【モフモフは正義‼︎】親友に裏切られて国外追放された悪役令嬢は、聖女になって返り咲く

星 佑紀

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第伍譚

0051:お遊戯スピカトリオ‼︎

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 ーーここは、アデル国立大劇場のメインホール。ーー


『嗚呼ー、嗚呼ー、こんなにもー、愛おしいのーにー、ルークがー、見えなーいー⁉︎ ルークー、どこーー⁉︎ 一体、どこにー、いるーのー⁉︎(横にロバート殿下ルークが居るのに、何故か見えてない設定で歌い語るセラ嬢イレイザ)』

『ーー⁉︎ わたしがー、見えないのかー⁉︎ イレイザー、嗚呼ー、イレイザーー⁉︎(ガッツリセラ嬢イレイザを背後から抱きしめて、悲劇のヒロインばりに歌い語るロバート殿下ルーク)』

『こんなにもー、愛しているのにーー、私たちは、結ばれないーー。これがー、天のー運命さだめなのかーー‼︎ ……神なんてー、この世には、……いない。 私たちに手を差し伸べてくれるのはー、……サタン様。……私たちを見守ってくださるのはー、……サタン様だけーーえーーよーーー‼︎(迫真の演技? で信仰対象を吐露するセラ嬢イレイザ)』

『イレーイザー、イレイザー⁉︎ 待つんだ、イレイザー⁉︎ サタンに魂をー、売ってはならないーー‼︎(迫真の演技? で、セラ嬢イレイザを必死に止めるロバート殿下ルーク)』

『いまー、行くわー、ルークー。……二人だけーのー、世界のために。(ガクンと気絶してる風なセラ嬢イレイザ)』

『ーーっ⁉︎ いれいざー……? …………イレイザーーー⁉︎(泣き崩れたロバート殿下ルーク) ……そうだー、私もイレイザーを追ってー、サタン様の下へ行こうー。この世を暗黒にー、サタン様のー、命じるままーにー。……イレイザー、今、逝くよ。(何故か闇堕ちしたロバート殿下ルーク)』 


 ーーお芝居のクライマックスが近づいてきていた‼︎ーー


 ◇  ◇  ◇


 ーー一方、舞台袖では……。ーー

「……わんわわん。(なんだろう。あの二人セラ嬢とロバート殿下、生理的に受け付けないんだけど。 二人の迫真の演技を舞台袖から垣間見て、ドン引きなパトリック殿下)」

「もっふう。(よくわかりませんけど、雰囲気が凄いですわね‼︎ お芝居の内容なんて全然入ってこないマリア嬢)」

「クエエエ。(色々ヤバすぎて、言葉に表せません。……パトリック殿下、本当に、をやるおつもりですか? 舞台袖での情報集めに奔走して、げっそりやつれたノア)」

「……わふわふん?(……むしろ、アレ以外に良いアイデアがあるって言うの? ジト目パトリック殿下)」

「……クエエ。(……無いですよね。 トホホノア)」

「わんわわんわん?(それで、劇団関係者と接触はできた? どこからか白い紙を取り出す殿下)」

「クエエエ。(はい。……劇団関係者全員、を過剰接種させられてるみたいで、ロボット化していました。色々話しかけてみたのですが、意識が無いみたいで、受け応えは皆無です。 大汗ノア)」

