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二話 父の家
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この父親(暫定)は、森の奥深くで暮らしていた。
聞きたいことは山のようにある。
「ここが、今日からミラの家になる」
「……」
「狭くてごめんな。一応、ミラの部屋もあるから」
思ったよりキレイだった。
身なりからしてそれなりとは思っていたけど、これで狭いって。
部屋の中もシンプルで、私とお母さんに与えられていた納屋より、よっぽどいい環境だ。
まず第一に、馬が部屋にいない。
専用の馬小屋がある。聞けば、鶏もいるらしい。
次に、個室がある。
前は納屋でぼろ布をまとい、寒ければ親子で身を寄せ合って眠っていた。
けれど、ここではそんな心配もない。
「わぁ」
思わず、声に出してしまった。
布団、フカフカだ。えっ、なにこれ。
村一番の金持ちでさえも、こんなフカフカのベットはなかった。
「どうかしたかい?」
「……いいえ。少し、驚いただけです」
「ふふ」
笑われてしまった。失礼な。
「今日は、シチューにしよう。嫌いな野菜とかは?」
「別に、ありません」
「そうか。なんでも食べられるんだな。えらいぞ」
父は、私の頭をなでるとそのまま部屋を後にした。
骨壺を抱えて。
「待って」
母さんをどこにつれていくのだろうか。
もし、捨ててしまうのなら。
そう思って後をついてくと、机と椅子がある小さな食堂のような場所につきました。
そこには、小さな肖像画がある小さな棚に骨壺を収めた。
「これ」
「東の国に伝わる、『仏壇』ってものだよ。簡易的で、申し訳ないけど」
「……そう」
ここが、お母さんの部屋か。
家の中にお墓があるとは、変な感じだ。でも、悪くはない。
無理にお母さんと離れる必要がないのだから。
「これ、お母さん?」
肖像画は、若いころだろうお母さんが描かれている。
「そうだよ。俺の記憶の中にいる彼女は、この頃しかないんだ」
「……そうですか。あの」
「なんだい?」
どうして、会いに来てくれなかったの? と聞こうとするも、お母さんの肖像画を見てそのまま言葉が出なくなってしまった。
父の記憶の中にしかいないお母さんは、綺麗で可憐で花のように笑っている。
そのまま聞くのをためらってしまった。
「シチュー、作るの手伝います」
私は、その言葉しか振り絞れなかった。
聞きたいことは山のようにある。
「ここが、今日からミラの家になる」
「……」
「狭くてごめんな。一応、ミラの部屋もあるから」
思ったよりキレイだった。
身なりからしてそれなりとは思っていたけど、これで狭いって。
部屋の中もシンプルで、私とお母さんに与えられていた納屋より、よっぽどいい環境だ。
まず第一に、馬が部屋にいない。
専用の馬小屋がある。聞けば、鶏もいるらしい。
次に、個室がある。
前は納屋でぼろ布をまとい、寒ければ親子で身を寄せ合って眠っていた。
けれど、ここではそんな心配もない。
「わぁ」
思わず、声に出してしまった。
布団、フカフカだ。えっ、なにこれ。
村一番の金持ちでさえも、こんなフカフカのベットはなかった。
「どうかしたかい?」
「……いいえ。少し、驚いただけです」
「ふふ」
笑われてしまった。失礼な。
「今日は、シチューにしよう。嫌いな野菜とかは?」
「別に、ありません」
「そうか。なんでも食べられるんだな。えらいぞ」
父は、私の頭をなでるとそのまま部屋を後にした。
骨壺を抱えて。
「待って」
母さんをどこにつれていくのだろうか。
もし、捨ててしまうのなら。
そう思って後をついてくと、机と椅子がある小さな食堂のような場所につきました。
そこには、小さな肖像画がある小さな棚に骨壺を収めた。
「これ」
「東の国に伝わる、『仏壇』ってものだよ。簡易的で、申し訳ないけど」
「……そう」
ここが、お母さんの部屋か。
家の中にお墓があるとは、変な感じだ。でも、悪くはない。
無理にお母さんと離れる必要がないのだから。
「これ、お母さん?」
肖像画は、若いころだろうお母さんが描かれている。
「そうだよ。俺の記憶の中にいる彼女は、この頃しかないんだ」
「……そうですか。あの」
「なんだい?」
どうして、会いに来てくれなかったの? と聞こうとするも、お母さんの肖像画を見てそのまま言葉が出なくなってしまった。
父の記憶の中にしかいないお母さんは、綺麗で可憐で花のように笑っている。
そのまま聞くのをためらってしまった。
「シチュー、作るの手伝います」
私は、その言葉しか振り絞れなかった。
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