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廃墟の紫 ―Amethyst―
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崩れ果てた廃墟にある、地下へと続く螺旋階段に、恐る恐る足を置く。階段を下りきった先にあったのは、紫色の水を湛えた小さな泉。
「飲んで、みるか?」
突如響いた高い声に、懐中電灯を取り落とす。先程までは無かった黄金の髪に、シリルはわなわなと唇を震わせた。
そのシリルの前に、紫色の液体を湛えた杯が差し出される。飾りたてられた杯を、シリルは震える腕で受け取った。
その昔、この地に暮らしていた一族は、紫色の水に変異する妖精との盟約によって富を得ていたという。その富の噂に惑わされ、この地で行方不明になった者は数知れず。だが。……母の病を治す為には、富が、必要。だから。唇を引き結び、シリルは紫色の液体を飲み干した。
「飲んで、みるか?」
突如響いた高い声に、懐中電灯を取り落とす。先程までは無かった黄金の髪に、シリルはわなわなと唇を震わせた。
そのシリルの前に、紫色の液体を湛えた杯が差し出される。飾りたてられた杯を、シリルは震える腕で受け取った。
その昔、この地に暮らしていた一族は、紫色の水に変異する妖精との盟約によって富を得ていたという。その富の噂に惑わされ、この地で行方不明になった者は数知れず。だが。……母の病を治す為には、富が、必要。だから。唇を引き結び、シリルは紫色の液体を飲み干した。
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