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第弐譚
0016:美人と『スピカ』其壱
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【side エドワード・ロック(偉大なる魔法使い)】
ーーとある組織の野営地付属食堂にて。ーー
「ぷりんしぇしゅー、たんとお食べなさいでちゅ!」
「お、おう……。(アンパンの山だと⁉︎)」
「はい、アルトはお昼寝の時間ですよー。(はしゃぐアルトを抱っこするオリビア)」
「はは、今からいいところなんでちゅよ⁉︎」
「アリスがアルトのことをとても心配してて、お昼寝してくれないのよ。アルトお兄ちゃん、お願いします‼︎(申し訳なさそうに頼み込むオリビア)」
「……しょうがないでちゅね。アリスちんは僕ちんがいないとお昼寝ひとつもできないんでちゅから。ぷりんしぇしゅー、アリスちんが寝たらすぐに戻って来まちゅから楽しんでてくだちゃいねー!」
「あ、ああ……。(戻ってくるのか……。)」
「ぷりんしぇしゅ様、ここにはアンパンしかありませんが、どうぞお寛ぎくださいませ。(深く礼をするオリビア)」
「ありがとうございます。(律儀な人だな。)」
ーーアルトとオリビアはアリスの元へ向かった‼︎ーー
「エドワード・ロックー、遠慮しないで食べてよ~‼︎」
「ええ、殿下。いただきます。(テーブルに置かれたアンパンの山に手を伸ばすロック公爵)」
「わっふふ!(紅茶もどうぞ~! ポットを持って、ロック公爵にお茶を注ごうとするマリア嬢)」
「マリア様、僕も僕もー‼︎(マリア嬢に引っ付く殿下)」
「わふう!(パトリック様、お客様が先ですよ!)」
「……マリア様が冷たい。生きていくやる気が一瞬でなくなってしまった。……でも、ちょこまか皆の為に動いているマリア様も大好きだから、独占することはできない。……くそっ! どうすれば、マリア様に振り向いてもらえるんだ‼︎(心の葛藤を大声で吐き出す恋煩い殿下)」
「……えっと、俺は紅茶飲まないから殿下のコップに注いでください。(目の前でいじける殿下にドン引きする公爵)」
「わふっ?(いいのですか? きょとんマリア嬢)」
「ああ、……予め飲み物は、持参しているんだ。(懐から水筒を取り出すロック公爵)」
「わふふ!(とても用意周到なのですね!)」
「ほ、ほら、殿下がやさぐれてるから……。(早く殿下の飲み物を用意してやってくれ。)」
「わっふふう!(そうですね! ……パトリック様、いつものやつでよろしいですか?)」
「……結構時間掛かるけど、いいの?(うるうる殿下)」
「わっふわっふ!(当たり前ですわ! ほんの少しだけ待っててくださいね!)」
ーーマリア嬢は、調理場へ柴犬の如く駆けていった‼︎ーー
「(嬉しさのあまり流れる涙)うう、ひっく、……マリア様が僕だけの為に……。恋人を通り越して、もう夫婦だよ。……新しいペアのコップ、用意しようかな。(妄想に妄想を膨らませる殿下)」
「……。(マーズもやばいが殿下はそれ以上だな。)」
「それで偉大なる魔法使いさん、僕に話があるんでしょ?」
「……ああ。二週間後の話だ。」
「エドワード・ロック、……貴殿は、視えたの?」
「……まあな。(思い出したくも無いが。)」
「……僕は、大まかなことしか視えないから、貴殿のような人の意見を聞いてみたかった。……ここの被害はどれくらいになるのかな?」
「……何もしなければ、人、動物、虫、草木に至るまで、滅ぶだろう。」
「……あの白い粉の成分って、そんなに危険なんだ。」
「有毒の中の有毒だ。……しかし、毒はときとして、薬にもなる。セトから聞いたとは思うが、書物に書かれていた方法で白い粉に魔法分解を試みたところ、上手くいった。」
「ーーーーっ‼︎」
「(懐から小瓶を取り出して)これが、薬バージョンだ。」
「(小瓶を受け取って)……銀色なんだね。」
「ああ、……懐かしい、……月国の色だ。」
「これを予め、全地域に散布しても効果はあるかな?」
「主成分が鉱物だから、雨で効能が流れ出ることはない。」