「……わんわふふん。(……なるほどね。は、月の砂を魔法分解するスキルを持っているのか。……要注意だな。 舞台上の二人を凝視するパトリック殿下)」

「クエックエエエ。(それと、舞台上の女優さんが、魔法っぽい能力を使っているところを、一瞬、目撃しちゃいました。 大汗ノア)」

「……わんわわわん。(ほえほえほえー。……そういうことかー。 白い紙をサッとノアへ手渡すパトリック殿下)」

「ーーーーっ⁉︎(白い紙を見てびっくりノア)」

「わわんわんわん。(今回は、プランゼロでいくよ。 さりげなく準備運動を始めるパトリック殿下)」

「……くえええ。(らじゃー。 とても嫌そうなノア)」

「わんわわわわん。(マリア様、……僕たちが前座をつとめるから、合図を出したら出てきてほしい。勿論、フードは被ったままでね。 とても真剣な表情のパトリック殿下)」

「もっふう‼︎(ラジャー、ですわ‼︎ 敬礼マリア嬢)」

「わんわわわん。(よしっ、……ノア、準備はいいね?)」

「クエエエ。(いつでもどうぞ。 何かを諦めたノア)」

 ーーパト殿下とノアは、覚悟をキメて歩み出す‼︎ーー


 ◇  ◇  ◇


 ーー一方こちらは、舞台上の中央だが……。ーー

『『…………。(謎の沈黙なセラ嬢とロバート殿下)』』

 ーーと、そこへ、一匹の親ペンギンが降り立った‼︎ーー

「クックエエエ‼︎(正義の味方、登場だぜ‼︎ 顔を真っ赤にしながら、謎のポーズを取るノア)」

『『ーーーーっ⁉︎(なんだ、コイツ⁉︎)』』

 ーーちなみに観客席は、ポカーンとしているぞ‼︎ーー

「クエエエ、クックエエエ‼︎(君たち、結ばれたいんだよね? 大丈夫。この、パーフェクト親ペンギンさんが来たからには、安心だ‼︎ 大船に乗った気持ちでいてほしい‼︎ 謎のポーズを度々変えながら、ややナルシスト気味な出立ちで二人に語りかける親ペンギン着ぐるみさんノア)」

『……外野が出しゃばってんじゃないよ、この不細工野郎。(華奢で可憐な見た目とは裏腹に、ものすっごくドスの効いた声で、ノアに言い放つセラ嬢イレイザ)』

「ーーーーっ⁉︎ クックエエエ、クエエエ‼︎(こここれは、失礼したね! でも、聞いてほしい。君たち二人がずっと一緒にいられる方法があるんだ‼︎ 想定外のセラ嬢からの返しに、動揺を隠し切れないが、ギリギリ踏ん張って台詞を言い終えたノア)」

『クエクエうるせえんだよ、ペンギン風情が。(ノアに容赦ない、セラ嬢イレイザ)』

『私のイレイザに近寄るな、この生臭ペンギンめ‼︎(さっきまでの演技は何だったのかと思うほどに、素を出してくるロバート殿下ルーク)』

「クエエエーー‼︎(でんかー、俺、もう無理ですうー‼︎ ターゲットの二人から虐められて、多大なる精神的ダメージを受けたノア)」

「わんわわん‼︎(ノア、もういいよ‼︎ 舞台中央の天井から降り立ったパトリック殿下)」

 ーーと、いきなり天井から降って湧いてきたパトリック殿下の登場に、セラ嬢とロバート殿下は、驚愕する‼︎ーー

「わんわわわわん‼︎(そこのお二人さん。……君たちには申し訳ないけれど、ちょっと頼み事があるんだ。 目に見えないで、セラ嬢とロバート殿下を拘束し、瞬時に魔法転送をかけるパトリック殿下)」

 ーーと、セラ嬢とロバート殿下は消失した‼︎ーー


 シーーーーーーーン(観客席ポカーン)



「(柴犬さんフードを下ろして)ああー、サタンのしもべ達がー、サンタに連れ去られてしまったーー⁉︎(超棒読みなパトリック殿下)」

「(親ペンギンさんフードを下ろして)彼らを助けに行かなければ‼︎(下手観客席から見て左側へハケるノア)」

「……何故ー、サタンは、人の心に巣食うのだろうー。世界の悪魔、サタンさえ、……サタンさえ、いなければーー‼︎(棒読みのまま歌い出すパトリック殿下)」

「もふうっ?(トコトコ下手しもてから出てきたマリア嬢)」

「ーーーーっ⁉︎ きききみは、一体⁉︎(オーバーリアクションなパトリック殿下)」

「もっふもっふう‼︎(今から鬼ヶ島にアンパンを買いに行く、とある犬ですわよ! 台詞を覚えてないから適当に言ってるマリア嬢)」

「なにっ⁉︎ ぼぼぼくと、結婚したいだって⁉︎(マリア嬢のアドリブをガン無視して、自分が書いたシナリオで強引に進もうとするパトリック殿下)」

「もっふもももっふう‼︎(鬼ヶ島のアンパンは、美味しすぎてほっぺたが落ちるみたいなのです‼︎ パトリック殿下の台詞に一切合わせようとしない、フリーダムマリア嬢)」

