87 / 235
第06章 真実
第087話 別れ
しおりを挟む
一日前。
セイン王子はアトラスに入国後、シトラル国王との謁見を行った。
「この度の件について弁解の余地もございません。誠に申し訳ございませんでした。明日、リアム陛下より直接謝罪と今後のご相談をさせていただきたく、時間を頂きたいと存じます」
潰されるほどの重い空気の中、セイン王子は謝罪する。
沈黙の中、シトラル国王の重い口が開かれた。
「……信頼関係を崩す行為。王子のなされたことは決して許されるものではない。王として、いや、父としても許し難いことである。しかし、ローンズ王国はこの四年間で我が国にとって重要な国交相手になっていることは事実。明日、リアム陛下との謁見を許可しよう」
「ありがとうございます」
階下で跪くセイン王子は、深く頭を下げた。
◇
「親父さん……いえ、セロードさん。色々ありがとうございます」
謁見が終わると、セイン王子はセロードの執務室で頭を下げていた。
セロードがシトラル国王を説得し、レイの諜報部隊配属の許可を得たからだった。
「今回の潜入捜査は長くて一年までとします。成果が得られなくても期限後は速やかに帰国をお願いします。その際に……」
「はい、予定通り遂行します」
「……ああ」
セロードの呟きの後、長い沈黙があった。
それはその後に起こりうる状況が目に見えていたからだった。
何も知らないエリー王女やアラン、その他仲間や友人……。
想像するだけで胸が痛い。
「明日の朝、ジェルドの事務所へ向かうように。それまではいつも通りレイとして過ごしてください」
「いつも通り……」
もしかしたら最後の別れとしてセロードが用意してくれた機会なのかもしれない。
セイン王子は感謝の意を込めて頭を深く下げ、部屋を後にした。
◇
逸る気持ち押さえながら、エリー王女がいる庭園に足を運ぶ。
真剣に書類に目を通すエリー王女に、セイン王子は目を細めた。
「ごめん……」
セイン王子は誰にも聞こえないほどの小さな声で呟く。
瞳を閉じ呼吸を整えると、セイン王子はレイとして声をかけた。
「エリー様、ただいま」
レイの声に振り返るエリー王女は全身から喜びを溢れさせていた。
それが嬉しくて悲しい。
込み上げてくる涙を堪え、笑顔を作った。
夜、二人きりになるとエリー王女への想いが止められなくなった。
しかし喉まで出かかった言葉は何度も飲み込んだ。
もう会えないことを。
そして謝罪の言葉を……。
その言葉を隠すように、レイは身勝手にエリー王女と最後の夜を過ごした。
◇
朝食の時間になってしまったため、レイはジェルミア王子に断りを入れ、エリー王女を部屋に連れて戻った。
「内密な話ってなんだったの?」
レイの問いにエリー王女は言い淀む。
ジェルミア王子はアーニャを守るために、誰にも知らせないで欲しいと伝えていた。伝えれば出所を調べられることは明白である。
「いや、いいんだ。内密な話と言っていたわけだし。だけど、困ったことになったらアランを頼って?」
「アランを? レイは……? もしかしてまた……」
エリー王女はレイの腕をきゅっと握り締めた。
「ごめん。今からまた暫く他の仕事をしなくてはいけないんだ。側にいられなくてごめんね」
「今から……それはとても寂しいです……。今度はどれくらい不在になるのですか?」
「んー、結構時間が掛かるかもしれない。だから、俺がいない間に何かあったらアランやマーサさんを頼ってね。あと、無理しないでちゃんと休むんだよ? それから……」
レイはエリー王女を胸に引き寄せる。
「いつも笑っていて……」
「……はい。レイも無理しないで下さい。私、待っています」
「うん……ありがとう」
エリー王女を体から離し、唇ではなく頬に別れの口付けを落とした……。
◇
「ごめん、お待たせ」
レイが自分の部屋に戻ると、アランは読んでいた本を閉じてレイの側に寄ってきた。
「エリー様、何の用事だった?」
アランの問いに、レイは朝、エリー王女に呼ばれてから何があったかを報告した。
「そうか、分かった。気をつけて様子を見ておく。レイ、もう出発するんだろ? 諜報部隊への配属ではあるが、側近としての立ち位置も残しておくそうだ。だから、終わったらちゃんと戻って来いよ」
「うん……。ねぇ、アラン。万が一俺に何かあったらエリー様に俺のことは気にせず前を向いてって伝えて」