「それなら、これを大量に作って至る所にばら撒けば、環境汚染を最小限に食い止められるね。」
「ああ。……セトが持ち帰ってきた粉は全部、薬に変えた。明日にでも持ってこよう。」
「……実はさ、……追加の粉があるんだけど、アデルで処理してもらうことは可能かな?」
「まだあるのか⁉︎(いやいや多すぎだろ⁉︎)」
「サネユキの班に農家側と農林組合側の事情を調べてもらったんだけどさ、……みんな、あの白い粉の扱いに困っていたみたいなんだ。」
「……まあ、そうだろうな。(魔法分解しないと、使い道が無いからな。)」
「だからサネユキが、いらない粉を全部買い占めちゃって、……ここの隅っこに山積みにしてるんだよね。(ほんとサネユキ、お人好しなんだから。)」
「……持って帰ろう。万が一、チビっ子達が触りでもしたら大変だからな。」
「ーーーーっ‼︎ ありがとう、エドワード・ロック‼︎ とても助かるよ! 報酬を渡すから、出来ればそれも、魔法分解してくれないかな?」
「報酬は必要ない。月の有害物質を無毒化することは、月の監視を任されているロック家の義務だからな。」
「……なんだか、いろいろと大変なんだね。」
「……これも、ご先祖様達の決めたことだからな。それと、人体に対してだが……。」
「検体が必要なんだね。……僕がやろうと思っているよ。」
「いや、……俺がなる。」
「ーーーーっ⁉︎」
「だがしかし、タイミングが難しい。……そこで、殿下達にも協力を要請したくて、今日、会いに来た。(なかなか道に迷ってしまったがな。)」
「もし、失敗したらどうなるのさ?」
「死ぬんだろうな。(遠い目)」
「……エドワード・ロックが亡くなっちゃうと、二国間のバランスが崩れて、戦争に発展するかもしれないんだよ⁉︎」
「……簡単に死なないよう、殿下の兄君に、蘇生術の極意を教えているから大丈夫だ。……仮死状態の身体で、新しい薬を作り出す。これが一番、安全なやり方だな。」
「……わかった。そちらが命をかけるなら、こっちも、それ相応のことはさせてもらうよ。何が望みなんだい?」
「それは……。」
「わっふふう!(パトリック様、出来ましたわよ!)」
ーーと、そこへ、マリア嬢が戻ってきた‼︎ーー
「わあ、マリア様、いつものありがとうございます‼︎」
「わふわふ!(どういたしまして!)」
「エドワード・ロック、見て見てー! いいでしょ? このマリア様特製オレンジジュース‼︎」
「わっふふふう!(手搾りなのですよ!)」
「は、はあ……。(さっきの殿下はどこに行った?)」
「僕、紅茶もコーヒーも苦くて飲めないからね、優しいマリア様が丁寧に搾ってくれてるんだ!(デレデレ殿下)」
「わっふふ!(仕方がありませんからね!)」
「マリア様、アンパン分け合いっこしよ?」
「わうー!(そうですわね!)」
ーー二人は一つのアンパンを分けて食べ出した‼︎ーー
「……。(何気にこの二人、仲が良いな。)」
「もきゅもきゅ……マリア様の手作りアンパンも、すっごく美味しいよー!(顔が溶けてる殿下)」
「わっふわっふ!(オリビア先生と合作ですからね‼︎)」
「もう幸せ! 生きててよかったー‼︎」
「…………それじゃあ、俺はこれで帰らせてもらおうかな。(スクッと立ち上がるロック公爵)」
「ええー、まだ、話が終わってないでしょー!」
「……俺も、色々と忙しいんだよ。」
「わっふ?(一晩だけでも泊まっていかれませんか?)」
「アルトがエドワード・ロックと遊ぶの楽しみにしてるんだけどなー。(まだ聞きたいこともあるし。)」
「……わかった。もう少しだけ、あのチビっ子を待とう。(ルナの幼少期に似てて可愛いんだよな。)」
「そう来なくっちゃ! マリア様、僕も手伝うから、みんなのお茶、勝手に用意しとこ!」
「わっふふう!(了解なのですわ!)」
「……。(ほんと仲良いよな、この二人。)」
ーーちなみにアルトはアリスと爆睡中なのであった‼︎ーー
ーーとある組織の野営地付属食堂にて。ーー
「ぷりんしぇしゅー、たんとお食べなさいでちゅ!」
「お、おう……。(アンパンの山だと⁉︎)」
