12 / 59
第壱譚(修正前)
0011:先輩ノアの妻と殿下の偽物
しおりを挟む
「マリア様、初めてお目にかかります、オリビア・フィックスドですわ。着ぐるみ屋さんの着ぐるみデザイン担当をやっております。どうか、お見知り置きを。(深く礼)」
「わふう!(宜しくお願い致します!)」
「ーーーーっ‼︎ お可愛いらし過ぎますわ!(興奮の嵐)」
「お、オリビアさん、落ち着いて……。(汗ノア)」
皆様、こんばんは。少し前から、クーデター組織『スピカ』の一員となった、マリア・ラーズベルトですわ! 現在私は、団員から慕われている先輩ノア様の奥方オリビア様と初対面しているところです。パトリック様に聞いたのですが、このオリビアさん、……なんと、着ぐるみの型紙を作成されていらっしゃるそうなのですよ。
「柴犬着ぐるみさんの着心地はいかがですか?」
「わふふ!(とても軽くて着やすいですわ!)」
「犬語はわかりませんが、なんとなく良さそうですね!」
「わふ⁉︎(そうでしたわ! フードを下ろさないと!)」
普通に着心地が良すぎて忘れていましたわ! この柴犬着ぐるみさんは、フードを被っているときだけ何かを話すと、犬語に変換されるみたいなのですが、それがとても面白いので、ずっと被りっぱなしで暮らしているのです。ちなみにパトリック様には、何故だか犬語も通じるので気をつけておかないといけません。私はシュパパッとフードを下ろしてから、オリビア様に柴犬着ぐるみさんの感想を言いました。
「オリビア様、この柴犬着ぐるみさんは、とても軽くて着心地も良くて、何よりとても可愛いので、大好きですわ‼︎」
「ーーーーっ‼︎ 徹夜で考えた甲斐がありました!」
「オリビア様、ありがとうございます。(ペコリ)」
「マリア様のお身体に合って本当に良かったですわ! ……ちなみに、デザインと型紙の作成は、私が受け持ちましたが、実際に布を切ったり縫ったりしたのは、パトリック殿下なのですよ。(にこにこ)」
「そ、そうなのですか⁉︎(大汗)」
あのパトリック様が、針を扱われたのですか⁉︎
「ええ、『僕の運命の人が着る服は、自分で作らないとね。……誰かの手垢がついた服を着せるつもりは無いよ。(黒殿下)』って、仰っていらっしゃいましたよ。」
「そ、そうだったのですね……。(大汗)」
パトリック様は、私のことをよく気にかけてくださる良いお方なのですが、……衣食住の権限を握られているような、いないような。……とりあえず、パトリック様にはお礼を言っておかなければいけませんね。(遠い目)
「マリア様、私たちの子も連れてきているのですが、二人とも寝ていますので、また今度紹介させてくださいな。」
「はい! 楽しみにしておりますわ!」
「ありがとございます、マリア様。……それでは、私たちは就寝させてきただきますね。(にこにこ)」
「はい、オリビア様。おやすみなさい。」
「おやすみなさい、マリア様。」
「マリア様、失礼致します。……ではオリビアさん、僕の天幕へ行きましょう。(デレデレノア)」
「はい。……マリア様、殿下をお願いしますね。」
「え、ええ。(きょとん)」
先輩夫妻様は、二人仲良く寝床である天幕へと向かわれたのでした。夫婦って、なんだか良いですわね。(遠い目)
「マリア様! オリビアちゃんはどうでした?」
お二人がいなくなると、どこからともなく、パトリック様がやってきました。
「とても優しそうで可愛らしいお方でしたわ!」
「流石マリア様! マリア様に合うかなって思って、至急来てもらったんですよ‼︎」
「そうだったのですね。(きょとん)」
「モブ(ジョナサン)がいない間は、オリビアちゃんにマリア様のお世話をしてもらうつもりだから、よろしくね!」
「は、はい、……ありがとうございます。(汗)」
……今、目の前にいらっしゃるのは、本当にパトリック様なのかしら? 姿形はパトリック様なのですが、なんとなくちょっと違うと言いますか、……怪しい臭いがしますわね! ということで私は柴犬着ぐるみさんのフードを深く被り、目の前のパトリック様の匂いを嗅ぐことに致しました。
「(殿下の服を掴んで)ふがふがふが‼︎」
「ーーーーっ⁉︎ ま、マリア様、どうしたのですか?」
「わふ‼︎(貴方はパトリック様ではありませんわね!)」
「マリア様、僕は、正真正銘あなただけのパトリックだよ。(ブラックなにっこり)」
「わふふ!(嘘ですわ! 私は匂いでわかりますのよ‼︎)」
「……困ったなー。どうすれば、マリア様は信じてくれるのだろう?(全然困っていない余裕顔)」
「わふわふ!(私にはお見通しですわ!)」
「ーーーーさすがだね、マリア様。(本物殿下)」
「「ーーーーっ⁉︎」」
バッと後ろを振り向くと、パトリック様が嬉しそうに佇んでいらっしゃるのでした。(いや、なんで?)
