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第肆譚
0040:サネユキと宮殿
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ーーここは、ニホン帝国の帝の間『天霧』ーー
ガゴガゴゴゴゴー、……シュトッーー‼︎
ーーあたたかい、不思議な橙色の炎とともに、パトリック殿下、マリア嬢、大巫女ミクル、ノアが降り立った‼︎ーー
「ここは……。(キョロキョロ辺りを見渡すノア)」
「ニホンの帝側の宮殿だ。(ドヤ大巫女)」
「へえー、ここが帝側の宮殿なんだ。(ほえーな殿下)」
「パトリック殿下も来るのは初めてなのですか?」
「うん。巫女の宮殿にはちょくちょく通ってたんだけどね。(マリア嬢をお姫様抱っこしながら玉座に向かう殿下)」
「帝様と巫女様は、完全に離れていらっしゃるのですね。(いろいろと複雑そうだなー。)」
「そうだな。基本的には、ニホンの政治を帝側が、古来から代々行われてきた神事を巫女側がやるようになっている。……これは、権力権威を一つの一族や場所に集中させると、横領や汚職が増えてしまうから、それを防ぐためという意味合いもあるのだぞ。(なんとも言えない複雑怪奇な表情の大巫女)」
「……なかなか大変そうですね。ニホンのイメージって、戦争がなくて平和で、ご飯が美味しくて安全、……あと、もふもふが可愛いってことが思い浮かぶのですが、ニホン帝国でも、いろんな事情で悩まれていらっしゃるんですね。」
「当たり前だ。人間世界で悩んでないヤツは一人もいない。各々、最低一つは、悩んだり、苦しんだり、怒ったり、悲しんだり、憎しみ、恨み、嫉妬、執着、欺瞞、……いろいろあるはずだ。それが大きくなると、自ずと国は簡単に傾く。我ら巫女側は、国が傾かない程度に、負のエネルギーを洗い清め、払うのが仕事なのだよ。」
「完全には払わないってことですか?(ほへーなノア)」
「左様。悩みがあってこその人生だからな。様々な感情を経験するチャンスを、巫女が取り上げては勿体無いだろう?」
「……そんなもんなのでしょうか?(意外ですね。)」
「そういうものよ。陰陽を司る正のエネルギーも負のエネルギーも、どちらも必要不可欠。この世にいらないものなんて、ないのだよ、フィックスド辺境伯‼︎(ドヤ大巫女)」
「……。(深い。深過ぎますよ、大巫女様‼︎ 納得ノア)」
「あらよっと‼︎(マリア嬢を帝の玉座に座らせる殿下)」
「「ーーーーっ⁉︎(ええええええ⁉︎)」」
「すぴすぴ、……いちごだいふくー。(幸せそうに寝入ってるマリア嬢)」
ーーマリア嬢は、帝の玉座でちょこんとお昼寝中だ‼︎ーー
「かーわーいーいー、マリアさまーー‼︎(マリア嬢を凝視しながら小躍りしてる殿下)」
「ちょ、で、殿下、やめましょう‼︎ ニホンの人たち怒っちゃいますよ‼︎ (すかさず殿下に駆け寄って、止めに入るノア)」
「いいんだ、ノア、……僕、覚悟出来てるから。(謎に酔いしれている殿下)」
「いや、今、そういうのはいいですから‼︎ 誰か来る前に、マリア様を回収しときましょう? ねっ?(焦り過ぎて汗だくノア)」
「でもさ、マリア様は、聖女様なんだよ? 聖女様には、玉座がテッパンでしょ? ……自分で言うのもなんだけどさ、公爵家のご令嬢様なのに、野外の天幕で半年以上過ごすって、かなり苦痛だったんじゃないかなって、今になって思うんだよね。あと、流れで柴犬の着ぐるみさん着せられたりとか、犬語喋りさせらりたりとか、……マリア様、苦労しすぎでしょ‼︎(不意に涙が込み上げてきた殿下)」
「……その全ての原因は、殿下にあると思うのですが。」
「……今、なんか言ったかな、ノア?(ブラック殿下)」
「……いえ、なんでもないです。(汗だくノア)」
シュワワワワ、……シュトッーー‼︎(紫色の風)
ーーと、そこへ、シグレが玉座付近に出現した‼︎ーー
「「ーーーーっ‼︎」」
「皆様、お早いですね……。(ほどよい疲労なシグレ)」
「シグレっち、お疲れさまー‼︎(歓迎殿下)」
「えっ、シグレさんって、魔法使えるんですか⁉︎」
「いえ、移動用の霊力を行使しました。」
「そうなんですね‼︎(尊敬の眼差しなノア)」
「…………えっ、……マリア様が玉座にいらっしゃるだと⁉︎(玉座を見てギョギョッと驚くシグレ)」
「うん、それはね、僕がやったものだから、マリア様は悪くないんだよ‼︎(テヘペロ殿下)」
