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第1部 学校~始まり
ユザーン・ネイゴン②
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ユザーン・ネイゴンは貴族の息子だ。
でも、生まれた場所は町を流れる川の橋の下。両親もユザーンが生まれる前、あるいは生まれるのとほぼ同時に姿を消しているので、正確な出自は全く分からない。12歳まで暮らした教会には、ユザーンの生まれた同時期、どうやら女が1人、複数の人間に運ばれるようにして姿を消したという記録があるようだが、そんな目撃証言もどこまで当てになるのか。しかも、置き去りにされたその子供が本当にユザーンであるという証拠もないのだ。
ユザーンを見つけた町の警備隊は、慣例に従い、取り敢えず彼を教会へと連れて行った。
が、ユザーンが大人しくそこにいたのは、大体10歳くらいまで。
それ以降は、寝に帰ることすらも数日に1度となり、残りは昼も夜もずっと町で過ごすようになった。
10歳の子供が、町で何をしていたのか。
それは『人間観察』だ。
町を行き交う人々を、ユザーンはただのんびりと観察し続け……。そこで、ある疑問が生まれた。
(世の中には、どうして金もちと貧乏人がいるんだろう)
別に、義憤にかられた訳ではない。ただ、純粋に疑問だったのだ。
そして、更に不思議に思ったのは。
(貧乏人は、何でこの世界を受け入れているのだろう)
金持ちが、それを受け入れるのは分かる。
でも、貧乏人は自分が貧乏であることを嫌っているのに、誰もそのシステムから出て行こうとしない。貧しさから脱しようと思う人間のすることは、取り敢えず懸命に働くことと、貴族に取り入ること。判で押したように、彼らは今いるシステムの中でのみ金を得ることを目指す。
ユザーンには、それが不思議でならなかったが、では自分が世界を変えてやろうなどという馬鹿げたことは考えなかった。他人のことは他人が決めればいい。その代わり、自分のことは自分が決める。
ユザーンが最初に決めたこと。
それは、あらゆることを自分の手で検証すること。そして、その結果に基づいて、次の行動を決めること。
ユザーンは手始めに、貧乏人が手っ取り早くお金を得る方法を試してみた。それは物乞いから盗み、果ては街角で歌を歌うことまで、10歳の子供にできることなら善悪の区別なく、だ。
どれも最初は上手くいかず、何度も警備隊に捕まっては牢屋に入れられていたが、そのうち慣れて逃げ足も速くなった。いつの間にか仲間もできて、そのうちの何人かとは今でもつながりがある。そうした連中と、この先ずっと同じことをしてつるんでいくのだと。
ユザーン自身はそのつもりだった。だって得られる結果は、入ってくるお金は年ともに、どんどん多くなっていったから。
それが変わったのは、12歳の時。
国の資金源となるヒーセント候補者を見つけるテストは、ユザーンのような“橋の下”達にも実施され。
ユザーンは、そこで見事テストに合格した。ヒーセンスがあったのだ。
でも……。
(ヒーセンスって、そもそも何だ?)
そこからユザーンは勉強した。少しずつ、平民にも浸透してきていた“図書館”を利用して書物を紐解く。それは盗み以上に楽しく、やり甲斐のある作業だった。
ヒーセンスのあると分かった者は、国の保護下、という名の支配下に置かれ、家と食事と十分なお金が支給される。
そして、国に幾つかある特別クラスを持った学校に行かされ、後は死ぬまで国のシステムに従って働かされることになる。
しかし、ここでまたもや彼は気付いてしまった。
誰にでもある訳ではない、特殊な力。これを利用すれば、貧乏人が貧乏から抜け出すために取る別の方法を試すことができるのではないか。
(貧乏人は取り敢えず、貴族に取り入る。それで、本当に金持ちになれるのか……実際に試してみたい)
そうと決まれば、早速、行動だ。
貴族に取り入る、といっても、貴族は王族の親戚から、元は王家騎士団の騎士として働いていただけの者まで、自分で名乗っているだけの輩を含めればそれこそ無数にいる。
誰をターゲットにするのか。
自分の売りである能力、ヒーセンスを持っている人間を、誰よりも欲しがっているのはどこの家?
例え素性が悪くても、それでも家に迎えたいと思うくらい、それに飢えている人間はどこにいる?