「はい、アルトはお昼寝の時間ですよー。(はしゃぐアルトを抱っこするオリビア)」
「はは、今からいいところなんでちゅよ⁉︎」
「アリスがアルトのことをとても心配してて、お昼寝してくれないのよ。アルトお兄ちゃん、お願いします‼︎(申し訳なさそうに頼み込むオリビア)」
「……しょうがないでちゅね。アリスちんは僕ちんがいないとお昼寝ひとつもできないんでちゅから。ぷりんしぇしゅー、アリスちんが寝たらすぐに戻って来まちゅから楽しんでてくだちゃいねー!」
「あ、ああ……。(戻ってくるのか……。)」
「ぷりんしぇしゅ様、ここにはアンパンしかありませんが、どうぞお寛ぎくださいませ。(深く礼をするオリビア)」
「ありがとうございます。(律儀な人だな。)」
ーーアルトとオリビアはアリスの元へ向かった‼︎ーー
「エドワード・ロックー、遠慮しないで食べてよ~‼︎」
「ええ、殿下。いただきます。(テーブルに置かれたアンパンの山に手を伸ばすロック公爵)」
「わっふふ!(紅茶もどうぞ~! ポットを持って、ロック公爵にお茶を注ごうとするマリア嬢)」
「マリア様、僕も僕もー‼︎(マリア嬢に引っ付く殿下)」
「わふう!(パトリック様、お客様が先ですよ!)」
「……マリア様が冷たい。生きていくやる気が一瞬でなくなってしまった。……でも、ちょこまか皆の為に動いているマリア様も大好きだから、独占することはできない。……くそっ! どうすれば、マリア様に振り向いてもらえるんだ‼︎(心の葛藤を大声で吐き出す恋煩い殿下)」
「……えっと、俺は紅茶飲まないから殿下のコップに注いでください。(目の前でいじける殿下にドン引きする公爵)」
「わふっ?(いいのですか? きょとんマリア嬢)」
「ああ、……予め飲み物は、持参しているんだ。(懐から水筒を取り出すロック公爵)」
「わふふ!(とても用意周到なのですね!)」
「ほ、ほら、殿下がやさぐれてるから……。(早く殿下の飲み物を用意してやってくれ。)」
「わっふふう!(そうですね! ……パトリック様、いつものやつでよろしいですか?)」
「……結構時間掛かるけど、いいの?(うるうる殿下)」
「わっふわっふ!(当たり前ですわ! ほんの少しだけ待っててくださいね!)」
ーーマリア嬢は、調理場へ柴犬の如く駆けていった‼︎ーー
「(嬉しさのあまり流れる涙)うう、ひっく、……マリア様が僕だけの為に……。恋人を通り越して、もう夫婦だよ。……新しいペアのコップ、用意しようかな。(妄想に妄想を膨らませる殿下)」
「……。(マーズもやばいが殿下はそれ以上だな。)」
「それで偉大なる魔法使いさん、僕に話があるんでしょ?」
「……ああ。二週間後の話だ。」
「エドワード・ロック、……貴殿は、視えたの?」
「……まあな。(思い出したくも無いが。)」
「……僕は、大まかなことしか視えないから、貴殿のような人の意見を聞いてみたかった。……ここの被害はどれくらいになるのかな?」
「……何もしなければ、人、動物、虫、草木に至るまで、滅ぶだろう。」
「……あの白い粉の成分って、そんなに危険なんだ。」
「有毒の中の有毒だ。……しかし、毒はときとして、薬にもなる。セトから聞いたとは思うが、書物に書かれていた方法で白い粉に魔法分解を試みたところ、上手くいった。」
「ーーーーっ‼︎」
「(懐から小瓶を取り出して)これが、薬バージョンだ。」
「(小瓶を受け取って)……銀色なんだね。」
「ああ、……懐かしい、……月国の色だ。」
「これを予め、全地域に散布しても効果はあるかな?」
「主成分が鉱物だから、雨で効能が流れ出ることはない。」
「それなら、これを大量に作って至る所にばら撒けば、環境汚染を最小限に食い止められるね。」
「ああ。……セトが持ち帰ってきた粉は全部、薬に変えた。明日にでも持ってこよう。」
「……実はさ、……追加の粉があるんだけど、アデルで処理してもらうことは可能かな?」
「まだあるのか⁉︎(いやいや多すぎだろ⁉︎)」
「サネユキの班に農家側と農林組合側の事情を調べてもらったんだけどさ、……みんな、あの白い粉の扱いに困っていたみたいなんだ。」
