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ラブレター回収(珍)戦線
早朝の訪問者問答、のち憎悪のしづき
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春の朝、中等部のはずの後輩──恋が臨時生徒会室に侵入していた。
「なんで、ここに……」
「僕、転校生なんです」
ニコニコと笑って答える恋。
「いや転校生て……恋くん中等部だよね?」
「違いますよ?」
「いやでも」
「違いますよ?」
笑顔に僅かな圧が加わり、新兎はこれ以上言及するのをやめておいた。闇が深そうだ。
「……って、パソコンのデータが改変されてたんだけど、心当たりは?」
「……まぁ」
恋は意味ありげにパソコンの方に視線を移す。
「昨日はつい撮っちゃったけど、嫌がってたので──お詫びって言うんですかね」
「それより」と恋は高等部の制服の襟をつまみ、微笑む。
「今日から同じクラスですよ、せんぱい──朝比奈くん」
背筋に悪寒が走り、無意識に腕をさする。
満面の笑みに滲む闇。深入りしたら戻れなくなりそうだ。
──それよりも。
「は? 同じクラス!?」
冗談じゃない、という言葉を飲み込み、顔を歪める。
恋が証拠のように、一枚の紙をヒラヒラと新兎に見せる。
──如月恋、16歳、一年B組。
「僕、あなたのためなら何でもできちゃうんですよ」
闇のある笑顔、それでいてどこかうっとりしているような顔。
「────……」
新兎が絶句していると、恋は「そういえば」と扉へと視線を移す。
「何か起こったみたいですね」
新兎が首を傾げると、廊下からドタバタと騒がしい音が聞こえてきた。
──そのまま、扉を突き破るようにしてしづきが入ってきた。
「舞薔薇さんっ!?」
新兎が驚愕に悲鳴じみた声を上げる。
「……れ…………か」
「な、何て?」
「──誰ですか!」
「あ、朝比奈新兎です」
「あなたの名前は尋ねていません!」
そう金切り声を上げる彼女は、明らかに様子がおかしかった。
「何があったんですか?」
新兎が控え目に尋ねると、しづきは俯いていた顔を上げる。
余裕がなかったのか、珍しく長い金髪は束ねていない。
金髪から覗く瞳は──憎悪に満ちていた。
「会長の下駄箱にラブレターを入れたのは誰かって言ってるんです!」
「なんで、ここに……」
「僕、転校生なんです」
ニコニコと笑って答える恋。
「いや転校生て……恋くん中等部だよね?」
「違いますよ?」
「いやでも」
「違いますよ?」
笑顔に僅かな圧が加わり、新兎はこれ以上言及するのをやめておいた。闇が深そうだ。
「……って、パソコンのデータが改変されてたんだけど、心当たりは?」
「……まぁ」
恋は意味ありげにパソコンの方に視線を移す。
「昨日はつい撮っちゃったけど、嫌がってたので──お詫びって言うんですかね」
「それより」と恋は高等部の制服の襟をつまみ、微笑む。
「今日から同じクラスですよ、せんぱい──朝比奈くん」
背筋に悪寒が走り、無意識に腕をさする。
満面の笑みに滲む闇。深入りしたら戻れなくなりそうだ。
──それよりも。
「は? 同じクラス!?」
冗談じゃない、という言葉を飲み込み、顔を歪める。
恋が証拠のように、一枚の紙をヒラヒラと新兎に見せる。
──如月恋、16歳、一年B組。
「僕、あなたのためなら何でもできちゃうんですよ」
闇のある笑顔、それでいてどこかうっとりしているような顔。
「────……」
新兎が絶句していると、恋は「そういえば」と扉へと視線を移す。
「何か起こったみたいですね」
新兎が首を傾げると、廊下からドタバタと騒がしい音が聞こえてきた。
──そのまま、扉を突き破るようにしてしづきが入ってきた。
「舞薔薇さんっ!?」
新兎が驚愕に悲鳴じみた声を上げる。
「……れ…………か」
「な、何て?」
「──誰ですか!」
「あ、朝比奈新兎です」
「あなたの名前は尋ねていません!」
そう金切り声を上げる彼女は、明らかに様子がおかしかった。
「何があったんですか?」
新兎が控え目に尋ねると、しづきは俯いていた顔を上げる。
余裕がなかったのか、珍しく長い金髪は束ねていない。
金髪から覗く瞳は──憎悪に満ちていた。
「会長の下駄箱にラブレターを入れたのは誰かって言ってるんです!」
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