「……玉座に座ること自体に、問題はないのですが、……あの玉座は、転送用の術式を練り込んでいますので、とある突起部分に触れると何処かに転送される可能性があるのですよ。(滝のような汗をかくシグレ)」
「…………。(無言でシュパパッとマリア嬢を回収してお姫様抱っこをする汗だく殿下)」
「……。(動揺してる殿下と爆睡マリア嬢を見てるノア)」
「流石、元お庭番のシグレだな。(ドヤっと大巫女)」
「もったいなきお言葉です、ミクル様。(照れシグレ)」
「……大巫女様、お庭番って何ですか?(きょとんノア)」
「うん? ああ、世間では、忍と呼ばれているものだよ、フィックスド辺境伯。」
「ーーーーっ‼︎ とととということは、シグレさんは、忍者なのですか⁉︎(目をキラキラさせてシグレに迫るノア)」
「も、元ですよ、元。今は、サネユキ様にお仕えしていますので。(顔を赤らめるシグレ)」
「俺、忍者のお話、すっごく大好きなんですよ‼︎ もしよかったら、今度、忍者のときのお話、聞かせてください‼︎(少年のような瞳のノア)」
「……はい、時間があるときに。(照れまくるシグレ)」
「帝宮殿に詳しいシグレっちがいたら、なんか安心感が違うね‼︎(動揺を誤魔化す殿下)」
「もったいなきお言葉です。(照れを超えてるシグレ)」
「シグレ、……サネユキとジョナサンがいる部屋を見つけ出すことは可能か?(冷静大巫女)」
「はい、大まかな目星はつけております。私についてきてください。(キリッとシグレ)」
「「「ラジャーー‼︎」」」
「すぴーすぴー、……あんころもちー。(マリア嬢)」
ーー五人は、『天霧』を後にした‼︎ーー
◇ ◇ ◇
ーーここは、サネユキの執務室の前。ーー
「パトリック殿下、この扉の向こうが、サネユキ様の執務室になります。(キリッとシグレ)」
「……サネユキって、結構な要職についてたんだね。」
「そうですね。……ほとんど毎日、陛下が溜めあげた書類を処理なされていらっしゃいました。」
「ふーーん、……お仕事で忙しいサネユキを誘ったのは、悪かったのかな。(安易にスピカに勧誘したことを若干後悔している殿下)」
「それは違いますよ、パトリック殿下。」
「…………?(きょとん殿下)」
「スピカに入る前のサネユキ様は、ずっと執務仕事ばかりで、それはまるで、機械のようなお方だったのです。」
「ーーーーっ‼︎」
「スピカに入られてから、サネユキ様は良い方に変わられました。……あんなにも、気持ちの良い笑顔をされるのは、奇跡なのですよ。そうですよね、ミクル様?」
「その通りだ。……パトリック、おぬしの前では、自然体だったからわからないかもしれんが、サネユキはかなり根暗で偏屈だ。そんでもって、閉鎖的なニホンに対して、謎の恨みをもっておる。……アヤツは、ニホンから出て正解なのだよ、パトリック。」
「……そういうものですかね?(内心安堵してる殿下)」
「そういうものだ。ほんと、手のかかる弟よ。」
「……。(隊長って、なんでも完璧ってイメージがあったけど、意外な一面もあるんだなー。 ほえーなノア)」
「パトリック殿下、……サネユキ様は、大体、宮殿に戻ると、この寝室付き執務室に引きこもります。とりあえず、入ってみましょう‼︎」
「うん、そうだね! シグレっち、よろしく。」
「はい、それでは、やってみます。」
コンココココン、コンコンコン。(ノック音)
「サネユキ様、……シグレです。パトリック殿下御一行様が、訪ねて来られましたが、お通ししてもよろしいでしょうか?」
「おお、シグレか! 勿論だ‼︎ 通してくれ‼︎」
「御意。……パトリック殿下、大丈夫みたいです。」
「よっしゃ! みんな、準備はいいね?」
「「「ラジャー‼︎(スピスピー‼︎)」」」
「シグレっち、お願いします‼︎」
「はい。……サネユキ様、失礼致します。(扉開けて)」
ーー執務室の扉を開けると、そこには……。ーー
「「「「ーーーーっ⁉︎(ええええええ⁉︎)」」」」
「パトリック、久しぶりだな‼︎ 会えて嬉しいぞ‼︎(ジョナサンを膝の上に乗せてソファに座ってるサネユキ)」
「……サネユキさまー、僕だけを見てくださいよー。(何故かメンヘラ化してる目が虚ろなジョナサン)」
ーーサネユキとジョナサン、……一体、どうした⁉︎ーー
ガゴガゴゴゴゴー、……シュトッーー‼︎
ーーあたたかい、不思議な橙色の炎とともに、パトリック殿下、マリア嬢、大巫女ミクル、ノアが降り立った‼︎ーー