戻って来いという言葉にレイは曖昧に答え、話を反らす。
嘘をつくのはもう沢山だ……。
「……分かった。だが、無事に戻れよ。……ああ、そうだ……さっきアリスから手紙が届いた。セイン様の話なんて聞いてないぞ」
机の上にあった手紙を取りに行き、ひらひらと見せてからレイに手渡した。
「あー……、いや、俺がセイン様じゃないかって言うからさ、流石にそれはないと思ってアランには言わなかったんだ。ごめん。……そっか、アリスはセイン様が眠っている所を確認したんだ。うん、だよね、やっぱりそれはなかったね、あはは」
レイはアリスからの手紙に目を通し、笑った。
「アリスにはアランからお礼を送っておいて」
そう言いながらレイは魔法で手紙を燃やす。
実はアリスが疑っていることをリアム国王に伝え、セイン王子の部屋で眠っているところをわざとアリス見せたのだった。
これでもうレイとセインについて疑うものはいなくなった。
「じゃあ、俺行くよ。エリー様のこと宜しく。本当、俺、アランと出会えて良かったよ」
レイはアランを抱きしめた。
「な……どうしたレイ」
「ははは。うん、二人と離れるのは寂しいな~って。でも、俺、頑張るよ」
「……ああ、早く終わらせて戻ってこい」
アランがレイの背中をバンバンと力強く叩く。
「うわ、いった~~~!!」
その痛みにレイは瞳を閉じ、噛み締めるようにアランの背中を同じように叩いた。
セイン王子はアトラスに入国後、シトラル国王との謁見を行った。
「この度の件について弁解の余地もございません。誠に申し訳ございませんでした。明日、リアム陛下より直接謝罪と今後のご相談をさせていただきたく、時間を頂きたいと存じます」
潰されるほどの重い空気の中、セイン王子は謝罪する。
沈黙の中、シトラル国王の重い口が開かれた。
「……信頼関係を崩す行為。王子のなされたことは決して許されるものではない。王として、いや、父としても許し難いことである。しかし、ローンズ王国はこの四年間で我が国にとって重要な国交相手になっていることは事実。明日、リアム陛下との謁見を許可しよう」
「ありがとうございます」
階下で跪くセイン王子は、深く頭を下げた。
◇
「親父さん……いえ、セロードさん。色々ありがとうございます」
謁見が終わると、セイン王子はセロードの執務室で頭を下げていた。
セロードがシトラル国王を説得し、レイの諜報部隊配属の許可を得たからだった。
「今回の潜入捜査は長くて一年までとします。成果が得られなくても期限後は速やかに帰国をお願いします。その際に……」
「はい、予定通り遂行します」
「……ああ」
セロードの呟きの後、長い沈黙があった。
それはその後に起こりうる状況が目に見えていたからだった。
何も知らないエリー王女やアラン、その他仲間や友人……。
想像するだけで胸が痛い。
「明日の朝、ジェルドの事務所へ向かうように。それまではいつも通りレイとして過ごしてください」
「いつも通り……」
もしかしたら最後の別れとしてセロードが用意してくれた機会なのかもしれない。
セイン王子は感謝の意を込めて頭を深く下げ、部屋を後にした。
◇
逸る気持ち押さえながら、エリー王女がいる庭園に足を運ぶ。
真剣に書類に目を通すエリー王女に、セイン王子は目を細めた。
「ごめん……」
セイン王子は誰にも聞こえないほどの小さな声で呟く。
瞳を閉じ呼吸を整えると、セイン王子はレイとして声をかけた。
「エリー様、ただいま」
レイの声に振り返るエリー王女は全身から喜びを溢れさせていた。
それが嬉しくて悲しい。
込み上げてくる涙を堪え、笑顔を作った。
夜、二人きりになるとエリー王女への想いが止められなくなった。
しかし喉まで出かかった言葉は何度も飲み込んだ。
もう会えないことを。
そして謝罪の言葉を……。
その言葉を隠すように、レイは身勝手にエリー王女と最後の夜を過ごした。
◇
朝食の時間になってしまったため、レイはジェルミア王子に断りを入れ、エリー王女を部屋に連れて戻った。
「内密な話ってなんだったの?」
レイの問いにエリー王女は言い淀む。
ジェルミア王子はアーニャを守るために、誰にも知らせないで欲しいと伝えていた。伝えれば出所を調べられることは明白である。
「いや、いいんだ。内密な話と言っていたわけだし。だけど、困ったことになったらアランを頼って?」
「アランを? レイは……? もしかしてまた……」