「わ、わふわふわふ⁉︎(パトリック様が二人⁉︎)」
「うんうん、今、二人いるね♡(ドス黒殿下)」
「マリア様、僕が、マリア様だけのパトリックだよ。」
「わふふ!(いや、でも、貴方は違いますわ‼︎)」
「ひどいよマリア様。僕にはマリア様しかいないのに。」
「わっふふ!(匂いがあなたにはありませんわよ!)」
「……なるほど。式神と本物の見分けもつくんだね、マリア様は。(にっこりブラックパトリック殿下)」
「わふふ!(パトリック様、説明してくださいまし!)」
「うんうん、じゃあ式神には一旦消えてもらおうかな。……ネムレ。(瞳孔ピカッと殿下)」
「……またね、マリア様。(にっこり式神殿下)」
偽物パトリック様(?)は、にっこり笑ってから、跡形も無くなってしまったのでした。(汗)
「わふふ!(パトリック様のお化けですわ!)」
「うーーん、ちょっと違うかな。(にっこり殿下)」
パトリック様は私の両脇に腕を入れると、がっしりホールドしてきて、私は身動きが取れなくなってしまいました。
「なんで偽物だって思ったの?(耳元で甘く囁く殿下)」
「わ、わふふ‼︎(匂いが違いましたからね!)」
「ふーーん、そうなんだ。……さっきのアレは、式神って言うんだけどさ、匂いってするのかな?(興味深々殿下)」
「わっふふ!(微かにですが、しますわよ!)」
「うんうん、……これは、まさしく愛の力だね!」
「わふ?(何故そうなるのですか⁉︎)」
「いやさ、……マリア様が、式神に対して必死に威嚇してるのを見て、なんか嬉しかったんですよ。(にんまり殿下)」
「わふわふ!(あ、当たり前ではありませんか‼︎)」
「……さっきのアレはね、お化けというよりかは、僕の分身に近いから、大抵皆、騙されるんだけどね。……気づかれたのは、マリア様が初めてだよ。(嬉しすぎ殿下)」
「わふ!(この柴犬着ぐるみさんのおかげですわ!)」
「(首を横に振って)この柴犬着ぐるみさんには、犬語変換と身体能力の微量の向上しか小細工していないからね。……マリア様の愛の力は偉大だな。(嬉し涙殿下)」
「わ、わふ⁉︎(パトリック様が泣いていらっしゃる⁉︎)」
「ありがとう、マリア様。僕だけを見分けてくれて。」
「(フードをおろして)お礼を言うのは、私の方ですわ! 柴犬着ぐるみさんを、わざわざ手作りしてくださって、ありがとうございました。着心地が良すぎて、もう窮屈なドレスには、戻れませんわ!」
「……マリアさまー! だいしゅきだよー!(ウルウル)」
ぱ、パトリック様は、かなり力強く抱き締めてこられてきたので、く、苦しすぎますわ‼︎
「た、たすけてー!(声カッスカス)」
「この型の婚礼衣装、用意するから楽しみにしててね!」
「わ、わふ⁉︎(婚礼衣装ですって⁉︎)」
……それは、少しだけ、興味がありますわよ!
