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1章
【6話】コイツら頭おかしい。
しおりを挟む「では、これよりギルドスカウトを始めさせて頂きます。まずは......」
白い礼服を身に纏った中々地位の高そうな見た目をした男が始まりの言葉を宣言し、続いてお姫様やら貴族連中の祝い事ですらないのに謎の祝辞を聞かされる。
地獄かここは。
眠すぎる。
「ふわぁ...。」
かれこれ、30分以上謎祝辞で時間を使っており、首がガクガクしている冒険者ギルドの面々が多々見られる。
隣に座っているライナさんなんて、20分前くらいから俺の肩に頭を乗せて寝に入ってしまった。
そろそろ肩が痛いんで起こそうかな。
そう思っていた時だった。
「私、リリアン・ライア・ゼヒアル第3皇太妃の言葉を持って、只今よりギルドスカウトを始めさせていただきます。」
「はぁ...長すぎでしょ。」
そうボソッと呟いて、謎の長時間の建前祝辞に多少イライラしながらも終わった後の幸福感に包まれながら、隣でまだスヤスヤと寝ているライナの脇腹をイタズラ混じりに、人差し指で少しだけ強く押してやる。
「イヤッ!!」
「....。」
そう言って、飛び跳ねる様に起き上がったライナ。
何が起きたのかわからず、目をキョロキョロと周りを見渡すが、俺が犯人だと分かったと言わんばかりにジト目で俺を睨みつける。
「変態...。」
「...ごめんなさい。」
あまり見た事のないライナの表情に、少しだけ、ほんの少しだけドキッとしてしまった...。
神様、こんな愚かな俺をどうかお許しください。
「あの!」
そんな事を1人で念じていると、目の前には先程まで謎祝辞を述べていた姫様が俺の目の前に立ちはだかっていた。
え?俺、何か気に触る事でもしました?
姫様は、俺の前に仏頂面で立ったまま動かない。
それにしても、この人近くで見てもやっぱりめちゃくちゃ美人だな...。
流石、皇太妃の中でも1番の美貌だと言われている事だけはある...。
胸は小さいが...。
「はい?」
「...。」
「す、すみませーん。えっと...俺なんかやりました?」
「...あっ、えっと...そういう訳ではないのです。」
「あ、そ、そうですか。」
沈黙な時間が流れていく。
とりあえず気まずいので、姫様に視線を送らない様に周りを見渡す。
他のギルドの輩たちは、ギルドスカウトという名前の通り、新規の冒険者やパーティを組んではこなかったソロ冒険、または訳ありの冒険者などを見定めながら、面接を行なっていた。
端っこの方では、威勢の良さそうな若い冒険者が城に事前に配置されていた騎士団によって連行されていたり、面接している中喧嘩になったのかギルド頭主らしきオッサンと赤髪の少年が殴り合いをしているなどと...やはり冒険者同士は気性が荒く短気な為すぐに喧嘩になってしまう。
怖い。
怖すぎる。
早く帰りたい。
姫様はずっとモジモジしたまま下を向いて動かないし、カオスすぎるでしょ...この空間。
ふと助けを求めようとライナを見るが、その瞳は完全に落ちきっていた。
良くこんな状況で寝れるな?
と呆れる反面、その図太さを見習いたい所でもある。
「あ、あの!」
「はい?」
「私を貴方のギルドに入れてください!!」
「はい?!」
「お待ち下さい!リリアン様!」
おぉ、なんか騎士みたいな偉そうな人が来た。早くこの姫様止めてあげて。
なんか洗脳とか何かされてるんじゃないの?
「私にこの者の力量を試させて頂きたい。」
「は?」
「...良いでしょう。我が騎士アルデンよ。」
え?何...コイツも洗脳されてんの??
てか『我が』騎士って、近衛騎士団の人だよね?この人。
絶対強いじゃん。
俺勝てないよ?マジで?
死ぬの?俺。
こんな所で?
「良いですよね?赤穂の蛍、頭主リーク様。」
「...。」
は?良くないわ!
全然良くないってマジで!!
俺、死ぬよ??
その姫様お気に入りの騎士、人殺しになっちゃうよ?
「フフッ。」
とりあえず適当に濁して逃げよう。
今すぐ逃げよう。
「ありがとうございます。では、闘技場へご案内させて頂きます。」
「...。」
ん?何で勝手に話し進んでんの?
頭おかしいのか、コイツら...?!
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