「ここは……。(キョロキョロ辺りを見渡すノア)」
「ニホンの帝側の宮殿だ。(ドヤ大巫女)」
「へえー、ここが帝側の宮殿なんだ。(ほえーな殿下)」
「パトリック殿下も来るのは初めてなのですか?」
「うん。巫女の宮殿にはちょくちょく通ってたんだけどね。(マリア嬢をお姫様抱っこしながら玉座に向かう殿下)」
「帝様と巫女様は、完全に離れていらっしゃるのですね。(いろいろと複雑そうだなー。)」
「そうだな。基本的には、ニホンの政治を帝側が、古来から代々行われてきた神事を巫女側がやるようになっている。……これは、権力権威を一つの一族や場所に集中させると、横領や汚職が増えてしまうから、それを防ぐためという意味合いもあるのだぞ。(なんとも言えない複雑怪奇な表情の大巫女)」
「……なかなか大変そうですね。ニホンのイメージって、戦争がなくて平和で、ご飯が美味しくて安全、……あと、もふもふが可愛いってことが思い浮かぶのですが、ニホン帝国でも、いろんな事情で悩まれていらっしゃるんですね。」
「当たり前だ。人間世界で悩んでないヤツは一人もいない。各々、最低一つは、悩んだり、苦しんだり、怒ったり、悲しんだり、憎しみ、恨み、嫉妬、執着、欺瞞、……いろいろあるはずだ。それが大きくなると、自ずと国は簡単に傾く。我ら巫女側は、国が傾かない程度に、負のエネルギーを洗い清め、払うのが仕事なのだよ。」
「完全には払わないってことですか?(ほへーなノア)」
「左様。悩みがあってこその人生だからな。様々な感情を経験するチャンスを、巫女が取り上げては勿体無いだろう?」
「……そんなもんなのでしょうか?(意外ですね。)」
「そういうものよ。陰陽を司る正のエネルギーも負のエネルギーも、どちらも必要不可欠。この世にいらないものなんて、ないのだよ、フィックスド辺境伯‼︎(ドヤ大巫女)」
「……。(深い。深過ぎますよ、大巫女様‼︎ 納得ノア)」
「あらよっと‼︎(マリア嬢を帝の玉座に座らせる殿下)」
「「ーーーーっ⁉︎(ええええええ⁉︎)」」
「すぴすぴ、……いちごだいふくー。(幸せそうに寝入ってるマリア嬢)」
ーーマリア嬢は、帝の玉座でちょこんとお昼寝中だ‼︎ーー
「かーわーいーいー、マリアさまーー‼︎(マリア嬢を凝視しながら小躍りしてる殿下)」
「ちょ、で、殿下、やめましょう‼︎ ニホンの人たち怒っちゃいますよ‼︎ (すかさず殿下に駆け寄って、止めに入るノア)」
「いいんだ、ノア、……僕、覚悟出来てるから。(謎に酔いしれている殿下)」
「いや、今、そういうのはいいですから‼︎ 誰か来る前に、マリア様を回収しときましょう? ねっ?(焦り過ぎて汗だくノア)」
「でもさ、マリア様は、聖女様なんだよ? 聖女様には、玉座がテッパンでしょ? ……自分で言うのもなんだけどさ、公爵家のご令嬢様なのに、野外の天幕で半年以上過ごすって、かなり苦痛だったんじゃないかなって、今になって思うんだよね。あと、流れで柴犬の着ぐるみさん着せられたりとか、犬語喋りさせらりたりとか、……マリア様、苦労しすぎでしょ‼︎(不意に涙が込み上げてきた殿下)」
「……その全ての原因は、殿下にあると思うのですが。」
「……今、なんか言ったかな、ノア?(ブラック殿下)」
「……いえ、なんでもないです。(汗だくノア)」
シュワワワワ、……シュトッーー‼︎(紫色の風)
ーーと、そこへ、シグレが玉座付近に出現した‼︎ーー
「「ーーーーっ‼︎」」
「皆様、お早いですね……。(ほどよい疲労なシグレ)」
「シグレっち、お疲れさまー‼︎(歓迎殿下)」
「えっ、シグレさんって、魔法使えるんですか⁉︎」
「いえ、移動用の霊力を行使しました。」
「そうなんですね‼︎(尊敬の眼差しなノア)」
「…………えっ、……マリア様が玉座にいらっしゃるだと⁉︎(玉座を見てギョギョッと驚くシグレ)」
「うん、それはね、僕がやったものだから、マリア様は悪くないんだよ‼︎(テヘペロ殿下)」
「……玉座に座ること自体に、問題はないのですが、……あの玉座は、転送用の術式を練り込んでいますので、とある突起部分に触れると何処かに転送される可能性があるのですよ。(滝のような汗をかくシグレ)」
「…………。(無言でシュパパッとマリア嬢を回収してお姫様抱っこをする汗だく殿下)」
「……。(動揺してる殿下と爆睡マリア嬢を見てるノア)」
「流石、元お庭番のシグレだな。(ドヤっと大巫女)」
「もったいなきお言葉です、ミクル様。(照れシグレ)」
