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捻られてゆく腕
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摩耶が控え室から会場に入っていくと、そこはいつものように異様な程の熱気に包まれていた。
そして、香奈恵が摩耶を紹介すると、大きな歓声が上がった。
摩耶はゆっくりとステージに向かって歩いていく。ゲスト達は皆、摩耶を見ては大騒ぎをしてい達
ステージの下まで来ると、香奈恵は拍手をしながら摩耶をを見下ろした。
表情はにこやかだが、目は獲物を見る様に鋭い。
摩耶は、香奈恵を見つめ返しながら階段を上がった。
初めて上がったステージは、思ったより狭かった。
中央には、摩耶より先に紹介されたメインキャストが十字架に磔にされていた。
キャスト達は、会合に参加する際、1人1人が指定された衣装を身に着けなければならない。今日のメインキャストは黒いビキニの水着姿だったが、彼女もやはり水着を指定され、ドレスの下に着込んできていたのだろう。
女の名は水上理絵。最近雑誌等で注目を集めているプロのモデルだ。
165センチ以上の長身だが、細い体と小さな顔が彼女を小柄に見せている。褐色の肌をした手足は長く、見事なプロポーションだ。エキゾチックな雰囲気の美しい顔は、恐怖にひきつり、危険な程の妖艶さを醸し出している。緊張で小刻みに震える厚めの唇が何とも魅力的だ。
彼女の手足を見ると、ありきたりの手枷足枷で十字架に磔にされているのではない事が分かる。手首や足首はもちろんの事、二の腕や太股に至るまで幾重にもストラップでガッチリと固定されていた。
これでは、手足を少しも動かす事は出来ないだろう。
摩耶は、すぐ横のテーブルの上に置かれているリモコンを手に取った。これの使い方は既に教えられていた。
香奈恵の合図でデモがスタートすると、 摩耶はリモコン上部のスイッチの1つを押し、中央のダイアルをゆっくりと回した。
すると、理絵が磔にされている十字架が静かなモーター音を放ち始めた。
そして十字架は、丁度彼女の右腕の肘のあたりを固定している部分から先だけが、後ろに折れ曲がり始めた。
よく見ていないと分からない位ゆっくりではあったが、十字架は確実に折れ曲がり、それに合わせて、理絵の腕も肘から先がゆっくりと後ろに捻られていった。
「い、嫌。。やめてっ。。あ。。うっ。。くっ。。痛い。。う、腕が。。ああっ。。」
理絵が、恐怖だけを感じていられたのはほんのわずかの時間だった。
彼女の細く美しい右腕は、肘の関節を曲がる方向とは逆に捻られ、早くも激痛に襲われていた。
苦痛に歪む理絵の顔がモニターに映し出されると、そのあまりの美しさに場内は溜息とともに静まり返った。
皆、これからの展開を残忍な期待を持って、見守っていた。
メインゲストの男も、すぐ近くで興奮した様子で理絵の痛がる姿を見つめている。
今度は少し大きな声を出してもらおうかしら。
摩耶は演出を考えながら、一瞬だけダイアルのつまみを大きめに回した。
「んあっ!!痛いぃ~っ!やめて、腕が折れちゃう!うううっ。。助けて。。お、お願い。。腕が。。」
理絵が悲鳴を上げ、悲痛な表情で摩耶に助けを求めた。
腕が急に強く捻られ、理絵の右腕の痛みは一気に増大した。
そして、香奈恵が摩耶を紹介すると、大きな歓声が上がった。
摩耶はゆっくりとステージに向かって歩いていく。ゲスト達は皆、摩耶を見ては大騒ぎをしてい達
ステージの下まで来ると、香奈恵は拍手をしながら摩耶をを見下ろした。
表情はにこやかだが、目は獲物を見る様に鋭い。
摩耶は、香奈恵を見つめ返しながら階段を上がった。
初めて上がったステージは、思ったより狭かった。
中央には、摩耶より先に紹介されたメインキャストが十字架に磔にされていた。
キャスト達は、会合に参加する際、1人1人が指定された衣装を身に着けなければならない。今日のメインキャストは黒いビキニの水着姿だったが、彼女もやはり水着を指定され、ドレスの下に着込んできていたのだろう。
女の名は水上理絵。最近雑誌等で注目を集めているプロのモデルだ。
165センチ以上の長身だが、細い体と小さな顔が彼女を小柄に見せている。褐色の肌をした手足は長く、見事なプロポーションだ。エキゾチックな雰囲気の美しい顔は、恐怖にひきつり、危険な程の妖艶さを醸し出している。緊張で小刻みに震える厚めの唇が何とも魅力的だ。
彼女の手足を見ると、ありきたりの手枷足枷で十字架に磔にされているのではない事が分かる。手首や足首はもちろんの事、二の腕や太股に至るまで幾重にもストラップでガッチリと固定されていた。
これでは、手足を少しも動かす事は出来ないだろう。
摩耶は、すぐ横のテーブルの上に置かれているリモコンを手に取った。これの使い方は既に教えられていた。
香奈恵の合図でデモがスタートすると、 摩耶はリモコン上部のスイッチの1つを押し、中央のダイアルをゆっくりと回した。
すると、理絵が磔にされている十字架が静かなモーター音を放ち始めた。
そして十字架は、丁度彼女の右腕の肘のあたりを固定している部分から先だけが、後ろに折れ曲がり始めた。
よく見ていないと分からない位ゆっくりではあったが、十字架は確実に折れ曲がり、それに合わせて、理絵の腕も肘から先がゆっくりと後ろに捻られていった。
「い、嫌。。やめてっ。。あ。。うっ。。くっ。。痛い。。う、腕が。。ああっ。。」
理絵が、恐怖だけを感じていられたのはほんのわずかの時間だった。
彼女の細く美しい右腕は、肘の関節を曲がる方向とは逆に捻られ、早くも激痛に襲われていた。
苦痛に歪む理絵の顔がモニターに映し出されると、そのあまりの美しさに場内は溜息とともに静まり返った。
皆、これからの展開を残忍な期待を持って、見守っていた。
メインゲストの男も、すぐ近くで興奮した様子で理絵の痛がる姿を見つめている。
今度は少し大きな声を出してもらおうかしら。
摩耶は演出を考えながら、一瞬だけダイアルのつまみを大きめに回した。
「んあっ!!痛いぃ~っ!やめて、腕が折れちゃう!うううっ。。助けて。。お、お願い。。腕が。。」
理絵が悲鳴を上げ、悲痛な表情で摩耶に助けを求めた。
腕が急に強く捻られ、理絵の右腕の痛みは一気に増大した。
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