ーー『マリアはいつから柴犬になったのじゃ⁉︎ 神より』野営地の夜はかなり冷え込むから、皆様お気をつけて‼︎ーー
「わふう!(宜しくお願い致します!)」
「ーーーーっ‼︎ お可愛いらし過ぎますわ!(興奮の嵐)」
「お、オリビアさん、落ち着いて……。(汗ノア)」
皆様、こんばんは。少し前から、クーデター組織『スピカ』の一員となった、マリア・ラーズベルトですわ! 現在私は、団員から慕われている先輩ノア様の奥方オリビア様と初対面しているところです。パトリック様に聞いたのですが、このオリビアさん、……なんと、着ぐるみの型紙を作成されていらっしゃるそうなのですよ。
「柴犬着ぐるみさんの着心地はいかがですか?」
「わふふ!(とても軽くて着やすいですわ!)」
「犬語はわかりませんが、なんとなく良さそうですね!」
「わふ⁉︎(そうでしたわ! フードを下ろさないと!)」
普通に着心地が良すぎて忘れていましたわ! この柴犬着ぐるみさんは、フードを被っているときだけ何かを話すと、犬語に変換されるみたいなのですが、それがとても面白いので、ずっと被りっぱなしで暮らしているのです。ちなみにパトリック様には、何故だか犬語も通じるので気をつけておかないといけません。私はシュパパッとフードを下ろしてから、オリビア様に柴犬着ぐるみさんの感想を言いました。
「オリビア様、この柴犬着ぐるみさんは、とても軽くて着心地も良くて、何よりとても可愛いので、大好きですわ‼︎」
「ーーーーっ‼︎ 徹夜で考えた甲斐がありました!」
「オリビア様、ありがとうございます。(ペコリ)」
「マリア様のお身体に合って本当に良かったですわ! ……ちなみに、デザインと型紙の作成は、私が受け持ちましたが、実際に布を切ったり縫ったりしたのは、パトリック殿下なのですよ。(にこにこ)」
「そ、そうなのですか⁉︎(大汗)」
あのパトリック様が、針を扱われたのですか⁉︎
「ええ、『僕の運命の人が着る服は、自分で作らないとね。……誰かの手垢がついた服を着せるつもりは無いよ。(黒殿下)』って、仰っていらっしゃいましたよ。」
「そ、そうだったのですね……。(大汗)」
パトリック様は、私のことをよく気にかけてくださる良いお方なのですが、……衣食住の権限を握られているような、いないような。……とりあえず、パトリック様にはお礼を言っておかなければいけませんね。(遠い目)
「マリア様、私たちの子も連れてきているのですが、二人とも寝ていますので、また今度紹介させてくださいな。」
「はい! 楽しみにしておりますわ!」
「ありがとございます、マリア様。……それでは、私たちは就寝させてきただきますね。(にこにこ)」
「はい、オリビア様。おやすみなさい。」
「おやすみなさい、マリア様。」
「マリア様、失礼致します。……ではオリビアさん、僕の天幕へ行きましょう。(デレデレノア)」
「はい。……マリア様、殿下をお願いしますね。」
「え、ええ。(きょとん)」
先輩夫妻様は、二人仲良く寝床である天幕へと向かわれたのでした。夫婦って、なんだか良いですわね。(遠い目)
「マリア様! オリビアちゃんはどうでした?」
お二人がいなくなると、どこからともなく、パトリック様がやってきました。
「とても優しそうで可愛らしいお方でしたわ!」
「流石マリア様! マリア様に合うかなって思って、至急来てもらったんですよ‼︎」
「そうだったのですね。(きょとん)」
「モブ(ジョナサン)がいない間は、オリビアちゃんにマリア様のお世話をしてもらうつもりだから、よろしくね!」
「は、はい、……ありがとうございます。(汗)」
……今、目の前にいらっしゃるのは、本当にパトリック様なのかしら? 姿形はパトリック様なのですが、なんとなくちょっと違うと言いますか、……怪しい臭いがしますわね! ということで私は柴犬着ぐるみさんのフードを深く被り、目の前のパトリック様の匂いを嗅ぐことに致しました。
「(殿下の服を掴んで)ふがふがふが‼︎」
「ーーーーっ⁉︎ ま、マリア様、どうしたのですか?」
「わふ‼︎(貴方はパトリック様ではありませんわね!)」
「マリア様、僕は、正真正銘あなただけのパトリックだよ。(ブラックなにっこり)」
「わふふ!(嘘ですわ! 私は匂いでわかりますのよ‼︎)」
「……困ったなー。どうすれば、マリア様は信じてくれるのだろう?(全然困っていない余裕顔)」
「わふわふ!(私にはお見通しですわ!)」
「ーーーーさすがだね、マリア様。(本物殿下)」
「「ーーーーっ⁉︎」」
バッと後ろを振り向くと、パトリック様が嬉しそうに佇んでいらっしゃるのでした。(いや、なんで?)