エリー王女はレイの腕をきゅっと握り締めた。
「ごめん。今からまた暫く他の仕事をしなくてはいけないんだ。側にいられなくてごめんね」
「今から……それはとても寂しいです……。今度はどれくらい不在になるのですか?」
「んー、結構時間が掛かるかもしれない。だから、俺がいない間に何かあったらアランやマーサさんを頼ってね。あと、無理しないでちゃんと休むんだよ? それから……」
レイはエリー王女を胸に引き寄せる。
「いつも笑っていて……」
「……はい。レイも無理しないで下さい。私、待っています」
「うん……ありがとう」
エリー王女を体から離し、唇ではなく頬に別れの口付けを落とした……。
◇
「ごめん、お待たせ」
レイが自分の部屋に戻ると、アランは読んでいた本を閉じてレイの側に寄ってきた。
「エリー様、何の用事だった?」
アランの問いに、レイは朝、エリー王女に呼ばれてから何があったかを報告した。
「そうか、分かった。気をつけて様子を見ておく。レイ、もう出発するんだろ? 諜報部隊への配属ではあるが、側近としての立ち位置も残しておくそうだ。だから、終わったらちゃんと戻って来いよ」
「うん……。ねぇ、アラン。万が一俺に何かあったらエリー様に俺のことは気にせず前を向いてって伝えて」
戻って来いという言葉にレイは曖昧に答え、話を反らす。
嘘をつくのはもう沢山だ……。
「……分かった。だが、無事に戻れよ。……ああ、そうだ……さっきアリスから手紙が届いた。セイン様の話なんて聞いてないぞ」
机の上にあった手紙を取りに行き、ひらひらと見せてからレイに手渡した。
「あー……、いや、俺がセイン様じゃないかって言うからさ、流石にそれはないと思ってアランには言わなかったんだ。ごめん。……そっか、アリスはセイン様が眠っている所を確認したんだ。うん、だよね、やっぱりそれはなかったね、あはは」
レイはアリスからの手紙に目を通し、笑った。
「アリスにはアランからお礼を送っておいて」
そう言いながらレイは魔法で手紙を燃やす。
実はアリスが疑っていることをリアム国王に伝え、セイン王子の部屋で眠っているところをわざとアリス見せたのだった。
これでもうレイとセインについて疑うものはいなくなった。
「じゃあ、俺行くよ。エリー様のこと宜しく。本当、俺、アランと出会えて良かったよ」
レイはアランを抱きしめた。
「な……どうしたレイ」
「ははは。うん、二人と離れるのは寂しいな~って。でも、俺、頑張るよ」
「……ああ、早く終わらせて戻ってこい」
アランがレイの背中をバンバンと力強く叩く。
「うわ、いった~~~!!」
その痛みにレイは瞳を閉じ、噛み締めるようにアランの背中を同じように叩いた。
0
あなたにおすすめの小説
宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~
紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。
そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。
大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、
シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」
あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。
お嬢様と執事は、その箱に夢を見る。
雪桜
恋愛
✨ 第6回comicoお題チャレンジ『空』受賞作
阿須加家のお嬢様である結月は、親に虐げられていた。裕福でありながら自由はなく、まるで人形のように生きる日々…
だが、そんな結月の元に、新しく執事がやってくる。背が高く整った顔立ちをした彼は、まさに非の打ち所のない完璧な執事。
だが、その執事の正体は、なんと結月の『恋人』だった。レオが執事になって戻ってきたのは、結月を救うため。だけど、そんなレオの記憶を、結月は全て失っていた。
これは、記憶をなくしたお嬢様と、恋人に忘れられてしまった執事が、二度目の恋を始める話。
「お嬢様、私を愛してください」
「……え?」
好きだとバレたら即刻解雇の屋敷の中、レオの愛は、再び、結月に届くのか?
