灰かぶり姫と月の魔法使い

星 佑紀

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第参譚

0029:ツクヨミの疑問

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 【side ツクヨミ】


「ということで、…………俺、暫く眠るから後は頼んだぞ、ツクヨミ。(かなり疲れたご様子)」

「えええ⁉︎ じょ、冗談はよしてくださいよ、お師匠様‼︎」

「……もうすぐルナが目を覚ますからな。」

「えっ? 本当ですか! なら早く代わってください!」

「…………お前、やけに嬉しそうだな。ルナのことが好きなのか?(ギロリ)」

「え、えっとー、ち、違いますよ、お師匠様。……灰かぶり姫は、マーズ殿下のお嫁さんになるから、す、好きになってはいけないのです。(モジモジ)」

「…………それは無いと思うがな。」

「えっ?(表情がパァァと明るくなる)……でも、マーキュリー殿下が『灰かぶり姫とマーズは、お似合いだろうから、僕が二人を良い感じに引き合わせたら、お互いに想い合って、いずれは結婚するかもな!』って仰っていましたよ。」

「それはいつの話だ?(怪訝な顔)」

「僕が灰かぶり姫を迎えに行く直前です。」

「はあ、……人の心ってのはな、そんなに簡単に上手くいくはずがないだろうが。……マーキュリーも大概馬鹿だな。」

「お、お師匠様……。(困り眉)」

「少なからず、俺はルナをマーズにはやらんぞ。」

「ほ、ほんとですか‼︎ (表情がパァァァと明るくなる)」

「当たり前だ。……面倒だろ、アイツ。」

「い、いや、でも、殿下はとても良いお方ですよ!」

「それに、アイツはずっとを引きずっているんだ。過去の女を忘れられないような輩に、うちの娘はやれん。」

「……初恋って、お師匠様ではないのですか?(ほえ?)」

「違うわ、たわけが!(バシッとツクヨミを殴る)」

「い、痛いです、お師匠様ー!(涙)」

「お前がわけわからん事を言うからだろーが!」

「えええ‼︎ でも、僕、マーズ殿下から何度もお師匠様との運命的な出会いを聞いていますし、殿下はいつもお師匠様にべったりくっついているではありませんか?」

「…………マーズを助けたのは、俺じゃない。」

「ーーーーっ⁉︎(ええええええ⁉︎)」

「…………俺はその時、月国にいたんだ。」

「……で、では、一体誰が、マーズ殿下を助けた初恋の人なのですか?(びっくり仰天)」

「…………。(気絶してバタンキュー)」

「お、お師匠様ーーーーっ⁉︎」


 お師匠様は、肝心なところで、バタンと倒れてしまった。

 僕は、お師匠様(身体は灰かぶり姫)を抱え込んで、気道を確保する。……大丈夫、息はしているみたいだ。……しかし、お師匠様が言っていることが正しければ、誰かがマーズ殿下の記憶を操作している可能性がある。……一体、誰がそのようなことをしたのかな?

 僕の疑問は尽きないが、とりあえず、灰かぶり姫の容態も心配だ。……第零魔法省ナターシャ様(?)には、丁寧にお断りをして、第一魔法省イリアルテに早く戻ろう。


「な、ナターシャ様、……お師匠様が倒れてしまって再起不能ですので、お遊びはまた今度にしませんか?」

『……別に少年だけでも、ナターシャは構わんぞ。』

「……で、ですが、僕は、灰かぶり姫の介抱もしなくてはなりませんので、……ねっ?(汗)」

『むむむ、イリアルテアヤツルナお気に入りか。……よいだろう。今回だけは見逃してやる。(イリアルテアヤツは少々面倒だからな。)』

「あ、ありがとうございます、ナターシャ様!(アヤツって誰なのかな?)」

『その代わり、必ず時間を作って、エドワードとルナその娘を連れて遊びに来るようにな。』

「はい! ナターシャ様‼︎」

ナターシャは少々疲れた。……このまま一時昼寝するから、少年も早く戻りなさい。』

「はい、ナターシャ様‼︎」

『……それではまた会おう、少年とロックの生き残りよ。』


 シュパパパパ!


 不思議な音とともに、大きな鏡は消えてしまった。

 ……まるで嵐のような出来事だった。もしかして、僕は覗いてはいけない、アデル皇国の裏側を見てしまったのかな?

 でも、成ってしまったことは仕方がないのだ。……これ以上の闇に遭遇するかもしれないし、……とにかく、僕は灰かぶり姫を守らなくてはならない!


 ーー灰かぶり姫を抱いたの魔法使いツクヨミは、急いで転送用の魔法陣を地面に描き込んだ‼︎ーー
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