フェアリー・フェロウ~追い出されたフーテン野郎だが、拾い物でまぁなんとか上手くいく~

マッサン

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2章

24 人の世に外れた物 3

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 怪獣どもが咆哮する中、ダブルヘッドオーガーの村長が叫ぶ声が通信機から響く。
『『行け! そしてブチ殺せ!』』
「本性が出てますね」
 呆れるスティーナ。
「こっちも出るぜ!」
 やる気満々で叫び、タリンが格納庫へ向かって走り出す。ガイ達他の面々も遅れまいとその後に続いた。


 魔王軍残党と怪獣ども。それらが地響きと土煙をあげてゾウムシ型の運搬機に迫る。
 それを迎え撃つべく格納庫から出撃する、4機のケイオス・ウォリアー。
 骸骨武者型のSバスタードスカルが敵へ剣の切っ先を向け、操縦席でタリンが吠える!
「よーし、やられたいヤツから前に出やがれ!」
『お前が一番にやられる事のないようにな』
 座席を兼ねる骸骨馬・シロウがやる気なく呟くと、通信機からレレンの怒鳴り声が届いた。
「だから率先して前に出るな!」
 そんなやりとりに関わらず、真鍮色の翼が空へ飛ぶ。
 コウモリの頭に鎧を纏う体……ユーガンの乗るSブラスバットが。

 そしてガイの乗る、胸に獅子の顔を持つ有翼の戦士・Sサバイブキマイラは。
 花吹雪の中、リバイブキマイラへ変形する。
 その操縦席でガイが二つの珠紋石じゅもんせきを聖剣に嵌め込んだ。聖剣が結晶に籠められた呪文を読み込む。
『マジック・ミサイル。ニュークリアブラスト』

【マジック・ミサイル】魔領域第2レベルの攻撃呪文。輝く魔法の矢の雨を敵に浴びせる。
【ニュークリア・ブラスト】火領域第7レベル、最高位の攻撃呪文。熱核反応による爆発で敵を粉砕する。

 リバイブキマイラの頭上に巨大な光球が生じた。それは光り輝きながら幾つにも増殖・分裂する!
合成発動アマルガム……アトミックミサイル!」
「ですとろーい!」
 ガイとイムが叫ぶと、光球は燐光の尾をひきながら敵軍へと等間隔に分かれて飛んで行った。
 そして着弾――爆発!
 光の球が膨れ、高熱の中に全てを呑み込む。複数の爆発により敵は一匹たりとも逃れる事はできなかった。高熱球は敵を粉々に分解し、ドクロのキノコ雲がいくつも空に昇る。

 光と爆発と雲が全て収まり、風の中に消えた時。
 無残に焦げて砕かれた残骸が転がる、焼けた荒野が広がっていた。


 全滅した敵を前に茫然と呟くタリン。
「……オレにやられたい奴は……」
『いなかったんだろ多分』
 突き放すように呟くシロウ。
「村長も黙りましたね」
「多分永久にな」
 スティーナの呟きに付け加えるレレン。
 ユーガンは上空で無言だった。内心では村長の相手は自分がしようと思っていたので、ちょっと困っていた。


 だがそれで終わるほど甘くはなかった。
 いや、村長は終わったのだが、咆哮とともに地中からジュエラドンの巨大な姿が3体現れたのだ!

「なにィ!? 地下に逃げていたのか?」
 驚くタリン。
 だがスティーナがモニターのデータを素早く確認する。
「いえ、別個体です。増援として召喚したようです」
 操縦席で「ふう……」と溜息をつくユーガン。
「本体を叩かん限り終わらん。それが厄介な所だ」
「けどよー、それを探そうとしていたんだろうがよ」
 苛々と言いながらもタリンは機体を身構えさせた。
 本目の前の兵隊どもを叩かねば、呑気に本体を探してもいられない。

……と思いきや。
 ユーガンから各機へ画像が送信される。
 モニターに映るのは、最も大きな岩山の裾野。そこに口を開く洞窟だ。
「基地はあの山だろう。入口は……おそらくあの洞窟だ」
「よくわかりましたね?」
 驚き半分・疑い半分のスティーナにそう言われるが、ユーガンは当然のように答える。
「ブラスバットには超音波を利用したソナーがあるからな」

「しかし狭いな。ケイオス・ウォリアーから降りないと入れねーぞ」
「それにジュエラドンも食い止めないと……」
 タリンとレレンが難色を示す。
 彼らの言う通り、誰かが兵隊怪獣どもを食い止め、他の者が身一つで洞窟に乗り込まねばならないのだ。

 となると――

 ガイが皆に指示を出す。
「基地には俺が乗り込む。皆は怪獣を食い止めてくれ」

「本当なら私が決着をつけたかったが……仕方があるまい」
 ユーガンがそう言うと、ブラスバットが空から兵隊怪獣どもに狙いをつけた。
 不満はあろうが言い争っている場合ではないし、同行する以上はリーダーのガイに従う意思だ。
「テメェ! 抜け駆けすんじゃねー!」
 まぁタリンはそんな事を全く考えずに食ってかかったが。
 しかしそんな事は意に介さず、レレンはガイを促す。
「とにかくここは任せてくれ」

「頼んだぜ!」
 仲間達にそう言い、ガイは機体を岩山へ走らせる。
 その後ろで|(約一名には不本意ながら)激しい戦いが始まった。
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