ユザーンは分かっていた。
誰もが持っている“欲望”という感情。その質量が多ければ多いほど、そこに向かってあらゆる物がやってくる。それを上手に捌ける者は、欲望に尻を押されて上昇していくし、できない者は足を引っ張られて落ちていくのだと。
(そして、それは自分も同じこと)
この実験が成功するか否か。ユザーンの道は、まだ半ばだ。
そして彼は、その検証に自分の人生全てを賭けている。
***
「さて、そういう訳で、本と現実は違うと分かったことだし。ソル君も、どうぞお菓子を召し上がれ」
「あ、はい。頂きます」
焼き菓子を1つ、手に取って口に入れる。その目がまん丸く見開かれて。
「美味しい!これ、美味しいです、先輩!」
「良かった。ここのサロンはね、菓子職人の腕が良いんだ。だから、お茶会の度によく使わせてもらってるんだよ」
「その、お茶会……」
何かを言いかけて、迷うように口を閉じるソル。
考えていることが透けて見える、素直過ぎるその姿にユザーンの口元は知らず弧を描いて上がる。
「貴族だの、特別クラスだの、そういうのはもう止めよう。俺は君が気に入った。俺たちは友達じゃないか」
「友達……!」
ソルは感動したように呟いて。
「あの、では、お言葉に甘えて、質問させて下さい。先輩は、これまでもこういうお茶会は度々開かれていたんですか?」
「お茶会を始めたのは、最近のことだよ。俺も学校は今年で最後だし、どうせなら色んな人と話してみたいと思ってね」
「それは、その……学校では、特別クラスの人たち、いえ、方たちと喋ると、先生があまり良く思わないと聞いたのですが……」
「どうも、そうらしいね。本当にナンセンスだよ」
街角に立って、1日中、人間を観察していた、あの日々から8年。
ユザーンの趣味は、今でも人間観察だ。
人生を賭けている実験の他にも検証してみたいことは山のようにあって、1日が24時間では到底足りない。
そして、誰か。他に、自分と同じような、仲間になれる人間はいないのか……。
「ソル君は?俺たちに関わって、先生から怒られるのは困るかい?」
「困る……と言えば、困るかもしれないんですけど……」
少しだけ目線を下げた彼は、しかし次の瞬間、きっぱりと顔を上げた。
「それでも、僕は特別クラスの方とお話ししてみたいと思っていたんです。ずっと、長い間」
でも、生まれた場所は町を流れる川の橋の下。両親もユザーンが生まれる前、あるいは生まれるのとほぼ同時に姿を消しているので、正確な出自は全く分からない。12歳まで暮らした教会には、ユザーンの生まれた同時期、どうやら女が1人、複数の人間に運ばれるようにして姿を消したという記録があるようだが、そんな目撃証言もどこまで当てになるのか。しかも、置き去りにされたその子供が本当にユザーンであるという証拠もないのだ。
ユザーンを見つけた町の警備隊は、慣例に従い、取り敢えず彼を教会へと連れて行った。
が、ユザーンが大人しくそこにいたのは、大体10歳くらいまで。
それ以降は、寝に帰ることすらも数日に1度となり、残りは昼も夜もずっと町で過ごすようになった。
10歳の子供が、町で何をしていたのか。
それは『人間観察』だ。
町を行き交う人々を、ユザーンはただのんびりと観察し続け……。そこで、ある疑問が生まれた。
(世の中には、どうして金もちと貧乏人がいるんだろう)
別に、義憤にかられた訳ではない。ただ、純粋に疑問だったのだ。
そして、更に不思議に思ったのは。
(貧乏人は、何でこの世界を受け入れているのだろう)
金持ちが、それを受け入れるのは分かる。
でも、貧乏人は自分が貧乏であることを嫌っているのに、誰もそのシステムから出て行こうとしない。貧しさから脱しようと思う人間のすることは、取り敢えず懸命に働くことと、貴族に取り入ること。判で押したように、彼らは今いるシステムの中でのみ金を得ることを目指す。
ユザーンには、それが不思議でならなかったが、では自分が世界を変えてやろうなどという馬鹿げたことは考えなかった。他人のことは他人が決めればいい。その代わり、自分のことは自分が決める。
ユザーンが最初に決めたこと。
それは、あらゆることを自分の手で検証すること。そして、その結果に基づいて、次の行動を決めること。
ユザーンは手始めに、貧乏人が手っ取り早くお金を得る方法を試してみた。それは物乞いから盗み、果ては街角で歌を歌うことまで、10歳の子供にできることなら善悪の区別なく、だ。
どれも最初は上手くいかず、何度も警備隊に捕まっては牢屋に入れられていたが、そのうち慣れて逃げ足も速くなった。いつの間にか仲間もできて、そのうちの何人かとは今でもつながりがある。そうした連中と、この先ずっと同じことをしてつるんでいくのだと。
ユザーン自身はそのつもりだった。だって得られる結果は、入ってくるお金は年ともに、どんどん多くなっていったから。
それが変わったのは、12歳の時。
国の資金源となるヒーセント候補者を見つけるテストは、ユザーンのような“橋の下”達にも実施され。
ユザーンは、そこで見事テストに合格した。ヒーセンスがあったのだ。
でも……。
(ヒーセンスって、そもそも何だ?)