「わ、わふわふわふ⁉︎(パトリック様が二人⁉︎)」
「うんうん、今、二人いるね♡(ドス黒殿下)」
「マリア様、僕が、マリア様だけのパトリックだよ。」
「わふふ!(いや、でも、貴方は違いますわ‼︎)」
「ひどいよマリア様。僕にはマリア様しかいないのに。」
「わっふふ!(匂いがあなたにはありませんわよ!)」
「……なるほど。式神と本物の見分けもつくんだね、マリア様は。(にっこりブラックパトリック殿下)」
「わふふ!(パトリック様、説明してくださいまし!)」
「うんうん、じゃあ式神には一旦消えてもらおうかな。……ネムレ。(瞳孔ピカッと殿下)」
「……またね、マリア様。(にっこり式神殿下)」
偽物パトリック様(?)は、にっこり笑ってから、跡形も無くなってしまったのでした。(汗)
「わふふ!(パトリック様のお化けですわ!)」
「うーーん、ちょっと違うかな。(にっこり殿下)」
パトリック様は私の両脇に腕を入れると、がっしりホールドしてきて、私は身動きが取れなくなってしまいました。
「なんで偽物だって思ったの?(耳元で甘く囁く殿下)」
「わ、わふふ‼︎(匂いが違いましたからね!)」
「ふーーん、そうなんだ。……さっきのアレは、式神って言うんだけどさ、匂いってするのかな?(興味深々殿下)」
「わっふふ!(微かにですが、しますわよ!)」
「うんうん、……これは、まさしく愛の力だね!」
「わふ?(何故そうなるのですか⁉︎)」
「いやさ、……マリア様が、式神に対して必死に威嚇してるのを見て、なんか嬉しかったんですよ。(にんまり殿下)」
「わふわふ!(あ、当たり前ではありませんか‼︎)」
「……さっきのアレはね、お化けというよりかは、僕の分身に近いから、大抵皆、騙されるんだけどね。……気づかれたのは、マリア様が初めてだよ。(嬉しすぎ殿下)」
「わふ!(この柴犬着ぐるみさんのおかげですわ!)」
「(首を横に振って)この柴犬着ぐるみさんには、犬語変換と身体能力の微量の向上しか小細工していないからね。……マリア様の愛の力は偉大だな。(嬉し涙殿下)」
「わ、わふ⁉︎(パトリック様が泣いていらっしゃる⁉︎)」
「ありがとう、マリア様。僕だけを見分けてくれて。」
「(フードをおろして)お礼を言うのは、私の方ですわ! 柴犬着ぐるみさんを、わざわざ手作りしてくださって、ありがとうございました。着心地が良すぎて、もう窮屈なドレスには、戻れませんわ!」
「……マリアさまー! だいしゅきだよー!(ウルウル)」
ぱ、パトリック様は、かなり力強く抱き締めてこられてきたので、く、苦しすぎますわ‼︎
「た、たすけてー!(声カッスカス)」
「この型の婚礼衣装、用意するから楽しみにしててね!」
「わ、わふ⁉︎(婚礼衣装ですって⁉︎)」
……それは、少しだけ、興味がありますわよ!