一度結ばれたはずの二人が、今度は立場を変えて恋をする。溺愛執事×箱入りお嬢様の甘く切ない純愛ストーリー。
✣✣✣
カクヨムにて完結済みです。
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
※第6回comicoお題チャレンジ『空』の受賞作ですが、著作などの権利は全て戻ってきております。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
恋。となり、となり、隣。
雉虎 悠雨
恋愛
友人の部屋にルームシェアすることになった篠崎ゆきは、引っ越してから三ヶ月、家が変わった以外は今まで通りの日常を送っていた。隣は赤ちゃんがいる家族と一人暮らしの背の高いあまり表情のない男。
ある日、マンションに帰ってくると、隣の部屋の前でその部屋の男、目雲周弥が倒れていた。
そして泥酔していたのを介抱する。
その一ヶ月後、またも帰宅すると隣の部屋の前でうずくまっている。また泥酔したのかとゆきが近づくと、前回と様子が違い酷いめまいを起こしているようだった。
ゆきは部屋になんとか運び入れ、また介抱した。
そこからゆきの日常も目雲の日常も変化していく。
小説家になろうにも掲載しています
【完結】初恋の人に嫁ぐお姫様は毎日が幸せです。
くまい
恋愛
王国の姫であるヴェロニカには忘れられない初恋の人がいた。その人は王族に使える騎士の団長で、幼少期に兄たちに剣術を教えていたのを目撃したヴェロニカはその姿に一目惚れをしてしまった。
だが一国の姫の結婚は、国の政治の道具として見知らぬ国の王子に嫁がされるのが当たり前だった。だからヴェロニカは好きな人の元に嫁ぐことは夢物語だと諦めていた。
そしてヴェロニカが成人を迎えた年、王妃である母にこの中から結婚相手を探しなさいと釣書を渡された。あぁ、ついにこの日が来たのだと覚悟を決めて相手を見定めていると、最後の釣書には初恋の人の名前が。
これは最後のチャンスかもしれない。ヴェロニカは息を大きく吸い込んで叫ぶ。
「私、ヴェロニカ・エッフェンベルガーはアーデルヘルム・シュタインベックに婚約を申し込みます!」
(小説家になろう、カクヨミでも掲載中)
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ある日、私は事故で死んだ───はずなのに、目が覚めたら事故の日の朝なんですけど!?
ねーさん
恋愛
アイリスは十六歳の誕生日の前の日に、姉ヴィクトリアと幼なじみジェイドと共に馬車で王宮に向かう途中、事故に遭い命を落とした───はずだったが、目覚めると何故か事故の日の朝に巻き戻っていた。
何度もその日を繰り返して、その度事故に遭って死んでしまうアイリス。
何度目の「今日」かもわからなくなった頃、目が覚めると、そこにはヴィクトリアの婚約者で第三王子ウォルターがいた。
「明日」が来たんだわ。私、十六歳になれたんだ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる