異世界転生しても学校はあるらしい。

ちょう爺

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第一章 入学までの出来事

4,異世界転生しても学校はあるらしい。

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「・・・。」

 言葉が出ない。
 何故鏡には少女が写っている?
 これが私の姿?

 鏡の前で呆然と立ち尽くしているのを不審に思ったのか、おそらくこの少女の母親であろう女性が話しかけてきた。

 「本当に大丈夫?今日はもう休みなさい。あなた明日から学校でしょう?」

 「がっ・・こう・・・?」

 もう頭が情報の処理についていけず絞り出すように言葉を発する。

 「そう・・・ですね。今日はもう休むことにします・・・。」

 そう言うとよろよろと部屋の隅に置いてある布団に潜り込み、目を瞑った。

 「おやすみなさい。さっきも言ったけど明日は学校だからね。疲れを取って万全の状態で向かいなさい。母さんも応援してるわ。」

 この世界に来てから色々な事が起こりすぎた。

 これは夢で目を覚ませば自分の見知った世界に戻っているハズと淡い期待を持って大和は眠りについたーーー


ーーー次の日の早朝
 目を覚ましても何も変わっていなかった。

 隣の部屋から良い匂いがしてきたので寝ぼけ眼でトコトコと匂いの元へ向かった。
 そこでは母親であろう女性が朝食を作っていた。

 「あら、いつもはお寝坊さんなのに今日は早いのね。もしかして学校に行けるから興奮してるのかしら?」

 「そ・・そうかもしれないです。」

 なんと言っていいかわからず、こんな言葉しかでてこなかった。

 「もう、他人行儀は禁止!あなたは私の娘なんだから、いつもどおり話していいのよ?」

 ・・・まずい。

 私は何故かこの女性の娘の姿をしているが、娘だった記憶なんて全くない。
 かといってこのままの口調で喋ると面倒な事になりそうだ。

 「わかりまし・・・わかったわ。」

 (今まで17年ばかり生きてきたがまさかこんなところで女口調を使うとは思わなかった・・・。)

 「ところで学校ってどこにあるの?」

 大和はこの世界に来たばかりで土地勘などあるわけもなく、女性に聞く。

 「そこの転移魔方陣からいけるでしょ?本当にどうしたの?昨日から様子がおかしいわよ?」

 「そっ、そうだよね!ごめん!まだ寝ぼけてた!」

 このままだとボロが出そうなので大和は魔方陣に乗り学校へ向かうことにした。

 「い、いってきます!」

 「あら、朝ご飯はいいの?」

 「お腹空いてないから大丈夫!」

 早くこの場から離れたい大和は半ば強引に魔方陣から転移した。

 転移した先には映画に出てきそうな大きな城が建っていた。


(・・・まさかコレじゃないよな?)
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