「……まあ、そうだろうな。(魔法分解しないと、使い道が無いからな。)」
「だからサネユキが、いらない粉を全部買い占めちゃって、……ここの隅っこに山積みにしてるんだよね。(ほんとサネユキ、お人好しなんだから。)」
「……持って帰ろう。万が一、チビっ子達が触りでもしたら大変だからな。」
「ーーーーっ‼︎ ありがとう、エドワード・ロック‼︎ とても助かるよ! 報酬を渡すから、出来ればそれも、魔法分解してくれないかな?」
「報酬は必要ない。月の有害物質を無毒化することは、月の監視を任されているロック家の義務だからな。」
「……なんだか、いろいろと大変なんだね。」
「……これも、ご先祖様達の決めたことだからな。それと、人体に対してだが……。」
「検体が必要なんだね。……僕がやろうと思っているよ。」
「いや、……俺がなる。」
「ーーーーっ⁉︎」
「だがしかし、タイミングが難しい。……そこで、殿下達にも協力を要請したくて、今日、会いに来た。(なかなか道に迷ってしまったがな。)」
「もし、失敗したらどうなるのさ?」
「死ぬんだろうな。(遠い目)」
「……エドワード・ロックが亡くなっちゃうと、二国間のバランスが崩れて、戦争に発展するかもしれないんだよ⁉︎」
「……簡単に死なないよう、殿下の兄君に、蘇生術の極意を教えているから大丈夫だ。……仮死状態の身体で、新しい薬を作り出す。これが一番、安全なやり方だな。」
「……わかった。そちらが命をかけるなら、こっちも、それ相応のことはさせてもらうよ。何が望みなんだい?」
「それは……。」
「わっふふう!(パトリック様、出来ましたわよ!)」
ーーと、そこへ、マリア嬢が戻ってきた‼︎ーー
「わあ、マリア様、いつものありがとうございます‼︎」
「わふわふ!(どういたしまして!)」
「エドワード・ロック、見て見てー! いいでしょ? このマリア様特製オレンジジュース‼︎」
「わっふふふう!(手搾りなのですよ!)」
「は、はあ……。(さっきの殿下はどこに行った?)」
「僕、紅茶もコーヒーも苦くて飲めないからね、優しいマリア様が丁寧に搾ってくれてるんだ!(デレデレ殿下)」
「わっふふ!(仕方がありませんからね!)」
「マリア様、アンパン分け合いっこしよ?」
「わうー!(そうですわね!)」
ーー二人は一つのアンパンを分けて食べ出した‼︎ーー
「……。(何気にこの二人、仲が良いな。)」
「もきゅもきゅ……マリア様の手作りアンパンも、すっごく美味しいよー!(顔が溶けてる殿下)」
「わっふわっふ!(オリビア先生と合作ですからね‼︎)」
「もう幸せ! 生きててよかったー‼︎」
「…………それじゃあ、俺はこれで帰らせてもらおうかな。(スクッと立ち上がるロック公爵)」
「ええー、まだ、話が終わってないでしょー!」
「……俺も、色々と忙しいんだよ。」
「わっふ?(一晩だけでも泊まっていかれませんか?)」
「アルトがエドワード・ロックと遊ぶの楽しみにしてるんだけどなー。(まだ聞きたいこともあるし。)」
「……わかった。もう少しだけ、あのチビっ子を待とう。(ルナの幼少期に似てて可愛いんだよな。)」
「そう来なくっちゃ! マリア様、僕も手伝うから、みんなのお茶、勝手に用意しとこ!」
「わっふふう!(了解なのですわ!)」
「……。(ほんと仲良いよな、この二人。)」
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※1日おきの更新です。
※1ページの文字数は少な目です。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年12月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、番外編を追加投稿する際に、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
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