「……大巫女様、お庭番って何ですか?(きょとんノア)」
「うん? ああ、世間では、忍と呼ばれているものだよ、フィックスド辺境伯。」
「ーーーーっ‼︎ とととということは、シグレさんは、忍者なのですか⁉︎(目をキラキラさせてシグレに迫るノア)」
「も、元ですよ、元。今は、サネユキ様にお仕えしていますので。(顔を赤らめるシグレ)」
「俺、忍者のお話、すっごく大好きなんですよ‼︎ もしよかったら、今度、忍者のときのお話、聞かせてください‼︎(少年のような瞳のノア)」
「……はい、時間があるときに。(照れまくるシグレ)」
「帝宮殿に詳しいシグレっちがいたら、なんか安心感が違うね‼︎(動揺を誤魔化す殿下)」
「もったいなきお言葉です。(照れを超えてるシグレ)」
「シグレ、……サネユキとジョナサンがいる部屋を見つけ出すことは可能か?(冷静大巫女)」
「はい、大まかな目星はつけております。私についてきてください。(キリッとシグレ)」
「「「ラジャーー‼︎」」」
「すぴーすぴー、……あんころもちー。(マリア嬢)」
ーー五人は、『天霧』を後にした‼︎ーー
◇ ◇ ◇
ーーここは、サネユキの執務室の前。ーー
「パトリック殿下、この扉の向こうが、サネユキ様の執務室になります。(キリッとシグレ)」
「……サネユキって、結構な要職についてたんだね。」
「そうですね。……ほとんど毎日、陛下が溜めあげた書類を処理なされていらっしゃいました。」
「ふーーん、……お仕事で忙しいサネユキを誘ったのは、悪かったのかな。(安易にスピカに勧誘したことを若干後悔している殿下)」
「それは違いますよ、パトリック殿下。」
「…………?(きょとん殿下)」
「スピカに入る前のサネユキ様は、ずっと執務仕事ばかりで、それはまるで、機械のようなお方だったのです。」
「ーーーーっ‼︎」
「スピカに入られてから、サネユキ様は良い方に変わられました。……あんなにも、気持ちの良い笑顔をされるのは、奇跡なのですよ。そうですよね、ミクル様?」
「その通りだ。……パトリック、おぬしの前では、自然体だったからわからないかもしれんが、サネユキはかなり根暗で偏屈だ。そんでもって、閉鎖的なニホンに対して、謎の恨みをもっておる。……アヤツは、ニホンから出て正解なのだよ、パトリック。」
「……そういうものですかね?(内心安堵してる殿下)」
「そういうものだ。ほんと、手のかかる弟よ。」
「……。(隊長って、なんでも完璧ってイメージがあったけど、意外な一面もあるんだなー。 ほえーなノア)」
「パトリック殿下、……サネユキ様は、大体、宮殿に戻ると、この寝室付き執務室に引きこもります。とりあえず、入ってみましょう‼︎」
「うん、そうだね! シグレっち、よろしく。」
「はい、それでは、やってみます。」
コンココココン、コンコンコン。(ノック音)
「サネユキ様、……シグレです。パトリック殿下御一行様が、訪ねて来られましたが、お通ししてもよろしいでしょうか?」
「おお、シグレか! 勿論だ‼︎ 通してくれ‼︎」
「御意。……パトリック殿下、大丈夫みたいです。」
「よっしゃ! みんな、準備はいいね?」
「「「ラジャー‼︎(スピスピー‼︎)」」」
「シグレっち、お願いします‼︎」
「はい。……サネユキ様、失礼致します。(扉開けて)」
ーー執務室の扉を開けると、そこには……。ーー
「「「「ーーーーっ⁉︎(ええええええ⁉︎)」」」」
「パトリック、久しぶりだな‼︎ 会えて嬉しいぞ‼︎(ジョナサンを膝の上に乗せてソファに座ってるサネユキ)」
「……サネユキさまー、僕だけを見てくださいよー。(何故かメンヘラ化してる目が虚ろなジョナサン)」
ーーサネユキとジョナサン、……一体、どうした⁉︎ーー
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❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年12月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、番外編を追加投稿する際に、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
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