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レンとヒナタ、その後の話。
#8 マーガレットと囁き【ヒナタSide】
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レンの寝顔をじっと見つめる。
『気づいてほしい、だなんて……我儘か?』
(我儘もいい加減にしろよな……)
はぁ と短くため息を吐き、俯く。
(さて、どうしたものか……)
彼は寝起きに俺に顔なんか見たらまた卒倒するだろう。
だからといって放っとくのは薄情な気がする。
頭を悩ませていると、カーテンがふわりと揺れる。
それまで柔らかい日差しが差していた室内に影を落とす。
(曇ってきたのか?)
そんなことを思いながら窓際へ近づく。
カーテンを開けると、開いている窓から外の景色が見える。
窓からは校庭が見える。遅刻ギリギリで走っている男子生徒の姿も見える。
ふと窓枠の下を覗くと、小さな箱が置いてあることに気づく。
「……なんだ、これ」
保健室は一階なので、窓から外に出ることは容易い。
窓枠に足をかけ、外へ着地する。
その小さい箱を拾い上げ、また室内へと戻る。
リボンなどはかけられおらず、派手なデザインでもない、質素な箱。だが妙に縦に長い。
少し躊躇したが、箱を開けてみた。
「………………花……?」
二輪の白い花弁がついた、可憐な花。
ふと、レンの眠っている寝台を見る。
(マーガレット……)
箱へと視線を戻す。
(でも一体誰が────)
『……まってよ…………トオル……』
教室での彼の寝言を思い出す。
レンの言う"トオル"がこの箱を置いていったのだろうか。
「いや……まさかな」
学校の敷地内には生徒や関係者しか入れない。
それに、レンの言葉からして、彼は"トオル"という人物とは何らかの事情で会えないという状況が察せられる。その"トオル"という人物は、遠くに引っ越したのか、それとも、もう──。
(何にしろ、元の場所に戻しておこう)
窓から身を乗り出し、箱を地面へと戻す。
「────ボクのレンを取ったら許さないから」
「え……?」
耳元で囁かれた低い声。
反射的に背後を振り返る。
(誰もいない………………)
今のは何だったのか。
何度も目を擦るが、その正体がわかることはない。
レンの隣に添えられた黄色いチューリップが転げ落ちる。
「なんなんだよ………………?」
空中に問いかけられた疑問に答えは返ってこなかった。
『気づいてほしい、だなんて……我儘か?』
(我儘もいい加減にしろよな……)
はぁ と短くため息を吐き、俯く。
(さて、どうしたものか……)
彼は寝起きに俺に顔なんか見たらまた卒倒するだろう。
だからといって放っとくのは薄情な気がする。
頭を悩ませていると、カーテンがふわりと揺れる。
それまで柔らかい日差しが差していた室内に影を落とす。
(曇ってきたのか?)
そんなことを思いながら窓際へ近づく。
カーテンを開けると、開いている窓から外の景色が見える。
窓からは校庭が見える。遅刻ギリギリで走っている男子生徒の姿も見える。
ふと窓枠の下を覗くと、小さな箱が置いてあることに気づく。
「……なんだ、これ」
保健室は一階なので、窓から外に出ることは容易い。
窓枠に足をかけ、外へ着地する。
その小さい箱を拾い上げ、また室内へと戻る。
リボンなどはかけられおらず、派手なデザインでもない、質素な箱。だが妙に縦に長い。
少し躊躇したが、箱を開けてみた。
「………………花……?」
二輪の白い花弁がついた、可憐な花。
ふと、レンの眠っている寝台を見る。
(マーガレット……)
箱へと視線を戻す。
(でも一体誰が────)
『……まってよ…………トオル……』
教室での彼の寝言を思い出す。
レンの言う"トオル"がこの箱を置いていったのだろうか。
「いや……まさかな」
学校の敷地内には生徒や関係者しか入れない。
それに、レンの言葉からして、彼は"トオル"という人物とは何らかの事情で会えないという状況が察せられる。その"トオル"という人物は、遠くに引っ越したのか、それとも、もう──。
(何にしろ、元の場所に戻しておこう)
窓から身を乗り出し、箱を地面へと戻す。
「────ボクのレンを取ったら許さないから」
「え……?」
耳元で囁かれた低い声。
反射的に背後を振り返る。
(誰もいない………………)
今のは何だったのか。
何度も目を擦るが、その正体がわかることはない。
レンの隣に添えられた黄色いチューリップが転げ落ちる。
「なんなんだよ………………?」
空中に問いかけられた疑問に答えは返ってこなかった。
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