕方なく同僚の目があるのを承知で、帰宅する一ノ瀬を急いで追いかけた。
「一ノ瀬!」ハァハァと息を切らして呼びかける。
「どうしました?」
「俺は、、縁切るなんか言ってない。お前のことも嫌いじゃない。」街ゆく人の視線が集まる。
「今夜、飲みに行こう!」
九条らしく凛として誘う。
「……うん」
そうして2人は繁華街の明るさに姿を消していった
目が覚めると爽やかに笑う一ノ瀬がいた。
「ん、どこ」
九条は段々と目が覚めてきて、顔を赤くした。
「僕、先会社いくから、、お邪魔しましたー♪」
1人残された九条は言い訳を自分に言い聞かせる。
(あれは媚薬のせいで仕方がなかった。今も心臓がうるさいのは全て媚薬のせいだ。)
散らかった部屋が昨日の出来事が嘘ではなかったことを物語っている。時計の針は8時を指している。
急いで髪を整え、歯を磨き、制服を着て、顔を洗う。「…..あのやろう、また」
首元に2つキスマがあった。
「すみません」
「九条が遅刻か、どうしたんだ?」
「いや、ちょっとアラームかけ忘れて、、」
遠くから一ノ瀬が得意げに笑いかけてくる。
少しばかりの苛立ちを覚えたが、いつも通りに仕事につく。日差しも夏らしくなってきて、窓から差し込む光が眩しい。この時期になると営業の成績が悪くなってくる。蒸し暑さが不快感を与える。人を相手にする職業はどうしても人間の気分に左右されてしまうのだ。通勤中も汗だくなサラリーマンをよく見かける。汗だく….ってなに考えてんだ。
「響、ちょっと資料取りに行くの手伝ってくんない?」オフィスにいる皆の顔にクエスチョンマークが浮かぶ。
九条は無言で立ち上がり早足で一ノ瀬とオフィスを出た。
「何してんだよ、名前で呼ぶなよ。」
「なんで?」
「俺らになんかあるみたいじゃん」
「別に親しい友達なんだなって思われるだけでしょ」確かにそうだと思う。変に意識してしまっていた九条は顔を赤くする。
「だとしても、職場だし、プライベートの関係は持ち込まない方がいいから、、」
「響ってすぐ顔赤くなるね、可愛いよ」
「っなにいってんだぁ、お前」頭では怒っているはずなのに表情は一瞬緩んでしまう。
このままではダメだと思い、
「ふざけんなよ!やめてくれ、名字で呼ばないと俺はお前と縁を切る」そう強く言い放ってオフィスに戻った。
上司「あれ?一ノ瀬君は?」
九条「彼は資料を1人で運べます。」
Google翻訳のようなぎこちない日本語を使う。
その日、一ノ瀬と同じタイミングをずらして家に帰宅した。
「九条さん、営業報告書の作成お願いできますか?」
ここ数週間、こんな感じのよそよそしい態度が続いている。
遠目で女子社員に囲まれる一ノ瀬を見て改めて(いいなぁ)と思う。胸の中にモヤが立ちこめる。一ノ瀬に苛立ちを覚えたりもした。夜寝る前になると、梅雨のあの出来事は夢だったのではないかと思い出すようになった。(陽向はイケメンだし、その気になればいつでも彼女なんか作れる。自分なんてもしかしてもう何も思われてないかもしれない。そのまま終わるなんて、、)
自分の資料室での言動を思い出すたびに、後悔の念に駆られた。
そんなある夜にもう2度と同じ過ちは冒さない、と誓いを立てて、一ノ瀬との関係の修復を焦る。
しかし、残業時間を遅くまでして、一ノ瀬と2人きりになる機会をうかがうが、九条が残業すると一ノ瀬は早々に帰ってしまう。九条が定時に帰ると一ノ瀬は残業する。あからさまに避けられていた。仕方なく同僚の目があるのを承知で、帰宅する一ノ瀬を急いで追いかけた。
「一ノ瀬!」ハァハァと息を切らして呼びかける。
「どうしました?」
「俺は、、縁切るなんか言ってない。お前のことも嫌いじゃない。」街ゆく人の視線が集まる。
「今夜、飲みに行こう!」
九条らしく凛として誘う。
「……うん」
そうして2人は繁華街の明るさに姿を消していった
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