「そうか、……これが、運命なのだな。(謎の酔いしれた表情で、マリア嬢を抱きしめるパトリック殿下)」

「……もふう。(そう。アンパンこそ、運命なのですわ。 何故かパトリック殿下に感化されて謎の酔いしれた表情をするマリア嬢)」

「あーいー、それはー、うんめいーー。(マリア嬢を見つめながら何故か歌い出すパトリック殿下)」

「もふーもふうー。(あーんーぱーんー、ラーブー。 パトリック殿下の歌に合わせていくマリア嬢)」

「あーいー、あたえあいー、いつくしむー。(微妙に歌が上手いパトリック殿下)」

「もふーもふーふふふーん。(パンの一次発酵ー、二次発酵ー。 微妙に歌詞が、これじゃない感なマリア嬢)」

「あいしーあいー、あゆみーよるー、想い人よー、…………千代に八千代にー、……幸あらんことをー。(とても真剣なパトリック殿下)」

「もふふもふうー。(幸、あらんことを。 パトリック殿下に合わせるマリア嬢)」


 シーーーーーーーン(観客席)


「……。(いや、まあそうだよね。こんな付け焼き刃なお芝居じゃ、みんな、ぽかーんだよ。 舞台袖から殿下達を見守ってるノア)」


 ……ぱち、……ぱち、ぱち、……ぱちぱちぱち‼︎


 ーーと、劇場内で溢れんばかりの拍手が鳴り響く‼︎ーー


「ーーっ⁉︎(えっ? なななんでなの⁉︎ 驚愕ノア)」


 よかったぞーー‼︎(観客席のとある野次馬)

 二人とも、お幸せにー‼︎(観客席のとある声援)

 泣けちまったじゃねえか、チクショー‼︎(野次馬)


 ーー劇場内は何故か祝福モード一色になった‼︎ーー


「「……。(ドヤ顔なパト殿下とマリア嬢)」」

「……。(うん、お客さんが喜んでるなら、もういいや。 考えることをやめたノア)」

「(小声で)マリア様、やりましたね。(微笑み)」

「もっふもっふうー‼︎(私たちにかかれば、チョチョイのチョイですわよ‼︎ 上機嫌マリア嬢)」


 ーーそう、これで終われば良い幕引きとなっていた。ーー


 ◇  ◇  ◇


 ーーここは月国の宮殿にある、『鏡の間』。ーー

 ーーそこで、とある二人が、大鏡に映し出されたパトリック殿下とマリア嬢のお芝居を、眺めているではないか⁉︎ーー

『……クックック、刺激が足らんな。(謎の男)』

『……では、新しいアレを試してみますか?(謎の男に付き従う、月国の王)』

『やってくれ。……楽しみだなー。(ニヤニヤ)』

『……。(とある赤ボタンを押す月国の王)』

『クックック、全員死ぬか、はたまた……?』

『……否か。(無表情の月国の王)』

 ーー謎の男は、不敵に笑った。ーー


 ◇  ◇  ◇


 ーーところ戻って、パトリック殿下達は……。ーー

「ーーーーっ⁉︎(なんだ、この嫌な予感は⁉︎ 異変に気づくパトリック殿下)」

「もふっ?(パトリック様? 強ばる表情のパトリック殿下を心配するマリア嬢)」


 ーーと、舞台上へ真っ白の粉月の砂が噴き出してきた⁉︎ーー


「「「ーーーーっ⁉︎(驚愕スピカトリオ)」」」


 ーー果たして三人は、この至難をどう切り抜ける⁉︎ーー
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