ヴェイルズ
人は、いつも正しい顔をして嘘をつく。
アトラス王国の王女エリーは、唯一の子供として十八年間、隔離されたまま生きてきた。
そして成人と同時に、政治の道具として闇深い世界へ放り出される。
彼女の前に現れた青年は、名を失い、過去を奪われ、
「別人」として生きることを強いられた存在だった。
王、王子、騎士、側近、神、悪魔。
それぞれが“役割”というヴェイル(覆い)をまとい、
本心を隠したまま、国と運命の渦へと巻き込まれていく。
名前とは何か。
守るとは何か。
愛するとは、誰かを選ぶことなのか、それとも——。
奪われた名と、偽りの立場。
幾重にも重なるヴェイルの奥で、
彼らは「本当の自分」と向き合うことになる。
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