そこからユザーンは勉強した。少しずつ、平民にも浸透してきていた“図書館”を利用して書物を紐解く。それは盗み以上に楽しく、やり甲斐のある作業だった。
ヒーセンスのあると分かった者は、国の保護下、という名の支配下に置かれ、家と食事と十分なお金が支給される。
そして、国に幾つかある特別クラスを持った学校に行かされ、後は死ぬまで国のシステムに従って働かされることになる。
しかし、ここでまたもや彼は気付いてしまった。
誰にでもある訳ではない、特殊な力。これを利用すれば、貧乏人が貧乏から抜け出すために取る別の方法を試すことができるのではないか。
(貧乏人は取り敢えず、貴族に取り入る。それで、本当に金持ちになれるのか……実際に試してみたい)
そうと決まれば、早速、行動だ。
貴族に取り入る、といっても、貴族は王族の親戚から、元は王家騎士団の騎士として働いていただけの者まで、自分で名乗っているだけの輩を含めればそれこそ無数にいる。
誰をターゲットにするのか。
自分の売りである能力、ヒーセンスを持っている人間を、誰よりも欲しがっているのはどこの家?
例え素性が悪くても、それでも家に迎えたいと思うくらい、それに飢えている人間はどこにいる?
ユザーンは分かっていた。
誰もが持っている“欲望”という感情。その質量が多ければ多いほど、そこに向かってあらゆる物がやってくる。それを上手に捌ける者は、欲望に尻を押されて上昇していくし、できない者は足を引っ張られて落ちていくのだと。
(そして、それは自分も同じこと)
この実験が成功するか否か。ユザーンの道は、まだ半ばだ。
そして彼は、その検証に自分の人生全てを賭けている。
***
「さて、そういう訳で、本と現実は違うと分かったことだし。ソル君も、どうぞお菓子を召し上がれ」
「あ、はい。頂きます」
焼き菓子を1つ、手に取って口に入れる。その目がまん丸く見開かれて。
「美味しい!これ、美味しいです、先輩!」
「良かった。ここのサロンはね、菓子職人の腕が良いんだ。だから、お茶会の度によく使わせてもらってるんだよ」
「その、お茶会……」
何かを言いかけて、迷うように口を閉じるソル。
考えていることが透けて見える、素直過ぎるその姿にユザーンの口元は知らず弧を描いて上がる。
「貴族だの、特別クラスだの、そういうのはもう止めよう。俺は君が気に入った。俺たちは友達じゃないか」
「友達……!」
ソルは感動したように呟いて。
「あの、では、お言葉に甘えて、質問させて下さい。先輩は、これまでもこういうお茶会は度々開かれていたんですか?」
「お茶会を始めたのは、最近のことだよ。俺も学校は今年で最後だし、どうせなら色んな人と話してみたいと思ってね」
「それは、その……学校では、特別クラスの人たち、いえ、方たちと喋ると、先生があまり良く思わないと聞いたのですが……」
「どうも、そうらしいね。本当にナンセンスだよ」
街角に立って、1日中、人間を観察していた、あの日々から8年。
ユザーンの趣味は、今でも人間観察だ。
人生を賭けている実験の他にも検証してみたいことは山のようにあって、1日が24時間では到底足りない。
そして、誰か。他に、自分と同じような、仲間になれる人間はいないのか……。
「ソル君は?俺たちに関わって、先生から怒られるのは困るかい?」
「困る……と言えば、困るかもしれないんですけど……」
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