ーー『マリアはいつから柴犬になったのじゃ⁉︎ 神より』野営地の夜はかなり冷え込むから、皆様お気をつけて‼︎ーー
0
あなたにおすすめの小説
国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。
樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。
ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。
国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。
「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】アラサー喪女が転生したら悪役令嬢だった件。断罪からはじまる悪役令嬢は、回避不能なヤンデレ様に溺愛を確約されても困ります!
美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
『ルド様……あなたが愛した人は私ですか? それともこの体のアーシエなのですか?』
そんな風に簡単に聞くことが出来たら、どれだけ良かっただろう。
目が覚めた瞬間、私は今置かれた現状に絶望した。
なにせ牢屋に繋がれた金髪縦ロールの令嬢になっていたのだから。
元々は社畜で喪女。挙句にオタクで、恋をすることもないままの死亡エンドだったようで、この世界に転生をしてきてしあったらしい。
ただまったく転生前のこの令嬢の記憶がなく、ただ状況から断罪シーンと私は推測した。
いきなり生き返って死亡エンドはないでしょう。さすがにこれは神様恨みますとばかりに、私はその場で断罪を行おうとする王太子ルドと対峙する。
なんとしても回避したい。そう思い行動をした私は、なぜか回避するどころか王太子であるルドとのヤンデレルートに突入してしまう。
このままヤンデレルートでの死亡エンドなんて絶対に嫌だ。なんとしても、ヤンデレルートを溺愛ルートへ移行させようと模索する。
悪役令嬢は誰なのか。私は誰なのか。
ルドの溺愛が加速するごとに、彼の愛する人が本当は誰なのかと、だんだん苦しくなっていく――
転生したら悪役令嬢になりかけてました!〜まだ5歳だからやり直せる!〜
具なっしー
恋愛
5歳のベアトリーチェは、苦いピーマンを食べて気絶した拍子に、
前世の記憶を取り戻す。
前世は日本の女子学生。
家でも学校でも「空気を読む」ことばかりで、誰にも本音を言えず、
息苦しい毎日を過ごしていた。
ただ、本を読んでいるときだけは心が自由になれた――。
転生したこの世界は、女性が希少で、男性しか魔法を使えない世界。
女性は「守られるだけの存在」とされ、社会の中で特別に甘やかされている。
だがそのせいで、女性たちはみな我儘で傲慢になり、
横暴さを誇るのが「普通」だった。
けれどベアトリーチェは違う。
前世で身につけた「空気を読む力」と、
本を愛する静かな心を持っていた。
そんな彼女には二人の婚約者がいる。
――父違いの、血を分けた兄たち。
彼らは溺愛どころではなく、
「彼女のためなら国を滅ぼしても構わない」とまで思っている危険な兄たちだった。
ベアトリーチェは戸惑いながらも、
この異世界で「ただ愛されるだけの人生」を歩んでいくことになる。
※表紙はAI画像です
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
じゃない方の私が何故かヤンデレ騎士団長に囚われたのですが
カレイ
恋愛
天使な妹。それに纏わりつく金魚のフンがこの私。
両親も妹にしか関心がなく兄からも無視される毎日だけれど、私は別に自分を慕ってくれる妹がいればそれで良かった。
でもある時、私に嫉妬する兄や婚約者に嵌められて、婚約破棄された上、実家を追い出されてしまう。しかしそのことを聞きつけた騎士団長が何故か私の前に現れた。
「ずっと好きでした、もう我慢しません!あぁ、貴方の匂いだけで私は……」
そうして、何故か最強騎士団長に囚われました。
婚約破棄すると言われたので、これ幸いとダッシュで逃げました。殿下、すみませんが追いかけてこないでください。
桜乃
恋愛
ハイネシック王国王太子、セルビオ・エドイン・ハイネシックが舞踏会で高らかに言い放つ。
「ミュリア・メリッジ、お前とは婚約を破棄する!」
「はい、喜んで!」
……えっ? 喜んじゃうの?
※約8000文字程度の短編です。6/17に完結いたします。
※1ページの文字数は少な目です。
☆番外編「出会って10秒でひっぱたかれた王太子のお話」
セルビオとミュリアの出会いの物語。
※10/1から連載し、10/7に完結します。
※1日おきの更新です。
※1ページの文字数は少な目です。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年12月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、番外編を追加投稿する際に、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる